第24回研究部会(講演とディスカッション)

講演

題目:「雪印乳業におけるSCMの運用と課題」
講師:松本卓夫(雪印乳業株式会社 生産部 担当部長),大石眞樹(雪印乳業株式会社 生産部)

討論

部会会員
コメンテーター:藤野直明(株式会社 野村総合研究所 イノベーション事業部SCMコンサルティング室長)

日時:11月10日(土)14:00〜17:00
場所:多摩大学ルネッサンス・センター(品川サテライトキャンパス)品川インターシティA棟27階 Room C

講演要旨:
 雪印乳業におけるSCMシステムの開発導入は2期に分けて実施され、現在もブラッシュアップを継続している。第1期は本州工場生産品のプロセスチーズ、マーガリン類を対象製品群として、本州4工場の生産計画と全国での販売計画管理に対して構築した。2002年より行ったコンサルティング会社による現状分析の効果試算でシステム開発の有効性が認められたため、同年下期よりシステム開発に着手し、2003年下期よりSCMモデルの業務変更とシステムの稼動を開始した。第2期は、取り組み範囲を北海道生産品のバター、ナチュラルチーズ、原料乳製品に拡大し、2005年下期より稼動している。
 第1期の効果は、稼動年度から現れ、運用する在庫の低減から在庫の回転が速くなり、日遅れ品の発生抑制による棚卸減耗費の減少、処分費用の削減が大きな効果として実現した。製品在庫量は20日程度から5日程度にまで落とすことが可能となり、生産能力に応じた在庫設定が実施されている。さらに、システムによる欠品検知の精度向上による欠品抑制の効果もでている。
 現在、乳業界においてWTOに対応した構造改革が求められている。雪印乳業としても競争力強化のために、より高い次元を目指して業務の改革をすすめなければならない。SCMの第2期開発は需要変動があっても制限をすることのできない原料乳の受払の問題を勘案しながら生産、物流の改革をすすめていかなければならないと考え、対象商品を拡大し、北海道6工場をカバーするとともに、原料乳配分や需給シミュレーションまでを取り組み範囲としている。
 本講演では、雪印乳業におけるSCM業務改革の全体概要と、稼動後の運用状況や課題について発表する。

(1)1期開発と2期開発の概要
・取り組みの範囲
・SCM改革の背景

(2)SCM1期業務改革とシステム開発
・施策および業務改革の詳細(短サイクルローリング)
・需要予測(アナリストレポート)、販売計画、生産計画、物流ネットワーク

(3) SCM2期業務改革とシステム開発
・原料乳配分計画、年間予算策定、年間シミュレーション
・新商品販売解析、在庫設定

<事務局から>


 今回の内容に関連する資料が2通りありますのでご案内差し上げます。
1)”雪印乳業 SCMの運用と課題", OR学会企業事例交流会資料  http://www.orsj.or.jp/activity/exchange.htm
2)”改革の軌跡 - あのプロジェクトの舞台裏”, 日経情報ストラテジー2007年7月号  http://ec.nikkeibp.co.jp/item/backno/IS0183.html

 研究部会30名、二次会15名にて実施しました。