第17回研究部会

題目:なぜ営業と生産は統合できないのか ー 企業内バリューチェーンの貢献価値論 ー
講師:佐藤知一 (日揮株式会社 ビジネスソリューション事業部 担当部長

日時:1月19日(金)18:00〜20:00
場所:株式会社 富士通総研 5階の大会議室

講演要旨:
 電子部品業界や食品業界などでVMIセンター(VMI = Vendor Managed Inventory)の開設が最近続いており、新しいSCMのキーワードとして注目されつつある。だがその内実を詳しく見ると、企業間の壁をまたいだ協業関係の構築や、供給計画の一元化をめざした本来の理想に近づいているとは、必ずしもいえない状況であるようだ。
 SCMの最大の課題は、需要と供給の同期化、いいかえるならば「営業」と「生産」の統合計画である。しかし、一つの会社の中でさえ、両者の統合はうまくいっていない。その理由は、企業のバリューチェーン内の各業務が貢献する「価値」が客観的に計られておらず、社内政治的な力関係で動かされていることにある。
 本講演では、プロジェクトマネジメントに関連して開発した「貢献価値の理論」をバリューチェーンの分析に適用して、真の貢献度を求める方法を考えるとともに、計画の一元化がもたらすべき効果について、数字を元に考察する。

<事務局から>
 佐藤様から、追加説明をいただきましたので掲載します。

 先日の会で、営業の成功確率が90%と20%の二人いるとしたら、下手な方が価値が高くなるのは納得できない、とのご質問がありました。個人レベルでの評価ではなくプロセスの価値を計る理論です、とお答えしたのですが、説明不足だったのでここに追記します。
 もし販売チャネルが2種類あって、失敗確率が格段にちがう場合、下手なチャネルをつかうという「プラン」自体の価値が小さくなります。したがって、二者択一なら、こちらを選ぶ理由はないことになります。もしあえて選んだら、たしかにその場合は販売の貢献価値は相対的に大きくなりますが。
 これでご理解いただけるでしょうか?

 講師略歴をいただきましたので、あわせて掲載致します。

佐藤 知一(さとう・ともいち)、Mail: sato.tomoichi@jgc.co.jp 、システム・アナリスト。日揮(株)勤務。

 国内外の製造業の情報化にかかわるシステム分析と、プロジェクト・マネジメントに従事。生産計画・スケジューリングをはじめSCM・MES等の守備範囲で活動中。また、最近では「リスク確率に基づいた新しいプロジェクト評価手法」の開発に取り組んでいる。

 中小企業診断士、情報処理プロジェクト・マネージャ、SAP認定コンサルタント、日本経営工学会「経営システム」編集委員、「ものづくりAPS推進機構」理事(NPO法人認可申請中)

著書
  • 「時間管理術」(日経文庫、2006年刊)
  • 「革新的生産スケジューリング入門」 (日本能率協会マネジメントセンター、2000年刊)
  • 「BOM/部品表入門」(山崎誠氏と共著、日本能率協会マネジメントセンター、2005年刊)
  • 「MES入門」 (共著、工業調査会、2000年刊)  他
ホームページ http://www2.odn.ne.jp/scheduling/

 ご講演資料は、講師からの要請があり講演終了後本HPからは削除しておりますので、ご了解願います。
 本日の参加は、研究部会46名、二次会20名でした。SCMに必要なことが二つあってその両方がカタカナで表現されることをご指摘いただきました。「リスク」と「コミットメント」の日本語訳はなかなか難しいですね。「risk」と「danger」のどちらも「危険」と訳してしまうと、意味が失われるので困ったことがあります。「commitment」も同じ問題を含んでいますね。  幹事