ホーム>>前置詞の格支配
ステップ9:前置詞の格支配


<重要な前置詞>

前置詞 意味 英語
2格支配 wegen 〜のために、〜なので because of
3格支配 von 〜から、〜の from, of
nach 〜の方へ、〜のあとで  to, after
zu 〜の方へ to
mit 〜と一緒に、〜を使って with
4格支配 ohne 〜なしに without
fuer 〜のために for


<3・4格支配の前置詞>

前置詞    英語 3格支配 4格支配
場所・位置を表す時
(どこ(で)?)
方向を表す時
(どこ?)
auf on, upon 〜の上 〜の上
in in, into 〜の中 〜の中
unter under 〜の下 〜の下
vor in front of 〜の前 〜の前
hinter behind 〜の後ろ 〜の後ろ




 では、「動詞の格支配」をお話したので、次に「前置詞の格支配」についてお話したいと思います。そもそも「格支配」とはある語が特定の格と結びつくことでしたよね。覚えていますか??「動詞の格支配」とはそれぞれの動詞が、それぞれ決まった格の目的語と結びつくことでした。まあほとんどの目的語は日本語の「〜を」にあたる、4格と結びつくことはお話したと思います。
このステップでお話する「前置詞の格支配」についても同じことがいえます。つまり「前置詞の格支配」とはそれぞれの前置詞がそれぞれ決まった格と結びつくということです。上の表にまとめてあるように、「前置詞+2格」の形をとる前置詞から、「前置詞+3格」、「前置詞+4格」、「前置詞+3格もしくは4格」の4種類のパターンがあります。これはどの前置詞にどの格がくるというのを覚えなければなりません。
 そこで前置詞といってもたくさんあるので、ここではすごく基本になる12種類の前置詞に登場してもらいました。この「前置詞+〜格」というのをしっかり頭にいれてくださいね。では上から順番にそれぞれの前置詞についてお話したいと思います。
まずは、「wegen」ですが、「〜のために、〜のゆえに」という「理由・原因」をあらわし英語のbecause ofにあたります。これは「前置詞wegen + 2格」なので2格支配の前置詞になります。2格の前置詞は、数が少ないうえに使われる頻度も低いので、ここではwegen一つをあげておきました。例文については、下の表をみてくださいね。
次に「前置詞+3格」の前置詞についてお話します。3格支配が一般的です。だから数も多いんです。まずは「von」についてです。vonは「〜から、〜の」の意味で、英語のfrom, ofにあたります。「nach」は「〜の方へ、〜のあとで」の意味で、英語のto, afterにあたります。これと同様に英語のtoにあたる「zu」があります。これも「〜の方へ」という感じで、nachと似ていますね。この2つは似ているので、表では水色で書いておきました。しかしもちろん使い方が違いますので、しっかり説明したいと思います。
 「nach」のあとには地名がきます。下の例文のように「Berlin」は地名で、定冠詞や冠詞がない無冠詞の名詞ですね。だからnachが使われています。「zu」は「zu + 3格」で表し、「ある人のところへ」や「ある場所・建物へ」を表す時に使われます。またあとでお話する英語のinにあたる「in」(ドイツ語でも同じですね・・・)も「in + 4格」で「ある場所・建物へ」を表しますので頭にいれておいてください。下の例文の「zu mir」は「私のところへ」を表しています。すぐ下の文章は熟語なので、そのまま頭に入れておいてください。

Ich gehe nach Hause. 私は帰宅します。
Ich bin zu Hause. 私は在宅します。

 3格支配の最後「mit」ですが、これは英語のwithで「〜と一緒に(協同・同伴)、〜を使って(手段・道具)」をあらわします。
そして次は「前置詞+4格」についてお話したいと思います。この講座では2つの重要な4格支配の前置詞をのせておきました。まずは「ohne」ですが、意味は「〜なしに」で英語のwithoutになります。これは「mit」と反対の意味になりますね。4格支配の前置詞の最後として、「fuer」についてお話します。fuerは英語のforで「〜のために」を意味します。

前置詞 例文 日本語訳
wegen Wegen des schlechten Wetter bleibe ich zu Hause. 天気が悪いので、私は家にとどまる。
vonj Der Zug kommt von Berlin. この列車はベルリンから来る。
Sie ist eine Freundin von mir. 彼女は私(女)友達だ。
nachj Der Zug faehrt nach Berlin.  faehrt<fahren この列車はベルリン行く。
Er kommt immer nach mir. 彼はいつも私のあとに来る。
zu Sie kommt zu mir. 彼女は私のところ来る。
mitj Er kommt immer mit ihr. 彼はいつも彼女来る。
Ich fahre mit dem Auto nach Hause. 私は車うちへ帰る。
ohne Ich fahre ohne des Auto nach Hause. 私は車なしでうちへ帰る。
fuer Der Brief ist fuer dich. この手紙は君宛てだ(君のためだ)。


 これまでの前置詞は「前置詞+〜格」とwegenには2格、zuには3格とそれぞれしっかりと支配する格が決まっていましたが、これからお話する前置詞については2つの可能性があります。つまり、「前置詞+3格もしくは4格」という形になるということです。前置詞が3格をとる時と、4格をとる時とでは意味が変わります。これについても、本来重要な前置詞として9つありますが、この講座ではその中でも重要な、「上・中・下・前・後」をあらわす5つの前置詞についてお話したいと思います。
まずこの2つの格支配をとる前置詞は、さきほどもお話しましたが、必ず「前置詞+3格もしくは4格」の形になります。「じゃあどういう時に4格支配で、どういう時に3格支配になるの?」という感じですよね。それについては上の表に書きました。つまり「前置詞+3格」の場合、動作の行われる場所・位置を示します。また「前置詞+4格」の場合は動作の方向を示します。これはどういうことでしょうか?下に例文で確認していきましょうね。


Mutter ist in der Kueche. 母さんは台所いる。 →3格:「場所・位置」をあらわす
Mutter geht in die Kueche. 母さんは台所入っていく。 →4格:「方向」をあらわす


 どうですか、わかりましたか?上の例文で、「母さんは台所にいる」という文章は、すでに母さんは台所という「場所」にいて、人や物の移動がないですね。だから「母さん」がいる「場所・位置=台所」を示すために「前置詞+3格」を使います。もう一つの例文「母さんは台所へ入っていく」ですが、これは初めから母さんが台所にいたわけではなく、「台所の外から台所という「場所」に入る」ことを示しています。だから「ある点(ここでは台所の外)→ある点(台所)」という移動があり、「→」で示したように、「動作の方向」を示しています。だからこういう場合「前置詞+4格」という形を使います。少しややこしいでしょうか?簡単にいうと、「動き」があるときは「前置詞+4格」を使い、「動き」がない場合は「前置詞+3格」を使うということで、この「動き(移動)」に注目して考えるようにしましょう。そうすればわかりやすいと思います。
 では、「前置詞+3格もしくは4格」の前置詞についても、一つ一つお話していきましょうか。まず「上」にあたる「auf」についてですが、英語のup, uponにあたります。だから「何かの上に(で)」(場所・位置)や「何かの上へ」(方向)を表す時、「前置詞+3格もしくは4格」を使って表します。下に例文をのせておきましたので、見ておいてくださいね。さきほどもお話したように、「動き」に注目すると、3格をとるaufの例文「手紙はテーブルの上に置いてある。」というのは、もうすでに「手紙がテーブルの上に置いてある」という状態を示し、「動き、移動」がないのに対し、4格をとっている例文「私は手紙をテーブルの上へ置く。」というのは、「私」の行動として、「手紙」を「テーブルの上へ置く」という行動をしているということで、その行動に「動き(移動)」があります。auf以外の前置詞についてもそのように考えていきましょう。
 次の「in」は英語のin, intoにあたり、「何かの中に(で)」(場所・位置)や「何かの中へ」(方向)を表します。これはすでに上でもお話したように、「母さんが台所にいる」という状態なのか、それとも「母さんが台所に入る」という行動を起こしているのかに注目して考えましょうね。次の「unter」は英語のunderにあたり、「何かの下に(で)」(場所・位置)や「何かの下へ」(方向)を意味します。次の「vor」は英語のin front ofにあたり「何かの前に(で)」や「何かの前へ」を意味します。例文で示した「stehen」は英語のstandにあたり、「立っている」、ここでは、車なので「とまっている」という感じでしょうか、とにかく状態を示し、「動き」がありませんので、「前置詞+3格」が使われています。それに対し、「前置詞+4格」の例文は、「fahren」が使われおり、「車は(どこかから来て)家の前に停まる」という「動き」がありますね。だから「前置詞+4格」という形になっています。vorの反対の意味を持つ「hinter」についても同様の例文をのせておきました。意味は英語のbehindで「何かの後ろに(で)」(場所・位置)や「何かの後ろへ」(方向)を意味します。 

前置詞 j 例文 日本語訳
auf 3格 Der Brief liegt auf dem Tisch. <liegen 「置いてある」という自動詞 手紙はテーブルの上に置いてある。
4格 Ich lege den Brief auf den Tisch.<legen「〜を〜に置く」という他動詞 私は手紙をテーブルの上へ置く。
in 3格 Mutter ist in der Kueche. 母さんは台所(のいる。
4格 Mutter geht in die Kueche 母さんは台所(の入っていく。
unter 3格 Der Brief liegt unter dem Tisch. 手紙はテーブルの下に(置いて)ある。
4格 Ich lege den Brief unter den Tisch. 私は手紙をテーブルの下へ置く。
vor 3格 Das Auto steht vor dem Haus.<stehen「立っている」という自動詞 車は家の前にとまっている。
4格 Das Auto faehrt vor das Haus. 車は家の前へ停まる。
hinter 3格 Das Auto steht hinter dem Haus. 車は家の後ろにとまっている
4格 Das Auto faehrt hinter das Haus. 車は家の後ろへ停まる。


前へ<<戻る>>次へ