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ステップ8:動詞の格支配


 「名詞の格変化」、「不定冠詞類」、「人称代名詞の格変化」、「形容詞の格変化」についてお話しました。名詞や形容詞において、それぞれ「格変化」が重要になっていました。ドイツ語では、定動詞第2位の原則(「最重要動詞の現在人称変化」参照) が基本になるだけで、英語と違い語順の強制が緩やかなので、それを補うために、名詞などに「格」をつけ、これを4つ(1格から4格)に分けました。これが「格変化」でしたね。
ここでは「格変化」ではなく、「格支配」についてお話したいと思います。格支配とはある語が、特定の格と結びつくことをいいます。ここでは「動詞の格支配」についてなので、動詞の格支配について簡単にお話します。動詞の格支配とは、ある動詞が、特定の格と結びつくことをいいます。どういうことかというと、例えば、次のような例文があったとします。

Ich habe (   ) Auto. 私は一台の車持っている。

 では上の( )にはどの不定冠詞が入るでしょう。これは動詞「haben」+名詞「Auto」という形で、このとき、動詞「haben」は何格の名詞「Auto」につける不定冠詞を必要とするか考えなければなりません。「Auto」は中性名詞なので、「ein, eines, einem, ein」のどれかが入ることがわかると思います。これは「名詞の格変化」でお話しましたね。でもこの4つのうちのどれを入れれば良いのでしょうか?では次に日本語訳を見てください。日本語訳は「私は一台の車を持っている。」と「〜を+動詞」になっていますね。「そうか、じゃあドイツ語でも日本語と同じ「〜を」にあたる4格の「ein」を入れればいいんだ!」ということで、中性名詞4格の不定冠詞「ein」をいれ、「Ich habe ein Auto.」と書きました。これは正解ですかね?
はい、これは正解です。というのも「habe」は日本語と同じ「〜を」にあたる4格の名詞と結びつくという決まりがあるからです。これが「動詞の格支配」というものです。動詞が何格と結びつくかが問題になります。
幸いにも例文のように、動詞の格支配は日本語の「が・の・に・を」にあてはまる場合が非常に多いのです。だから例文のように「車( )持っている」という場合、( )に「を」を補えばいいとわかるので、「車を持っている→ドイツ語では4格」というのがわかると思います。 
しかし、この日本語の「が・の・に・を」に必ずしもあてはまるわけではないというのも頭に入れておいてください。ここで、こういうこともあるんだぞという事で、一つだけ例文を付け足しておきますね。

Ich helfe (   ). 私は君助ける。


 この例文について考えてみましょう。日本語訳では「私は君を助ける」となっています。だからドイツ語でも「〜を」にあたる4格がくると考え、「du, dein, dir, dich」の4格「dich」を補って、「Ich helfe dich」と書いたら間違いです。なぜならこの動詞「helfen」は目的語に、4格ではなく3格を要求する「格支配」をするからです。だから答えは「Ich helfe dir.」となるのです。
このように、必ずしも日本語の「が・の・に・を」にあてはまるとは限りません。その場合は覚えるしかありませんが、、さきほども言ったように、ほとんどの動詞の格支配は「が・の・に・を」にあてはめて考えられるので心配しないでください。


格支配・・・ ある語が特定の格と結びつくこと。動詞の格支配の場合、動詞によって目的語に置かれる名詞などの格が決まっている。たいてい日本語の「が・の・に・を」に合わせて、動詞の後ろに置く名詞などの格を決めることができる。
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