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詰め将棋を作ろう!

第1回   講座編

A.Ferel

 この文章を読んでいる皆さんは、多かれ少なかれ将棋を指した事があると思います。その際、どうやって手を決めているでしょうか…
 指す手を決める時は、自分の手になじんでいたり、すぐに思い出せる知識…手筋、定跡、又は格言…を最初に活用するのではないでしょうか。特に終盤で指し手を決める時は…詰め将棋を解く時も同様に…相手玉を詰ませてしまえば良いので、他の…自分にとって意外な…手(順)を読むのは二の次になると思います(詰め将棋が解けない時は、最悪、解答を見て未知の手筋を覚える手法も有効ですし)。
 しかし、詰め将棋を作成する段になると、詰め将棋を解く時、又は終盤の読み筋とは違って、全ての変化を”正確に”、かつ”最後まで”読み切る必要があります。最大限注意したにもかかわらず、もし読み抜けがあったら、不詰め…場合によっては余詰め…が発生します。もし対局時に終盤で読み抜けがあったら、逆転する可能性がより増すのではないでしょうか(おいら自身、相手の方が終盤読み間違えたおかげで勝ち星をかなり拾っています)。そんなミスは誰もが避けたいですよね?

 確かに(初心者がいきなり詰め将棋を作ると言うのは)敷居が高いと思います。慣れない内は仕掛けが大がかりな作品を中心に作成に時間がかかるでしょう。しかし、お互いの実力が拮抗するほど最後のミスが勝敗に直結するのではないでしょうか。ですから、読み抜けを防止する為に詰め将棋を創作しませんか?

 でも…今まで創作した事の無いあなたは…「どう言う手順で作れば良いのか分からない」、又は「何の情報も無い中で試行錯誤を重ねて作るのは効率が悪すぎる」とおっしゃると思います。そんなあなたが、高々3作品とは言え(失敗作を含めても10程度)おいらの作成手順を参考にすれば、より簡単に詰め将棋創作に携われるのではないでしょうか。と言う訳でぜひ参考になさって下さい。
 念のため。これから説明する手順はおいら独自のものなので、無駄な部分があるかもしれません。聞くと月刊近代将棋にて講座があったらしいので、興味のある方は何らかの方法で読んでいただければ幸いです(おいらはこれから図書館で借りて読む予定です)。

 準備は良いですか?では始めましょう。

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 おいらは大まかに分類すると3段階に分けて詰め将棋を作成しています。配置図作成即詰みの作成、そして余詰めの排除です。その他気を付けた方が良い事も含めて少し説明します。

§0:作る心構えを普段から持つ。

○誰の対局でも良いので、(既に終了した対局の棋譜を使っても良いかと)即詰みがあるかを検討する。一部の将棋対局ソフトでは詰み手順を指摘してくれるので参考にして下さい。
○自分の寄せのスタイルを意識する。考えてみて下さい。実戦の終盤で即詰みが複数ある場合には、人によって詰み手順がある程度分かれるのではないでしょうか。自分の読み筋と他人のそれとを比較して、自分が、玉方の駒を少なくして寄せる精算系列、又は玉方の駒の働きを鈍くして寄せる技術系列、のどちらに属するのかはっきりさせましょう(両方の系列をそつなくこなす人も居るでしょう)。
  なぜでしょうか。自分が使いこなしていない(系統の)手筋を使って詰め将棋を作ったら、読み抜けが多いのではないでしょうか。ですから、最初は使い慣れた手筋を使って、成功体験を重ねる方が重要だと思います。又、例え読み抜けがあったとしても、それは少なくて済むと思います。
○普段から他人の寄せの手筋を盗む意識を持つ。他人の指し手を通して未知の手筋を覚えれば、終盤相手玉を寄せる方法が増えるのでより勝ちやすくなります。又、詰め将棋作成の際には手筋をより多く組み込んで、より完成度の高い作品ができるでしょう。しかし、(前述の通り)自分が属する系列が原因で、自分とは相性の悪い手筋があってもおかしくありません。ですから、楽に覚えられそうな他人の寄せ手筋や詰め手順から何らかの方法で覚えてはいかがでしょうか。

§1:仮の作品を用意する。

1−1.駒の配置を決定する。実際に現れた玉形を参考に詰みが有りそうな形を探すか、又は自分で創作します。最初は端を絡ませる方が良い でしょう。もし端を絡ませれば、自分の駒の利きを気にする事無く相手玉の逃げ道を自動的に限定できるからです。事実、おいらが作った作品は全て端や(1一などの)隅が関係しています。もっとも、上手い人は端が絡むにしても入玉形を採用する工夫をしていますが。

1−2.必要に応じて持ち駒を用意する。”持ち駒無しで始める”流儀、”ある程度持ち駒を用意する”流儀、そして”使っていない駒を全て持ち駒にする”流儀に分かれます。おいらは知っている手筋を詰め将棋に組み込むタイプなので2番目です。しかし、作りやすいのは圧倒的に3番目です。仮とは言え、一度駒の配置が決まれば、持ち駒を徐々に減らすだけなのですから。

§2:仮の即詰み(”仮詰め”と定義)を作る。

即詰みを用意するのが当面の目的ですから、まず”今の持ち駒で即詰みがあるか”を最初に考えます。棋譜管理ソフトkifu for winでも一応作成できますが、将棋盤と駒があった方が持ち駒を簡単に変えられる分やりやすいです。

 具体的な手法としては…
a:攻め方の持ち駒を変える。これには単なる数の増減も含みます。
b:玉方の駒を増やす。ここで考える必要があるのは玉の退路を塞ぐ壁や(壁の1枚版である)柱の類です。代表例は桂馬や歩です。
c:配置した駒を変える。
の3手法を適宜組み合わせます。

§3:仮詰めが出来たら、”余詰めがないか”を次に考える。

主に攻め方の駒を仮詰めとは違う順、又は場所で使って余詰めを探します。もし変化筋で余詰めが発生したら、対抗策を講じます。具体的手法は§2で示した通りです。ただし、手法は同じでもその目的が違うので、手法bで用いる駒は”と金”などに変わります。

§4:§2と3を必要に応じて繰り返す。

おいらは持ち駒を必要に応じて追加するタイプなので、仮詰め完成までに駒の配置の部分修正や駒の部分追加がかなり入ります。

§5:完成。

実際には読み抜けの可能性があるので数日空けてから自分で再検討するか、又は他人に見てもらってはいかがでしょう。

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 さて、実際には何手詰めから作るのが良いのでしょうか。認知心理学では(人間が一度に認知できる情報量である)マジックナンバーは7±2とあるので、慣れない内は5手詰めから始めるのが無難かと。11級タブの方々なら3手詰めから。駒余りを気にしないで済む実戦詰め将棋から始めても良いでしょう。慣れてきたら一定の手順を一つの情報として抽象化できるので、もう少し長い手数の作品が作れるように成るでしょう。

 手数だけにこだわって良いのでしょうか。どうせなら”これは上手い”と言う妙手を入れたいものですよね?だからと言って、月刊近代将棋内、秋の詰め将棋欄に採用されている、妙手のオンパレードと言うのがふさわしい作品がすぐに作れるでしょうか。おいらは実体験から、いきなり実現するのは難しいと思います。ですから、おいら同様、5ないし7手毎に妙手を1手入れる事を当面の目標として設定してはいかがでしょうか。どこかの誰かさんではありませんが「小さな事からこつこつと。」と行きましょう。

 今後の発展内容として。英語では”think backward(「逆向きに…ゴール地点からスタート地点に向かって…考える」の意)”と言う概念があります。私たちは扱いに慣れていませんが、この思考を詰め将棋作成に応用すると”詰め上がり図を想像してそれに必要な駒を用意するか、又は手筋を組み込む”(とんでもない?)作成方法になります。たまにはそう言う作り方に挑戦してみるのも良いかもしれませんね。

 最後に。ある程度腕が上がると、作った時には知らなかった手筋との意外な組み合わせが見つかります。その結果、駒の配置を変えてより難解な(面倒な?)作品を創作できるでしょう。そうやって、お互い腕を磨きあって終盤間違えない様にしたいものですね。