友好関係





ここはある女の家である。しかし、それは家というにはあまりに粗末な

物だった。崩れかけた屋根、腐っている床。水も電気も通っていない。

一言で言えば貧乏。まさに絵に描いたような貧乏なのだ。

使えそうな物と言えば小さな机だけ。その机をはさむようにして男と女は

座っている。そして机の上には一千万円が。

「このお金は私の財産の全てです。出来る事なら半分だけでも返済を待って頂けないでしょうか。」

「失礼ですが、私の会社もこのお金がないと潰れてしまいます。このお金は持って帰らなければ!」


この様子をジッと窓から見ている物がいる。私だ。地球では私のようなものを

「宇宙人」と呼ぶらしい。地球と友好関係になるためにやってきたのだが、

私の顔を見るなりみんな逃げてしまう。とりあえず何か地球人のためになる事を

やって、私が敵ではないことをしめそうと思う。私が知っている事といえば

地球人は「金」が好きという事。どうやらあの机の上の物体が金らしい。

どうやらそれがないと困るようなのだ。とりあえず時間を止めて、「金」と言う

物を取って来る。そして船の中にある機械に通して.....。これはただの紙きれじゃないか。

こんな物ならいくらでも作れる。あの机に置いてあった金の量と同じだけ作って

机の上に置く。人間の反応を見るのだ。時間を元に戻す。

「何だこれは、二千万あるじゃないか!」

「きっと神様が助けてくださったのね!」

二人は踊るようにして喜んでいる。人間とはこれだけの事で喜ぶのか。

じゃあ今日はこの「金」を地球全体にばらまこう。


金を作っては空から投げる事一時間。日本から電波を受信した。

「この化け物め!日本を潰す気か。はやく止めないと全力でお前を撃ち落とす!」






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