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ピンホールカメラ6

汎用ピンホールカメラ(小)

様々な実験に使えるカメラ

図面と製作の実際撮影例


1.概要

 針穴写真2〜4と針穴写真8/ステレオ写真13で使用した汎用ピンホールカメラの製作について説明する。このカメラはピンホールやフィルムホルダーを変えて様々な実験に使うように設計されたもので、下に単一のピンホールを使う形態でのカメラの外観を示す。

 

写真10−1  製作した汎用ピンホールカメラ(単一ピンホール使用の形態)

 写真10−2左のように側板を外すと、ピンホールのある前蓋とフィルムホルダーが外せる状態になり、これらを取り除くと同右のように本体の骨格が残る。

側板をはずす 前蓋とフィルムホルダーをはずす
写真10−2 側板、前蓋とフィルムホルダーを外した状態

 フィルムホルダーは写真10−3のように分解できる。下右の状態まで分解してからフィルム押さえと印画紙を入れ、他の部品を右側面からはめ込む。蓋はシャッターとしても利用する。

フィルムホルダー外観
蓋を外した状態 フィルム押さえ他全て外した状態
写真10−3 カビネサイズ用フィルムホルダーの外観と分解写真

 単一ピンホールの前蓋を写真10−4に示すが、ピンホールはパネルの裏から貼り付けてある。


写真10−4 単一のピンホールを持つ前蓋の表(左)と裏(右)

 さらに二つ及び四つのピンホールを持つ前蓋を写真10−5に示した。複数のピンホールを並べる際には、それぞれの像が重ならないように、裏にマスクを付ける必要がある。


写真10−5 二つ及び四つのピンホールを持つ前蓋の表(左)と裏(右)

 これらの前蓋を付けた状態のカメラを写真10−6に掲げた。写真左は針穴写真8/ステレオ写真13で使用し、右は針穴写真2〜4で現像条件の検討に利用した。


写真10−6 二つ及び四つのピンホールを持つ前蓋を付けた汎用カメラ



2.図面と製作の実際

 単一ピンホールの前蓋を付けたカメラの斜視図を示す。


図10−1 製作する汎用ピンホールカメラ(単一ピンホールの前蓋を付けた状態)

 本体から側板、前蓋、フィルムホルダーを外した様子を図10−2に示した。以下それぞれについて説明する。



図10−2 カメラを本体、側板、前蓋、フィルムホルダーに分けた様子


2−1.本体

 本体は下図のようにA〜Dの部材からなる。材料は厚さ4mmのMDF(東急ハンズで購入)で、接着には木工用ボンドを使用する。


図10−3 本体の分解図

 部材B, C, Dの図面を図10−4に示す。図中の数字の単位は全てmmである。これまでと同様に数字のアンダーラインは若干小さめ、アッパーラインは大きめを意味する。

B



C(Dは鏡面対称)
図10−4 部材B, C, Dの図面



2−2.側板

 側板は図面を以下に示すように、三枚のMDF板を貼り付けて作る。


図10−5 側板の図面



2−3.フィルムホルダー

 フィルムホルダーから側面を塞ぐ部材E, Fと蓋Gを外した様子を下図に示した。


図10−6 フィルムホルダーを構成する部材

 部材E, Fを外すとフィルム押さえを引き出すことが出来る(図10−7)。印画紙はフィルム押さえとともに側面から挿入し、部材E, Fで側面を塞いでから蓋を反対側の側面から入れてセット完了となる。もちろんこの作業は暗室かダークバック中で行う。


図10−7 ホルダー本体とフィルム押さえ

 ホルダー本体の分解図を図10−8に示した。材料は全て4mm厚のMDFである。


図10−8 ホルダー本体の分解図

 さらに部材E, F, Gの図面を図10−9に示す。いずれも側面から挿入するものであるが、蓋Gは使用時にスライドさせてシャッター代わりに使うため、やや薄目のシナ合板(4mm)で作成して動かし易くした。他方E, Fは簡単に外れないよう4mm厚のMDFで作る。




図10−9 部材E, F, Gの図面



2−4.前蓋

 単一ピンホールの前蓋の図面を図10−10に示す。前蓋自体は4mm厚であるが、かなりの超広角カメラになるため、ケラレを生じないように、ピンホールは厚さ2.5mmのMDFに取り付けてから前蓋に接着した。



図10−10 単一のピンホールを有する前蓋の図面

 複数のピンホールを並べる場合には、針穴写真8/ステレオ写真13で説明したとおりマスクを加えてそれぞれの像が重ならないようにする。二つピンホールの場合を図10−11に示した。



図10−11 二つのピンホールを有する(ステレオ写真用)前蓋の図面

 前蓋の裏に15mm×15mmの角材を接着し、これにマスクをネジ止めする。材料や加工精度はあまり良くないため、マスクの穴は最初小さめに開け、試写しつつカットアンドトライで広げた。
 さらに四つのピンホールを備えた前蓋の図面を図10−12に示す。



図10−12 四つのピンホールを有する前蓋の図面



3.撮影例

 単一のピンホールで撮影した例を写真10−7に掲げた。二つのピンホールでの撮影例は針穴写真8/ステレオ写真13を、四つのピンホールでの撮影例は針穴写真2を参照されたい。




写真10−7 単一ピンホールでの撮影例 露出5分, ネガ・ポジともにゲッコーVR2(カビネ), ネガ現像:D-76 (1:3希釈), ポジ現像:セレクトールソフト



概要図面と製作の実際

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