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ステレオ写真40

ファントグラムの作成2

PhantomPhotosJB 1.0

サンプル画像作業の説明作例


1.方法は一つではない

 前報で説明した通りファントグラムを作ることは幾何学の問題である。数学の問題には複数の解法があるのが一般的で、一つしかないことはむしろ珍しい。ならばファントグラムを作る方法も幾つもあって当然だろう。ここでは前報の方法を一部変更した別の手法について説明する。

 変更する部分はdの求め方で、その他は前報と全く同様である。調整1によってSpを求めた後、調整2でdを決めるわけであるが、前報では左右像を逆方向にせん断変形させて基準面像を合わせていた。今回はせん断変形を各像の中心線を中心にした横倍率 1/(1−y・d/HSp) での拡大変形に変え、二重像を見ながらdを変えて左右像を一致させることにする(図40−1)。



図40−1 像の下辺を合わせた左右像を、傾斜を付けた倍率で横に拡大して像を一致させる

 この方法の利点は、調整2において画面に見える範囲がファントグラムになる範囲と一致することだろう。このため早くより(調整2から)ある程度出来上がりを予測することが出来る。一方縦の変形を伴わずに横のみ拡大すると、像が歪んでしまうという欠点もある。もちろん調整過程での話なので出来上がりには関係しないが、特に変形量が大きいときには歪みが大きくなって見づらくなる。

 このように一長一短なので、実際にどちらの方法を選ぶかは好みの問題だろう。





2.サンプル画像

 説明に使用するサンプル画像を以下に掲げる。前回と同じくステレオ写真33で紹介したステレオカメラ(ESPIO 120×2)で撮影した。


写真40−1 ファントグラムを作成するステレオ写真 ESPIO 120×2 , 65mm , ISO800(平行法の配置)





3.作業の説明

 PhantomPhotosJA(以下JA)と同じく Delphi 6 で作成したフリーソフトを使用する。以下のアイコンをクリックしてダウンロードし、適当なフォルダに解凍していただきたい。

 
PhantomPhotosJB.exe
642KB圧縮ファイル(lzh)

 解凍した実行ファイルのアイコンをダブルクリックして起動する。起動画面はJAとほとんど同じになる。

 

図40−2 PhantomPhotosJB1.0の起動画面

 画像の読込から調整1まではJAと変わらない。調整2でアクティブになった変形ボタンの左が変わったのに注目されたい。

 

図40−3 調整2に入ると拡大変形ボタン(赤枠)がアクティブになる

 変形の形が変わっただけで、左のボタンで変形量が増し右のボタンで減少することも、ワンクリックでの変形量を矢印ボタンの中央のボタンで変えることもJAと同じである。これらを使って変形量を調整し、基準面の全体像を一致させるさせた状態を以下に示した。

 

図40−4 拡大変形ボタンを使って基準面の全体像を一致させる

 基本的にはこの画像に縦の変形を加えたものが最終的なファントグラムとなる。調整3以降は再びJAと同じなので説明は省略する。

 出来上がったアナグリフとステレオペアを以下に示す。

 

写真40−2 作成したファントグラム 赤−シアンのカラーアナグリフ



写真40−3 作成したファントグラムのステレオペア

 もちろん画面フォーマットも同様に作成できる。サンプル画像のものを以下に示す。


写真40−4 写真40−2の画面フォーマット



写真40−5 写真40−3(ステレオペア)の画面フォーマット

 JAとJBの相違は調整2だけで、出来上がったファントグラム画像に優劣は無い。使いやすいと思った方をお使いいただければ良いと思う。





4.作例

 ここで紹介した方法の長所は、手軽さと被写体選択の自由度が高いことにある。逆に短所は精度が元画像の質に依存するため、現実にはいまいちになってしまうことが多いことだろう。

 こういった特徴を考慮すれば、精度の悪さが目立たない被写体に対して本手法は特に有効ではないかと思うし、逆にそういった被写体では他の方法が使いにくいのではないかと思う。以下に二つの作例を加えておく。

作例1 作例2

写真40−6 ファントグラムの作例


作例1 作例2

写真40−7 作例の画面フォーマット



写真40−8 作成1の元画像 ESPIO 120×2 , 65mm , ISO800(平行法の配置)



写真40−9 作成2の元画像 ESPIO 120×2 , 65mm , ISO800(平行法の配置)




[特許出願済み]

方法は一つではないサンプル画像作業の説明作例

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