トップメニューへ


ステレオ写真35

サムライ × 2

知る人ぞ知るリモート端子

SAMURAI×3.0 の撮影例SAMURAI Z2 の撮影例


1.サムライを使う

 京セラのサムライは幅が小さく、ステレオカメラとした時ステレオベースを小さくできるという利点がある。また大変良く売れたカメラのようで、ネットオークションによる中古の入手は比較的容易だった。

 

写真35−1 SAMURAI ×3.0 , レンズは25mm〜75mm

 問題はシャッターの同期をいかに実現するかだが、残念ながらマニュアルを見る限りリモートケーブルやリモコンのオプションは見あたらない。ボディカバーを外してレリーズボタンの配線を無理矢理つなぐようなことはできればしたくない、と思いつつよく見てみると底の三脚取り付けネジの近くに電極らしいものがあった。

 

写真35−2 カメラの底には三つの電極がある(青丸)

 テスターを使って調べてみると、レリーズボタンの半押し、押し切りに伴って端子間電圧が変化する。どうやらレリーズボタンの電気スイッチと直結している端子のようで、これを使えばカメラを分解する必要はなさそうである。ちょっとした発見だと思ったが、このことはステレオカメラ愛好家の間では結構有名らしい。

 この端子を使ったステレオ撮影用の冶具を以下に示す。


写真35−3 制作した撮影冶具の上面(左)と下面(右)

 冶具は電極と配線がある本体とこれに被せる蓋とからなり、蓋は3本の木ねじで本体に固定する。



写真35−4 木ねじで固定する蓋(右)を外した状態

 以下、冶具制作の詳細を説明する。まず4mm厚のMDFを下図のようにカットして本体のパーツを作る。



図35−1 厚さ4mmのMDFをカットして主なパーツを作る

 二枚のパーツを貼り合わせたものに、電極として1.8mmの被服銅線(ポリウレタン線)を直角に曲げたものを穴に通し、溝を切ったMDFの小片を使って固定する。カメラの電極を傷つけないためには、出来ればスプリングなどを使って押し付ける機構にしたいが、構造が複雑になって制作が難しくなる。今回はシンプルな構造を選択した。



図35−2 図35−1のパーツを貼り合わせ、1.8φの被服銅線6本を固定する

 電極の銅線間は図35−3のようにつなぐ。それぞれの電極を単純に直結するだけでも恐らく問題は無いが、ここでは念のためダイオードを介してつなぐことにした。こうすると右のカメラのレリーズボタンで両方を操作できるが、左のカメラのレリーズボタンを押しても右のカメラは反応しない。



図35−3 被服銅線間の配線 念のためダイオード二本を介してつないだ

 SAMURAI ×3.0を使うだけならダイオードは通常のシリコンダイオードで問題ないと思うが、ZやZ2も使うつもりなら、レリーズの接続にはショットキーバリアを使わないといけない。もちろん両方ともショットキーバリアを使えばなおさら確実である。


写真35−5 被服銅線の端面(左)と裏面の半田付け(右)

 被服銅線の先端は板から3.5mm程出して先端を平らに研磨する。さらに半田メッキを施した(写真35−5)が、これはより柔らかい半田を被せることで接触を良くすること、カメラの電極をできるだけ傷つけないことや研磨面の錆や腐食を防ぐことなどを意図したものである。

 さらに厚さ1mmのポリエチレンをおおよそ下図のようにカットし、カメラの電極周辺のへこみに合うことを確認してから写真35−5左のようにはめ込み、ボンド(G17)で固定した。



図35−4 ポリエチレンの板(1mm厚)をカットして電極に被せる部品を作る

 最後に本体に被せる蓋の図面を図35−5に示した。これも厚さ4mmのMDFをカットして作った。



図35−5 蓋も4mm厚のMDFで作る

 完成した冶具は電極がはまるように注意してカメラに取り付け、カメラ用の止めネジで固定する。8mm(4mmのMDF二枚分)を挟んでネジ止めするため、長目の止めネジ(長さ12mm)を使う必要がある。

 

写真35−6 二台のSAMURAIを止めネジ(長さ12mm)で固定する

 SAMURAI ×3.0二台を取り付けた状態を写真35−7に示した。この状態でステレオベースは90mmになる。もう少し狭めることも可能だが、詰めすぎると右のカメラの電源スイッチの操作がしにくくなる。

 

写真35−7 SAMURAI×3.0 によるステレオカメラ





2.SAMURAI×3.0 の撮影例

 撮影方法は基本的に一台の撮影と同じで、右側のカメラのレリーズボタンで二台のシャッターを切れば良い。半押しでオートフォーカスが働くが、この時フォーカス音が二つ聞こえることを確認してから押し切るようにする。

 中間のズーム位置では左右の画角を一致させるのが困難なので、ステレオ撮影には最広角の25mmか最望遠の75mmを選択することになる。この二条件での撮影例を以下に掲げる。

25mm(L) 25mm(R)
25mm(L) 25mm(R)
75mm(L) 75mm(R)
75mm(L) 75mm(R)

写真35−8 ズーム位置 25 mm と 75 mm での撮影例(ISO400, トリミング済み)

 写真のトリミングには前報のStereoPhotosJを使用した。サクサクとトリミングが出来るうえ、そのままアナグリフも作れるのでそれも以下に掲げた。

25mm(L) 25mm(R)
75mm(L) 75mm(R)

写真35−9 撮影例のカラーアナグリフ





3.SAMURAI Z2 の撮影例

 制作した冶具はSAMURAI Z や Z2 にもそのまま使用できる。×3.0 よりさらにコンパクトになって使い勝手も良い。

 

写真35−10 SAMURAI Z2 , レンズは同じく25mm〜75mm


 

写真35−11 SAMURAI Z2 によるステレオカメラ

 こちらも同様に撮影例を示しておく。フィルムにはモノクロのNEOPAN 400を使用した。

25mm(L) 25mm(R)
25mm(L) 25mm(R)
75mm(L) 75mm(R)
75mm(L) 75mm(R)

写真35−12 ズーム位置 25 mm と 75 mm での撮影例(NEOPAN 400, トリミング済み)

 アナグリフは当然モノクロのアナグリフになる。色がない分物足りない感はあるが、カラーアナグリフよりちらつきを感じることは少ないように思う。

25mm(L) 25mm(R)
75mm(L) 75mm(R)

写真35−13 撮影例のカラーアナグリフ

 サムライ二台によるステレオカメラは機動性に優れており、一眼レフだけに画質もそこそこ良い。またハーフサイズでフィルム代の節約にもなる。ただ中古で入手した場合には状態にかなりばらつきがあり、オートフォーカスがうまく動作しなかったり、露出が不安定だったりと苦労することもあるので注意されたい。





サムライを使うSAMURAI×3.0 の撮影例SAMURAI Z2 の撮影例

トップメニューへ