トップメニューへ


針穴写真15/ステレオ写真22

モノ−ステレオピンホールカメラ(デジ一眼)

デジタル一眼レフを使うモノ−ステレオカメラ

撮影


1.デジタル一眼レフを使う

 研究に使うためにデジタル一眼レフ*istDL(写真22−1)を購入したので、これを使って前回に引き続きモノ−ステレオカメラを製作した。



写真22−1 PENTAX *istDL

 方法は前回と同様で、カメラのボディキャップを利用する。まず図22−1のように厚さ2.5mmのMDFをカットして、アルミ缶から切り出した板に6mm間隔で三つのピンホールを開けたものを取り付ける。*istDLのCCDサイズは35mmフィルムの2/3ほどであるのでピンホールの間隔も2/3になる。ピンホール径は0.25mmとした。



図22−1 モノ−ステレオ写真用ピンホールの作成

 *istDLにはKマウントのボディキャップが使える。ここではPENTAXの純正品を使用したが、表裏ともロゴを削り落とせば平面になるためピンホールや遮光マスクを接着するのに都合がよい。ロゴを削り落としたボディキャップには図22−2のように三つの穴を開け、さらにMDF(厚さ2.5mm)で遮光マスクを作る。


図22−2 ボディキャップと遮光マスク

 ピンホールと遮光マスクを図22−3に示すようにボディキャップに取り付ける。接着にはG17を使用した。


図22−3 ボディキャップにピンホールと遮光マスクを取り付ける

 さらに厚さ1mmのミューズボードを図22−4のようにカットして、モノ−ステレオを切り替えるシャッターの部品を作り、


図22−4 ミューズボードでピンホールを選択するシャッターの部品を作成する

図22−5に示すように先程のピンホールに取り付け、組み立てる。


図22−5 シャッターをピンホールに取り付ける

 出来上がったピンホールをカメラのボディに取り付け、明るい方に向けてファインダーを覗き、モノ(単一写真)の状態でケラレがないことを確認するとともに、ステレオの状態で左右像のエッジが中央で接するように遮光マスクの穴を調整する。具体的には、穴が小さい場合は削って広げ、大きい場合には図22−6のように黒い紙片を貼り付けて調整する。


図22−6 マスクに黒い紙を貼り付けて左右像のエッジを調整する

 以上前回と同じ手順であるが、ピンホールの間隔が詰まった分、全体的にスケールが小さくなり細かい作業になった。一連の手順を写真22−2に表す。

ピンホールを取り付ける板(左)
とピンホール(右)
ピンホールを取り付けた板(左)
と穴を開けたボディキャップ(右)
ボディキャップにピンホール
を付けた状態
ボディキャップの裏(左)と
貼り付ける遮光マスク(右)
ミューズボードをカットして
シャッターの部品を作る
モノ−ステレオを切り替える
シャッターを取り付ける
マスクに黒い紙を貼って
視野の重なりを防ぐ

写真22−2 モノ−ステレオピンホールを組み立てる様子

 出来上がったモノ−ステレオピンホールをカメラボディ(*istDL)に付けた様子を写真22−3に掲げる。


写真22−3 単一写真撮影時(左)とステレオ写真撮影時(右)

 単一写真を撮影する時には写真22−3左のように中央のピンホールのみ開き、ステレオ写真撮影時には同右のように左右のピンホールを開いて撮影する。




2.撮影

 ステレオ写真撮影時のステレオベースは12mmとなるので、撮影距離は50cm前後とすることが望ましい。またCCDサイズが小さくなった分、画角も狭くなるので撮影できる被写体はかなり小さい物に限られる。

 反面*istDLでは撮影感度をISO3200まで上げられるので、かなりきびしいものの明るい被写体なら手持ち撮影をすることもできる。

 最初は(絞り優先)AEで撮影することを試みたが、全てアンダーとなって適正露出が得られなかった。どうやら暗すぎて測光が不可能らしい。実際の撮影は全てマニュアルモードで行ったが、デジカメでは撮影後すぐに再生して露出の過不足をチェックできるので便利だ。露出が適正でなければ補正して撮り直せばよい。

 撮影感度をISO3200にして手持ち撮影をした単一写真(モノ)の撮影例を写真22−4に、同じ場所でステレオに切り替えて撮影したものを写真22−5に掲げた。



写真22−4 単一写真の撮影例1 (ISO3200 , 1/6 sec)




写真22−5 ステレオ写真の撮影例1 (ISO3200 , 1/6 sec)

 シャッター速度(露出時間)1/6秒では手ブレの恐れが大いにあるが、ピンホールを付けた状態は長いレンズを付ける場合に較べてホールドし易く、案外うまく撮ることができる。

 写真22−5をトリミングして、平行法の配置に並べ替えたものを写真22−6に表した。


写真22−6 撮影例1をトリミングして平行法の配置に並べた

 撮像面積がハーフサイズ並と小さいため、画質(解像度)の面ではかなり厳しいものがある。このことを考慮すれば結構きれいに撮れていると言えるだろう。さらに他の撮影例を写真22−7〜写真22−9に示した。



写真22−7 単一写真の撮影例2 (ISO3200 , 1/6 sec)




写真22−8 ステレオ写真の撮影例2 (ISO3200 , 1/6 sec)



写真22−9 撮影例2をトリミングして平行法の配置に並べた

 CCDサイズの小さなデジタル一眼レフをピンホールカメラに使う場合は、画角が小さく画質にも厳しいものがあるが、機能的には十分で撮影後にその場で撮影結果をチェックできるなど便利な点も多い。もちろんフルサイズのデジタル一眼レフなら35mmフィルムカメラと同等の画角と画質になるが、ピンホールと高価なデジ一眼との組み合わせは何ともアンバランスな感じがする。

 なおご存じの通りデジ一眼はほこりに弱いので、製作したピンホールはカメラにセットする前に、ブロアーなどを使ってほこりをよく除去しておかなければならない。残念ながらここで示した撮影例には、ほこりの陰が若干入ってしまった。CCDに付着したほこりは除去するのが難しいこともあるようなので、心配なら自作ピンホールを使うことは控えた方が良いかもしれない。




デジタル一眼レフを使う撮影

トップメニューへ