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針穴写真14/ステレオ写真21

モノ−ステレオピンホールカメラ(一眼レフ)

ボディキャップを利用したモノ−ステレオカメラ

Pentax 645を使う


1.35mm一眼レフを使う

 一眼レフを使ったモノ−ステレオカメラを作ってみた。原理の説明は前回の通りなので省略し、早速製作の具体的な説明から始める。ステレオピンホールカメラ同様、カメラのボディキャップを利用するが、まず図21−1のように厚さ2.5mmのMDFをカットして、アルミ缶から切り出した板に9mm間隔で三つのピンホールを開けたものを取り付ける。



図21−1 モノ−ステレオ写真用ピンホールの作成

 ボディキャップ(マルミ製 キヤノンFDマウント)には図21−2のように三つの穴を開け、さらにMDF(厚さ2.5mm)で遮光マスクを作る。


図21−2 ボディキャップと遮光マスク

 ピンホールと遮光マスクを図21−3に示すようにボディキャップに取り付ける。ここで接着にはG17を使用した。


図21−3 ボディキャップにピンホールと遮光マスクを取り付ける

 さらに厚さ1mmのミューズボードを図21−4のようにカットして、モノ−ステレオを切り替えるシャッターの部品を作り、


図21−4 ミューズボードでピンホールを選択するシャッターの部品を作成する

図21−5に示すように先程のピンホールに取り付け、組み立てる。


図21−5 シャッターをピンホールに取り付ける

 出来上がったピンホールをカメラのボディに取り付け、明るい方に向けてファインダーを覗き、モノ(単一写真)の状態でケラレがないことを確認するとともに、ステレオの状態で左右像のエッジが中央で接するように遮光マスクの穴を調整する。具体的には、穴が小さい場合は削って広げ、大きい場合には図21−6のように黒い紙片を貼り付けて調整する。


図21−6 マスクに黒い紙を貼り付けて左右像のエッジを調整する

 これで完成となるが、一連の手順を写真21−1に表した。

ピンホールを取り付ける板(左)
とピンホール(右)
ピンホールを取り付けた板(左)
と穴を開けたボディキャップ(右)
カメラボディに付けた状態で
位置を合わせて貼り付ける
ボディキャップの裏(左)と
貼り付ける遮光マスク(右)
モノ−ステレオを切り替える
シャッターを取り付ける
マスクに黒い紙を貼って
視野の重なりを防ぐ

写真21−1 モノ−ステレオピンホールを組み立てる様子

 出来上がったモノ−ステレオピンホールをカメラボディ(キヤノンAV-1)に付けた様子を写真21−2に掲げる。


写真21−2 単一写真撮影時(左)とステレオ写真撮影時(右)

 単一写真を撮影する時には写真21−2左のように中央のピンホールのみ開き、ステレオ写真撮影時には同右のように左右のピンホールを開いて撮影する。
 ステレオ写真撮影時のステレオベースは18mmと小さいので、撮影距離は1m以内とすることが望ましい。この距離の接写となると被写体には背の低い草花が良いと考え、写真21−3のようにミニ三脚を使って撮影してみた。この種のミニ三脚は安定が悪いので、直接カメラに触れないようにレリーズケーブルを使ってシャッターを切っている。



写真21−3 ミニ三脚を使って撮影 ボディはCANON AV-1

 単一写真(モノ)の撮影例を写真21−4に、同じ場所でステレオに切り替えて撮影したものを写真21−5に掲げた。AV-1のAEを使っているが、ステレオピンホールカメラで説明したとおり、ファインダーを黒いテープで塞いで撮影している。



写真21−4 単一写真の撮影例1 (CANON AV-1 , ISO400)




写真21−5 ステレオ写真の撮影例1 (CANON AV-1 , ISO400)

 単一写真、ステレオ写真ともに問題なく撮れているが、露出時間が1秒前後と長いため、風による揺れがブレのように写ってしまう。ポジティブな言い方をすれば風を写しているということだろうか。

 写真21−5をトリミングして、平行法の配置に並べ替えたものを写真21−6に表した。


写真21−6 撮影例1をトリミングして平行法の配置に並べた

 遠景まできれいに写る接写は独特な迫力があるが、普通のカメラで簡単に撮れるようなものではない。ステレオ写真となればなおさらだろう。さらに他の撮影例を写真21−7〜写真21−9に示した。



写真21−7 単一写真の撮影例2 (CANON AV-1 , ISO400)




写真21−8 ステレオ写真の撮影例2 (CANON AV-1 , ISO400)



写真21−9 撮影例2をトリミングして平行法の配置に並べた




2.Pentax 645を使う

 ブロニー判のPentax 645にも、同様にモノ−ステレオカメラ用のピンホールを作成した。図21−7のようにカットした厚さ2.5mmのMDFと、三つのピンホールを開けたアルミ板を使って作成するが、手順は先程と同じで寸法が違うだけである。



図21−7 モノ−ステレオ写真用ピンホールの作成

 ボディキャップは純正品を使い、図21−8のように三つの穴を開け、さらにMDF(厚さ2.5mm)で遮光マスクを作る。



図21−8 ボディキャップと遮光マスク

 ピンホールと遮光マスクは先程の図21−3に示したようにボディキャップに取り付ける。

 さらにモノ−ステレオ切り替えシャッターの部品の図面を図21−9に示した。



図21−9 ミューズボードでピンホールを選択するシャッターの部品を作成する

 これを図21−5と同様にピンホールに取り付け、ボディに付けて遮光マスクの調整を行う。

 以上の一連の手順を写真21−10に表した。

ピンホールを取り付ける板(左)
とピンホール(右)
ピンホールを取り付けた板(左)
と穴を開けたボディキャップ(右)
ボディキャップにピンホール
を付けた状態
ボディキャップの裏(左)と
貼り付ける遮光マスク(右)
モノ−ステレオを切り替える
シャッターを取り付ける
マスクに黒い紙を貼って
視野の重なりを防ぐ

写真21−10 モノ−ステレオピンホールを組み立てる様子

 出来上がったモノ−ステレオピンホールをPentax 645に付けた様子を、写真21−11に掲げる。


写真21−11 単一写真撮影時(左)とステレオ写真撮影時(右)

 単一写真を撮影する時には写真21−11左のように中央のピンホールのみ開き、ステレオ写真撮影時には同右のように左右のピンホールを開いて撮影する。
 ステレオ写真撮影時のステレオベースは27mmとやや大きくなり、撮影距離は1m強と若干伸びるが、やはり接写の距離である。ミニ三脚では重量オーバーなので通常の三脚を使い、やはりレリーズケーブルを使って撮影した。
 単一写真の撮影例を写真21−12に、ステレオ写真に切り替えて撮影したものを写真21−13に掲げる。



写真21−12 単一写真の撮影例1 (NEOPAN SS)




写真21−13 ステレオ写真の撮影例1 (NEOPAN SS)

 撮影はAEモードで、やはりファインダーは黒いテープで塞いでいる。露出時間は2〜3秒になり、風で揺らいだチューリップの花が微妙にぼけて、不思議な雰囲気を出している。写真21−13をトリミングして平行法の配置に並べ替えたものを図21−14に表す。


写真21−14 撮影例1をトリミングして平行法の配置に並べた

 遠景までしっかり写っているため、奥行き感のたっぷりの写真になっている。さらに他の撮影例を写真21−15〜写真21−17に掲げた。



写真21−15 単一写真の撮影例2 (NEOPAN SS)




写真21−16 ステレオ写真の撮影例2 (NEOPAN SS)



写真21−17 撮影例2をトリミングして平行法の配置に並べた

 一眼レフのボディを使ったピンホールカメラは、暗箱を一から作るものに較べて非常に簡単であるのに加え、使い勝手も大変良い。ステレオカメラとして使う時にはステレオベースが小さく、その用途は接写に限られるが、大深度のステレオ接写は迫力もあって魅力的である。一つの手段として確保しておく価値は十分あると思われる。




35mm一眼レフを使うPentax 645を使う

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