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ステレオ写真17

アナグリフカメラ2(廉価版)

虫めがねのレンズを使ったアナグリフカメラ

撮影例画質の比較


1.とにかく安く作る

 前回はクローズアップレンズ、接写リング、リバースアダプターなどの小物を組み合わせてアナグリフカメラを組み立てた。こういった小物を持っていると、何かアイデアを思い付いて実験してみたくなった時に便利なので、オークションなどを使って揃えるように日頃から心がけている。ただこれらをこれから揃えるのであれば、新品を購入するには高くつくし、中古を探すのは手間暇かかって大変である。そこで今回は出来るだけ安価で手に入れやすい材料を使ってアナグリフカメラを作ってみた。

 まずレンズは百円ショップで購入したラケット型虫めがね(写真17−1左)の主レンズをはずして使う。この虫めがねは写真17−1右のようにネジを外せば簡単に分解できる。


写真17−1 ラケット型虫めがね(左)はネジをはずすと簡単に分解できる(右)

 制作したアナグリフレンズの構成を図17−1に示す。図中でLは虫めがねのレンズ、Dは65mm長にカットした外径48mmの塩ビパイプ、FはFDマウント(キヤノン)のボディキャップに40φの穴を開けたものである。


図17−1 アナグリフレンズの組み立て図

 またA, C, Eは2.5mm厚のMDFを材料とし、それぞれAは図17−2(a), (b)の形状にカットして張り合わせたもの、Cは(a), (c), (d)の形状にカットしたものを同順で張り合わせたもの、Eは(e), (f)の形状にカットして張り合わせたものである。さらにBは(b)の形状にカットした1mm厚のミューズボードで、厚み調整のために加えてある。

( a ) ( b ) ( c )
( d ) ( e ) ( f )

図17−2 組み立てる各パーツの形状

 C〜Fはボンド(G17)で接着して一体化するが、その際にはカメラに取り付けた状態でCの二つの穴が水平に並ぶ位置で固定するように気を付ける。さらに二つの穴にはアナグリフ眼鏡から取った赤とシアンのフィルムを覆うように張りつける。こうして揃えた組み立て前のパーツ一式を写真17−2に示した。



写真17−2 アナグリフレンズのパーツ一式 C〜Fは接着済み

 あとはビスとナットでレンズを組み立て(写真17−3左)、カメラに取り付ければアナグリフカメラが完成である(同右)。カメラボディにはAV-1を使用した。


写真17−3 組み立てたアナグリフレンズ(左)とこれをAV-1に取り付けたアナグリフカメラ(右)




2.撮影例

 このカメラのステレオベースは30mmで、1m前後の位置にピントが合う。撮影例を二つ以下に掲げるが、アナグリフ用の眼鏡をかけて見ると、ちゃんとカラーアナグリフになっていることが確認できる。

 

写真17−4 撮影例1(CANON AV-1, ISO400)


 

写真17−5 撮影例2(CANON AV-1, ISO400)

 全体的にあまりシャープとは言えないが、とりわけ周辺部のぼけ方が気になる。赤い像は画面右でシャープであるのに対し左ではひどくぼけ、逆にシアンの像は画面左がシャープで右が大きくぼけている。なにしろ百円の虫めがねレンズであるから仕方がないところだろうか。



3.画質の比較

 今回の虫めがねレンズを使ったアナグリフレンズを前回のものと比較してみた。写真17−6に前回のアナグリフカメラで撮影したものを、写真17−7に今回のアナグリフカメラで撮影したものを掲げる。

 

写真17−6 前回紹介したアナグリフカメラで撮影


 

写真17−7 今回紹介したアナグリフカメラで撮影

 これらの画質には明らかに優劣があり、虫めがねレンズはクローズアップレンズにかなわない。画質にはこだわらずに安価にアナグリフを楽しみたい、あるいは金をかけずにアナグリフの実験をしてみたいというのであれば、こういった方法もあると考えていただければよいと思う。



とにかく安く作る撮影例画質の比較

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