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針穴写真29/ステレオ写真43/レンチキュラー写真13

大人の科学 両用カメラ

いろいろな使い方

ステレオ写真の撮影3視点レンチキュラー写真二度撮りによる6視点レンチキュラー写真


1.両用3眼カメラ

 これまで大人の科学ステレオピンホールカメラを改造し、パノラマ写真ファントグラムレンチキュラー写真に使ってきた。ここではさらにステレオ写真とレンチキュラー写真に兼用することを想定した改造を試みた。

 制作するのは三つのピンホールと二重のシャッターを備えたパネルと仕切り枠である。パネルのパーツの図面を以下に掲げる。



図29−1 厚さ2.5mmと4mmのMDFでパネルのパーツを作成

 シャッターは例によって1mm厚のミューズボードで作成する。主要パーツの図面を以下に示した。



図29−2 厚さ1mmのミューズボードでシャッターのパーツを作成

 以上のパーツにミューズボードを矩形にカットした小片を加えて以下のように組み立てる。三つのピンホールを同時に開閉するシャッターと、中央のピンホールのみを開閉するシャッターがあり、前者は左右に動き、後者は上下に動くようにする。



図29−3 パーツを貼り合わせてパネルを作る

 さらにパネルの裏側からアルミ缶で作ったピンホール3枚を貼り付けて完成する。ピンホール径は約 0.2 mm とした。明るさがばらつかないようにピンホールの径は揃える必要があるが、一割程度のばらつきなら問題はない。


写真29−1 三つのピンホールを付けた自作パネル 外側(左)と内側(右)

 仕切り枠はこれまでボール紙で作っていたが、厚みのない仕切り枠では写真が重なる部分が出来てしまうので、ここでは厚さ2.5mmのMDFを使うことで改善を試みた。図面を下に示す。



図29−4 厚さ2.5mmのMDFで仕切り枠を作る

 接着には木工用ボンドを使った。ボール紙に比べてかなり丈夫になったので保守性も向上する。全体を黒く塗ってからカメラ本体に挿入する。


写真29−2 仕切り枠(左)とカメラ本体にはめ込んだ様子(右)

 さらに写真29−1のパネルをネジ止めして完成となる。

 

写真29−3 制作したパネルを取り付けた3眼ピンホールカメラ





2.ステレオ写真の撮影

 改造したカメラでステレオ撮影をするには、中央のピンホールを閉じた状態で使用する。


写真29−4 ステレオ撮影では中央のピンホールを閉じ(左) 三分の一回転用の目盛りを付ける(右)

 この状態でシャッターを左右に動かして撮影する。一枚撮影したらカウンターが三分の一回転するまで巻き上げて二枚目を撮影する。二枚撮影したら次は一回転分巻いて三枚目以降を繰り返す。このように 三分の一回転 → 一回転 → 三分の一回転 → 一回転 ・・・ と送りながら撮影するため、カウンターには三分の一回転(120度)を示す目盛りを付けておく。こうして撮影した写真はフィルム上に以下のように並ぶ。

 

写真29−5 撮影フィルム上での写真の並び方

 左から一枚目右、二枚目右、一枚目左、二枚目左の順で並んでいる。フィルム送りの精度が悪いため、撮影位置が若干ずれるのは致し方ない。これから各コマを切り取ってトリミングしたものを、もう一つの撮影例と共に以下に掲げた。

(L) (R)
(L) (R)
(L) (R)

写真29−6 撮影例(トリミング済み) 露出8秒, ISO100

 この改造のメリットはステレオベースの拡大で、オリジナルの38mmから48mmへと伸びている。ステレオベースが大きいと撮影距離も大きくとれるので、その分大きな被写体を画面に納めることができる。伸びたのはたった1cmではあるが、撮影例の三枚目でもしっかり奥行きが出ていて、その効果は思いの外大きい。

 さらに赤−シアンのアナグリフにしたものを以下に掲げる。

 
 
 

写真29−7 撮影例のアナグリフ

 このカメラで撮った写真は正方形に近い形状になるが、この形に関しては好みが分かれるところだろう。6×6を愛用されている方を除けば馴染みのないフォーマットで、なにしろ印刷用紙は長方形ばかりだから、ロール紙でも使わない限り無駄が多くなり不便だ。ただ何事も型破りが好きな人には好まれるかもしれない。





3.3視点レンチキュラー写真

 レンチキュラー写真の撮影では前のシャッターを上げて中央のピンホールを開ける。レンズが三つ並んだ立体カメラもあるので、3視点の写真で作ってもそこそこの立体写真は出来るはずだ。

 

写真29−8 レンチキュラー写真の撮影では全てのピンホールを開ける

 撮影例を下に掲げるが、露出がうまく合ったせいか発色がよい。厚め(2.5mm)の仕切り枠のおかげで写真の重なりはほとんど無くなったが、仕上げが不十分で毛羽が入ってしまった。

 

写真29−9 撮影例 (露出2秒,ISO100)

 三脚の上でも(三連)シャッターを左右に動かすとどうしてもカメラが動く。露出が2秒と短いのでカメラぶれが心配だったが、幸いにも写真にぶれた感じは見られない。撮影例を各コマに分離したものを以下に示す。


写真29−10 撮影例を各コマに分離した 読みとり解像度は 1,200 dpi(GT-9700F)

 これらを元にLenticularPhotosJを使って作成したレンチキュラー画像を写真29−11に示した。サンプリングインターバルは4である。画像はダウンロードして 180 dpi で印刷すれば3Dフォトフレーム用の立体写真になる。

 

写真29−11 撮影例のレンチキュラー画像

 正方形に近いフォーマットはフォトフレームに合わない点でも不便だ。実際に葉書サイズに印刷すると上下が1cm以上空いてしまう。それでも3Dフォトフレームに入れてみると画質は悪くないし、3視点でもちゃんと立体写真になっている。若干薄っぺらく物足りない感はあるが、これはやむをえないところだろう。





4.二度撮りによる6視点レンチキュラー写真

 これも「Nishikaで二度撮り」で作った冶具を使い、二度撮りを試してみた。


写真29−12 「Nishikaで二度撮り」で作った冶具を使う

 撮影例を以下に掲げる。こちらもGT-9700Fを使い1,200 dpiでネガを読みとっている。3コマの二倍で6コマの元画像になる。

 
 

写真29−13 二度撮り(6視点)の撮影例1 (露出2秒,ISO100)

 これから分離した画像を以下に示す。仕切り枠を改良したおかげで境界のロスはだいぶ少なくなった。


写真29−14 撮影例1を各コマに分離した (露出2秒,ISO100)

 さらにもう一つ撮影例を加えておく。前の写真(写真29−9)もそうだが、晴天の日なたは2秒で適正露出になるようで、発色が良いきれいな写真が撮れている。もちろんエッジのシャープさなはないが、そこが針穴写真の魅力ではある。


写真29−15 撮影例2 (露出2秒,ISO100)

 撮影例を元にLenticularPhotosJを使って作成したレンチキュラー画像を写真29−16、写真29−17に示した。サンプリングインターバルは4である。これらはダウンロードして 360 dpi で印刷すれば3Dフォトフレーム用の立体写真になる。

 

写真29−16 撮影例1のレンチキュラー画像


 

写真29−17 撮影例2のレンチキュラー画像

 実際に3Dフォトフレームに入れてみるとかなり質の高い立体写真になっていると感じる。8視点の立体写真と比べてもさほど劣らないだろう。

 レンチキュラー写真ではレンチキュラーレンズのせいで画質(解像度)が若干落ちる。もとの写真がシャープだとこの画質劣化(解像度低下)が目立つが、元々ピンぼけ気味の針穴写真ではあまり気にならない。その意味でピンホールカメラとレンチキュラー写真は相性が良いのではないかと感じたりもする。実際ピンホールカメラで撮ったレンチキュラー写真は結構いける。





両用3眼カメラステレオ写真の撮影3視点レンチキュラー写真二度撮りによる6視点レンチキュラー写真

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