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針穴写真28/レンチキュラー写真12

大人の科学 レンチキュラー編2

カメラの改造

4視点レンチキュラー写真の撮影二度撮りによる8視点レンチキュラー写真


1.4視点カメラに改造

 ステレオピンホールカメラの改造については「大人の科学 Vol.14」「大人の科学 ファントグラム編」でも紹介したが、ここではレンチキュラー写真用に4視点の写真が撮れるように改造してみた。

 新たに制作するのは四つのピンホールとシャッターを備えたパネルと、写真枠を決める仕切り枠である。パネルのパーツの図面を以下に掲げる。



図28−1 厚さ2.5mmと4mmのMDFでパネルのパーツを作成

 さらにシャッターの主要パーツの図面を以下に示す。例によって1mm厚のミューズボードを使用する。



図28−2 厚さ1mmのミューズボードでシャッターのパーツを作成

 以上のパーツにミューズボードを矩形にカットした小片を加えて以下のように組み立てる。MDFどうしの接着には木工用ボンド、ミューズボードどうしはデンプン糊、MDFとミューズボードは万能ボンド(ゴム糊)を使用した。



図28−3 パーツを貼り合わせてパネルを作る

 さらにパネルの裏側からアルミ缶で作ったピンホール4枚を貼り付けて完成する。ピンホール径は 0.2 mm とした。0.2 〜 0.3 mmなら画質に大差はないが、明るさがばらつくと問題なので、四つのピンホールの径は合わせた方がよい。


写真28−1 四つのピンホールを付けた自作パネル 外側(左)と内側(右)

 さらに仕切り枠は「ファントグラム編」と同じくボール紙で作成した。その図面を下図に示す。



図28−4 仕切り枠をボール紙で作る

 全体を黒く塗った仕切り枠を写真28−2のようにカメラ本体に挿入する。もちろん元の切り板は外しておく。


写真28−2 仕切り枠(左)とカメラ本体にはめ込んだ様子(右)

 さらに写真28−1のパネルをネジ止めすれば4眼(視点)ピンホールカメラが完成する。

 

写真28−3 制作したパネルを取り付けた4眼ピンホールカメラ





2.4視点レンチキュラー写真の撮影

 改造したカメラによる撮影例を下に掲げる。隣り合う画像が境界で重なっているが、これによる幅のロスは僅かであるため気にしないことにした。もちろんボール紙の仕切り枠を厚いものに変えればこの点は改善できる。

 

写真28−4 改造ピンホールカメラによる撮影例 (露出8秒,ISO100)

 フィルム上のフォーマットはNishika N8000とほぼ同じなので、スキャナでの読みとりからレンチキュラー画像の作成まで同じ要領で実施できる。撮影例を各コマに分離したものを以下に示す。


写真28−5 撮影例を各コマに分離した 読みとり解像度は 1,200 dpi(GT-9700F)

 これらを元にLenticularPhotosJを使って作成したレンチキュラー画像を写真28−6に示した。サンプリングインターバルは3である。画像はダウンロードして 240 dpi で印刷すれば3Dフォトフレーム用の立体写真になる。

 

写真28−6 撮影例のレンチキュラー画像

 針穴写真であるからレンズカメラのような解像度は無いが、被写界深度が大きく撮影距離を気にする必要がない点は立体写真に向いているとも言える。画面サイズや画角はNishikaとほとんど変わらないが、Nishikaには周辺光量の低下が見られるのに対し、こちらの写真には明るさの不均一が見られない。ピンホールカメラにはレンズカメラより優れている点もあるのだ。





3.二度撮りによる8視点レンチキュラー写真

 改造ピンホールカメラのフィルム上のフォーマットはNishikaと同じであるから、「Nishikaで二度撮り」で作った冶具もそのまま使える。


写真28−7 「Nishikaで二度撮り」で作った冶具を使い、改造ピンホールカメラで二度撮りする

 実際に冶具を使って二度撮りした撮影例を以下に掲げる。こちらもGT-9700Fを使い1,200 dpiでネガを読みとっている。日陰だったので露出を8秒と長目にしたが、結果的にオーバーとなって裏目に出た。ただネガフィルムは露出オーバーに強い性質のようで、読みとり時の画質調整でかなり救済できるようだ。これは前の写真(写真28−4)も同様である。

 
 

写真28−8 二度撮り(8視点)の撮影例1 (露出8秒,ISO100)

 これから分離した8視点の画像を以下に示す。Nishikaの場合とほぼ同じサイズになる。


写真28−9 撮影例1を各コマに分離した (露出8秒,ISO100)

 さらにもう一つ撮影例を加えておく。


写真28−10 撮影例2 (露出8秒,ISO100)

 撮影例を元にLenticularPhotosJを使ってレンチキュラー画像を作成すると、サンプリングインターバルを3にして3Dフォトフレームに合うサイズになった。

 

写真28−11 撮影例1のレンチキュラー画像


 

写真28−12 撮影例2のレンチキュラー画像

 画像はダウンロードして 480 dpi で印刷すれば3Dフォトフレーム用の立体写真になる。決してシャープな画像ではないが立体感はNishikaに劣らない。

 ピンホールカメラは露出時間が長く、Nishikaのように手持ち撮影は出来ないが、冶具を使った二度撮りは三脚撮影になるからこれはさほどのデメリットにはならない。針穴写真ならではの特徴ある画像を立体化するのも面白いだろう。





4視点カメラに改造4視点レンチキュラー写真の撮影二度撮りによる8視点レンチキュラー写真

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