トップメニューへ


針穴写真24/レンチキュラー写真7

6穴カメラ(ブロニー)

ロールフィルムで多視点像を撮る

製作したカメラの概要撮影とレンチキュラー写真の製作


1.6穴カメラで元画像を撮る

 複数のピンホールを並べたカメラで元画像を撮り、レンチキュラー写真を製作する方法は既に多眼ピンホールカメラで紹介したが、この方法で元画像の数を増やすには印画紙よりロールフィルムを使う方が好都合である。

 今回はブロニー(120)を使ったモノ−ステレオピンホールカメラを作った経験を生かして六つのピンホールを並べて6視点の写真を同時撮影するカメラ(写真24−1)を製作し、これを使った元画像の撮影とレンチキュラー写真の作成までを行った。

 

写真24−1 六つのピンホールが並んだカメラ(ブロニーフィルムを使用)




2.製作したカメラの概要

 制作した6穴カメラを写真24−1に示した。基本的な構造はモノ−ステレオピンホールカメラと同じで、インナーケースにアウターケースをかぶせ、前枠で固定する構造になっている。



図24−1 インナーケースをアウターケースに入れ、前枠を側面から差し込んで固定する

 実際のカメラをパーツに分解した様子を写真24−2に示す。フィルム巻き上げ軸に付けるつまみも必要になるが、この辺はモノ−ステレオピンホールカメラを参照願いたい。

 

写真24−2 製作したカメラは三つのパーツとつまみから成る

 モノ−ステレオピンホールカメラとの違いはインナーケースに取り付けられた六つのピンホールとそれぞれのフィルム枠である(写真24−3)。

 

写真24−3 六つのピンホールとフィルムホルダーを備えたインナーケース

 図24−2にインナーケースの断面図を示すように、六つに仕切られた部屋の各々で視点の異なる像を撮影する。図中に寸法をmmで表示してあるが、1コマの幅を4cm弱として、6×6のフレーム4コマ分に6コマの写真が撮れるようにした。



図24−2 インナーケースの構造(断面図)

 インナーケースにフィルムを入れ、リーダー部を引き出して左の空リールの軸に先端を差し込み、少し巻き取った状態を写真24−4に示した。リーダー部の長さは40cmほどでまだ若干の余裕はあるが、あまり引き出してフィルムを感光させては実も蓋もないので、この時点で巻き取る量は僅かにしておく。

 

写真24−4 フィルムのリーダー部を引き出し、空リールに差し込んだ状態

 インナーケースは図24−1のようにアウターケースに入れ、前枠を側面から差し込んで固定し、フィルム巻き取り軸につまみを取り付ける。

 アウターケースの背に設けられたフィルムカウンター窓を見ながらフィルム巻き取り、数字の1が窓に見えたら準備完了となる(写真24−5)。フィルムの裏紙には三種類の画面サイズ6×4.5,6×6,6×9のフィルムナンバーが印刷されているが、カウンター窓には赤いフィルターを通して6×6のフィルムナンバーが見えるようにしている。

 

写真24−5 カメラ(アウターケース)の背にはフィルムカウンター窓がある

 1カット撮影したらフィルムカウンター窓に数字の5が見えるまで巻き上げて2カット目を撮影し、次は数字の9が見えるまで巻き上げて最後のカットを撮影する。このようにして120フィルム一本で3カットの写真を撮影することができる。




3.撮影とレンチキュラー写真の製作

 撮影例を写真24−6に掲げた。投影距離は43mmで画角は対角75度になる。この写真では左上が最も右に位置するピンホール像で、右下が最も左に位置するピンホールの像になっている。





写真24−6 撮影した六コマの写真 (Tmax100, 露出6秒, 500dpiでフィルムスキャン)

 6コマから3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真を作る場合、解像度が60(lpi)×6=360(dpi)となるから幅4inchの画像にするためには横幅(dot)は360×4=1440となる。実際には余白を考えて幅1400dot前後に仕上がれば良いだろう。これから元画像の幅はトリミングロスを考慮して1500dot程度とすれば良いが、これでは総画素数が300万画素を越えてしまいTriming_1.0で扱えなくなってしまう。ここでは半分の750dpi程度の幅となるように元画像を用意し、トリミング後に横幅を2倍にしてからstriperを使ってレンチキュラー写真を作成することとした。

 このサイズ(幅750dpi)の元画像を得るためのネガの読み取り解像度は750×25.4/39=488dpiとなるが、ここでは500dpiでフィルムスキャンすることとした。なおスキャナはEPSON GT-9700Fを使用している。

 写真24−6から6コマの元画像を切り取ったものを写真24−7に示すが、幅は750dpiよりやや大きめになっている。


写真24−7 切り取った六コマの写真 (左上が最も右で、右下が最も左の視点)

 さらにTriming_1.0を使ってこれらをトリミングしたものを写真24−8に掲げた。トリミング後の画像サイズは692×1083(dot)である。


写真24−8 Triming_1.0でトリミングした六コマの写真

 これらの画像をまず横2倍に拡大し、striperで合成してから縦2倍に拡大してレンチキュラー写真(写真24−9)を得た。この辺の手順は回転台を使った撮影の「3.8コマ写真−手順2」を参照願いたい。

 

写真24−9 作成したレンチキュラー写真

 この写真はダウンロードして360dpiで印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。実際にフレームに入れてみると4コマよりはやはり6コマの方が滑らかさがあり立体像の質は高いと言える。

 さらにピンホール数を増やすことも不可能ではないが、120フィルムのリーダー部の長さは限られているため、引き出す長さが長くなるとフィルムを感光させずにセットするのが難しくなる。もちろん暗室やダークバックを使ってフィルムを充填するつもりなら問題はないだろう。




6穴カメラで元画像を撮る製作したカメラの概要撮影とレンチキュラー写真の製作

トップメニューへ