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針穴写真23/ステレオ写真25

モノ−ステレオピンホールカメラ(ブロニー)

ブロニーフィルムを使う

製作したカメラの概要撮影


1.ブロニーフィルムを使うカメラ

 これまで印画紙やインスタントフィルムを使うピンホールカメラを幾つも製作してきたが、コストや使い勝手を考えればロールフィルムを使う方が勝っている。35mmフィルムを使うものでは一眼レフやトイカメラを改造したものをすでに紹介しているが、暗箱を一から製作した例はこれまでなかった。これはフィルムホルダー、とりわけフィルム送りの機構を作るのが難しいと思われたためである。

 一般的なロールフィルムには35mmとブロニーがあり、コストやコンパクトさでは35mmの方が有利であるが、35mmフィルムではフィルムの送り量を知る機能をどう実現するかが難しい。これに対してブロニー(120)はより簡単な構造のカメラで使用することを前提としているようで、所定の位置に窓を付けておけば裏紙に印刷されている数字でフィルム送りを確認することができる。

 ここではブロニーフィルムを使用するモノ−ステレオピンホールカメラ(写真23−1)と、これを使った撮影を紹介する。

 

写真23−1 ブロニーフィルムを使用するモノ−ステレオピンホールカメラ




2.製作したカメラの概要

 一般的なネガフィルムの感度は印画紙より二桁大きい。このため暗箱の遮光は厳重にしなければならないと考えた結果、インナーケースにアウターケースをかぶせる二重構造にすることにした。パーツに分解した様子を写真23−2に示す。

 

写真23−2 製作したカメラは三つのパーツとつまみから成る

 製作したカメラはインナーケースとアウターケース、さらにインナーケースを固定する前枠とフィルム巻き上げ軸に付けるつまみで構成される。つまみはラジオなどを自作するときボリュームに付けるもので、秋葉原で購入した。

 

写真23−3 ピンホールとフィルムホルダーを備えたインナーケース

 インナーケースにはこれまでのモノ−ステレオピンホールカメラと同様に三つのピンホールと遮光マスクがあり、左右にはフィルムと空リールをセットするスペースがある。

 図23−1に示したようにインナーケース下の穴からフィルムと空リールを入れ、それぞれ固定軸を差し込んでから蓋をして固定する。



図23−1 インナーケース下の穴からフィルムと空リールを入れ、各々固定軸をセットしてから蓋をする

 インナーケース下の穴を写真23−4左に示した。フィルムを入れたらリーダー部を引き出して左の空リールの軸に先端を差し込み、少し巻き取って安定させる(写真23−4右)。


写真23−4 インナーケース下に空いたフィルムと空リールを入れる穴(左)とフィルムをセットした様子(右)

 フィルムをセットしたインナーケースは図23−2のようにアウターケースに入れ、前枠を側面から差し込んで固定する。



図23−2 インナーケースをアウターケースに入れ、前枠を側面から差し込んで固定する

 フィルム巻き取り軸につまみを取り付け、アウターケースに設けられたフィルムカウンター窓を見ながらフィルム巻き取り、数字の1が窓に見えたら準備完了となる。もちろんこの時ピンホールのシャッターは閉めておかなければならない。

 以上の様子を写真23−5に示した。

1. インナーケースをアウターケースに差し込む(左)→(右)
2. 前枠を側面から差し込んで固定(左)→(右)
3. 巻き取り軸につまみを付ける 4. 裏面にはフィルムカウンター窓がある
写真23−5 カメラを組み立てる手順

 ピンホールには独立した縦の三つのシャッターと、横にスライドする共通のシャッターが設けられており、縦のシャッターで使用するピンホールを選択し、横のシャッターを開閉して撮影する。写真23−6のように単一写真を撮影する時は中央のピンホールを使い、ステレオ写真を撮影する時は左右のピンホールを使うが、このとき単一写真のサイズは6×12、ステレオ写真は6×6が二枚となる。


写真23−6 単一写真撮影時(左)とステレオ写真撮影時(右)

 なおピンホールを選択する縦のシャッターは独立なので、左右のピンホールを分けて使えば6×6サイズの単一写真を二枚撮るという使い方もできる。




3.撮影

 単一写真(モノ)の撮影例を写真23−7に掲げた。投影距離は60mmで画角は対角95度になる。



写真23−7 単一写真の撮影例1 (Kodak Tmax100 , 露出8秒)

 ちょっとしたパノラマ写真になるが、6×12のフォーマットも魅力的で良い。同じ場所でステレオに切り替えて撮影したものを写真23−8に掲げた。



写真23−8 ステレオ写真の撮影例1 (Kodak Tmax100 , 露出8秒)

 35mmフィルムに較べてフィルムサイズが大きい分画質も良い。8秒という露出時間もちょうど良い感じで、これ以上短くなるとシャッターを開閉する際のブレが問題になりそうである。晴れの日はISO400のフィルムを使うのは控えたほうが良いだろう。

 写真23−8をトリミングして並べたものを写真23−9に表した。なお今回はAppletを使って平行法と交差法のどちらでも観察できるようにしてみた。


写真23−9 撮影例1をトリミングしたステレオ写真

 正方形に近いフォーマットも独特で面白い。さらに他の撮影例を写真23−10〜写真23−12に示した。



写真23−10 単一写真の撮影例2 (Kodak Tmax100 , 露出6秒)




写真23−11 ステレオ写真の撮影例2 (Kodak Tmax100 , 露出6秒)



写真23−12 撮影例2をトリミングしたステレオ写真

 印画紙を使うピンホールカメラに較べて構造が複雑な分、カメラの製作には倍以上の手間と時間が掛かったが、フィルムを一本セットすれば6カットの写真が撮影でき、フィルムの交換は明室で出来てダークバックも不要であるなど使い勝手は断然良い。現像代は少し高いがカラーフィルムを使うことも出来る。

 ブロニーフィルムを使ったカメラは他に製作例も多いようであるから、それらを参考にしてよりリーズナブルな設計をすればもっと簡単に作ることもできるだろう。




ブロニーフィルムを使うカメラ製作したカメラの概要撮影

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