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レンチキュラー写真4

回転台を使った撮影

普通のカメラで撮影する立体写真

回転台を使った撮影8コマ写真まとめ


1.一台のカメラで撮影する

 立体写真の撮影には、Nishika N8000のような特殊な3Dカメラを使う方法とは別に、複数のカメラを並べて撮影する方法や、一台のカメラを移動しつつ複数の視点像を撮影する方法などがある。前者では同じカメラを視点数(コマ数)だけ並べるのであるが、視点数が増えると大がかりな装置になり容易でない。これに対して後者には、原則的に静止した被写体しか撮影できないという大きな制限があり、撮影にも手間がかかるが、視点数に関わらずカメラ一台で済むので装置的には楽である。
 一台のカメラで多視点の像を撮影するには、本来図4−1のようにカメラを横に移動しつつ、所定の間隔をおいて撮影しなければならない。



図4−1 一台のカメラを横に移動して撮影

 ただカメラの移動範囲が小さい場合には、図4−2のように被写体を中心にした円周上を移動させて撮影しても、ほとんど不自然さを感じない多視点像を撮影することが出来る。さらに図4−3に示すようにカメラを固定し、被写体を回転させて撮影しても図4−2と同等の写真が撮れる。

図4−2 被写体を中心とした円周上
を移動して撮影
図4−3 カメラを固定して被写体を
回転しながら撮影

 この方法が使えるのは回転台に載せられる被写体に限られるが、カメラを移動させずに撮影できるので大変簡単である。早速試してみた。



2.回転台を使った撮影

 使用する回転台は百円ショップで購入した。本来はテレビなどを上に載せて回転させるもので、値段は税込み210円である。写真4−1に示したように外周には1cm間隔の目盛りを貼り付けたが、台の直径が34cmであるので一目盛りの回転角は約3.4度に相当する。


写真4−1 百円ショップで購入した回転台(左)と貼り付けた目盛り(右)

 被写体は写真4−2左のように回転台の中心付近に置き、カメラは同右のように三脚に固定して撮影する。使用したカメラはOlympus C-840Lである。


写真4−2 回転台に載せた被写体(左)と撮影の様子(右)

 もちろんフィルムカメラを使ってもよいが。撮影した多視点像はPCに取り込んで合成するのであるから、画像をデジタルデータで記録するデジタルカメラを使えば手間が省ける。
 レンチキュラー写真の作成にはstriperを使用するものとすると、合成画像のサイズは元画像と等しくなる。C-840Lの画像フォーマットはHGモードで960×1280であり、240dpiで印刷すると幅4 inchとなってちょうど3Dフォトフレームに適した大きさ(葉書大)になる。3Dフォトフレームのレンチキュラーレンズのピッチが60 lpiであるから、4コマ(240÷60=4)の写真を合成するレンチキュラー写真なら、撮ったままの画像サイズ(960×1280)でちょうど良いことになる。
 まずは4コマ(4視点)のレンチキュラー写真を作成するものとして、撮影した4コマを写真4−3に示した。各コマは写真4−1の二目盛りずつ反時計回りに回して撮ってあり、単位回転角は6.7度となる。この結果1コマ目と4コマ目の角度差は20度ほどになるが、3Dフォトフレームの視域角(像が切り替わって見える角度範囲)は30度前後と推測されるので、これでおおよそリアルな立体感になると考えられる。


写真4−3 回転角6.7度おきに撮影した4コマの写真(Olympus C-840L)
最も左のコマが最も右の視点像に対応する

 説明が前後するようであるが、撮影に当たっては被写体のバックに物が写らないように、無地のカーテンなどを後に張っておくと良い。また全コマの撮影が終わるまでカメラ位置を動かしてはならない。シャッターを押す際にかかる力でカメラがブレないことも重要であるが、ここでは写真4−2のように不安定な三脚を使って撮影したため、PCからリモートコントロールしてシャッターを切ることでブレを防いだ。
 カメラがしっかり固定されていれば、撮影した写真はそのままstriperで合成することができ、前回までのようにトリミングして修正する必要がない。作成したレンチキュラー写真を下に掲げた。

 

写真4−4 striperで合成したレンチキュラー写真

 ノートリミングで合成した写真では、回転台の軸の位置に基準点があるものと考えて良く、軸より前にある部分が飛び出て見え、後にある部分が表示面より引っ込んで見える。もちろん基準点を変えてトリミングすることは可能であるが、撮影時に被写体を置く位置で同じ調整が出来るので、あえてトリミングにこだわることはないだろう。

 写真4−4はダウンロードして240dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。実際に3Dフォトフレームに入れて観察してみると、像の飛びが大きくどうも見にくい。そこで撮影の角度間隔を半分にして再度試してみた。
 回転角を3.4度にして撮影した4コマを写真4−5に示す。


写真4−5 回転角3.4度おきに撮影した4コマの写真(Olympus C-840L)
最も左のコマが最も右の視点像に対応する

 これをから同様に作成したレンチキュラー写真を写真4−6に掲げた。同じくダウンロードして240dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。

 

写真4−6 striperで合成したレンチキュラー写真

 実際に3Dフォトフレームに入れて観察してみると、やはり像の飛びが少なくなった分見やすくなっている。もちろん立体感は写真4−4に比べて薄くなってはいるのだが、画質(見やすさ)を重視すれば、視差は小さめにとって連続的な変化に近づけた方が良いように感じる。



3.8コマ写真

 この方法によれば容易に元画像のコマ数(視点数)を増やすことが出来る。もちろんコマ数が多ければそれだけ立体像の質も高い。ここでは元画像を8コマにして試してみた。
 回転角を3.4度おきとして撮影した8コマを写真4−7に示す。


写真4−7 回転角3.4度おきに撮影した8コマの写真(Olympus C-840L)
左上のコマが最も右の視点像で、右下までZ型に並べた

 8コマをstriperで合成すると、出来上がるイメージは480dpi(8×60dpi)となり、元のサイズ(960×1280)のままではプリントサイズが先程の1/2(面積比では1/4)になってしまう。プリントサイズを同じ(葉書大)にするためには、最終的に1920×2560dotの画像が得られるようにしなければならないが、そのためには元画像のサイズを、レタッチソフトなどで2倍に拡大してからstriperを使えば良い。これを手順1に示した。

手順1 元画像をレタッチソフトで所定の倍率だけ
拡大してからstriperを使用する

 ただこの方法では元画像のデータサイズが各々4倍になり、さらにコマ数も2倍になるため、扱うデータ量が4コマの8倍に増えて重くなる。PCの容量や速度に余裕があれば、この程度のデータ量は大きな問題にはならないだろうが、手順1ではコマ数の3乗に比例して扱うデータ量が増えるため、さらにコマ数を増やす際には不具合を起こさないか心配である。
 本来、元画像のコマ数に伴って増やす必要があるのは横のdot数のみで、縦はサイズ合わせのために横に比例して拡大するものであるから、これによって縦の解像度が増すわけでもない。このことに着目すれば元画像の拡大は横のみで良く、縦はstriperを使った後に、合成画像を拡大すれば良いことになる。この方法を手順2に示した。

手順2 元画像を横に拡大してstriperを使い、その後合成画像を縦に拡大する

 これによって扱うデータ量は4コマ時の約4倍となり、手順1の1/2になる。手順2で扱うデータ量はコマ数の2乗に比例するから、特にコマ数が多いときに(3乗に比例する)手順1と比較したメリットが大きい。
 手順2に従い、写真4−7の8つの元画像(960×1280)を横二倍に拡大し、1920×1280dotの画像としてからstriperで合成し、合成画像をさらに縦二倍に拡大して得たレンチキュラー写真(1920×2560)を写真4−8に掲げた。

 

写真4−8 手順2で合成したレンチキュラー写真

 繰り返すようであるが、striperでは合成パネルの「レンズの幅(L)」に480を入れることはできない。ここには適当な値(例えば240)を入れておけばよい。

 写真4−8はダウンロードして、480dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。やはり視点数(コマ数)が増えるとそれだけ見やすい立体写真となる。回転台を使う撮影法なら元画像のコマ数を増やすことは容易であり、また手順2であれば、12〜16コマぐらいまではさほどの無理なく画像を合成する事も出来そうである。



4.まとめ

 ここでは画像の合成にstriperを使用したが、レンチキュラー写真1で紹介した「デジカメであそぼ立体写真」であれば、元画像のサイズを気にする必要がないので更に容易になる。

 回転台を使った撮影はあくまで簡易法であり、厳密には斜めから見た画像に歪みを生じている。ただこの歪みは3Dフォトフレームのように、視域(観察する角度範囲)が小さければほとんど気にならないようである。

 この方法では、撮影できるものが回転台に載るほどの小さな被写体に限られるものの、特別な道具を必要とせずに、なにしろ簡単に実施できる。また撮影した画像をトリミングせずに元画像に使えるというのもありがたい。鉢植えやフィギュアなどの撮影には十分使えるだろう。

 ここで紹介した撮影素材と、それを使って作成したレンチキュラー写真をYahoo!フォトに公開した。ダウンロードして練習用に利用していただければ幸いである。



一台のカメラで撮影する回転台を使った撮影8コマ写真

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