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針穴写真12/レンチキュラー写真3

多眼ピンホールカメラ

針穴写真の利用

4コマ写真3コマ写真まとめ


1.ピンホールカメラで元画像を撮影する

 Nishika N8000のような35mmフィルムを使う3Dカメラでは、レンズ間距離が小さく視差を大きくとれない。レンズ間距離を大きくするにはサイズの大きなフィルムを使う必要があるが、印画紙を使うピンホールカメラであれば、このような条件を満たすものを比較的容易に自作することができる。
 ここでは六切(8×10)の印画紙を使った汎用のカメラに、三〜四のピンホールを並べて多視点像を撮影し、これを元画像としてレンチキュラー写真を作成してみた。使用したカメラを写真3−1に表す。

 

写真3−1 六切(8×10)印画紙を使う多眼ピンホールカメラ

 ピンホールを有するフロントパネルの裏には図3−1に示すようにマスクを付け、図3−2のように光線を絞って各コマのフレームを形成している。

図3−1 フロントパネルとマスク 図3−2 マスクで像の重なりを防ぐ

 実際に裏側から見たマスクの様子を写真3−2に示した。フロントパネルには角材をはさんでネジ止めし、穴の大きさは実際に試写して修正した。

 

写真3−2 フロントパネルの裏に取り付けたマスク

 このカメラによる撮影例(ネガ)を写真3−3に表した。六切印画紙一枚に3コマおよび4コマの写真が撮影される。3コマの方はピンホールの間隔が80mm、4コマの写真ではピンホールの間隔が60mmである。

 

写真3−3 多眼ピンホールカメラの撮影例(GEKKO VR2, D76 1:3希釈現像)

 このネガをイメージスキャナで読み取り、レタッチソフトでネガポジ反転と鏡像反転を行って元画像にする。PC上で処理してプリントアウトするものであるため、コンタクトによるポジプリントの作成は行わなかった。




2.4コマ写真

 写真3−3の下半分をイメージスキャナ(EPSON GT-9700F)で読み取り、ネガポジと鏡像反転をしたものを写真3−4に示す。

 

写真3−4 イメージスキャナで読み取った4コマ写真

 ピンホールの位置が全体的に偏って、最も左のコマの横幅が小さくなってしまった。このためトリミングしてできる元画像の幅は5cm程になると思われる。4コマ写真からレンチキュラー写真を作る手順はレンチキュラー写真1と同じなので、最終的に240dpiで印刷して葉書の幅10cmになるためには、イメージスキャナの読み取り解像度は倍の480dpiとすればよい。

 写真3−4の読み取りデータから各コマを分離し、基準点は水飲み場に置いてレンチキュラー写真1と同じ要領でトリミングして揃えた四つの元画像を以下に示す。


写真3−5 各コマを分け、トリミングした四枚

 これを元にstriperで作成したレンチキュラー写真を写真3−6に掲げた。ダウンロードして240dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。画像の大きさは葉書サイズより(特に上下が)大きいので、適当にカットして印刷していただきたい。

 

写真3−6 striperで合成したレンチキュラー写真

 ピンホール間が60mmとNishika N8000のレンズ間隔の3倍強あるので、そこそこの視差が確保できている。さらに視差を強くしたければ被写体により接近して撮ればよく、被写界深度の深い針穴写真では撮影距離の制限が実質的にないといってよい。



3.3コマ写真

 写真3−3の上半分をネガポジ及び鏡像反転したものを写真3−7に示す。

 

写真3−7 イメージスキャナで読み取った3コマ写真

 先程と同じ要領で作成すると完成するイメージは180dpi(3×60dpi)となり、少し粗い画像になる。そこでstriperの変数「レンズあたりのピクセル数(F)」を2として(これまでは1であった)、360dpi(2×3×60dpi)のイメージを作るものとする。
 プリント幅が4インチ(葉書)とすると1440dotになるが、写真3−7のコマ幅約8cmをトリミングして幅3インチ(7.5cm)の元画像が得られると仮定すると、スキャナの適正な読み取り解像度は1440 dot÷3 inch=480dpiとなり、偶然にも先程と同じになった。
 読み取ったイメージから各コマを分け、滑り台に基準点を置いてトリミングして整えた三つの元画像を写真3−8に掲げる。


写真3−8 トリミングして整えた三枚の元画像

 図3−3にstriperの操作画面を示す。前述したとおり合成パネルの「レンズあたりのピクセル数(F)」は2とするが、「レンズの幅(L)」に360を入れることはできないので、ここには適当な値(240)を入れておく。レンチキュラー写真1で説明したとおりこの値は出来上がるイメージには影響しない。



図3−3 striperの操作画面

 こうして出来上がったレンチキュラー写真を写真3−9に掲げる。こちらはダウンロードして360dpiの画像として印刷すれば3Dフォトフレーム用のレンチキュラー写真となる。

 

写真3−9 striperで合成したレンチキュラー写真

 視点数(コマ数)が4から3に一つ減ることは、立体写真の機能としては劣ることを意味するが、一方でピンホール間が80mmと開くため視差は大きくなり、撮影距離をより大きくとることが出来るメリットがある。



4.まとめ

 視差のある複数の画像を同時に撮影するような特殊なカメラが必要なときには、まずはピンホールカメラで作れないか考えてみると良い。レンズなど高価な部品は不要だし、ピント合わせなど面倒なメカもいらない。簡単な構造で作り易く、高画質とはいかないが、レンズ付きフィルムやトイカメラと大差ない程度の画は撮れる。さらに言えば針穴写真独特の味もある。

 ここで紹介したものを含め、多眼ピンホールカメラで撮影した素材と、それを使って作成したレンチキュラー写真をYahoo!フォトに公開した。必要ならそちらからダウンロードして自由に使っていただきたい。



ピンホールカメラで元画像を撮影する4コマ写真3コマ写真

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