ようこそ、ヤワラー拷問刑罰博物館へ



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◆『バンコク裏の歩き方
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 スクンビットやサイアムスクエアのあたりを歩いてて、青い色のエアコンバス501番が通りかかったら、迷わず飛び乗りましょう。でもって、小銭の入った金属製の筒をジャラジャラいわせつつ車掌さんがやって来たら、元気よく、「ヤワラー!」と告げ、10バーツを渡します。道路の混み方にもよりますが、30分もしないうちに、バスは「金行」や「燕巣・鱶鰭」が並ぶ中華街ヤワラーに着きます。降りるべきバス停は、ヤワラーをマハチャイ通りに突き当たり、バスが右折するあたり。目の前のメリーキングデパートが目印です。

 バスを降りたら、そのままマハチャイ通りを北へ歩いて五分。なんの変哲もない公園が左手に見えてきたら、そこが地獄の入口です。ほんの十数年前まで、この辺、刑務所だったんですね。だから公園入口には、写真のような監視搭があったりします。




 公園入ってすぐのとこにある塗りなおしたばかりって感じの真っ白な二階建ての建物……それが『刑罰博物館』です。靴を脱いで中へ入ると、いきなり渋い展示が……。地味です。一村一品運動で手工芸品つくってるのかと思いました。でもでも、よく見てください。指つぶしてます。うひゃあ。

 この博物館、訪問者がものすごく少ないので、運が悪いと、ガイドさんにマンツーマンでマークされてしまいます。で、私にはSさんという正義感の強そうなお兄さんが張り付いてくれたのですが、いきなり写真撮影禁止宣告されてしまいました。よっぽど、撮りたそうに見えたんでしょうか……。このSさん、つい四年前まで、ナコンナヨックの刑務所に勤めていたそうで(オツトメしていたわけではない)、この博物館には人事異動で配属されたようです。




 ものの本には、名君ラマ五世の時代に、現代タイの礎となる法律や社会インフラが整えられたとあります。確かにその通りなのですが、この時代にはまた、中国から流れてくる越境者が多く、そうした人々が犯罪や麻薬に走るケースが後を絶たなかったようです。

 しかし、そーゆー悪いことする人たちには、きっついお仕置きが待っていたのでした。右の写真見てください。なんとまあ、おおげさな……アフリカからの奴隷船かと思いました。絶対、肩こっちゃいますよ、この人。すぐ横には、左右両側からテコの原理でコメカミを押し潰す情け容赦ない責め道具も飾ってありますし、他にも、ポン中の囚人が自作した竹の注射器や、彼らが面会時こっそり受け取っていたいけない差し入れが、力強く実物展示されています。

 そういえば、実際の脱獄囚の写真パネルもありました。当時の脱獄さんたちはかなり気合い入ってたようで、便所の排水溝(臭くないのか?)や、トラックのエンジンルーム(熱くないのか?)に身を隠してて発見された様子が、白黒写真で見事に記録され残っています。




 これは痛そう。血がでちゃう。Sさんのガイドにも一段と力が入ります。
 「つま先が、宙に浮くくらい、こうグイッとですね……エヘヘ」
 こんな体勢で尋問されたら、たとえやってなくたって、「ワタシがやりました」ってゲロっちゃうと思うんですが……。しかし、得意満面の笑顔で説明しまくるSさんに、そんなツッコミできません。

 ところで、私が一番「こりゃすげえ」と思った拷問は、このページには写真載せてません。基本的に撮影禁止なので(その割には、何枚も貼ってる?)、思うように写真が撮れなかったのです。仕方ないから、文章のみで説明させてもらいます。適当に想像してください。

 @人が丸まって中に入れるほどの巨大なセパタクローの球を用意
 A当然のごとく、球の内側には無数の五寸釘が出ている
 B容疑者を球の中に押し込める
 C象を連れてきて、その球を蹴ってサッカーさせる

 ビビッたのは、展示されてるこの『拷問ダマ』が、レプリカではなく、実際に使われていたホンマモンだったことです。たっぷり血を吸ったであろうクギもしっかり残っており、ロウ人形の容疑者が中に押し込まれていました。わざわざ象に蹴らせるところが、アメージングタイランド。異国情緒たっぷりです。




 昔のタイの死刑は、写真のような感じでお寺で行われたそうです。赤い旗を目印にたて、首チョンパ。執行人は、はるばる中国から「その道の達人」を呼んできたりしたとか。当時の首切り職人ってことで、貧相なじいさんの写真が飾られていたのですが、こんなきゃしゃな老人が、ごっつい荒くれ者たちのぶっとい首を一刀両断できたんだろうかと不思議に思いました。きっと、大根のカツラ剥きみたいに、コツがあるんでしょうね。

 目隠しして足カセしたうえ、手首も縛っていますが、死刑囚の手にはハスの花を持たせています。仏教的な風情があって、心がなごみますね。ちなみに、切り落とした生首は、竹に突き刺し、晒しものにして楽しみました。さらに、この実演人形の周囲には、各種手カセ足カセや、処刑人が返り血を洗い流すのに使った水浴び用の釜など、マニアックな小物も展示されており、見逃せません。



 
 上記首チョンパは、70年ほど前、マシンガンによる銃殺に替わりました。現在もタイの死刑はこの方法でやってます。「近い将来、注射による安楽死スタイルになると思います」と語るSさんの横顔は、ちょっぴり寂しそうでした。

 処刑のスタイルが変わっても、「成仏してね」とハスの花を持たせてあげる伝統は受け継がれています。目隠しされてる人にしてみれば、
「ハスの花なんかいらないから、撃つのやめてくれ」と言いたいところでしょう。

 参考までに、1930年から2002年までの間に、287人(内、女性は二人)の銃殺刑が執行されています。ちょこちょこ国王の恩赦などがあるため、思ったより少人数です。



 ちなみに、これがパンフレット。青刷りのシリラート死体博物館のパンフに比べると、はるかにハイクオリティーです。
 写真ではわかりにくいと思いますが、長方形のそっけない紙切れではなく、こったデザインの折り返しがついてて、散りばめられた無表情なロウ人形たちの凄惨な姿も、味わい深いものがあります。一部もらって帰れば、友達に自慢できるのはいうまでもありません。

"Corrections Museum"
 436 Mahachai Road, Samranrach,
 Bangkok 10200 Thailand
 Tel: 02-226-1706, 02-225-7320

(きっつい展示があるのは南側の建物。北側建物は昔の刑務所内の備品等の展示が中心。日曜と月曜がお休みです。開館時間は朝八時半から午後四時半ってことになってますが、かなりいい加減。人が来ないので三時に閉めちゃったりします





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