■ 皿井垂 とびとび日記 2016 ■   Last Update : Aug 12, 2016

日付がとびとびだから「とびとび日記」。別に私自身がとんじゃってるわけではないです。メールも歓迎

⇒HOME ⇒BOOK ⇒BBS ⇒DIARY1999〜 ⇒BLOG2016 ⇒twitter




2016/8/12

  タイ王妃誕生日。ホアヒン、プーケット、パンガー、スラタニ、トランといった欧米人観光客の多いビーチリゾートで連続爆弾事件発生。反軍事政権勢力による騒乱かイスラムテロか、誰の犯行かはともかく、ホアヒンで死者が出たのは結構ショックだった(少なくとも日本人サラリーマンの集団全裸事件以上の衝撃)。
  仕事の関係もあって、日本人旅行者などまったくいなかった十数年前からよく訪れていたホアヒン。実はかなりのお気に入りスポットで、ちょっと前にもこっそり長期滞在していたし、一昨日も次のロングステイのため、宿を予約したばかりだった。サンタイ、ゴーティKOTI、海鮮鍋食堂、ナイトマーケット、イーストスクエア、マーケットビレッジ、グランドホテルマーケット、マンマミーア、ベロドルチェ、チャオレイシーフード等々、なじみの店たちは何事もなかったように涼しい顔して営業してるんだろうけど、よりによってホアヒンに爆弾とは……やるならふつうパタヤでしょ。あ、そういうこと言っちゃいけない。
  それはさておき、最近は日本のニュースでも「フアヒン」や「ハートヤイ」など原語の発音に近い表記をすることが多くなったのには感心する。個人的には、昔のガイドブックでよく見かけた「ホアヒン」とか「ハジャイ」といった和製カタカナ地名もわりと好きなのだが。


2016/7/1

  アメリカ本土にのりこみ、中西部をうろうろ。ちょうど旬の時季なのでスーパーで大量に買いだしたアメリカンチェリーを毎日むさぼり食っている。果肉が大きく超ジューシーで甘みも酸味も申し分なし。空港で、バスで、モーテルの部屋で……ところかまわず口に放り込んでは、タネをぷっぷと飛ばすのだ。
  で、そんなアメリカ放浪中に東京の編集さんからメールをいただいた。どうやら久々にタイの本を作ることになりそうだ。いや、正確には、作ることが決まったので作業をそろそろ始めましょうって感じ。というわけで、完成はまだまだ先だけど、やる気スイッチは既にオンとなり、ベルトのゲージも頂点に達して、全身のチャクラから黒い本気汁がほとばしっている今日このごろ。タイマニアのお友だちは気長に待っててね。


2016/3/7

  トンローの老舗漫画喫茶Kで、『ザ・ワールド・イズ・マイン』(新井英樹)を読破。抜群に面白いが、えぐい描きこみと方言の長ゼリフのせいで、読み切るのに素晴らしく時間がかかり、連日通うことになってしまった。日本ではとっくの昔に絶版になったガイキチ人殺し漫画が、色あせてガビガビの状態ながらも、バンコクの片隅に全14巻そろってるって、なんだか感動的である。
  Kは「ネカフェ」ではなく、あくまで「マンキツ」ゆえ、店内に集う同好の士たちも、true coffeeでタブレットいじってるようなヘナチョコ連中とは一味違う、キャラが立ってる方ばかりだ。まるで生ける屍のごとく生命力が一切感じられない外こもり青年、昼間からビールかっくらって威勢よく週刊誌をめくり続けるロングステイおやじ、糖尿病の予備校生みたいな年齢不詳の風貌でリクライニングシートを占拠し続ける独り言野郎、パーテーションの陰にへばりついて少女漫画に読み耽る新井素子風メガネ女子、やる気ゼロの外まわり営業マンと正体不明の自営業者からなるサボリ軍団……。平日昼の「だめだめタイム」の漫画喫茶は、“見捨てられた動物園”といった風情があってやめられないのだ。


2016/1/25

  大寒波襲来。台湾の死者は90人に迫り、沖縄本島では史上初のみぞれ、韓国チェジュ島は吹雪で空港閉鎖、アメリカも暴風雪が続き、ワシントンと10の州で非常事態宣言……。バンコクも最低気温が15度まで下がり、そりゃもう上を下への大騒ぎだ。道行くタイ人の防寒ぶりも、なにもそこまでせんでもと言いたくなるほど厳重で、笑いをこらえるのに一苦労する。ウールのカーディガンにマフラーは当たり前、ダウンやフリース着用の勤め人までいる。近所のイサーン屋台のおばちゃんなんか、いまどきFashionTVでも見かけないようなもっこもこのフェイクファーを羽織っていたが、ブツの入手経路が気になって仕方ない。ラチャダー鉄道市場などナイトマーケットの露店商も相当つらいらしく、アニメ柄の毛布にくるまり凍死寸前の仮死状態で商売していたし、ソイのバイタクの兄ちゃんも、昼夜を問わず焚き火で暖をとっている。1年365日毛穴フルオープンのタイ人って、気の毒なぐらい寒さに弱いのだ。
  下の写真は、エアコンバスの冷気吹き出し口にカーテンを突っこんでしのいでいた乗客。鼻血が出たとき鼻の穴にティッシュ詰めこむようなノリだ。寒波が来ようが、氷河期が始まろうが、外気に負けぬようさらにキンキンに冷やしまくるのが、タイのエアコンバスの流儀なのである。


2015/12/3
  スクンビット・ソイ39のワットポー・マッサージスクールで、ニッチェ江上似のおばちゃんにグイグイやってもらい、終わってさあ帰ろうとしたら、外はどしゃぶり。按摩屋の待合室で「BILLY BAT」読みながら一時間雨宿りしたが、雷までゴロゴロしだして全然やむ気配がない。仕方ないから、走って道路向かいの大上海酒楼にかけこみ、晩飯食ってやむのを待つことに。
  グレートシャンハイなんて、いかにもインチキくさい店名だが、太古の昔に会社勤めしていた頃、日本からの客に時々北京ダックを食わせていたなじみの店である。ちょっと懐かしい気分になったが、十年ぶりに入った店内は、唖然とするほど昔のままだった。時の流れが、ここだけ完全に停止している。BTSプロンポン駅の真下、最新のおしゃれスポットエムクオーティエの目の前にありながら、この干からび方を十年間もキープするとは、恐るべき根性だ。私も思わず感動して、1500バーツのダックを丸ごと1羽注文してしまった。
  それにしても、12月の乾季のバンコクに雨が降るなんて、昔はありえなかった。ここ数年は、当たり前のように降る日があるわけで……。変わらないのは、煤けた老舗中華レストランだけ。気候も街の景観も、めまぐるしく変化しているのである。


2015/10/4
  日曜の朝から、たかぽんより、「サンケイ新聞で我々の本が取り上げられてますよ!」という元気溌剌メールが届く。御用新聞にほめられたということは、ある意味、自民党政府、いや、安倍政権のお墨付きを得たようなもの。『地球の歩き方』の「タイを知るための書籍ガイド」欄で紹介されたときに勝るとも劣らぬ感動だ。うれし涙をぬぐいつつ記事を見てみると、ツタヤが管理する最新鋭の図書館の英断を称えつつ、『バンコク裏の歩き方』の宣伝をしてくれているようだ。かたじけない気持ちでいっぱいになったが、添えられたゴチャ混ぜ写真はイマイチで、思わず、「牛のクソにも段々があるんでぇ」と叫びそうに……。
  それはともかく、売り上げが落ちるだけだから、図書館に自分の本が入荷されて喜ぶ著者などいませんてば。というか、そもそもツタヤとは無関係な普通の「公立図書館」の本棚に、『裏バンコク』や『裏ソウル』が並んでるの何度も見たことあるのに、なにをいまさら……。


2015/9/1

  バンコク繁華街の超ど真ん中、ラチャプラソン交差点のエラワン廟で先月起こった爆弾テロ事件はびっくりだった。テロやデモやクーデターなど、わかりやすくネガティブな暴力沙汰があると、当然タイを訪れる日本人はぐっと減るから、例によってジリ貧スパイラルが始まる。タイ旅行のガイドブックや風俗情報誌は売れなくなり、そのてのアフィリエイトで稼いでいた旅サイトや個人ブログもアクセスが減って、困窮邦人が増加。在住者のリピーターがいなくて観光客だのみだった現地の飲食店や風俗店も売上ダウンするから、客単価を上げるためのぼったくりが横行、その流れで街の治安も悪化して……みたいな殺伐としたパターンである。こりゃ旅行代理店なんかも大変だよなあ、なんて思っていたら、アソーク・タイムズスクエアビルの日系代理店プログラムDが夜逃げ、いや、閉店という報が入ってきた。バンコクに長い人なら、BTSナナ駅のDTSやカオサンMPツアーの最期を思い出すことだろう。日本人が仕切る旅行代理店の末路は、いつも極めてタイ的だ。


2015/8/3

  来月で『DACO』の連載コラムが100回目を迎えるので、タイおたく界の頂点に君臨する女帝・げのさんや、伝説の外こもりすと・ふくちゃんなど、ゴージャスなスペシャルゲストに登場していただくことにした。別に意識したわけではなかったが、なんのことはない、気がついたら、『バンコクジャパニーズ列伝』でお世話になった方ばかりだ。最近の海外在住者はみんな「SNS上手」で、己の全存在をかけたようなリア充アピールを披露してくれるが、自分としては、やっぱり昔ながらのバンジャパ軍団のほうに圧倒的な存在感を感じるわけで……。まあ、破壊力という意味では、テレビ朝日バンコク支局長の独壇場だけど。


2015/4/20

  今年のソンクランも水掛けで盛り上がるホリエモンしくじり先生の目撃報告が相次いだが、タイ正月のこのタイミングで、3チャンネルでは『きもの秘伝』という夜のTVドラマが始まった。バード=トンチャイ17年ぶりの主演ドラマということで、日本でいえば「木村拓哉、13年ぶりにフジの『HERO』で“月9”枠に帰還」みたいなものである。コン・キモノ(Kol Kimono Japanese Experiences)というだけあって、このドラマの舞台となるのは日本。円安のおかげか、けっこうな規模の九州ロケを敢行している。日本ものは『クーカム』コボリ以来バードのお家芸になっているが、最近は昔のような勘違いだらけの日本描写もめっきり減ってしまい、こういうドラマを見てもゲラゲラ笑えず寂しい思いをすることが多い。観光で訪日するタイ人も増えまくっているし、タイは今、そこらじゅう“日本ツウ”だらけなのだ。


2015/2/13

  日本では、キアヌ・リーブスが新宿や秋葉原で目撃され話題になっている。普通にぶらぶら歩いてたって。
  はっきり言うけど、バンコクなんか全然もっとすごいよ。ゴールデンの連ドラに出てる某イケメン俳優が、ラチャダのXXXXから普通にスッキリしてふらふら出てきたのを目撃したことがある。百戦錬磨の女性従業員のみなさんもさすがに騒然となり、競うようにお見送りしていた。有名芸能人だからってコソコソしないところが偉い! というか、もしかして羞恥心というものがないのだろうか?
  そんなこんなで、キアヌも登場する新刊『映画の中の奇妙なニッポン』、「入稿しました」と東京から連絡あり。2月25日あたりに本屋に並ぶそうなので、よろしくお願いします。


2015/1/11
  ジャパニーズラーメン店の海外進出は加速しているが、バンコクも例外ではなく、「一風堂」から「亀王」まで新店が続々オープンしている。そんな中、ここ数年間でバンコク市内の店舗数が最も増えたのが「ちゃぶ屋とんこつらぁ麺 CHABUTON」だ。で、マーブンクロンセンターにも間口の小さな「ちゃぶとん」支店ができてるのを見つけ、中へ入って一番タマダーなやつをズルズルやっていたら、すぐ隣のテーブルにファランの家族連れがやってきた。神経質そうな父親と疲れた感じの母親、中学生ぐらいの長男&長女の四人家族。ドイツ語で会話している。メニュー片手に真剣な表情で議論し始めた一家は、どういう注文をすれば四人とも満足できるか、サイドディッシュも含めてオーダーの組合せを必死に考えているようだ。
  (こんな目立たないラーメン屋にすぅーっと入ってきて、時間をたっぷりかけ真剣にメニューを選んでいる。最近は欧米でも日本のラーメンは人気らしいから、この家族は相当なツウに違いない……)一家のシリアスな雰囲気に少なからぬリスペクトを感じつつ、隣席の様子をうかがっていると、やがて彼らのオーダーが確定した。
  「替え玉3つとご飯1つ。それからトッピングメニューにあるカラアゲとモヤシ」
  メニューには写真も載っているし英語の説明もついている。確信犯だ。このガイジン夫婦はこれだけを注文し、食べ盛りの子供二人とシェアしてしのぐ節約作戦を発動したのである。ラーメン屋に入って肝心のラーメンを頼まず、替え玉だけ注文するなんて目からウロコだ。というか、タイ人店員もなんで普通にそのオーダーを受け入れるんだよ! そもそも替え玉なんて、茹でてあるだけで味がないでしょーが!


2014/11/6
  ローイクラトーンの夜。BTSサラデン駅のホームはサパーン・タクシンに向かう人でごったがえしていた。毎年のこととはいえ、タイでこれほど大混雑する駅を見る機会はめったにない。
  午後7時には、ホームにあふれた乗客は階段のほうまで行列し、もう絶望的。結局、私はあきらめて逆方向のホームに移動し、空いてるナショナル・スタジアム行きに乗ったが、タイのみなさんはおしくらまんじゅう状態でスマホいじくったりおしゃべりしたりしながら辛抱強く電車を待っている。電車そのものも超満員なので、たとえやって来ても誰も乗車できないのだが……。タクシン橋に着いたら着いたで、クラトーン(灯篭)を流そうとする人や船着場で船を待つ人で、再び地獄のおしあいへしあいとなる。ガイドブックの写真で見るのとは大違い。現実のローイクラトーンは情緒もへったくれもないハードなイベントなのだ。


2014/8/15

  子宮貸しするだけで100万円前後の報酬がもらえるというのは、大卒初任給が6万円かそこらのタイではおいしい話。グレーゾーンの代理出産ビジネスが盛んになるのも当然かもしれない。おつむはちょっとアレだけど、金と精子だけはたっぷりあるぞという日本人青年が、千人斬りならぬ千人の子供製造計画を代理出産で実現しようとするのも、タイならじゅうぶんありえる話だ。
  そういえば、体外受精&代理母がらみのアンダーグラウンドなメディカルツーリズムとは対照的な、「夏休みにバンコクの名門美容整形外科ヤンヒー病院に行きまーす!」という匿名日本女性からの明るいメールも昨日受け取ったばかり。屈託のない文面がステキだったので、一部紹介させていただこう。
  「『炎の覚醒ダイエット』じゃないけど、ヤンヒーでホスピタルダイエットの痩せ薬をもらい、ついでに、まぶたを切開し、タイ人好みの、パッチリお目目にしようともくろんでいます。あわよくば、鼻も不自然に高く真っ直ぐに、さらに胃腸をバンドで閉める・・・というのも検討中。まぶた切開手術から7日間は、バンコクにいなければなりません。だいたい10日くらいの滞在です。皿井さんは、もう、うんざり・・・かもしれませんが、拷問博物館、シリラート死体博物館、屋台の生ジュースはしご、老舗サウナ・バビロン(せめて入口まで行く)、ルンピ二公園周遊・夜のタクシー貸切ドライブ、カリプソ・マンボのオカマショー、ヤワラー散歩は、最低でも行きたいと思ってます。できれば、伝説のソープ王・チューウィット氏のサインもらいたかったなー」
  う〜む。大昔に本に書いたこと覚えていてくれたんですね。とりあえず、ハブアグッドトリップ! ハブアキットカット!


2014/6/3

  カンボジアのクーロン黒沢さんが鬼のような勢いで発信している魂のKindle雑誌『シックスサマナ』。その最新号に『さわやかタイ読本』の同窓会気分で参加させていただいた。
  それにしても、サンプルテキストを拝見したら、地下世界でその名をとどろかせた偉人たちの名前やキャッチフレーズがズラリと並んでいて、凄まじい迫力だ。思い出すまま、敬称略で列挙させてもらうと……チェンマイホームレス、コボリさん、プノンペンのスラムビル・ブディン、石川正頼、人生再インストール、病める日本の処世術、やさぐれ旅行人、仁義なき買春、DJ北林、最貧国の最安置屋、PPカシン、ジュライ・エロ親父、海外移住、下川裕治、蔵前仁一、印税生活、岡本朋久、カオサン殴り込み、本因坊、ジェミング志村、日本脱出、ミスターK、マイレージの鬼、山田・サム・レンシー・五郎、乞食マイラー、土俗信仰・呪い師、ネクロマンサー、西山たけし、ルンペン氏、コイワカメラ、セックス依存症アダルトチルドレン、ハイジアの鷹、ヤワラー買春大学、日タイハーフの毒舌OLイトゥー、村田らむ、傭兵ドキュメンタリー、君塚正太、鏡の中の戦争、サージェント坂木、とりドル、怪談サークル、オカルト研究家、吉田悠軌、イノ井上太夫、ケチケチ・グル、無料クーポン、放浪人生、節約生活、ハイエナニュース、ザビエル古太郎、ニート仲間仕送り担当、ケータイ乞食、黄金町ちょんの間、サボール、海外就職、就活女子、シラフ・少女・狂犬の日替わり人格、統合失調症の立ちんぼB子……。
  豪華すぎる。まさに地獄の満漢全席、たまきん全力投球だ。これで価格が350円というのだから、これはもうなにかの罠じゃないかと疑われても仕方がない。さあ、100円玉握りしめて近所のアマゾンにGO!


2014/5/22

  大本営発表あり。8年ぶりのクーデターと夜間外出禁止令のコンボだ。一昨日、戒厳令が出て、なんとなく「?」な感じだったけど、結局いつもの展開になったのである。反政府デモ&首都封鎖作戦(バンコク・シャットダウン)がずるずる続いてインラック首相が失職し、エリート層が支える反タクシン派の中核とも言われる軍が動いたということか。
  2006年のクーデターではノーテンキに戦車見物、2010年のバンコク騒乱時には戦場と化した民主記念塔やルンピニ公園の流血ぶりにあわててパタヤにとんずら……在住日本人も大忙しだが、今回はどうなるんでしょうね。


2014/1/6

  せちがらい。ユナイテッド航空マイレージプラス特典旅行の条件が、よりシビアに変更される。これまで3万マイルあれば日本―タイの無料往復チケットがもらえたのに、2014年2月1日から4万5千も必要になるのだ。しこしこ貯めていたマイルは、今月中に使って予約・発券してしまわねば。しかし、調べてみると、なにかとめんどくさくて嫌になる。マイルの譲渡やストップオーバーなど、ちょっと変則的なことをやろうとすると、UAのオフィシャルサイトはいきなり英語メニューになっちゃうし、スターアライアンスでANAの日本国内線やホテル宿泊券・レストラン食事券に手を出そうとすると、有効な予約期間も変わってくるし……。円安傾向なのに、ことあるごとにドル建て手数料がかかってくるのもうっとうしい。そんなこんなで、新年早々、必死のマイルやりくりは続くのである。


2013/12/25
  『ミステリマガジン』の書評欄が取り上げてくれたり、出版業界紙『新文化』が「異色の映画解説本が話題に!」とコラムを書いてくれたり……渋い紹介文が続いて恐縮していたら、クリスマスにはLivedoorNewsやExciteNewsにまるでサンタのプレゼントのような甘酸っぱい記事が! テレビリサーチ会社Nicheee!さん、ありがとう!


2013/9/25
  皿井垂(さらい たれ)名義の新刊『トラウマ日曜洋画劇場』発売。小人プロレスまでテレビで流していた昭和の「あの頃」にタイムスリップし、どういう映画を見て育つと、こんなどうしようもない大人になって日本を飛び出してしまうのか、自分なりに検証してみました。なんばきびさんに描いてもらった表紙イラスト中央のテレビの前でのけぞっている少年が私です。とりあえず映画が好き、テレビが好きだという人はもちろん、失われた70−80年代に興味のある人は読んでみてね!


2013/8/15

  日本に滞在して9月に出る本のゲラにずっと注釈をつけていたという変なお盆休み。なにも日本にいるときまでタイ料理店巡りなどすることもないのだが、諸事情により、滞在中は東海・名古屋エリアのエスニックレストランを食べ歩くことになった。
  なぜかメニューにトムヤムクンやガパオ(バジル炒め)がある「餃子の王将・稲沢店」、駐車場をもうちょっとなんとかしてほしい鶴舞の「サワデーすみ芳」、みよし市という極端に地味なロケーションで妙に本格的な味の料理を出す「ぺっぽい」、本物の屋台もあるタイ食堂風内装とお得なバンコクランチが人気の「東桜パクチー」、伏見の堀川納屋橋沿いでかつてはタイ領事館もあった洋館に陣取る「サイアム・ガーデン」、グリーンカレーについてくる米の量が暴力的にすごかった自由ケ丘の「アユタヤ」、タイ人コックが作っているにもかかわらず味があまりにもアレだった春日井市の「バーンチャオプラヤ」、新栄・女子大小路のタイスナック&フィリピンパブゾーンにある「ソンブン」や「スコンター」などなど……。
  バンコク在住者が日本のタイ料理レストランへ行き、現地なら100円もしない料理にあえて10倍返しで1000円払って食べる。不毛とはまさにこのことだ。ひとつふたつチャイダイ(←タイ人がよく使う表現)な店もあったけど、何食っても旨いという店には、正直、日本ではなかなか出会えなかった。結局、安いが一番ということで、いなばのタイカレー缶詰や無印良品のMUJIカレーキットに軍配か?
(写真左は夏に仕事でご一緒したカメラマンさんお勧めの東桜パクチー、右は超高級な店構えにびびるサイアムガーデン)


2013/7/27
  映画本づくりの作業もそろそろ終盤。TV Airで買ったチケットでヨーロッパをさまよったり、日本に戻って博多で出稼ぎ労働したり、韓国にふらっと行ってソウルで息抜きしたり……この数か月、関係ないことばかりしていたような気もするが、コツコツやってるとなんとかゴールにたどりつくものだ。東廟裏路地で見かけた「挫折禁止」看板を思い出す。


2013/4/14

  ともかくこの動画を見てちょうだい。ソンクランの水掛け祭りとは全く無関係に、タイ人女子3人が濡れてぐっしょり。セントラルワールド伊勢丹のあるプラトゥナム船着き場から、道路の渋滞を避けてナナ、アソーク方面に帰りたいとき私もよく乗るが、こんなにひどいのは初めて見た。盗撮、じゃなかった監視カメラの映像は、チャーンイッサラ2の乗り場らしいけど、センセーブ運河をトンローやエカマイ、モール・バンカピの方までボートで行くのって結構ハードなのである。


2013/1/7
  タニヤ通りの以前「有馬温泉」があった場所に昨年末オープンしたカールスジュニアCarl's Jr.でハンバーガー食ってたら、隣の席に学生っぽいタイのにいちゃんが5人ほどやってきて、フェイマス・スターやビッグ・カールほおばりつつ、「イラッシャイマセー、シャチョーサーン」などと、表の通りで客を引くカラオケホステスのまねをして盛り上がり始めた。みんな育ちが良くて真面目そうなお子たちだったから、夜のタニヤなんて滅多に来ないのだろう。「新しいアメリカのバーガーショップができたから行ってみようぜ」みたいなノリで来たら、お店周辺が異様な日本人エロ地帯だったわけだ。タニヤがそんな風になっちゃったのは別に私のせいではないのだが、なんかバツが悪くてそそくさと店を出た。


2012/10/5
  12人の刺客が野に解き放たれた!レベル99まで達したいずれ劣らぬドライマスターたちがバンコクの地に再び集結、過激なサービス精神を発揮して、家計簿明細から夜のアクティビティーまで赤裸々に語ってくれました。果てしない夢について、偏った趣味について、ねじくれた野心について、悶々とした欲望について……トークは北方限界線を越え、タイマニアの魂を揺さぶる根源的な疑問へと向かいます。「どうして日本じゃダメなのか?」「なぜタイに住みついたり通いつめたりするのか?」「バンコクに住んでいる日本人の実態はどうなっているのか?」

『バンコクジャパニーズ列伝』(文庫 680円)
  DACOダコ、アジアの雑誌、G-Diaryジーダイアリー……タイ現地情報誌の中の人にもご協力いただいてリニューアルした文庫版は、カオサン外こもりのふくちゃんはじめ、アジアのシャンバラを征く者たちの魅力満載!タイのMJ-12(マジェスティック・トゥエルヴ)がロズウェル事件の真相まで暴露しかねない勢いで語りまくった"グレイ"な新刊……内容詳細はこちらのブログ記事で


2012/7/20
  アソークのターミナル21、IKEA併設のメガバンナーなど、大型ショッピングモールのオープンが続くバンコクだが、スクンビットにできたゲートウェイ・エカマイには、激安ラーメンチェーン幸楽苑が出店。リンガーハットはじめ、熊本らーめん桂花、広島つけ麺ばくだん屋、東京豚骨拉麺ばんから、筑豊らーめん山小屋など、日本のご当地ラーメン屋だらけのバンコクに、トドメを刺すかのごとく、あのチープな味がタイにやってきたのだ。すき家、吉野家、とんかつさぼてん、CoCo壱番屋、ペッパーランチ、丸亀製麺、お好み焼き道とん堀、牛角 etc. 日本の外食チェーンも、あんまり増えると正直ありがたみが薄れる。モスバーガーや大戸屋が初めてバンコクに来たときには、うれしくて一晩泣き明かしたものだったけど……。タイに来たばかりの頃、まだスカイトレインも地下鉄もなくて、吉牛食うため、わざわざランカムヘンのザ・モールまでノンエアコンの赤バスに乗り、ツユだくどころか汗だくになって……こういうのって、なんかもうヤワラーの冷気茶室自慢と同じ、バックパッカー爺の大昔の思い出話みたいだ。
  ちなみに、アカシックレコードにアクセスして確認したところ、次にバンコク進出するのはスシローとサイゼリヤらしいよ。


2012/3/17
  東京から『バンコク裏の歩き方』増刷決定!とのメールが届く。ありがたや。
  そんな折も折、カンボジアのポイペットとタイのアランヤプラテート国境にて「日本人タカダ、麻薬所持で逮捕」との地元ニュースが……。某山崎つかさタソに続き、バンコクジャパニーズから2人目の逮捕者が出てしまったか……でも、『バンコク裏の歩き方』共著者の高田胤臣さんが刑務所送りってことは、増刷分の印税は一人で全部もらっちゃっていいのかな?などと考えていたら、逮捕時のニュース動画がUPされ、容疑者は奇妙な髪型をして目の泳いだ同姓の別人であることが確認された。よかったよかった。いや、ほんとに。


2011/12/10
  日本の某自動車部品会社の御曹司を紹介され、一緒に有名居酒屋に。将来をがっつり約束された30歳のサラブレッドは、年明け早々にも、工場長としてバンコク東部にある某工業団地に赴任するそうだが、当然、皿井などという人間のことなんか知らないし、会食相手はタイで働いてたことのあるそこらのおっさんだと思っていた。私としても、これ幸いと、真人間のふりをしながら、御曹司の語る未来のビジョンにへーこら相槌を打っていたのだが、そうこうするうち、彼の口から「そういえば、タイに赴任する餞別に『バンコク裏の歩き方』という本をもらったんですよ」との言葉が……。
  あの、実はその下品な本を書いたのは、あなたの目の前でぼそぼそ手羽先食ってる男なんですけど。というか、赴任前にそんなの読んだら、仕事やる気なくすでしょうに……。
  そんなわけで、思いのほか深く静かに出回っている『バンコク裏の歩き方』。その好評を受け、1年を待たずに第二弾出しちゃいました。

『ソウル裏の歩き方』(彩図社 1500円)
  キャンプ場の便所みたいな臭気を放つXXをマッコリで流し込むエロエンゲル係数世界一のいちゃいちゃマッチョたちを、数ヶ月間観察し続けた韓国生活の集大成!貧乏旅行に燃えるバックパッカーから執拗にソウル出張を繰り返す黒いビジネスマン、さらに、いたいけな韓流ファンから筋金入りの嫌韓ネトウヨさんまで……隣の半島が気になるすべての同胞に捧げるキムチ色のクリスマスプレゼントです。


2011/10/24

  50年に1度と言われるタイの大洪水は、アユタヤからバンコクに拡大。自動車メーカーなど日系企業の被害は400社を超え、ナワナコン、ロジャナ、ハイテク、バンパイン、ラクラバンなど、おなじみの工業団地も次々水没。首都圏だけでも10万人に避難勧告が出たというから、しゃれにならない。スーパーの飲料水や食料品は、物流寸断と買占めで品薄。ワニが逃げるだのゾウがおぼれるだの、毎度のニュースも登場。チャオプラヤ川や運河の水位もあげぽよで、ワットプラケオ(エメラルド寺院)など定番観光地も浸水間近。プミポン国王が入院するシリラート病院だって、敷地の一部は冠水しているとか……。
  音信不通だったゴメコちゃんから安否を尋ねるメールが届いたり、TBSラジオから国際電話インタビューの出演依頼が来たり、以前タニヤでメシ食ったNHKのT澤さんがクローズアップ現代『タイ大洪水 苦悩する日系企業』の現場レポートしてるの見て感動したり……盛りだくさんな1週間だったが、さすらいのOLバックパッカーYちゃんはといえば、個人的かつ局所的に、とっても洪水しているのだった


2011/9/22

  パンティッププラザ方面にある某社で働く日本女性のハードなエピソードを聞いてしまった。すばらしく勢いのある話だったので、気の毒だとは思うが紹介せずにいられない。
  比較的大食いなのに、以前から周囲がうらやむほどスタイルのよかった彼女。ところが、ある時期を境に、そのスリムな体型は度を過ぎたものとなり、周囲の人間も「いくらなんでも尋常じゃない」と断言するほど、アウシュビッツ的に激ヤセしてしまった。
  さすがに本人も不安になり、病院へ。検査はコンラッドの「闇の奥」さながらに、尻穴から腸へと遡行していったが、その結果判明したのは、丸尾末広も日野日出志もはだしで逃げ出しそうな、オールスターキャストによる寄生虫コンボという衝撃の事実。長期に渡り、専門医もドン引きするぐらい多種多様な虫さんたちを腹の中で飼育していたのである。
  当然、治療は「むしくだし」でということになるが、ギョウチュウだのカイチュウだのサナダムシだの、体内のエイリアンたちがあまりに豪華な顔ぶれだったため、ちょっとやそっとの投薬では事態は改善されず、「むしくだし」カクテルの服用期間は1ヶ月以上延々と続いたというから恐ろしや。
  「用を足したら、カップヌードルみたいなやつが便器でうにょうにょ蠢いていた」(本人談)という無邪気な告白はともかく、彼女は大の貝好きで、屋台での生食なんかも日常的にしていたらしい。その現地化ぶりはシュバイツァー国際賞ものだが……タイをなめたらあかんぜよ。


2011/5/11
  東北・東日本大震災から2ヶ月。経済誌ダイヤモンド・オンラインの「僕らの人生交差点 アフター3.11を生き抜く究極の二者択一」という記事になんとなく登場してしまった。不適切な発言やギャグは誌面の性質上当然カットとなったが、おぼろげな記憶をたどると、こんなこと話したような……。
  日本のマスメディアが取材したい「理想の外こもり」の条件は、「就職などでつまずき、日本社会に絶望して外国に逃げてきた」「仕事をせず毎日ブラブラしている、ただしネットで株やFXをやるのは可」「貧乏である、借金苦やホームレスや自殺未遂などのトッピングも歓迎」「20〜30代が望ましく、ロングステイの中高年は対象外」。お腹ピーピーの安倍さんが総理大臣だったとき苦し紛れに口走った「再チャレンジできる社会」というフレーズがあったが、こういう人たちはXXXXXXXXXXXX。勤めていた会社がアメリカに語学留学させてくれたとき、現地で目の当たりにしたホワイトカラーのサバービア生活が衝撃的なお気楽さで、アメリカ人ってつくづくXXXXXXXXXXXX。一方で日本はというと、社畜奴隷の空気を読む能力がハンパない。日本社会の中でしっかり機能している大人たちは、マスコミや公共広告機構に「ひとつになろう」とか「みんなでがんばろう」などといちいち言われなくても、安易に海外脱出などしないし、XXXXXXXXXXXX。東京サラリーマン時代、ある朝、いつもどおり出勤するため最寄の地下鉄駅で降りると、乗り換え用の改札がロープで封鎖され、「ガス漏れ事故のため閉鎖中」の殴り書き。何事かと思いつつ地上に出ると、スーツ姿の人たちが路上にうずくまり、道の両側には何台もの消防車と救急車が。その時点では、オウムがサリンという毒ガスを撒いたのだとは誰もわからなったが、テロ事件や大震災・原発事故といった極端なケースではなくても、予期せぬリストラ&失業などで、永遠に安定していると思われていた普通の人の日常が不意に損なわれたり失われたりするわけで、だったらいっそのことXXXXXXXXXXXX。
  ……カット当然、ポアやむなし。サラリーマン読者相手にこりゃだめだと、おおいに反省。


2011/3/3
  反日テーマパークや軍オタの聖地を巡って韓国ソウルでだらだらしていたら、魔界の修道士=セノバイトがついに禁断のパズルボックスを開いたと緊急連絡が入る。新刊が発売されたのだ。深夜のバンコク危険地帯で、「ラチャダの竹内力」「ぺッブリーのスティーヴン・セガール」「スティサンの永島昭浩」などの称号をほしいままにする共著者・高田胤臣氏の華僑報徳善堂レスキューパワーに後押しされ、今まで禁じ手にしていた領域にあえて踏み込んだ一世一代の大勝負である。

『バンコク裏の歩き方』(彩図社 1500円)
  というわけで、、もう並んでます、本屋さんに。でも、バンコクの紀伊国屋書店さんには置いてもらえないみたいだよ。あれれ、なんでかな?理由はみんなで考えようね!


2011/1/18
  昨年末『マイコン少年さわやか漂流記』のリニューアル版『怪しいアキバ漂流記』がワニ文庫から出たばかりのクーロン黒沢さんと、facebookでつながる。いまさら不思議な気分だが、そのときダイレクトメッセージで交わしたのが、「いやー、フェイスブックって、使い方よくわからなくて足が遠のいてます」「僕もツイッターばかりで、こっちはほとんど使ってないです」というやり取り。結局、お互いあまり使う気がないのに友達登録してしまうのだから、まさに”大人のソーシャルネットワーク”である。
  あ、大人といえば、ホームページで新年のあいさつもしてなかった……と、反省しつつ、ハイテク和食ロボットレストランの写真をペタペタ。昔ながらのこの素朴でひなびたGeoホムペをいじくってるときが一番心安らいだりして。


2010/12/1
  北朝鮮が韓国ヨンピョン島を砲撃したため、現地旅行代理店はDMZ南北軍事境界線上にある板門店(JSA)見学ツアーを中止、ソウル市民の間にも緊張が走り……なんて半島の情勢や世の中の動きとはほぼ無関係に、バンジャパ段田達雄さんと組んずほぐれつ全身汗まみれになって進めてきた電子本プロジェクトが、熱く激しくフィニッシュしました。

『ソウルの暇人〜ひと月たっぷり韓国観光』
(BLOG版・PDF版・EPUB版 300円)
  写真で現地の雰囲気を味わったり、マーカー付きGoogle Mapでハングルがあふれる地図世界を2次元街歩きしたり……旅行情報の収集はもちろん、お出かけ中に携帯やスマートフォンで暇つぶししたくなったときや、家のパソコンでだらだらブログを読んで夜更かししたいときなどに、気軽に活用してもらえればと思います。
  価格は、すき家の豚角煮丼に負けぬよう(なぜ、そんなものに対抗意識を?)、300円ポッキリの"もってけドロボープライス"といたしました。歳末助け合い運動の新しいカタチです。ぜひこちらの「立ち読みページ」にアクセスして、チャリティー精神でご購入ください。


2010/11/15
  紙袋ひとつで海外旅行する男「尊師」から、久々の電話があり夜中に叩き起こされる。
  「全盛期には俺も1千万プレイヤーだったんだ。宮崎あおいとベッキーと栗山千明が主演したドラマのシナリオも書いてたんだぞ。当時は宮崎あおいもセリフ直せとか言わなかったし、栗山千明とは何度も話す機会があったけど、ほんとに普通の女の子だった。あの頃は一晩に30万自腹切って、プロデューサーをキャバクラ接待したりしてたのにさあ……」みたいな過去の栄光から、都落ちして某ど田舎のレオパレスに転がり込み、返済月額1万円の農協ローンで購入した中古のeKワゴンを駆ってすき家の牛丼(肉1.5倍)を食いに行くのが日課だという壮絶な近況まで、人生無常を感じる起伏に富んだ身の上話を小一時間拝聴する。現在の悩みは「アニメ鑑賞が唯一の趣味なのに、レオパレスのネット設定じゃWinnyが使えない」ことらしいが、「でもBitTorrentで落としまくってるからダイジョーブ!」なんだそうだ。
  この夜はまた、東南アジアのホテルに精通した某氏の訃報も届いた。五つ星最高級リゾートホテルから底辺の連れ込みラブホまで泊まり歩き、巻尺でバスタブやベッドのサイズを計測したり、深夜0時にルームサービスでカルボナーラを頼んでは部屋に届くまでの時間を測定したり……そんな風に集めた膨大なデータを駆使して、『Gダイアリー』や『DACO』などいろんな情報誌にタイのホテルを考察したコラムを書いてらっしゃった某氏。でも、レオパレスの泊まり心地はきっとご存じなかったことだろう。
  亡くなられた方はもちろん、生きながら涅槃入りした方にも……合掌。


2010/9/17
  突然、右顔面にかつて経験したことないような異常な痛みと痺れが。年齢的にちょっと早すぎるような気もしたが、いよいよきたか、きっとタイで人の道に外れたことばかりしていた報いなんだ……。覚悟を決めて医者に行くと、急性副鼻腔炎だって。なあんだ。ビクウエンなんていうと西伊豆の高級温泉旅館みたいな響きがあるが、トラディショナルな表現をすれば単なる蓄膿症。陰金や脱腸と同じ、若いナースの前ではあまり言いたくない病名である。少し前に風邪をひき、タイの薬局で買ったクラリナーゼをほいほい飲んでいたんだけど、なにか関係があるのだろうか?眠くならずにピタッと鼻水が止まるスグレモノのクスリだと思っていたのだが……。
  顔の右半分をこわばらせ、半開きの口でハァハァ呼吸しながら徘徊してると、いかにも変態っぽい。仕方ないから抗生物質飲んで部屋に引きこもり、東京から届いた仮ゲラに200近い注釈をつけたり、挿入写真と本文の対応表を作ったり……顔を歪めては黄色い鼻水を飲み下しつつ、地道な内職に取り組むのだった。


2010/4/5
  本日発売の『週刊プレイボーイ』−'本'人襲撃 話せばわかる!−というページで、タイのあれこれを語ってます。
  この連載コラムに前回登場したのは、日本のテレビ業界の第一線で活躍する超売れっ子放送作家の鈴木おさむさんなのに、今回は、日本のトレンドとはまったく無縁の生活をしている超ヒマな私だというのも、なかなかメリハリのきいた人選です。さすが、週プレ編集部……。
  某美容整形クリニックの包茎治療手術広告みたいな写真も載っちゃってるので、タイで十数年だらだら生きてると人間は一体どんな風貌になってしまうのか、知りたい人はのぞいてみてください。
  日刊サイゾーlivedoorニュース)にも”海外で明るい逃避生活を始めよう!誰でも出来る『バンコクで外こもり!』”と力強く取り上げていただき、露出の春となりました。


2010/2/14
  タイでは男が女にバラの花なんか贈ったりするバレンタインデー。いや、この際、正直に言いましょう。チョコも花束もいらないから、コレたのんます。今週発売予定の新刊です。
  高い志とゲスな下ネタが交錯するバンコク・クワイエットライフの総決算!コースアウトして向こう岸に逝ってしまった同志たちに捧げる、絶望と再生の鎮魂歌!散歩の前に、自閉のお供に、読めば命の泉湧く!元気がない子にコンソメパーンチ!かつおぶしだよ人生は!

『バンコクで外こもり!あなたにもできるユル気持ちいい海外逃避生活』
(河出書房新社)1500円


2010/1/26

  本日発売の『週刊SPA!』。「裏家電製品ヤバい最新事情〜違法ゲーム機器”マジコン”は蓮舫議員のご子息も愛用と噂になり、秋葉原では永久に使える無線LANが人気沸騰中……」みたいな特集をやってます。「タイ在住ライターが語るアキバ以上の裏家電天国タイ」というコラムを私もちょろっと書いているので、『未来世紀ブラジル』の頃から好きだったテリー・ギリアムのインタビュー記事のついでに読んでね。


2010/1/11

  疲労困憊で乗り込んだ赤バス。疲れきっていたため、本気で座りたかったのだが、座席全部がきれいに乗客で埋まっている。わずかなスペースでもないかと、情けないほど必死に車内をキョロキョロ見渡していると、おっと、あった、一番後ろの左端。窓際にみすぼらしいなりのタイ男が座っていて、その隣がちょうど一人分、奇跡のようにぽっかり空いている。やったぜカトちゃん!と元気よく着席したが、ここだけ空席の理由はすぐに判明した。窓際の男が、自分の前の座席の背もたれ部分のクッションを一心不乱にかきむしり、オケラのように堀り進んでいるのだ。ポイントは周囲がびびるほどの彼の集中ぶりで、自分はこの掘削作業のために生まれてきたと言わんばかりの凄まじさ。目を血走らせ、はぁーとかふぅーとか規則的な溜息をつきつつ、不自然極まりない前屈姿勢のまま、ひたすらクッションをほじくり続けている。見事なまでに挙動不審だ。
  ほどなく、男はびくりと体を起こし、「いま何時?」と隣の私に尋ねてきた。「3時前」と教えてやると、何事もなかったように再び作業を再開。ほっとしたのもつかの間、その2分後には再び、「いま何時?」。これは素直に教えたほうがよさそうだと、再度同じ答えを返すと、男は再び目の前の背もたれとの格闘を再開し、さらにまた2分後、私のほうに向き直り同じ質問を(以下、無限ループ)。異様な集中と理不尽な反復……典型的な錠剤常習者である。
  のりピーだ押尾だと日本はいちいち大騒ぎだが、バスに乗っただけで、いきなりシャブ中とダイレクトにふれあえてしまうバンコクも困ったものだ。まあ、逃げ出さずにずっと隣に座ってた自分もどうかとは思うが。


2009/12/24

  ここんとこずっと、ヒマなときにはブログ版メイドインタイランドのほうでつぶやいていたので、このレトロなホムペ日記なんか、きっともう誰も見ていないはず、まして年末年始はアクセスも激減するのが普通だし……というわけで、あえてこの閑散ページで、東京渋谷方面から届いた今年のクリスマスプレゼントをコソッと紹介したりして。
  新刊のゲラです。再校版なので、目次や章扉に加え、写真や偏った情報を盛り込んだ地図などもついていて、ほぼ完成品に近い発射寸前我慢汁状態。近いうちに、ちゃんとした告知ができたらいいですね……。


2009/3/3

  某日系書店に立ち寄ったら、できたてほやほやの『地球の歩き方 タイ 2009〜2010年』が発売されていた。パラパラやると、【タイを知るための編集部お勧め書籍】というページに、『さわやかタイ読本』&『まろやかタイ読本』が紹介されていて、大感動。三島由紀夫や遠藤周作の著書と並べられ、「目が三角になるほどマジメな素晴らしい本である」(←うろおぼえ)と、奇跡のようにありがたいコメントまで添えられていた。
  数ある旅行メディアの中でも、やはり『歩き方』は特別な存在だ。聞けば、『歩き方・バンコク』の最新版でも、同様に紹介していただいているらしく、ヒデキ、感激!地球に生まれてよかったーぁ!と、炎天下、本屋からうちまでスキップで帰ったのは言うまでもない(所持金が足りず、買えなかったのはさておき)。


2009/2/8
  ノートPCの冷却ファンが死亡し、やかんを載せたら湯が沸かせるほど、本体が熱を持つようになってしまった。パソコン作業の傍ら、ロケフリから乗り換えたKeyHoleTVで、日本の民放をちょこちょこタダ見していたので、バチが当たったのだろうか。仕方なくパンティッププラザに持っていき、適当な店で修理を依頼。家電製品や車の修理もそうだが、「ちゃんと直さないし、純正部品を抜かれるだけ」みたいな都市伝説も根強く、正直気が重かったけど、自分でなんとかする甲斐性もないし……。
  某日本メーカーのB5サイズノートゆえ、交換できる小さいファンがないかもと聞かされたが、結局、1泊預けたら直して返してくれた。修理担当者は真面目そうな兄ちゃんだったし、1ヶ月以内にもう一度壊れたら無料で面倒見るということだったので、とりあえず修理代も言い値でお支払い。しかし、日本人をカモにしている歯医者などでもよくあることだが、2千バーツとか3万バーツとか、請求額が妙にキリのいい丸い数字なのが、いつも気になってしまうわけで……。


2009/1/10

  マンションのヤーム(警備員)が、薄暗い駐車場入口で、プラスチックの椅子に座り縦笛を吹いていた。リコーダーというんだろうか、日本の小学生がランドセルに挿してるようなやつだ。ふざけて軽快な曲をピーヒャラやってるのならともかく、瀧廉太郎みたいなメロディーの渋い曲を、ものすごい真顔で、目を閉じ一心不乱に奏でていて……孤独な勤務中、どうしても吹きたくなったのだろうか?
  ところで、昨年末から、以前Gダイで紹介したBNEステッカーが、バンコク都心部でまた増殖している。スクンビットからラチャダムリの日本人旅行者出没ゾーンに、「BNE参上」とか「BNE確信犯」とか日本語付きのものを貼っているので、当然、実行犯は日本人だろう。笑ったのは、ソイナナのグレースホテル周辺に、特に念入りに、たっぷりと貼っていること。ご苦労さまです。





2008/12/24
  エンポリアムのサン・エトワールでバケット(バゲットが正しいのか?)を買い、なんの気なしに1000バーツ紙幣を出したら、レジの女の子が怪しげなペンを取り出し、受け取ったお札に素早くペンを走らせた。一見普通のボールペンのようだが、実はこれ、タイでは偽札騒動のあるたびに登場する秘密兵器。本物のお札なら、書こうとしてもなにも書けないが、もし偽札なら、このペンで線が引けてしまうという、超シンプルな偽札判定グッズなのだ。タイでは少し前から、偽造紙幣が出回っているとの報道が相次ぎ、日本大使館からも在留邦人に注意喚起メールが来るなど、ちょっとした騒ぎになっているため、パン屋さんも防衛策を講じていたのである。最新ニュースでは、銀行のATMからも出たと言われている偽札だが、夜店で20バーツで買えそうなインチキくさいペンで真贋が見破れるって一体……。


2008/11/27
  最近こっているのが、セブンイレブンで売っている Ezy Choice という弁当のガパオガイ(チキンのバジル炒め)。35バーツほどだが、へたな屋台で食うより旨い。屋台食文化の根付いたタイで、はたしてタイ人にもコンビニ弁当が普及していくのか、気になるところではある。

  弁当といえば、弁当と交通費と1000バーツほどの日当を支給すれば、何日間も延々と路上に座り込んだり寝泊りしてくれる律儀な働き者が、タイには大勢いる。「枯れ木も山の賑わい」といった風情で、タクシン傀儡政権支持集会や反政府デモなど、改革派も守旧派も赤組も黄色組も関係なく、お駄賃目当てに無節操に参加してくれちゃうのである。
  そんなこんなで、一昨日はソムチャイ首相の辞任を求める反政府組織・民主市民同盟(PAD)の寄せ集めデモ隊が、数にものいわせ、スワンナプーム国際空港と旧ドンムアン空港を占拠してしまった。結果、両港とも閉鎖され、全便フライトキャンセルで空の交通は完全マヒ。自分の国に帰れない人や、タイに来れない人など、影響は数万人におよび、とんでもない事態は今も続いている。私の周囲にも足止めくってる日本人がいて、「やっぱり先進国とは一味違う」とこぼしているのだが……。

  ちなみに、私が最近「先進国とは一味違う」と感じたのは、自宅のトイレでケツを拭いていたときだ。普段、ダブルソフトの結構高いトイレットペーパーを買っているのだが、その日はなぜかいつもと違うこわもてな感触がして、おちょぼ口がヒリヒリ。チェックしてみたら、今回使い始めた24巻入りパックのトイパーは、すべてのロールが裏表逆に巻かれていることが判明した。おそらく、製造工程で裏返しに紙をセットしてしまった不良ロットなのだろう。
  何も入っていないハズレのつまようじ袋なんかもタイではよくあるが、こういう超基本的なミスによる不良製品が堂々と流通しているのに出くわしたとき、言いたくはないけど、「先進国とは一味違う」という気分になるものである。


2008/10/30

  9月、サマック首相の辞任を求める反政府団体「パンタミット(民主主義市民連合PAD)」と親政府組織「反独裁民主同盟」がもめて、バンコクは非常事態宣言。以後、すったもんだは例によってだらだら続き、テレビの料理番組に出てたからというよくわからない理由で、いつの間にかその首相も辞任。10月になると今度は、PADデモ隊と警官隊が衝突して400人以上の負傷者と2名の死者を出し、治安維持に軍が出動する事態となった。タイの株式市場も、ニューヨークや東京同様に爆下げし、急激な円高のせいで、久々に1バーツが2.7円ぐらいまでいっちゃって、在タイニートや外こもりのみなさんには「優しい世界」となっている。
  実際のところ、普通の人の普通の日常生活は相変わらずなわけだが、とはいえ、今日は日本人居住者の多いスクンビットまで、PADのデモ行進がやってきた。特に印象的だったのは、デモ隊が配布する無料VCDの人気ぶりで、屋台のおばちゃんからOLさん・ネクタイ姿のおじさんまで、デモ見物していたタイ人がすごい勢いで押し寄せ、みな必死にもらおうとしていた。進駐軍に「ギブミーチョコレート!」とすがる焼け跡の戦争孤児みたいな感じだ。私も根性でなんとか入手したが、帰宅後再生してみると、爆発力十分の中国製催涙弾を水平撃ちする兵士や、文字通り皮1枚でつながりブラブラしている足首を誇示する男など、異様な迫力の動画4本立てだった。死者も出た当局の武力鎮圧に抗議するための、現場で撮影された映像を詰め合わせたスプラッターVCDというわけだが、タイならではのアピール方法だ。


2008/7/17

  先日、ぶらりと入って初めて知ったのだが、外国人の居住者や旅行者も多いスクンビットのど真ん中にも、ずいぶんと格安なタイ式マッサージの店があるようだ。なんと、古式按摩が激安の2時間250バーツ也。
  以前は、地下鉄ペチャブリー駅とラマ9世駅の間、ラチャダーピセーク通り西側の奥まった場所に、2時間180バーツひな壇付きというくすんだ健身院もあったが、屋台のぶっかけメシでさえ35バーツ取るようなご時世に、エンポリアムすぐそばの都心のロケーションでこの料金というのはすごい。ものすごく清潔な部屋で、どきどきするほどの若い美女が、死ぬほど上手なマッサージをしてくれるというわけでは決してないが、元気なおばちゃんが手抜きせず時間いっぱいきちんと揉んでくれて、個人的には十分満足だった。
  ついでだが、一緒に行った日本人XXさんは、元XXXということもあって、銃火器や兵器関係にやたら詳しく、身長オルモスト190cm、体重100kgオーバーというK-1体格の方。それゆえ、3階に上がってカーテン間仕切り部屋に入ってから、お店のパジャマが小さすぎて着れないという不幸な事実が発覚したのだが、彼を担当した●●嬢は、「破っちゃうから無理して着なくていいわよ。マイペンライ!」と笑顔で一言。結局、「上半身裸+下半身自前のデカパン」という男らしい格好で、ときどき適当にハミチンしながら揉まれることになったのだが、すぐ隣のマットに横たわる私を担当していた老練な仕事師▲▲姐さんは、その様子をチラ見しては、なぜか得心したようにウンウンとうなずくのだった。


2008/5/19
  丸茂アンテナさんとインド人のピーナツ売りにからまれながら、ソイカウボーイ付近でちびちびやってるところに、日本からバンコク入りしたばかりの下川裕治さんも合流。スタートが午前1時を過ぎてるって、なかなかタイ的かもしれない。「ゲイ」「もっと好きになっちゃったバンコク増刷」「菩提樹」「NHK週刊ブックレビューのギャラ」「XXX倒産」「ガラス天井」「社会性ゼロ」「老い」「50歳まで」……そんな感じのキーワードがいくつかなんとなく印象に残っているものの、酔っててなに話したかよく覚えてなくてスミマセン。
  結局、締めにお粥でも食べようということになったが、日曜の深夜3時過ぎ、屋台すら見つからず、3人でずるずる歩いていたときのこと。いつも穏やかな感じの下川さんが、珍しくすごい勢いでUターンして走り出した。一体なにごとかとびっくりしたが、浮浪者のガキにすれ違いざま携帯をすられたのである。足早に立ち去ろうとするガキに追いついて携帯を取り戻し、なにごともなかったように皆のところに戻ってくる下川さん。さすがだ。渋い。「腕時計をすられたこともあるんだよ〜。」と笑顔で教えてくれたが、どうやったらはめてる腕時計をすられるのか、修行不足の私には想像もつかない。
  というわけで、深夜のBTSアソーク駅下、スクンビット・ソイ19近辺では、路上にいるガタイのいいオカマさんだけでなく、ホームレスガキンチョにもご注意を。


2008/5/15
  「暑さも雨も、今年はいつもの年より1ヶ月早く、気候が変わっている。」(ウボンラチャタニーの運転手・クンさん談)。
  年がら年じゅう暑くて臭いバンコクにいると、地球温暖化も二酸化炭素排出量もまったく気にならないわけだが、イサーンの民のこんな意見もあるぐらい、突然の雷雨でひどい目にあったりする今日この頃。そんな天候不順をものともせず、バンコク在住の漫画家・猫島礼さんの新刊『タイ居座り日記』(ぶんか社)が発売。1本となりのソイに生息しているというご近所のよしみで、ちょろっと友情出演させてもらいました。漫画家と夫と猫一匹が見た、住宅事情・食生活・現地の治安状況・生活費・就職情報・癒しポイント・夜の歓楽街マル秘情報……タイのあれこれ満載の1冊です。


2008/3/6
  タイにずるずる長く住んでると、日本にいるタイ好きさんから、なんとなく相談メールをもらったりする。知人の知人という微妙な距離感の人から、「タイでXXを買い付けたいが……」。偶然にも、私の実家のすぐそばに住んでいたおっちゃんから、「定年退職後、ロングステイ、移住したいが、Oビザ=リタイアメントビザ以外の手は……」。鼻息荒そうなバックパッカー青年から、「観光VISAダブルが取れないなら、ビザなし滞在可能の6ヶ月90日ルールって……」。Q&Aですむこともあれば、話の流れで、いわゆるアテンドみたいなことを引き受ける場合もあったりして……。
  で、最近小耳にはさんだ某在住者の体験だが、現在日本で再び脚光を浴びている伝説の有名人に、バンコクでアテンドしたそうだ。20数年前、週刊文春「疑惑の銃弾」記事で、一躍時の人となった三浦和義である。単なる観光だったのか、新たな保険金●人計画の下見だったのか、理由は定かでないが、ともかくこのロス疑惑男は、3年ほど前、タイを訪れていたのである。エンポリアムそばにある、何杯飲んでも酔えない超薄口サワーが評判の居酒屋●●●にお連れしたところ、本人の口から「死んだ一美が……」みたいな話まで飛び出したというから、ジミー佐古田もびっくりだ。アテンドしていた在住者は、当然、逸見アナみたいにもらい泣きすることもなく、「どーせ、あんたがやったんでしょ」と思いつつ飲んでいたそうで、なんともコアな宴である。さらに、訪れた疑惑男の写真が、その後その居酒屋の店頭に飾られたという事実もすごい。有名人とはいえ、アイドル歌手とか人気俳優とは一味違う人なのだが……。
  それはそうと、「オレたちひょうきん族」の「ひょうきんプロレス」では、サングラスかけた景山民夫がフルハム三浦で、他にスワップKなんてキャラもいたのだが、一体、どのぐらいの人が覚えてるんだろう……。


2008/2/28

  おととし9月の軍事クーデターであぼーんされて以来、ずっと海外放浪していたタクシン元首相が、ついに帰国した。12月の選挙で、親タクシンの「市民の力党」中心の政権が誕生したからだ。到着後、ラスコーリニコフみたいに大地に接吻する様子が世界中のニュースで流れたようだが、個人的には、数年前シーロムのBTSサラデン駅真下の散髪屋で、なまタクシンを目撃したときのことが忘れられない。普通に「良いお父さん」って感じで、一国の首相とは思えないぐらい、護衛が少なかったのが印象に残っている。
  ところで、シーロムといえば、最近こんな写真を撮ったのだが……。
  1枚目。ソイ1のところにオープンしたばかりの港式食堂で、ホンジャマカ石ちゃんが、メガネかけて、まいう〜ワンタン作ってた。2枚目。タニヤの脇道で、懐かしいオレンジ色の店が、開き直ったように誰はばかることなく営業開始。いやー、これだけ正々堂々としていると気持ちがいい。パチモノ万歳!


2008/2/14

  バレンタインデーには「愛のハート型ねりもの」を……MKスキで鍋の湯気にメガネくもらせつつ、プロポーズの指輪まで贈るなんて、う〜ん、ロマンチック。
  さらに、バレンタインと関係あるのかないのか、先週から『チョコレート(Chocolate)』というタイ映画も公開されている。『マッハ!(Ong Bak オンバーク)』と『トム・ヤム・クン!(Tom-Yum-Goong)』でトニー・ジャーをスターにした、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督の新作アクションだ。今回は、ヤーニン=ジージャーといういたいけなルックスの女の子が悪い奴をどつきまわるというのがミソで、ガラステーブルに滑り込む場面が印象的なこの予告編トレーラーにも"No Stunt Double" "Real Injuries"などの言葉が踊り、いつもの「痛いけど金のためだ、みんなガマンしよーぜ!」的な撮影時の様子がしのばれる。蝿が好物らしい主人公のテコンドー少女の父親は、なぜかジャパニーズヤクザの阿部寛だったりもするので、この時期タイにいたら、ぜひ観に行ってあげましょー。


2008/1/20
  ひなびた雰囲気と朝晩のディスカウントが好きだったセントラルワールド内のシネコンMAJORは少し前につぶれ、高級志向のSF WORLDになってしまったが、めげずに『クローバーフィールド CLOVERFIELD』を鑑賞。極秘裏に製作などと言いつつ、ネットに情報を小出しにする宣伝手法はよくあるし、思わせぶりなポスターやトレーラーにも特に興味はわかなかったのだが、スペインのニュース報道という体裁をとったプロモ動画をたまたま見て、ついつられてしまったのだ。
  ところがどっこい。ぶれまくりの家庭用手持ちビデオによるドキュメンタリースタイルで全編押し通す演出は、持続する緊張感が圧倒的だった「ブレアウィッチ・プロジェクト」の足元にも及ばず、期待はずれでがっかり。転がる自由の女神のアタマ、911風に崩壊する高層ビルなど、ドキュ映像とあいまったVFXが臨場感を盛り上げる場面もいくつかあったが、ほとんどのスペクタクルシーンはよく見えないもどかしさのほうが大きいし、さらに、冒頭の送別会シーン等ストーリー部分がかったるく……タイでは150バーツ前後だから別にいいけど、日本で2000円も払って観る人は、相当ムッとするんじゃないだろうか。
  宮崎駿作品に出てくる巨大キャラを、ギーガーっぽく剥き身な感じにしたような怪獣も、最後までその姿ははっきり見えないし、私がまんまとだまされたニュース型プロモに出てきた日本の会社の海底油田のエピソードも、本編には出てこない。結局、本編よりも宣伝トレーラーのほうが面白いという映画だったのである。
  あ、ついでながら、バンコクで映画観るときは、このサイトが便利。作品名からでも劇場名からでも、上映時間が確認できるので、いつもお世話になってます。


2008/1/10
  強引なラスベガス化が進んでいるマカオの賭場で、虚しく所持金を減らして帰ってきたが、カジノがあったホテル内のインフォカウンターに、当たり前のようにこんなチラシが置いてあって驚いた。ヴェネチアン・マカオリゾートホテル「ザ・ポリスLIVE」チケット発売中……。20歳前後の頃、いちばんよく聴いていたのがポリスとトーキングヘッズだったという恥ずかしい過去は隠しときたいところだが、当時、「白いレガッタ」をアナログ盤擦り切るぐらい昼夜問わず回転させていたのも事実なわけで、ポリスが再結成してワールドツアーやってるのを知らなかったことに、かなりトホホな気分になった。チラシによれば、チケットはマカオパタカで1200、800、600の三種類。とはいえ、日本からマカオへの特等席ツアーに参加すると、40万近くかかるらしい。うひゃぁ。マカオの後、日本でもドーム公演をやるみたいだけど、バンコクにはやっぱり来ないんだろうか?





2007/12/15
  中国大使館の前を通りかかったら、ラチャダピセーク通りをはさんだ反対側の歩道で、「大輪法輪」と書いたTシャツ姿の、いわゆる法輪功学習者っぽい感じの人たちが十人ほど、地べたで座禅を組み瞑想していた。大使館入口のすぐ前でやると排除されるので、片側3車線の大通りの反対側に陣取って、宿敵・中国政府の拠点に向けて、抗議の「気」でも送っていたんだろう。いろんな年の瀬の過ごし方があるものだ。
  ところで、ラチャダといえばジーダイアリーの最強マップというわけで(←無理やり)、本日発売Gダイ1月号の突貫旅行記よろしくね。


2007/12/8
  食べることとXXXぐらいしか楽しみのない在住者はみんなそうだと思うが、新しい店ができると、ついついチェックに行ってしまう。で、2週間ほど前にトンロー通りにオープンしたイタメシ「Palazzo」をのぞいてみたら、同じくトンローにあって日本人の利用も多い「Beccofino」にいた黒服のねえちゃんがフロアにいて、意表を突かれた。どうやらこの店、「Beccofino」を辞めた連中が新しく開店したレストランのようで、店のコンセプトもメニューの構成もそっくり。
  「Beccofinoのラムチョップは1000バーツで2切れだが、うちは700バーツで4切れもあるぞ!」「(ワインリストを見せつつ)ボトルの価格は、むこうの3分の2!」「(指で楕円の形を作りながら)うちのフォアグラは、あっちと違ってこんなにでかいんだ!」……日本人客獲得に燃えるインド系のマネージャー・シン氏は、私の席の横で仁王立ちし、この店が自分がかつて勤めていた店よりいかにお値打ちかを力説、鬼気迫るセールストークを展開するのだった。タイでは普通によくあることだが、辞めた従業員がノウハウ持ち出して、平気ですぐそばに似たような店だしたりするわけで……。
  それにしても、ここ数年のバンコク都心部のイタリアンレストランの増え方はすごい。私がバンコクで暮らし始めた頃は、「PanPan」「Sorrento」「Paesano」みたいな古き良き"なんちゃってイタリアン"ばかりで、リピートしてもいいかなと思うのは、「Gianni」や「Rossini's」ぐらいだった。ところが、サラデン通りに本格派の「Zannoti」がオープンしたのを皮切りに、うじがわくように次々と大量発生。いまでは、「Rossano's」「Giusto」「Belguardo」「La Buca」「Biscotti」「Calderazzo」 「La Villa」「Bacco」「Fuzio」「Contrazi」「Antonio's Trattoria」「Scoozi」「La Piola」「Pendolasco」「Pizzeria Limoncello」「Dulio's」「L' Opera」「Enoteca」「Il Cielo」「La Gritta」「Air Plane」「De Meglio」「Pomodoro」「Viva Vino」「Primavera」「Paparazzi」「Cafe Buongiorno」「Angelini」「Piccolo」「L' Oasi」「Papa Alfredo's」「Basilico」「Bella Napoli」「Grappino」「Giorgio's」「Little Italy」「Via Vai」「Mabeba」「La Grotta」「Sala Rosa」「Matteo」「Cafe di Roma」……百花繚乱よりどりみどり状態だ。
  駐車場に高級車がずらりの一軒家レストラン、イタリア人オーナーシェフが一人で細々と切り盛りするトラットリア、おおげさな内装のホテルのメインダイニング……ハイ&ロー様々だが、質量ともに隔世の感がある。上に名前を挙げた店のほとんどに行ってる自分も相当ヒマだとは思うが、日本のすかしたイタメシ屋より全然安いから、タイ料理が続いて飽きちゃったときなど、旅行者のみなさんもお試しを。


2007/11/17
  原油価格上昇のせいか、バンコクの一部バスがまたまた微妙に値上げしている。2バーツ硬貨に加え、50サタンなんかもお釣りにきたりして、たまったじゃら銭で財布が重い。
  そういえば先日バスに乗ってたら、独特な風貌のシャビーな青年が無言で乗り込んできた。目がギラギラと異様な光を放ち、路上生活者特有のスメルを振りまくその青年は、車内はガラガラなのに、なぜか女子大生風ねえちゃんの隣にピタリと密着するように着席。車掌が集金にやって来ると、悪びれることもなく「金もってない。」とボソリ。ずいぶん正々堂々とした無賃乗車だ。車掌もへたに関わるとヤバイと思ったのか、「そうか。金ないのか。」とつぶやくように応え、なにごともなかったようにそのまま退却。身の危険を察知したのか、女子大生風ねえちゃんも、すかさずシートチェンジ。フルーツバスケットで優勝できそうな早業で、そりゃもう見事なものだった。
  同じ日には、チュラ大病院前の歩道橋で、こぎれいな身なりのファラン(欧米人)のじいさんが、空き缶おいて乞食(放送禁止用語)してるのも目撃しちゃったし……なんだかなあ。


2007/10/15

  こないだ乗ったタクシーの運ちゃん(白髪のヒゲもじゃ53歳、味のある風貌は山谷初男風)。助手席に座れと言われてイヤな予感がしたが、案の定、怒涛のように昔話を繰り出してきた。20年ほど前、日本のゼネコン●●●に雇われ、8年間もイラクまで出稼ぎに行っていたという。なんでも、イラク政府と結ばれた50年の国土開発契約に基づき、当時は3万人(多すぎないか?)ものタイ人労働者がイラクで働いていたらしい。労働者たちの料理を作るコックだけでも400人いて、わざわざタイから食材を海上コンテナ輸送していたというから、プロジェクトのでかさがわかる。工事中の爆発事故のせいで、タイ人19人と日本人3人が死んだりもしたが、戦争が起こって契約がちゃらになるまでの間に、イラクからヨルダンへと続く8000キロ(長すぎないか?)の道路を建設したそうだ。
  さて、初男がイラクで実際どんな仕事をしていたかというと、建設現場の指揮を執っていた日本人・ミスター●タナベのお抱え運転手だったようだ。「ビッグボスたちの集まるパーティーにお供したときには、間近でサダム・フセインを見たんだよ。」と得意そうな初男。苦楽を共にしたせいか、本当に●タナベのことを慕っているようで、聞きもしないのに、心温まる思い出話が次々と出てくる。
  ●タナベという人は当時すでに73歳だったらしいが、車中に日本刀を常備しているようなタフガイで、「万一暴漢に襲われたら、手裏剣を投げて敵の目をつぶすのさ。」(初男談)とのこと。夜のストレス発散タイムになると、初男に運転させて街を徘徊。道行く現地の少女に車内から声をかけ、手に持った札束を1枚、2枚と数えてみせて、あっという間に話をつけるという卓越した交渉力の持ち主だったらしい。イスラムの地で70過ぎの絶倫ガイジンが夜な夜なそんなことして、よく首落とされなかったなと感心するが、大抵は車内で手早くことをすませていたそうで、「●タナベが14歳のイラク少女を車にひっぱりこんだときは、10メートルぐらい離れたところでタバコ吸いながら終わるの待ってたんだ……」と、初男は遠い目をして懐かしそう。「最近の日本じゃ、そういうの淫行ってゆうんだよ。」と教えてあげようかと思ったが、彼の中では美しくほほえましいご主人様との思い出エピソードみたいになってるようだったので、やめといた。「あのあと日本に帰った●タナベも、計算では92歳。もう死んじゃってるかなあ?」とつぶやく初男。サトーンからアソークへの移動は大渋滞にはまって1時間以上かかったが、運転など上の空で、道中ひたすら昔の記憶をよみがえらせることに専念していた。


2007/10/7
  先日タイで、『デスノート3』というか、スピンオフ企画の『L change the WorLd』という映画の撮影が行われた。ストーリー的にタイが絡むわけではないようだが、空港を丸ごとおさえる撮影上のニーズから、タイがロケ地に選ばれたらしい。例によって、ヒマをもてあましている顔出しマニアの在タイ邦人が、エキストラやちょい役に殺到したのはいうまでもなく、結構盛り上がっていたようだ。めでたくオーディションに受かってばっちり撮られてきた知人によると、地獄のような待ち時間の長さには辟易したが、待遇は悪くなかったとか。映画の内容のほうは、夜神月の死後、L最期の23日間にスポットを当てて、無理やりでっちあげたような感じらしいが、タイでもデスノートは大人気だし、来年2月の公開が楽しみだ。


2007/9/24
  今月16日、オリエントタイ航空の国内線部門One-Two-Goの旅客機が大雨のプーケットで着陸に失敗して林に突っこみ炎上、100人近い死者が出た。ワン・トゥー・ゴーという名前からしていかにもオーバーランしそうな感じはあったが、格安航空会社にしょっちゅう乗ってるビンボー在住者としては、びびらずにいられない。「Budget Airline」「Low Cost Carrier」「Discount Airline」などと呼ばれるこうした格安航空会社には、「No Frills Airline」なんていう呼称もあるのを最近知った。余計なフリル(飾り=サービス)をなくして安くするという意味なんだそうだ。
  で、いつもお世話になってる定番ノーフリル・エアアジアのサイトをのぞいたら、ついに長距離路線エアアジアX(バツと読むと墜落しそうだから、エックスと読んでね)が就航するとの告知を発見。イギリスやオーストラリア、おまけに、名古屋や大阪まで飛ぶみたいだから、すごいと言うか、こわいと言うか……。
  さらにエアアジアったら、クアラルンプールに「No Frills Hotel」なんてのもオープンしたらしく、写真をアメコミ風に配した楽しげなホテルサイトがいつの間にか登場していた。このホテル、ともかく素泊まりの宿泊料金を安く設定しておいて、必要な人だけ有料オプションを追加するスタイルが売りで、エアコンを5時間つけたら4.99リンギット、シャンプーや石鹸の洗面セットがいる人は1.99リンギット……そんな感じの細かく切ない「刻みオプション」が、「ゲストハウスに転がり込む若さはないが、でも金だってないんだぜ」という貧しいおっさん旅行者のハートを熱くするのだった。

  ところで、プーケットの事故があった日、地元テレビ局のニュースの扱いが思いのほか小さかったので(それもどうかと思うが)、事故の詳細を知るため衛星放送をチェックしていたら、ちょうどBBCで、ペンをぐるぐる回すことに夢中なタイの子供たちを紹介していた。思わず脱力したが、「タイスピナー」というマニア向けサイトまであって大人気のようだ。テクニシャンたちの「コンボ」と称される華麗な合わせ技がサイトに動画アップされているが……タイ人って変なとことても器用なんだと感心せずにいられない。


2007/9/11
  タイで出ている「バンコクマダム」というフリペの9月号に、「北朝鮮レストラン・平壌館の女性従業員にインタビュー」という力強い記事が載っていて、爆笑させてもらった。なぜそこまでするかという感じの企画だが、彼女たちの1日のタイムスケジュールなんかも載っていておもしろい。20代前半で、タイに来てもう1年になる喜び組レディーたち。朝は7時半に起床し、仕事を終えて宿所の2人部屋に戻るのは夜11時半というから、とても働き者だ。ランチとディナーのお仕事タイムの合間には、午前1時間、午後1時間の、発声・体操・全体練習が日課になっているとか。
  「男友達はいますが、彼氏はいません。」「ホームシックのときは、祖国の歌を歌ったり、両親からの手紙を読んだりしています。」「暑いタイでは、スキンケアに特に気をつけています。キムチは栄養いっぱいで、肌にとっても良いんですよ。」等々、一昔前のアイドル歌手みたいな受け答えも、胸キュンもの。休日は遺跡観光に出かけたり、支店のあるパタヤに遊びに行ったりして過ごすとのことだが、本当にそんな自由に行動してるんだろうか?
  「知ってる日本人は?」との問いには、「アントニオ猪木さん。平壌で試合観戦しましたが、確かに顔が長かったです。」との回答。以前私がホムペに貼った「アントン冷麺写真」も、あながち的外れなものではなかったようだ。


2007/8/19
  スワンナプーム空港で、熱心におみやげ物色中の日本人女子体操選手たちを見かけた。バンコクで開催されたユニバーシアード大会に来ていたのだろう。アテネ五輪に出場した石坂真奈美さんもいたが、細くてちっちゃくて手のひらに乗りそうな感じだった。メシ、ちゃんと食ってるのかな? オ○○○ハウスのぎゅうぎゅう詰め超大盛り弁当でも差し入れしてあげたくなったが、あれ全部食ったら、腹が重くて平均台に上がるのも苦労するかも。
  ところで、今日、市内を走るバスに乗ったら、いつもと違う変なキップを渡された。あれ?と思ってると、料金は半額でいいとのこと。19日はタイの新憲法案の可否を問う国民投票の日だったのだが、そのプロモーション(?)の一環として、本日に限り、地下鉄が無料・バスが半額になっていたのである。投票権のないガイジンを半額にしてどうするとも思ったが、日曜はいつもガラガラのバスが、どれも満員状態になっているのには笑った。タイのみなさん、ここぞとばかり張り切ってお出かけしたようだ。友達連れや家族連れの乗客たちは、いかにもこれから繁華街に繰り出す雰囲気で、どう見ても投票所に向かう感じではなく……だれだ、こんなプロモ考えたの!


2007/7/24
  なにかと話題のタイ●室のある方についてのある噂が、数日前から出回っている。小心者なので具体的に書く勇気はないが、強烈すぎる話でちょっと信じられない。キーワードは「エ●●」みたいだが、「暗●」という言葉で語る人もいるようだ。なんらかの意図を持った人間が根拠のないデマをまきちらすのがタイのパターンだとはいえ、事実は小説より奇なりというか、現実の事件が常識の斜め上を音速でひとっ飛びしていくのもタイ、というわけで……。


2007/6/12
  「すっげービビッた」という友人の案内で、ソイ・アフリカなる新興ゾーンを真夜中に散策。黒い活気がみなぎり、なかなかのインパクトだったので、はりはり掲示板に写真をアップしようとしたら、ここんとこずっと板の調子が悪くて、カキコミ不可能。無料の画像BBSにはよくあることだが、たぶんこのままアボンするのだろう。以前から、カキコミ番号が1000になったら閉鎖しようと思ってはいたが、1000目前のところで、なんとも中途半端で尻すぼみなことになってしまったなあ……。
  ところで、尻すぼみではなく尻広がりって感じだが、「目が覚めるとなぜか裸にされていて、警官がボクのお尻に覆いかぶさっていました。」みたいな、旅先での某氏の体験談(無記名)もなにげに披露されている新刊、よろしくね。

『旅の「大ピンチ」!』(山海堂)1500円


2007/5/24
  久々の長距離陸路移動。タイ東北部の町ムクダハンとラオス中部サワンナケート(サバナケット)の間に開通したばかりの第2メコン国際友好橋を超え、インドシナ半島横断道路、いわゆる東西経済回廊9号線をずるずる東へと移動し、ラオバオ国境からべトナムまで進軍してきた。
  めんどくさくなると窓口から瞬間移動して消えてしまうイミグレ職員、生きたオオトカゲを握り締め怖いほど真剣な顔で突進してくる少女、運転席にあるすべての計器が故障しているズタボロワゴンバス、峠の茶屋の異常に精のつきそうなスタミナ朝食セット、茂みの中から様子をうかがう裸足の金属探知機少年、死体に群がるハゲタカのような国境のマスク・ド・ベトナム女……なんかとっとと忘れたいことばかりのような気がしないでもないが、旅のちょっとアレな話はまたいつか。


2007/5/12
  バンコクで出てる情報誌『DACO』にコソコソ連載しているコラムがあって、意味不明な展開を見せる「ニュータイプMKスキ」を紹介したり、Dr.コパや細木数子もまたいで通ると言われる「バンコク鬼門スポット」をレポートしたりしてきたのだが、5月5日号に書いた「暗黒ロシアンレストラン」という記事へのリビドーお父さんたちの食いつきのよさには感心した。バンジャパ聞き逃げねーちゃんからのワガママな質問メールはいつものことだが、おやじ層からこんなにまとまった問い合わせメールをもらったのは初めてだ。
  「コラムで紹介されてた”ロシア”の詳細、教えてください。やっぱりヤバイ店なんでしょうか? でも一度は行ってみたいのです。何卒ヨロシクおねがいします!!!!!!(←半角エクスクラメーションマーク連打)」 「ロシア文化に興味がありまして、現在ロシア語を学習中です。(←ほんまかいな?) まさかバンコクでロシア料理が食べられるとは思いませんでした。ぜひ正確な場所をお願いします。」
  なかには、わざわざ香港から国際電話で編集部に問い合わせしてきたツワモノまでいるらしく……おじさんがたに一応言っときますと、問題の店は売春宿とかじゃなくて、あくまでアジトというか、出稼ぎ軍団駐屯所みたいな感じになっててですね……。


2007/4/17
  ここ数年、タイ正月ソンクランの時期は、水掛け被害を避けるため、国外逃亡するのがお約束だった。東欧の黒い安宿巡りをしたり、西欧のグロスポットを見学したり、近隣のコピー大国におかずを調達しに行ったり……。しかし今年は、マッスル某氏との打ち合わせなどもあって、バンコク脱出ならず。氏と待ち合わせしたウェスティンに向かう途中、シンハビアパークの従業員にゴムホースで水を掛けられてからは、ソンクランが終わるまでもう部屋から出ないぞと心に誓う。
  こうして、宅配レンタルDVDや任天堂Wiiをお供に、華麗なる引きこもりインドアライフへと突入したわけだが、先日大家さんに入れてもらった最新のTRUE VISIONには、蟄居中ひときわお世話になった。タイのこの衛星放送は、少し前の日本のバラエティー番組をビシバシ流していて、加護ちゃん、極楽山本、日テレ炭谷など、諸事情により日本国内では見ることのできなくなった懐かしい面々が、涼しい顔して次々に登場するのだ。さすがに、マーシー、シミケン、エイトマンといった大御所レベルは出てこないが、それでもなかなか貴重なレアキャラたちと再会でき、楽しくヒマをつぶすことができたのである。
  あ、ヒマつぶしといえば、4月15日発売の『紳士の日記・G-Diary ジーダイアリー』BNE観察レポートも読んでね。


2007/3/3
  チンゲイという陰毛みたいな名前の春節パレードのタイミングで、シンガポールを訪問。サンテックシティモールのファウンテン・オブ・ウェルスに右手をつっこんだまま願い事を唱えて旋回したり、ドリアンドームから世界三大がっくりのマーライオンを見晴らしたり、すっかり様変わりしたブギス界隈をうろついたり、タイと違って味の素に汚染されていない中華料理に涙したり、オーチャードのラッキープラザにあふれるフィリピン人メイドさんにもみくちゃにされたり、やたらそこらじゅうにあるアダルトショップで妙に愛想のいい店番ねーちゃんから「rushじゃなくてpoppers!」などと英語のレッスンを受けたり……たまにはフツーの観光客気分に浸るのもいいものだ。
  しかし今回の小旅行で一番印象に残ったのは、なんのことはない、バンコクの自宅を出発するとき乗ったタクシーだった。早朝、スクンビットのアソーク交差点でひろってスワンナプーム新空港まで行ってもらったのだが、ラマ9から一般道を平均時速140キロでふっとばし、前の車をあおりまくってひたすら追い越し車線を突進。うちから空港まで、なんと、ドアツードア正味20分で着いたのである。これには驚いた。最高記録だ。空港に着いたときの運ちゃん(決して若くはない)の「どんなもんだい!」と言わんばかりの得意そうなニヤリ顔が忘れられない。朝っぱらから変な感動を味わうことができた。ムチャな高速運転の恐怖で、寿命は2年ほど縮んだけど。


2007/2/6
  昨年末ラチャダピセーク通りにソフトオープン(こればっか)した大型商業施設エスプラネードに行ってみた。すぐ隣にはGダイアリー編集部のある巨大なオフィスビルもそびえていて、磁場の歪みとダークサイドのフォースが感じられる独特のロケーションだ。このエスプラネード地下には、トムヤムうどんや緑茶ソーメンなどの反則攻撃を得意するSHIBUYAラーメンや、「へーいいらっしゃいまーせー、おいちーたーこーやーきぃ」という掛け声が通りかかったタイ人に妙にウケている築地銀だこなどがあって楽しめる。で、そんなこととはなんの関係もありませんが、こちらの新刊、よろしくお願いします。

『もっと好きになっちゃったバンコク』(双葉社)1680円


2007/1/1
  大晦日の夕方と深夜、バンコク中心部8ヶ所で爆弾テロ発生。死者も出てカウントダウンイベントは全て中止となった。そのうちバンコクでもあるぞあるぞと、ここ数年ずっと言われ続けていたわけだが、まさか年越しのこのタイミングでくるとは思わなかった。爆発ポイントの中でも、特に戦勝記念塔、ラチャダムリ通りゲイソンプラザ前、プラトゥナム船着場などは、日本人が巻き込まれてもなんの不思議もない場所だ。お〜こわ。
  新年だから無理やり明るい話題も書いとくと、在住者の悲願だったモスバーガータイ進出というのがある。セントラルワールド3階のスタバ隣にComing Soon看板があるのを、自分の目で確かめてきた。これはめでたいビッグニュースである。あと、正月のCNBCで、2007年7月あたりを目途に、格安エアアジアがロンドン便など長距離路線を運航開始と報じていた。実現せずぽしゃりそうな気もするが、これもかなり楽しみ。ヨーロッパに行くときは、今までエミレーツでドバイ乗り継ぎというせこいルートを使っていた。バンコクからだと妙に料金が安いし、UAに100%マイレージ加算できるから。エアアジアが就航したら、運賃はどのぐらいになるんだろう? いつものクセで、激安だと用もないのに乗っちゃいそうな気がする。





2006/11/30

  夜、無性に焼き魚が食いたくなり、トンローJアベニューの大戸屋に行くべとタクシーを拾う。行き先を告げても返事もしないような運転手だったが、しばらく行くと、いきなり脇道に左折。なぜだ? 車内に漂うイヤな緊張感。どうしたものかと思っていると、運転手は無言のまま薄暗い路地で車を停める。ガス欠でも故障でもないのに、なぜこんな場所で……ただならぬ気配に一瞬身構えたが、「ソーリーソーリーソーリー」と辻元清美みたいに絶叫した運転手は、ものすごい勢いで車から降り、必死の形相で路肩の街路樹に突進。我々からしてるとこ丸見えなのも気にせず、無我夢中で立ちションを始めるのだった。同乗の日本人女性は、背中を丸めて放出するあまりに情けない運ちゃんの姿に、思わずもらい泣き。「おしっこ漏れそう」ぐらいのタイ語ならわかるから、ひとこと言ってくれればよかったのに……。きっと臨界点ギリギリの極限状態だったのだろう。寡黙な男の孤独な放尿は悲しいほど長く続いた。


2006/10/9
  オークパンサーの祭りに合わせて、ラオス・ヴィエンチャンに遠征。どしゃぶりのせいでぬかるみまくった未舗装道路を、乗り合いワゴンバスで進軍すると、信じられないほど大量の雨漏りで車内は大洪水。ラオス、もう少しがんばってくれと、そのさらなる発展を祈らずにいられない。
  で、開港間もないスワナプーム新空港からバンコクに戻ってきたわけだが、帰路、エアポートバスを利用してムッとした。ドンムアン時代の遺物をそのまま転用したボロボロ車両なのはいいとして、これもやっぱり雨漏りがすごいのだ。シートがぐしょぐしょになっているため、座席の3割は人が座れない状態。あんなこけおどしみたいな飛行場を作るぐらいなら、こういうのもっとちゃんとしてほしいのに……。ラオスといいタイといい、雨漏りにたたられっぱなしの1日だ。


2006/9/19
  国王のイメージビデオが突然全ての民放チャンネルで流れ始め、いつもの番組が映らない。午後9時、軍と警察の「改革団」が各放送局を占拠、国会議事堂や首相官邸に突入したのである。衛星放送のCNNやBBCもやがて画面が真っ暗に。滞在先のニューヨークから、タクシン元首相が非常事態宣言を発令するが、午後11時過ぎには、軍が「国家正常化のため支配する」とテレビで実権掌握宣言。
  "I didn't expect that this will happen. I came here as Prime Minister, but left as an unemployed man."(こんなことが起きるとは思ってもいなかった。ここ(ニューヨーク)に来たときは総理大臣だったが、ここを去る今は1人の失業者だよ。)……首相の座を追われたタクシン氏のスーパードライなコメントが、いかにもタイ人らしくて喝采ものだ。
  タイの政治史に残る激動の夜だったわけだが、道端の屋台やゴーゴーバーが何食わぬ顔で営業し続けたのもさすが。そりゃまあ、関係ないっちゃ関係ないわな……。フツーの人々には、クーデターといっても、いつものテレビ番組が見れなくなる程度のことなのかも。以後数日間、旧国会議事堂前は、停留中の戦車の前で兵士と一緒に「記念写真」が撮れる一大人気スポットとなったのである。


2006/7/11
  買い物してると、タイ人女店員が「ロージャンルーイ(いい男ね)!」とすり寄って来るプロの風俗データマンAさんと、歌舞伎町のホストクラブからテレビ業界入りした食通Tさんと共に、羽太の唇や鳩の脳味噌を食べたりして、充実の2日間を過ごす。バンジャパ以来、日本から遊びに来てくれる濃い方が一段と増え、うれしい限りだ。バンコク名物・ゴーゴーバー巡りの野望に燃え、握りこぶしをぶるぶるさせる2人だったが、仕事が忙しいため、旅は日曜深夜到着&水曜早朝帰国の強行軍。従って、夜遊びチャンスは10日(月)・11日(火)の2日間のみだ。ところが不幸なことに、天が彼らのリビドーを見放したか、タイはこの2日とも特別な仏日に当たり、レストランでも酒は飲めないし、風俗関係の店も臨時休業で……あぁ、無情。ゴーゴー三昧の夢破れた2人のジャン・バルジャンは、がっくり肩を落として清らかな夜を過ごすのだった。


2006/5/20
  日本からわざわざそのために緊急来タイしたイチリキさん(仮名)と、サイアムスクエアに最近オープンしたメイド喫茶「AKIBA」へ。アニメ絵ベタベタの狭い階段を上ると、わずか6畳ほどのスペースに客のむさい男達がひしめき、酸っぱい臭いが立ち込めている。にもかかわらず、肝心のメイドさんはたった一人しかおらず、イチリキ氏も落胆の色を隠せない。ヤケをおこして、「ヌキはないのか?」「メイドとやらせろ!」などと、気の弱そうな受付係に向かって日本語で暴言を吐く始末。店内にいるのは、当然みな日本文化に興味のある人ばかりなわけで、タイ人の従業員も客も、日本語を理解する可能性が極めて高い。お願いだから、品位を欠く発言は慎んでください!暴走するイチリキ氏を涙目で抑えていると、ふと背中に冷たい視線を感じ……振り返ると、カウンタ席からじっとこちらを見ている日本男児が3名。なんとなく現地タイ語学校に入学してしまったダメダメ在住青年といった雰囲気で、一応茶髪にはしているものの、3人とも「三次元は苦手です」オーラが滲み出ている。なんかもういたたまれなくなってきたので、そそくさと店から撤収したが、正直二度と行くことはないだろう。
  参考までに、喫茶のメニューは、各種ドリンクやAKIBAクレープ(どんなだ?)など、大体40バーツ前後。カフェスペースの向かいにはコスプレ店員が店番をする漫画本屋さんがあり、3階はバウンスライト完備の「メイドさん撮影スタジオ」になっている。困ったものだ……。


2006/3/26
  ここんとこずっと、タイでは政治的混乱が続いている。タクシン首相一族が、通信最大手シン・コーポレーションの株式を、シンガポール政府系のテマセク社にごっそり売却したことに対して、「売国行為でしかも税金逃れまでしている」との批判が噴出しているのだ。執拗な辞任要求に対し首相は下院解散を決断、野党はその解散選挙をボイコット宣言、反対派は官邸前で連日連夜の座り込みetc. これだけもめているにも関わらず、日本円の対バーツ為替レートは弱っちいままでふがいない。あ、関係ないか。
  で、今日のお昼過ぎ、エンポリアムの前で、デモ行進真っ最中の民主主義市民連合に出くわした。なんと、サイアムパラゴンから、「タクシン、オークパイ(出ていけ)!」と叫びつつ、ぞろぞろ歩いてきたらしい。さる筋から日当が出ているとも聞くが、炎天下にものすごい重労働である。平和な日曜のスクンビット通りに突如現れた汗だく軍団……そこだけがまるで異次元空間のようだった。


2006/3/1
  セブンイレブンのポイントシールが、思いのほかいっぱい貯まった。今回はいつものシルバーの他に、豪勢なオレンジ色のやつまである。うっしゃあ、Wall'sのタロいもアイスでも買ってシールで払うか!と、ブツを握り締めて元気よく最寄りのセブンを訪ねたら、レジのねえちゃんがさげすむような冷たい笑顔で、「有効期間がもう終わってます」。もしかして、2月末までだったのか?ふ、油断したぜ。
  話は380度変わるが(Copyright ガッツ石松)、部屋に備え付けのでかい書棚の裏に少し前から住みついていたチンチョンが、やっと出て行った。目がかわいいとか、幸運を呼ぶとか、害虫を食べてくれるとか……好意的な意見もあるようだが、虫や爬虫類が心底ダメな私にはツライ同居者だ。かといって、手打ちにしたり、殺虫剤をかけるような勇気もなく、ずっと悩みの種だった。しかし昨夜、ベランダへ続く窓を開けた瞬間、どこからともなくしゃしゃっと飛び出してきて、外へピョーン。ふ、ホッとしたぜ。


2006/2/21
  1月の香港に続いて、2月はマレーシア。バジェットエアラインの異様に安い航空券の誘惑に耐え切れず、あちこち無意味にふらふらしている。クアラルンプールに来てみれば、一見こぎれいで住みやすくも見えるが、タクシーは夜になると交渉制になっちゃうし、ホテルでは不思議な発音の英語でまくしたてられるし、死ぬほど蒸し暑くて散歩なんかできないし……なんとなく性に合わない。そんななか、唯一の心の支えとなったのが、肉骨茶(バクテー)だ。豚肉をモツや湯葉や椎茸などと一緒に土鍋で煮込む漢方っぽい味のスープ……元々は肉体労働者が気合を入れるための朝飯だったらしいが、いやもう、KLチャイナタウンのお寺前にある屋台のうまいこと。あんなくすんだ雰囲気の場所で、あれほど上品な味付けの肉骨茶が出てくるとは。ペナンのガーニードライブやマカリスター通りにも有名な店があるし、バンコクでもトンローなどに出す店がちらほらあるが、KL屋台のは格別だった。というわけで、自分のためだけにアップした「肉骨茶写真館」です。





2005/12/24
  聖夜にふさわしい素敵なリンクを三つほど……。
  一つ目はココ。燃料サーチャージが高すぎないか?とか、しょっちゅうディレイしてないか?とか、貨物ターミナルに飛行機とめてないか?とか、愉快な「?」がいっぱいある激安エアアジアが、先着200万人無料キャンペーン真っ最中なのである。安いもへったくれもない。タダなのだ。ブッキング期間は12月7日〜28日。来年の2月7日〜10月10日発着便・全ルートが対象だ。HPで予約状況を確かめようとすると、情け容赦なく、「サーバダウン」のエラーメッセージが出るのも潔い。
  二つ目はココ。直球ど真ん中の手前味噌リンクで恐縮だが、編集のアンテナ氏と共に、ささやかな幸せをかみしめた感動のページである。
  三つ目はココ。ちょうど1年前の今頃、某巨大掲示板に、志ある若人が集結していたようだ。集まった戦士の中には、奇遇にも私の同姓同名さんがいて、年越しで孤軍奮闘している。書き込みの内容からして、ニキビづらの受験生らしいが、他人事とは思えない。2004年12月8日の44番目のカキコから、2005年1月10日の829番目のカキコまで……彼の壮絶な戦いの日々を、たどってみてほしい。こんな風に過ごす年末年始もあるのだ。


2005/11/1
  「地べたを転げまわって衣服もちゃんと泥だらけにしてからバスに乗り込み、道中30時間、首から手書きのプラカードぶら下げたまま、ア〜とかウ〜とか奇声を発してました。」 「日本国首相の直筆の親書を持ってきたんや。オマエ、信じられるか?事件の真相究明に協力してくれいう内容で、一個人宛に発行したヤツやで。」 「しっとりした旅情とは関係なく、猛烈な便意が襲ってきたの。脂汗だらだらで括約筋ひくひくさせながら耐えていたんだけど、ランパンの手前でどうしても我慢できなくなって……北タイの大地で、生まれて初めて野グソしちゃった。」 「ガンダムより、ぬいぐるみの似合う女になってほしい……」 「トヨタの売り上げって、タイの国家予算よりもあんの知ってた?まあ、タイはLAより経済規模も小さいし、しょーがねーか。」 「チャリンコとかカバンとかジジイの所持品はそのままで、ジジイだけが何日も姿を消したまま。きっとババアに殺されてゲストハウスの床下に埋められたんだ。」 「最高学府で学んだ知識を存分に活かし、自ら開発した魔法のスプレー……でも、指紋だけは絶対残さないように注意しないとね。」 「ビール買ってコンビニから戻ると、女と有り金40万バーツ、見事に消えてました。ペットボトルの空き瓶に貯めてた小銭まできれいに……」 「できれば枯葉剤で全滅してほしかった。」

  心の琴線に触れるヒューマンな言葉の数々……とはいえ、諸般の事情で闇から闇に葬られた没原稿は三万文字に及んだわけで……民営化推進委も舌を巻くその歩留まりの悪さと生産性の低さは、まさにタイクオリティ。こんなときこそ、必要なのはポジティブシンキング!つまりそれって、選び抜かれた原稿だけが日の目を見たってことなのさ!さあ、虚しく自分に言い聞かせたところで、ちょっと早めの歳末助け合い運動の始まりだよ!よろしくね。

『バンコクジャパニーズ列伝』(双葉社)1575円


2005/10/20
  キャセイのフライトで香港からバンコクへ移動。香港名物・エセ和風駄菓子「優の良品」の袋をぶらさげたタイ人観光客にもみくちゃにされつつ飛行機に乗り込んだが、出発予定時刻を30分過ぎても、機体はピクリとも動かない。しばらくすると、「イブラヒム・ハッサン様、いらっしゃいますか?」という機内アナウンス。どうやら、「イブラヒム・ハッサン」のヤローが、チェックインしたにもかかわらず、姿を現さないらしい。狭くて蒸し暑い座席でイライラしていると、さらに10分ほどして、「保安上の理由から、搭乗されていないお客様の預け荷物を、飛行機より取り出しております。離陸までもうしばらくお待ちください。」とのアナウンスが……。
  なにせ相手は「イブラヒム・ハッサン」だ。このご時世、かなりデンジャラスな響きの名前である。いかにもチクタクいってそうな「イブラヒム・ハッサン」のスーツケース、頼むからとっとと降ろしてくれよ!小心者の私は思わず叫びそうになったが、周囲のタイ人観光客は、つまらん機内アナウンスなど気にすることもなく、早くもシートをめいっぱいリクライニングさせ、くつろぎまくって大はしゃぎしているのだった。


2005/9/5
  ささやかとはいえ、ついにバンコクにも地下街らしきものがオープンした。地下鉄スクンビット駅構内の「メトロモール」である。閑散としたウナギの寝床みたいな通路で、10分100バーツの床屋さん、雑誌キオスク、デイリークイーンなど、既に数店舗が営業を始めている。なぜか、鍋やフライパンを並べた出店意図不明な金物屋なんかもあるが、現時点で一番目立っているのは、"true"という電話会社が運営するネットカフェだ。ポップな色使いの明るい店で、飲食メニューも充実。10月末まで50%オフのキャンペーンもやっている。最近カオサンにも進出したし、かなり気合入っているようだ。いずれにせよ、どのお店の店員さんも死ぬほどヒマこいてるから、バンコク初の地下名店街(?)、のぞいてみてね。


2005/7/18
  次から次にアポ取りまくって、個性豊かなみなさんに会っていただく日々が続いているが、その合間を縫ってバンコク銀行へ。至急バン銀に口座を開かないと、真剣に困ったことになるという長期(不良)滞在者さんのお供だ。
  昔は旅行者でも簡単に開設できたが、最近はチェック厳しくなったんじゃないかな、もめたら1人で走って逃げよう……などと考えていたが、なんのことはない、某支店へ行ったらものの5分で手続き終了。ミニマムデポジット500バーツ、デビットカード発行手数料300バーツ。キャンペーン中らしく、ステキなカバンまで無理やりプレゼントされてしまった。肩からたすきがけにすれば、一瞬で中国人団体旅行客に変身できるというスグレモノだ。欲しい人は今すぐバン銀へGO!


2005/4/8
  反日ムードが盛り上がっていることなどつゆ知らず、香港から九廣東鉄に乗って無邪気に深センを訪問。吉之島(JUSCO)もコスプレKARAOKEもあるし、香港名物「大家楽&大快活」も進出しているとはいえ、深センはそこらじゅう工事中で気が滅入る街だ。
  駅前の巨大ビル群も立派なのは外見だけ。テナントなどほとんど入っておらず、電脳商場もファッションモールも中は真っ暗。入口で、洗濯バサミや食器洗いスポンジのワゴンセールをやっている有様である。歩道では、ミス梅娘みたいなタスキをかけた按摩嬢が力なく客引きし、オーソドックスな乞食スタイルの母娘がゴミ箱からダイレクトに手づかみした残飯をほおばっている。人の気配がないスタバをのぞくと、金正日の息子に似たジャージ姿の小太りがソファでふんぞり返り、みすぼらしいスーツを着て異様に分厚いノートパソコンを携えた仕事のできなそうな毛唐の客なんかもいて、イヤな雰囲気。裏通りには、地味な事務服の女性が淡々と店番をする「性保健用品−追求更高品質、享受美好生活」という店もあったが、なんのことはない、古風なエログッズを売る大人のおもちゃ屋だ。
  翌日、日本の「国連安保理常任理事国入り」や「歴史教科書検定」などに抗議する近年にない大規模な反日デモが北京で起き、騒動が飛び火した深センでも1万人の反日さんが中心部に集まった。しかし、大群集が投石したりシュプレヒコールをあげたりしているそのさなかにも、裏通りでは「性保健用品」の店が粛々と営業し続けているのである。


2005/3/6
  最近やっと地雷が撤去され旅行者が行けるようになった、コーケーとかいう名前の遺跡がカンボジアにあるらしい。あえて行かなくてもいいようなこの遺跡に先週行ってきた日本人女子3名と、スクンビットでメシを食った。
  聞けば、シェムリアップから遺跡まで、ぼこぼこの砂利道をバイクタクシー往復8時間、ノーヘル&ニケツで吹っ飛ばしたという。この親不孝者!と私も思わず説教しそうになったが、タイメシ屋に入ると、今度は、世界三大スープの一つ・トムヤムクンを食ったことがないという問題発言が飛び出す。言うまでもなく、三大スープのうち残りの二つは、リケンのワカメスープとあさくまのコーンスープだが、それはともかく、タイに数ヶ月も滞在しながらトムヤム未経験はマズかろうと、早速オーダー。3人はなぜか、身長180センチでスリーサイズがミリ単位まで同じという好青年(債権回収業)を家臣として引き連れていたのだが、料理がテーブルに出てくるや、青年は、「うぉぉーエビが入ってるぅぅー」と野生の雄叫びをあげるのだった。


2005/2/3
  突然だが、宅配ピザ・ピザノッティは旨い。この味のものがこの値段でいながらにして食えるというのは、タイならではだ。フリペなどにほとんど広告を載せていないのも、口コミで十分繁盛しているからだろう。サラデンのザノッティとスクンビットのリモンチェロからデリバリしているようだが、トンロー〜戦勝記念塔〜サトーンと、結構広いエリアに配達してくれるので、タイめしに飽きたらぜひお試しを。初めて注文する人は、260バーツでいろんな味が楽しめるQuatro Stagioniがいいよ。
  ついでに、もう一つの最近のマイブーム(死語)は、トンローのJアベニューにオープンした大戸屋バンコク店。日本で大戸屋というと、雑居ビルの狭苦しい地下店舗で貧乏学生とくたびれた営業マンが定食モソモソかきこんでいるイメージだが、バンコク店は必要以上におしゃれな造りで、モノホン日本味のおかずが海外に長い日本人の涙をさそう。油がのったオサカナ系メニューなど、懐かしい味のラインナップが感動的だ。開店当初はオープンキッチンにもフロアにも本部から来たと思われる日本人スタッフがあふれ、気合の入った雰囲気まで日本のようだった。やがて日本からの指導陣が去り、タイ人スタッフが「テキトーに流しつつ仕事する」ようになって味も現地化の道を辿る、というのがよくあるパターンなのだが……応援してるから頑張って持ちこたえてね。


2005/1/19
  スティングのコンサートに行ったら平均身長180センチのキャンギャル軍団がいて圧倒されてしまったり、ムキムキの護衛を3人ほど引き連れたタクシン首相がシーロムの床屋さんにいるのを目撃したり、福岡から来たおじさんがセーラームーンを抱っこするのを目の当たりにしたり、地下鉄に乗ろうと思ったらしょうもない衝突事故で駅が閉鎖されていたり、タイの下院選挙がらみでヤフーニュースにリンクされたためとんでもない数のアクセスがホームページに集中したり……やみくもに充実した1週間だった。





2004/12/26
  インド洋津波……死者総数は20万人を超え、プーケット・パンガー・クラビのタイ南部三県では少なくとも日本人百数十人の安否が依然未確認との報道。
  バンコクも年末年始のイベントは全て中止で、あちこちに寄付や支援物資を募る仮説テントが作られている。地元テレビはずっと、黒い服を着たキャスターによる報道特番で、カラバオの歌う「つぅなぁみぃ〜あんだぁまぁん〜」みたいな悲しげな曲をバックに、現地の惨状を伝える映像が繰り返し流れている。中には、インタビューされる命拾いした日本人旅行者の姿もあった。英語圏のニュース同様、タイ語ニュースでも「ツナミ」という言葉を使っているが、世界じゅうどこでも通じる日本語といえば「カラオケ」だったのに、こんな形でこんな言葉が普及していくのも残念なことだ。数ヶ月前ナナのJWマリオットホテル地下にTSUNAMIという名前の高級和食レストランがオープンし、「警報!料理のツナミがおしよせます!」なんて宣伝をうっていたが、近いうちに改名しそうな気がする。


2004/11/8
  某誌の取材でオープンしたばかりのトンローのお店へ。掘りごたつのある和風居酒屋なのに、なぜかタイ舞踊が見れてしまうという太っ腹な店だ。海外経験豊富な日本人オーナーにいろんな話をうかがったが、アユタヤで運転中ハンドルを切りそこね、車ごと川にザップンした話が印象的だった。
  タイの野次馬さんというのは、基本的に情け深くてとても親切だ。少女に乱暴した犯人が捕まって警察官と一緒に現場検証に訪れると、有無を言わさずボコボコにして裁判の手間を省いてくれるし、事故で車が川に落ちたら力を合わせて引き上げてくれる。そんなわけで、親切な野次馬さんたちの好プレーに助けられたオーナー。命があって良かったと川べりで一息ついていると、傍にいたバアさんが「年はいくつ?」と声をかけてきた。オーナーが「47」と答えると、「うむ」とうなずいたバアさんは、いきなりナンバー47の宝くじを買いに走るのだった。
  結局そのバアさん、大当たりで相当な臨時収入を得たらしい。タイでよく聞く類の話ではあるが、まさか時速百キロで川に突っ込み、体を張って田舎のバアさんの「くじ運」に貢献した日本人がいたとは……。


2004/10/23
  スクンビット某所で知的な職業についているヒンズー教徒でなおかつホ●というタイ青年から、ベジタリアン・フェスティバルの情報を入手。「シーロム通りにあるシーマハアリアマン寺院で、有名なプーケットのお祭りほどではないけど、『軽い串刺し』やるよ〜ん。」とのこと。おおっ、バンコクでも唇に有刺鉄線とか、ほっぺに五寸クギとか見れるんだぁ!と、朝っぱらから張り切って現場に向かったのだが、到着後、件の儀式は夕方6時開始だと告げられる。なんだよもう。


2004/8/5
  先日、日本でもやっと公開されたタイ映画『オンバーク』。『マッハ!!』という邦題はトホホだが、文句なく面白い肉体至上主義アクション映画である。この映画、私はなぜか昨年末、土曜の午後で大混雑したプノンペンのLUXシネマという映画館で観た。カンボジアのみなさんの映画鑑賞作法は、タイよりもむしろインドのそれに近く、主人公が悪者に一発くらわすごとに、やんやの大喝采だ。本当にいちいち、手を叩いて声援を送るのである。逆に主人公がやられると、場内はお通夜のように静まり返り、重苦しい雰囲気に包まれる。スクリーンの中の卑劣な悪漢に向かって、分別盛りのお父さんが客席から真剣に罵声を浴びせたりもする。
  そんなカンボジアのみなさんの熱血ぶりはさておき、『オンバーク』の製作スタッフによる新作『グートマールイ Born To Fight』が、タイでいよいよ公開される。まだ予告編しか観ていないのだが、相変わらずスコーンといっちゃった作りで面白そう。どっかの干からびた農村で、颯爽とした正義のスポーツマン集団が、血も涙もない悪の一味を、どついたり蹴とばしたり火の玉ぶつけたりして成敗するのだ。計算されたアクション演出とはお世辞にもいいがたい、「5000バーツやるから、痛いけど我慢してくれ。」みたいな、節操のない原始的スタントが次から次に……。並走する2台のトレーラーの間に転げ落ちるスタントやった人なんか、生還したのが不思議なほどだ。いや、車輪に巻き込まれてミンチになっちゃった運の悪い人のテイクはさっさと没にして、スタント成功者が出るまで何度も撮り直したのかな?なんにせよ、今回もストーリーとは全く関係ないところでハラハラさせてくれそうな、期待の新作である。


2004/7/12
  1週間に渡ってインパクトアリーナで開催中のエイズ国際会議に出席しているGさんと、屋台ディナー&場末散策。「予防は治療に勝る」ということで私ものぞいてみたかったが、GさんのようにNGOの一員としてではなく、個人でこの会議に参加しようとすると、かなりの費用がかかるらしい。セッションに参加したり、展示ブースの留守番したり、アナン国連事務総長やタクシン首相やリチャード・ギアや川田龍平君など有名人を目撃したり、会場の片隅にあるアトラクションで象に乗ったり、ユダヤ系オーストリア人の参加者に喧嘩ふっかけられたり……昼間のGさんは会議場で大忙しだ。一方、日が沈んでからのGさんはというと、ロデオマシーンに振り落とされたり、アラブの大男たちに取り囲まれたり、家賃の請求書を携えた女優の迫真の演技にもらい泣きしたり、やっぱり大忙し。充実した日々のようでなによりだ。
  ちなみに、2年に1度開かれるこの会議はエイズ関連の集いとしては世界最大規模のものらしく、バンコク都心部にも、象をあしらった会議の看板や垂れ幕があふれている。


2004/6/27
  クイーンズパークホテルで梨元勝トークショー開催。だれがなんのために企画するのか知らないが、スクンビットエリアでは、たまにこういうコテコテに日本的な催しが行われる。八代亜紀の女性刑務所慰問みたいなものだろうか。ちょっと違うか。ところでこのイベント、梨元さんが観客の質問に気前よく答えてくれるらしい。
  「山本陽子と沖田ヒロくんは本当にE気持ちだったのか?」「佐良直美とキャッシーの世界は二人のためにあったのか?」「坂本教授と岡田有希子はくちびるネットワークしていたのか?」「監禁中、岡田奈々の身になにが起こったのか?」「中江滋樹の倉田まり子購入代金はいくらだったのか?」「奈美悦子の失われた乳頭は結局どこへいってしまったのか?」「ジャニー喜多川社長はいまでも、『YOU、ホテルに泊まりなさい』が日課なのか?」「大場久美子はやはりコメットさんのバトンの魔法で借金返済したのか?」「森光子とヒガシはいくらなんでもあんまりじゃないか?」教えて梨元さん!教えてガリレオ!
  ……山のような疑問を抱えて会場へ突撃しようと思ったが、聞けばこのトークショー、木戸銭が500バーツ。協議の結果、そんな金あるんだったらなんかうまいもんでも食おうという結論に至り、クイーンズパークから踵を返し反対側のソイにある某イタリアンレストランに入ってしまう日曜の午後だった。


2004/6/20
  そろそろ夏休みの海外旅行の計画を……そんなカタギのみなさんに耳よりな情報を惜しげもなくお届けしまくる『格安航空券ガイド』。発売中の最新号は、下川裕治さんの「安宿プレイバック」や「シルクロード越境紀行」など盛りだくさん。充実記事の狭間には、人目をはばかるようにひっそりと、「バンコク・ジャパニーズ」という私のコーナーも紛れ込んでいる。「人間愛」をテーマにした感動のヒューマンドキュメントなので、涙腺の弱い方はハンカチを、カウパー腺のゆるい方はティッシュをご用意のうえ、のぞいてみてください。


2004/6/12
  東京の文化放送の番組に出演してしまった。立川志の輔さんとタイのことをささやかに語り合う趣向だ。まだ挨拶しかしていないのに、いきなり、「なんかぼ〜っとした方ですねー」とほめられ、「タイにはもう何年ほどいらっしゃるんですか?」と尋ねられる。正直に答えると、「ああ、それで……」となにか訊いてはいけないことを訊いてしまって申し訳ないといった雰囲気が漂い、師匠もアシスタントの局アナ嬢もしばし沈黙。そうか、タイに長くいるのは後ろめたくて恥ずかしいことなのかと、私も思わず納得してしまうのだった。でも終盤には、「本のタイトルなどどうぞ〜」とわざわざ宣伝させてくれたので、志の輔師匠はいい人だと思います。ガッテンガッテン!


2004/5/31
  先日イラクで身元確認もできないような亡くなり方をした橋田信介さんはバンコク在住だったため、直接よく知る人間も周囲にいたりする。そんな人たちの「犠牲になるのはいつもフリーの人間だよなー」という声を聞きつつ、私はというと、ここんとこ毎日、平和なタイで○○○巡りをしている。某誌の○○○特集のためだが、アジアの暑さと湿気でやられ普段ほとんど休眠状態になっている左脳を使うスポットばかりゆえ、無理がたたって知恵熱が出そうだ。しかし、バンコクにもまだまだ知らないところがいっぱいあるなぁ。


2004/3/5
  シーロム・ロビンソンの地下にあるTOPSスーパーマーケットでパンだのトマトだの買ったら、なぜかピザハットの黒い制服を着た女の子がレジを打っていた。一応首からTOPSのIDらしきものをぶらさげているのだが、胸のロゴマークも本物だったし、あの制服は間違いなくピザハット純正品。タイでは職場の制服を着たまま通勤するのが常識なので、ケンタッキーの従業員と、MKスキのちんちくりんの店員さんと、厚化粧のデパート美容部員が、それぞれ制服姿で同じバスに乗っているのに出くわしたりすることがよくある。しかし、彼女の場合は一体なんだったんだろう? 昼はTOPSで働いて、終わったらそのままピザハットに出勤する働き者だったのだろうか? 周囲の客とか従業員とか、だれもピザハットの彼女に疑問を感じていない様子だったが……。


2004/2/23
  ルンピニ・ナイトバザールにタクシーで乗りつけ、ビアガーデンでいきなりお祭りカレー(45バーツ)を食べる。7時になったところで、敷地内のBecTeroHallへ移動し、プリテンダーズとブライアン・フェリーのジョイントコンサートに。しかし、なんという強引な組み合わせだろう。70年代から80年代にかけて世界のヒットチャートを制覇した2組だが、音楽的な共通点は見事に全くない。それに、クリッシーもフェリーももう50代で、完全に盛りを過ぎた「あの人はいま」みたいな人たちだ。あまりにもうさんくさかったので、今回はあえて、一番安い2階後方1000バーツ席を買ってみた。
  よれよれのオバチャンになってたらどうしようと心配だったクリッシー・ハインドだが、凛々しいロック姉御ぶりは健在。まずまずかっこよかったのでホッとした。言葉をぶつ切りにして吐き捨てるような冷たい歌いっぷりも昔のままで、太古の名曲「バックオンザチェインギャング」が泣けた。できたばかりなのに東京ドームなみのしょぼい音響というBecTeroHallだが、プリテンダーズの荒削りな演奏に音の悪さが微妙にマッチし、アンコールの「ミステリーアチーブメント」なんか床ブルブルの大迫力。文字通り「ベストオブベスト」の選曲をズラッと並べられ、ラフに見えて実は結構あざといクリッシーの曲作りに、改めて感心した。
  一方のブライアン・フェリーのほうは、渡タイ前に新宿厚生年金会館で観ていたので、相変わらず前髪がファサッとしてるなあぐらいの印象しかなかった。とはいえ、全盛期のロキシーがよくシメにやっていた「アウトオブブルー」あたり、分厚い音と独特の疾走感でうならせてくれる。ギターではなく、サックスとヴァイオリンで盛り上げていくのも、いま聞くと新鮮だ。いずれにせよ、両者とも目立った手抜きもなく、それぞれ正味90分以上の熱演。これで3000円とは驚異的な安さだ!と満足。


2004/2/20
  サトーンの某日系銀行で全く混んでないのに1時間半待たされたり、スクンビットの某巨大病院で35時間マラソン点滴したり、トンロー日本村某店で刺身の盛り合わせ食べたり、アユタヤのソンテウのチャーター料金相場について広島の某客人に講釈たれたり、いろんなことがあった1週間だった。
  そんなななか、ついに出てしまいます。大きなことはできません、小さなことからコツコツと……というわけで、長期間溜めていたため、照れちゃうくらい濃いぃです。卒業旅行の下調べに、ホワイトデーのお返しに、赤貧パッカーの理論武装に、就職就学のお祝いに、エリート駐在員の接待準備に、ヒヒおやじの黒い情報収集に……お役に立ちます!立たせます! 
『まろやかタイ読本』(太田出版)1680円


2004/2/8
  今日は雨模様で、バンコクは不気味なほど涼しかった。野良犬もやはり涼しいとうれしいようだ。いつもは路上で全身の筋肉を弛緩させ、ひしゃげたカエルみたいな体勢で魂の抜け殻のようになったまま一日を過ごすタイの犬たちだが、今日はみな元気よく走り回っている。ランルアン通りで見かけたやつなんか、勢いよく歩道橋を駆け上がり、車の激しく行きかう通りを上手に反対側に渡っていた。少しだけだが見直したぞ。やればできるじゃないか。


2004/1/29
  タイ国内ではここ数日、鳥インフルエンザ感染による死者が次々確認されているが、その報道の影響がもろに出て、切羽詰まった状況を市内あちこちで目の当たりにする。
  オフィス街のクーポン食堂。客でごったがえしているランチタイムなのに、カオマンガイ(蒸し鶏ライス)を出すブースの前だけはガラガラ。そこだけぽっかり海を渡るモーゼみたいな空間ができている。客が激減したKFCは、少しでも売り上げを伸ばそうとしてか、店の前の即席露店でKFCグッズを販売中。某レストランのタイ料理ビュッフェでは、ずらりと並ぶメニューから鶏肉料理は見事に消えており、豚肉のスープ、豚肉の炒め物、豚肉の煮込みと、ポークづくし。チキンスープをポークスープに切り替えた某タイスキ店にいたっては、苦し紛れにワニ肉プロモーションをスタート。USビーフ輸入禁止で揺れる日本の牛丼屋みたいに、悪戦苦闘している。
  そんなこんなのバンコク・チキン現場。中でも一番哀れを感じたのは、タニヤのカオマンガイ屋台だった。ランチタイムはおばちゃんが殺気立つほど混雑する人気店だったが、昨日通りかかったら、「いまは〜もう秋〜だれも〜いない海〜♪」と歌いたくなるような有様。客がいないだけでなく、ガラスケースの中にぶらさがってるはずのチキンの姿ももはやない。路上にあふれるほど並べていた客のためのテーブルやイスも極限まで規模縮小され、すっかり老け込んでしまったおばちゃんが虚ろな目をして、「カオカームー(豚足ライス)はいかがー」と、力なく呼び込みしていた。蒸し鶏ご飯の専門店が、ある日突然豚足ご飯を出すようになったって、だれも食べに来たりしない。目を覆いたくなるような惨状だ。よく行く屋台だし、できるものなら食べてあげたいと思ったが、味里でトンカツ食った直後だったので、目を伏せ足早に通り過ぎてしまった。許せ、おばちゃん。「人間なんてらら〜ら〜らららら〜ら〜♪」


2004/1/19
  でかいカートを押しながら真新しいBig Cラチャダムリ店の中をうろついていると、中国正月キャンペーンチームが、店内を巡回してるのに出くわした。チャイナ服を着た数人の男女が、キャンディやお菓子をにこやかに客に配って歩いているのだ。この時期にはよくあることだが、その販促メンバーの中に一人、異様なオーラを放っている人を見つけてしまった。深いスリットの入った真っ赤なチャイナドレスを着ていて、胸は見事にふくらみ腰はくびれているのだが、首から上がごくごく普通の地味な男なのだ。短い髪は七三に分けられ、化粧も全くしていない。陽気なオカマといった感じでは全然なく、表情はひたすら暗く態度も投げやり。他のメンバーからも相手にされず、少し離れて歩いている。巨大スーパーなんだから、従業員は山ほどいるはず。なにゆえ彼にこんな役目を……。どう見ても無理がある。職場内いじめだったのか?
  で、買い物後帰宅してテレビつけたら、NHK衛星のニュースでちょうど大相撲やってるとこだった。観るともなしに観ていると、客席後方になぜか全身ピンク色の林家ペーがおり、土俵上の高見盛をうれしそうに激写しまくっている。ニュース内の中継映像で小さくチラッと映っただけだったが、ピンク色のあれは100%間違いなくぺー。今日は変なものをいろいろ見つけてしまう日のようだ。


2004/1/17
  日本からのお客人とバンタトンのソンブン本店へ行き、超定番のプーパッポンカリー(蟹と卵のカレー炒め)を食う。落ち着いた物腰と柔和な笑顔のまま、健全なレストランの雰囲気にふさわしからぬどす黒い打ち明け話を始めるお客人。遠からぬ将来、この人にはきっと天罰がくだるなと思いつつも、久々のソンブンがうれしく、ライスおかわりまでして満腹した。店を出るとき見覚えのあるおじさんの写真が店頭に飾ってあるのに気がつき、「じゅんちゃん来たの?」と案内係に尋ねたら、「APECのとき来て、プーパッポン食べてったよ。」との返事。つまり今夜の私達のディナーは、少し前に日本国首相が食したのと同じメニューだったわけだ。


2004/1/12
  1月初旬のバンコクには極めて珍しいことだが、梅雨空が続いている。夜には雷も鳴って衛星放送の画面が真っ暗になるほどの本格的などしゃぶり。立派な異常気象だ。そんな悪天候のなか、タイ在住のかたからこんなメールが届き、さらに気分が沈む。「正月早々、口角ヘルペスが出て休養していたのですが、その後、毛じらみに感染していることも発覚しました。タイだから空気感染したのでしょうか?」。あの、いくらタイでも毛じらみの空気感染はないと思いますが……。





1999-2014年の「タイ・バンコク日記フルバージョン」はこちら







1