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野良詩集6 詩集部屋 目次 1 2 3 4 5 6 |
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古い音楽のように 今日の何処かに住むような 哀しみであればいい 何より大切な光だと 思えた瞬間を ふいっとこの手のひらに 思い出せればいい 東の窓を仰ぐ チビな仙人掌のように |
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君は飛び立ってしまった それは砂粒のように粉々に散らばり 私の生きる所々にふと 瞬間を運んでくる まるで他愛もない他人との会話の中に あてずっぽうに出かけた景色の中に 余り物で作ったメニューの中に 通りすがりの歌の中に 君はもう穏やかな場所まで 辿り着いただろうか それともまだ裏路地あたりを 宛てなくうろついているのだろうか どちらにしても 今度はもう少し 自分に優しく 生まれておいで |
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想う度に僕らは不器用に 必死にそれを届けあう 色 形 音 感触 重さ 揺らぎ 届くとき その全てが僕の思惑とはまるで 違うものだろう そしてその全てが 僕自身なのだろう 君のもそう 日が暮れても僕らはまだ投げ合う 夜が明けてもまだ 君が 僕が それぞれに届くまで |
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君を忘れていきます 久しぶりに私の想像するところ 君は今でも顔の前で手のひらを上に広げて 風を乗せたり散らしたり 不明瞭な気配を集めたりして 今日を楽しんでいるのでしょう 穏やかな街に越しました 辺りはそれぞれに静かです 夕暮れの色が変わりました 昔にも見なかった色です あちらへこちらへと 矢印の先を動かしたりもしてみます それでも軸はびくともしないで 人というのは頑固なものだなあと思います 私の部屋では今 小さな植物が育っています いくつかの鉢が枯れた後でも 生き残った綺麗な緑です 機会があれば その葉を想像してみて下さい それではまた 一緒に坂を登れたらいつか それから 久しぶりに というのは嘘です |
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ふわりと私の手のひらに 乗せられるものがある それは夕暮れの太陽の熱のように 網戸越しの風に靡くカーテンのように 何気なくふとする感触で 手のひらを眺めても それがどこからやってきたのか 私には分からない それでもしばらくは 私は手のひらを閉じない ありがとう と想う ごめんね と想う ピアノの連弾のように 私は重ねる 願うときにはそれは 違う姿で現れるのかもしれない 例えば季節のように 例えば君のように |
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ほんのちょっとだけって 目をとじたら 夜のくぼみに ポチャンと落ちてしまった うす目をあけて まわりを見たら そこはとろんとした 夜がみちていて ぼくはもっと ねむたくなった もういいや ねてしまおう まだだれにも おやすみを 言ってないけれど ポチャンと となりに だれか落ちてこないかな |
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窓の外が雨になっていて そして知らないうちに 雨は止んでいて 私は変わらず 想っている 雨が生まれる 辺りのことを そこに住んでいるであろう 人たちのことを 美しく濡れながら 雨を見上げる 草木のことを 私の奥にいる 私のことを 浮かんでは消えていく 雫のような イノチの音を 想っている |
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あとからあとからぴかぴかの 緑の葉っぱが生まれてくる その葉はつるつる美しくって どうしてわたしは 葉っぱに生まれなかったんだろ なんて思ったりもしちゃう だけど今日はいい日だった 葉っぱみたいにつるつると のびのび新しい一日だった だからいいんだ わたしで |
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灰白色の雲たちが 渋滞している その下で 私の行先はどこにも 決められてはいない 恐らくそれは 初めから 私はひととき 歩みを止め 道の脇でそれぞれに 伸びることを止めない 木々たちの 生まれたばかりの 青い芽と 今にも燃え落ちそうな 焦げ茶色の葉を 見つめながら 音のない風に 凭れている どこへ 行こう |
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こころがあって たましいがあって ここに となりあって ふれあって かさなって いつも さいしょは しらない さいごも しらない つづく つづくのつぎは つづく そのつぎも つづく つづく つづく つづく それから つづく わたしたち あたたかな うちゅう |
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