「次は、安定性に関するこの主張だが……」
(Y-2) 安定性 数ある皇位継承ルールの中では、最も皇位継承者が確保しやすく、制度的な安定性が確保される。皇位継承者を男性に限定する場合、如何なる方策を採ろうとも、皇位継承者の確保が困難になる恐れを内包してしまう。 |
「これについてはどうなのですか?」
「『安定性』の意味をどのように解釈するかによって、答えが変わってくる問題だな」
「?」
「どういう意味ですか?」
「新制度が導入された後、長期的に運用される段階のことを考えると、女性天皇・女系天皇を容認するという有識者会議の出した結論は、安定性という観点において十分に説得力のある内容だ。皇位継承権を持つ皇族の数が事実上倍加する上に、直系長子に対して皇位を継承するという単純なルールのおかげで、皇位継承における不確実性やトラブルの発生する余地はかなり減らされる」
「有識者会議の報告書では、出生率による計算や擬似的な皇室家系図を用いた皇位継承のシミュレーションを用いまして、主として技術的な観点から皇位継承制度の分析が為されておりましたな。ロボット工学が御専門の座長に相応しいまとめ方……と申し上げることが可能であるかもしれませぬ。こらちは、その中で登場致しました出生率に関するシミュレーションの結果でございます」
出典:『皇室典範に関する有識者会議 報告書』(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/houkoku/houkoku.pdf) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「実に素晴らしいじゃないですか」
「ですが、この有識者会議が出しました数値的な計算には注意事項が存在することを忘れてはなりませぬ」
「この数字で証明された完璧な理論のどこに注意事項があるんですか?」
「上のシミュレーションで使われました出生率1.29という値ですが、この出生率は、正しくは合計特殊出生率でありまして、完結出生児数とは異なるものであります」
「え? 出生率の指標にも種類があるのですか?」
「はい」
作者注:主な出生率の種類 ●合計特殊出生率 …… 1人の女性が生涯で生む子供の数の平均。人口維持にはこの値が2.08必要とされる。 ●完結出生児数 …… 結婚した1組の夫婦が生涯で生む子供の数の平均。 ●人口千対出生率 …… 人口1000人あたりの1年間の出生児数。 その他にも色々あると思われるが、主要なものの紹介に留めた。ちなみに、「合計特殊出生率=1.29」という値は2004年のもの。 |
「2000年の日本における完結出生児数は2.19でございますので、この値を元に先程有識者会議が行いましたものと同じシミュレートを行いますと、以下のような結果が出て参ります」
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「特殊合計出生率ではなく完結出生児数を用いましたシミュレーションは、女性天皇反対論を展開されます方のブログが初出でございまして、こちらのブログでは『完結出生児数を元に計算すれば、現在の出生率でも男系男子の皇位継承は可能』という御趣旨の結論になったようでございます」
「おおっ、素晴らしいです〜」
「しかし、これでもまだ注意が必要でございます」
「えっ!?」
「訳が分からなくなりそうですが……」
「上でも触れました通り、この完結出生児数という値は『結婚した女性の』生涯出産児数でありまして、独身の存在は考慮に入っておりませぬ」
「つまり、合計特殊出生率ではなくて完結出生児数を用いて皇族の人数をシミュレートするってことは、皇族は全員結婚することを所与の前提にしているってことですよね?」
「恐らくはそうだな」
「これってシミュレーションとして本当に正しいものなんでしょうか? 皇族が全員結婚するという確実に成立するとは言い難い前提が入っていると思うんですが……。現在の皇室でも、桂宮宜仁親王殿下が独身のままですし……」
「そうでございますな。また、不幸にして皇族の方が結婚される前にお亡くなりになられることも十分に想定されます。以上のことから、完結出生児数を用いる場合には、何らかの補正が必要であるという結論に落ち着くかと思われます」
「むー」
「そこで、以下のようなシミュレーションを実施致しました」
シミュレーションの前提: 1. 各世代の出生率として用いる値は以下の2種類とする。 (a) 2.19人(←2002年の完結出生児数) (b) 1.90人(←昭和天皇と同世代以降の皇族における完結出生児数) ※昭和天皇と同世代以降の皇族における完結出生児数は、秋篠宮御夫妻に第3子が誕生することを想定した値となっている。 2. 計算の起点となる第0世代の男系男子数は5人とする。 3. 出生児の中で男児が占める割合(男児出生比率)を0.513とする。 4. 出生児を計算する際には、現世代の男子の中で独身のまま死亡する人物が全体の一定割合存在すると仮定する。 仮定する値は以下の3つ。 (a) 0.000(←全員結婚する場合) (b) 0.091(←昭和天皇と同世代以降の皇族における男性生涯未婚率) (c) 0.126(←2000年の男性生涯未婚率) ※男性生涯未婚率 …… 50歳時点で未婚である男性の全男性に占める割合。 5. 各世代毎に算出する値は以下の3種類とする。 (a) 子供の数の期待値 =完結出生児数×(1−生涯未婚率)×前世代子供数 (b) 男系を維持している子供の数の期待値 =完結出生児数×(1−生涯未婚率)×前世代男児数 (c) 男系を維持している男児の数の期待値 =完結出生児数×(1−生涯未婚率)×前世代男児数×0.513 シミュレーションの結果は以下の通り。
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「シミュレーションの結果は6通り存在致しますが、御覧になればお分かりの通り、左寄りに位置するデータが楽観的な──女系天皇反対派にとって有利な想定を用いた結果、右寄りに位置するデータが悲観的な──女系天皇容認派にとって有利な想定を用いた結果となっております。最後に、参考資料と致しまして完全出生児数ではなく特殊合計出生率を用いましたシミュレーションの結果を掲載致しました」
「うーん……」
「合計特殊出生率を使って計算したら、第6世代には男系男子血族が途絶えてしまう恐れが濃厚ということになりますね。しかし、完結出生児数を使って計算したら、ほぼ確実に男系男子を10世代後まで伝えられるという結果が出ていますが……」
「立場によってどの計算結果を使うのか、はっきりと分かれてしまいそうですね」
「いつものことだ」
「身も蓋も無い……」
「ところで、皆様……」
「どうした?」
「今まで述べてきたシミュレーションですが、これらのデータは全て長期的に見た場合について説明していることには注意が必要でございます」
「どういうことなんですかー?」
「現在差し迫っている皇統断絶の危機とは状況が異なっているからでございます。現時点では、皇族の中で出産のチャンスがございますのは皇太子御夫妻と秋篠宮御夫妻のみでありますため、上記のシミュレーションで第0世代の人数を『5』としておりましたのを『2』に修正しなければなりませぬ」
「となると、後世に残る男系男子の数は更に少なくなるというわけか」
「はい。しかも、皇太子御夫妻も秋篠宮御夫妻も決して若くはございませぬので、出産のチャンスはかなり限られると考えなければなりませぬ。そうなりますと、完結出生児数として与えられている数字も1前後に引き下げる必要が出てまいります。また、皇太子御夫妻や秋篠宮御夫妻に男のお子様がお生まれになった場合でも、上述致しましたシミュレーションのように男子が5人揃う状態にはなりませぬので、極めて厳しい状況が続くことには同じでございます」
「『だったら今のうちに厳しい状態を解消しなければならない』というわけで、女系天皇やら旧宮家の復活やらといった話が出てくるわけなんですよね?」
「そういうことになるわけだ。それに、女系天皇や女性天皇を禁止するとなると、上の表が示すとおり、かなり楽観的な予測を採用しない限り、男系男子皇族の数は漸近的に減ってしまうわけだから、旧宮家の皇室復帰によって男系男子皇族の数を増やしたとしても、抜本的な対策にはなり辛いのだ」
「でも、時間は稼げるんじゃないですか?」
「そうだな。ただ、稼げる時間としては100年か150年くらいだろうな。1世紀後に日本人の平均出生率が大きく回復していない限り、旧宮家から男系男子を皇族に復帰させるだけでは同様の危機が再来する恐れが高いわけだ」
「だから、長期的に運用される段階では、女系天皇を容認するという選択肢が生物学的な安定性を持つというわけですか」
「むう……」
「そういうことだ」
「実に素晴らしいじゃないですか」
「だが、導入時の安定性となると話は全く変わってしまうぞ」
「えっ?」
「皇位継承権者を、今までの『男系男子のみ可』から『女性も可・女系子孫も可』というように修正するのだ。良いか悪いかは別にして、今回のルール変更はほぼ180度の方向転換と述べることもできる」
「となりますと、色々と問題が生じそうですね……」
「ああ。考えられる問題は3種類存在する」
(1) 内親王・女王の皇室からの離脱を認めるかどうかを巡る論議 (2) 女性天皇の配偶者を巡る問題 (3) 女系天皇反対派の存在 |
「『(1) 内親王・女王の皇室からの離脱を認めるかどうかを巡る議論』というのは?」
「現在の皇室典範では、内親王・女王は天皇・皇族以外の者との婚姻によって『自動的に』皇籍を離脱することになっている。女系天皇・女性天皇を容認する場合、当然ながらこの部分を修正する必要があるわけだ」
「有識者会議の結論はどうだったのですか?」
「こちらを御覧下さい」
(1) 皇族の範囲の考え方 皇族制度は、世襲による皇位継承を確保するとともに、一定の場合、天皇の国事行為を代行するなど天皇の活動を支えるため、天皇の親族を皇族とし、制度上、一般の国民と異なる地位とするものである。皇族の範囲に関しては、皇位継承資格者の安定的な存在を確保することを大前提にしつつ、皇族は特別な地位にあること、財政的な措置が伴うこと、皇族の規模が過大となった場合には皇室としての一体性が損なわれるおそれがあること等の見地から、皇族の規模を適正に保つことが求められる。女子や女系の皇族に皇位継承資格を拡大した場合においても、このような要請を満たす制度とする必要がある。 (2) 永世皇族制と世数限定制 現行制度では、皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れることとされているが、女子が皇位継承資格を有することとした場合には、婚姻後も、皇位継承資格者として、皇族の身分にとどまり、その配偶者や子孫も皇族となることとする必要がある。 その場合、将来的に皇族の数が相当程度増加する可能性もあるため、天皇と血縁の遠い子孫から皇族の身分を離れるという考え方の下に、一定の世数を超える子孫を一律に皇族でなくする世数限定の制度をとることも考えられる。しかしながら、世数限定の制度をとった場合には、歴代の天皇や天皇の近親の皇族に、一定数の子が安定的に誕生しなければ、皇位継承資格者の存在に不安が生じることになるため、現在のような少子化傾向の中では、世数限定の制度を採用することはできない。このため、現行制度の考え方を踏襲して、天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族の身分を有するいわゆる永世皇族制を前提にした上で、その時々の状況に応じて、弾力的に皇籍離脱制度を運用することにより、皇族の規模を適正に保つこととすることが適当である。〔参考30、31〕 なお、現在の皇族女子については、婚姻により皇籍離脱する現行制度の下で成長されてきたことにも配慮が求められる。その際、世数、皇室の構成等も勘案する必要がある。 (3) 皇籍離脱制度 皇籍離脱制度については、現行制度では、親王は意思による離脱ができないのに対し、内親王は、王や女王と同様、皇室会議の議により、意思による離脱ができることとされている。これについては、女子も皇位継承資格を有することとする以上、親王と内親王とを区別する理由はないこと、親王・内親王と王・女王との間では、皇籍離脱の条件等に差が設けられるべきであることから、内親王に関する制度を親王に関する制度に合わせ、共に意思による離脱ができないこととすることが適当である。 また、やむを得ない特別の事由があるとき、皇室会議の議により、皇籍を離脱する制度については、現行制度と同様、親王、内親王、王、女王すべてについて可能とすることが適当である。現行制度では、皇太子及び皇太孫については、やむを得ない特別の事由による皇籍離脱制度が適用されていないが、今後は、女子の皇太子及び皇太孫についても、同様の制度とする必要がある。 親王・王が皇籍離脱する場合等の配偶者や直系卑属等の離脱の制度は、内親王・女王の離脱の場合等もこれと同様の制度となるよう見直しを行う必要がある。 皇籍離脱制度により皇族の規模の調整を行う場合には、以下のような点に配慮し、円滑な運用を図る必要がある。 ・ 若年の皇統に属する皇族の数を目安として、将来における皇族の規模の適正化という観点から、離脱の要否を判断する。 ・ 原則として世数の遠い皇族から離脱する。 ・ 離脱の決定は、当事者の将来予測を可能にするため、適切な時期に行う。 出典:『皇室典範に関する有識者会議 報告書』(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/houkoku/houkoku.html) |
「つまり、どういうことなんですか?」
「有識者会議の御提案をまとめますと、こういうことになるかと思われます」
【基本ルール】 ●女子皇族が結婚する場合、結婚後も自動的に皇室内に留まる。 ●親王・内親王は本人の意志による皇籍離脱ができないものとする。 ●王・女王は今まで通り本人の意思と皇室会議の議決によって皇室を離脱することができる。 ●永世皇族制の概念を導入し、天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族の身分を有することとする。 【例外】 ●現在の皇族女子に関する扱いでは、旧皇室典範下で成長されたことへの配慮が求められる。 ●皇室全体の規模が大きくなった場合には、皇籍離脱制度を弾力的に運用し皇室全体の規模を調整する。 |
「この中で、『内親王は本人の意志による皇籍離脱ができない』と説明致しました部分に関しましては、毎日新聞の世論調査におきまして反対の方が多数派となっております」
女性皇族は結婚後も皇族にとどまるべきだと思いますか、自分の意思で皇族から離れられるようにすべきだと思いますか。
出典:2005年12月14日付毎日新聞記事(http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20051213/20051213it15-yol.html) |
「今までは、内親王・女王は結婚によって自動的に皇室を『追い出されていた』のが、『内親王は皇籍離脱が事実上不可能、女王は離脱の意思を示さない限りは結婚後も皇室に残ったまま』ということになるわけですよね?」
「はい。実際には御本人の御意志が示された後にも、皇室会議による議決を経ないと皇籍からの離脱が実現致しませぬ」
「皇室会議が皇族の残人数などを理由にして、女王の皇籍離脱を拒否する可能性があるわけだな」
「うーん……」
「有識者会議の提案は、皇籍離脱の処理において、親王と内親王を同格とし、王と女王を同格とするものと考えれば良いだろう。ただし、毎日新聞社の世論調査で『女性皇族は結婚後自分の意思で皇族を離れられるようにすべきだ』という意見が多数派になっていることからも分かるように、有識者会議の打ち出したこの方針は国民に受け入れられているわけではない。国民の説得なり、有識者会議の出した提案の軌道修正なり、何らかの作業が必要になるだろう」
「男女同権の立場からもいい方針だと思うんですけどねぇ……」
「続いては『(2) 女性天皇の配偶者を巡る問題』ですが、これはどういうものなのですか?」
「過去の日本はいわゆる“prince consort”──女性君主の配偶者というものを導入したことが無い。過去の女帝が全員未亡人であったか独身女性であったという点は既に説明した通りだ。もしも、有識者会議の結論通りに女性天皇・女系天皇が認められるとなると、日本では前例の無い“prince consort”の制度を導入する必要があるわけだ」
「これは混乱の原因になりそうですね〜」
「前例が無いから多少の混乱と試行錯誤は避けられないだろう。作者は、この“prince consort”の問題が、数ある女系天皇反対論の中で最も説得力を持つ意見であると考えているくらいだ」
「でも、どうして混乱が生じるんですか?」
「以下の問題をクリアする必要があるからな」
(a) 女性天皇の配偶者の呼称はどうするか? (b) 女性天皇の配偶者に皇位継承権を認めるのか? (c) 女性天皇の配偶者となる男性は現れるのか? |
「これらの問題点に対する有識者会議の回答は少々歯切れが悪いものがあるな。女性天皇の配偶者に対して『殿下』ではなく『陛下』を使うこと以外には、何も決まっていないと言って良いだろう」
「難題から逃げてますね〜」
「うーん……」
「では、どうするべきだと思われますか?」
「作者の個人的意見だが、これらの問題は以下のように解決できるだろうと考えている」
(a) 女性天皇の配偶者の呼称はどうするか? → 「皇配殿下/His Imperial Highness The Imperial Consort」または「親王殿下/His Imperial Highness The Prince」 (b) 女性天皇の配偶者に皇位継承権を認めるのか? → No (c) 女性天皇の配偶者となる男性は現れるのか? → 頑張って探しましょう(爆) |
「あれ? 女性天皇の配偶者に『陛下』の呼称は使わないのですか?」
「女性国王の在位回数が多く、現在も女性国王が御健在であられるイギリスとオランダでは、国王の配偶者であられるエディンバラ公フィリップ(旧名フィリップ・マウントバッテン)殿下とクラウス(旧名クラウス・フォン・アムスベルク)殿下(2002年薨去)は共に“His Royal Highness”の尊称をお使いでいらっしゃいます」
「諸外国の例を見る限りでは、女性天皇の配偶者に無理して『陛下』の尊称を使う必要は無いと考えるべきだろう。それと『親王』という呼称の案は女性君主の配偶者に“Prince”という呼称を用いている点を考慮して提案したものだから、『皇配』と『親王』のどちらを使うべきか、議論の余地はあるだろう」
「配偶者の男性の問題について『頑張って探しましょう』と答えるのは、ちょっと人を馬鹿にしてませんか?」
「だが、現実の問題としてはこのように答えるしかないのだ。具体的な人名を出すこともできないしな。強いて挙げるとするならば、以下の条件を満たす人物が女性天皇の配偶者に相応しいと言えるだろう」
(ア) 皇位継承権を持たないことに不満を抱かず、妻である天皇の補佐に回れるだけの度量を持つ (イ) 女系天皇反対論者からのネガティブキャンペーンに耐えられるだけの神経の図太さを持つ (ウ) 天皇の配偶者として相応しい人格を有している (エ) 公務に耐えられるだけの健康体であり、重大な持病を有していない (オ) 現行天皇制に反発する宗教団体の構成員ではない (カ) 少なくとも人並みには聡明であること |
「思想信条の自由からすると(オ)の制約は無いほうが良いのかもしれないが、天皇制の性格と女系天皇反対派に対する配慮を考えると、女性天皇の配偶者選びに際して思想信条に関する制約を加えることは避けられないだろう」
「『女系天皇反対論者からのネガティブキャンペーン』というのは?」
「それは、女系天皇導入時に発生すると思われる第3の問題点・『(3) 女系天皇反対派の存在』とも重なる部分だ」
「インターネットの外では、女性天皇や女系天皇に反対する人ってどういう方がいるんでしょうか?」
「寛仁親王殿下を除き最も有名なところでは、宗教団体の1つである神社本庁を挙げるべきだろう。神社本庁は男系天皇の伝統が損なわれることを理由に女系天皇に反対しているぞ」
プレスリリース 総長談話等 皇室典範改正問題に関する神社本庁の基本見解 本年(2005年)三月十七日、神社本庁は、皇室典範改正問題に関する基本的な姿勢を示したが、此度十一月二十四日に小泉総理に提出された「皇室典範に関する有識者会議報告書」の内容を検討し、改めて本問題についての基本見解を明らかにするものである。 一、「皇室典範に関する有識者会議報告書」について 今般の報告書では皇位継承制度について、@国民の理解と支持を得られるものであること、A伝統を踏まへたものであること、B制度として安定したものであること、といふ三つの基本的な視点から総合的に考慮する必要があるとした上で、これまでに例のない全く新たな皇位継承制度を提案してゐる。 すなはちその骨子は、皇位継承資格を女子や女系皇族に拡大し、継承順位は長子優先が適当とする内容のものである。しかし、そこに示された制度のあり方やその論拠には、現今の少子化傾向や家族に対する国民意識の変化などが安易に援用され、それを無批判・無条件に肯定的に捉へる特定の価値観が前提とされてゐる。 本来、「伝統」とは、その本質において不変のものであり、皇位継承の伝統も各時代ごとにその本質を崩すことなく、様々な努力と選択が積み重ねられ伝へられてきた。しかしながら、報告書の結論は、伝統の尊重を謳ひながらも世論調査の結果を過大視するなど、余りにも現代の表面的な価値観に捉はれすぎたものと言はざるを得ず、結局は心ある国民の広い理解を得るものではないと考へる。 しかも、女系継承の大前提となる女子皇族の配偶制度をはじめとする諸課題についての具体的議論を経ないままに、机上の論のみを以て新制度を「安定的」と断ずることは甚だ疑問としなければならない。 改めて報告書の提案する新たな皇位継承制度に重大な疑念を呈するとともに、それを基にした皇室典範の改変が性急に進められようとしてゐる事態を深く憂慮するものである。 二、皇位継承制度について 皇位は、百二十五代にわたつて一つの例外もなく男系により継承されてをり、天皇を中心に国家・社会の安寧と秩序が保たれてきた。この歴史的な重みは、現今での「制度的安定」を主たる理由として軽々に斥けられてよいものではない。まして、皇位継承資格を有する男子皇族が現にをられる中で徒に皇位継承の危機感を強調し、女子や女系皇族への継承資格を拡大する結論を導き出したことは拙速に過ぎ、まづは男系継承の伝統保持に最大限の努力を払ふべきである。そのためには、例へば報告書では困難とされた「旧皇族の皇籍復帰等の方策」を広範かつ具体的に検討することが改めて必要であると考へる。 皇位は、日々国民の幸福を祈つてをられる皇室と、これを慕ふ国民との紐帯によつて確固として受け継がれてきたものであり、また受け継がれてゆくべきものである。皇室と国民のこの関係こそが、皇位継承制度の淵源として位置付けられるものでなくてはならない。 三、皇室典範の改正について 戦後六十年近く、全く等閑視されたままであつた皇室典範について議論されること自体は当然であり、歓迎すべきことである。本来、憲法とともに国家の根本法たるべき皇室典範が、単なる一法律と位置づけられてゐる現状に比し、明治の皇室典範が約二十年の審議を要した成立過程に鑑み、その重要性と皇室の伝統を踏まへつつ、改正手続の見直しや、戦後廃止されたままの皇室関係諸法令整備等の抜本的な検討をすべきである。 四、皇室の尊厳について 皇室はわが国の歴史と文化を体現される御存在である。歴史上幾度か訪れた皇位継承の危機には、その時代の識者をはじめとする国民が皇室の伝統に則り叡智を集めて解決を図つてきた。皇室はわが国の歴史の一貫性の象徴であるが故に、「国民の総意」として現行憲法にも「日本国及び日本国民統合の象徴」と明文化されたのであつて、皇室の尊厳は憲法に由来するものではない。戦後の象徴天皇制度のみを大前提として思考するのではなく、長い歴史・伝統に由来する皇室の尊厳性にこそ思ひを致すべきである。 平成十七年十二月二日 神 社 本 庁 出典:神社本庁ホームページ(http://www.jinjahoncho.or.jp/news/171202.html) ※原文はPDF形式・縦書き。また、歴史的仮名遣いは原文そのままのものを使用している。 |
「あとは、元最高裁長官をトップに迎えた保守系の政治団体・日本会議と、この団体と深い関係を持つ皇室の伝統を守る国民の会も女系天皇に反対しているな」
「皇室の伝統を守る国民の会」設立趣意書 百二十五代、二千年以上続いてきた日本の皇室は、世界に比類ない歴史と伝統をもっています。世界に多くの王室がある中、我が皇室は、その淵源が神話にまでさかのぼる最古の存在であり、しかもその皇位が今日まで断絶することなく男系により継承されてきました。その歴史的事実は、まさに世界の奇跡であり、私共日本人の誇りでもありましょう。 この度、四十年来、皇位を継承されるべき男性皇族のご誕生がないため、安定的な皇位の継承を可能にするための制度を確立するとして、「皇室典範を考える有識者会議」は、女性・女系天皇の導入と皇位継承者の長子優先を柱とした改正案を報告しました。 ところがこの改正案は、男系による皇位継承の伝統を大きく改変する制度の導入であり、各界識者や国会議員より、拙速な改定に慎重な意見が相次いでおります。こうした中、今秋、秋篠宮家に第三子がご誕生されるというご慶事が訪れ、政府・与党内にも慎重な議論が必要との判断が出されていることは、誠に多とすべきであります。 歴史を翻れば、百二十五代の間、幾度か男系による皇位継承の断絶の危機に直面したことがありました。しかし私共の祖先は、多くの叡智と努力を傾けてこれを乗り越え、万世一系の伝統を守りぬき、天皇陛下を中心として、国の発展が図られてまいりました。 私共は、過去の祖先の努力に学び、現在の私共が直面している皇位継承の危機を乗り越えなければなりません。そして皇室のご存在の意義を広く啓発し、国民一人一人が関心を寄せ国民的議論を起こすことによって、百年先、千年先のより良い日本の将来を築く契機といたしたく願っております。 ここに、各界各層の皆様方のご賛同を得て「皇室の伝統を守る国民の会」を設立し、多くの国民の叡智を集めて、伝統に基づく皇位継承制度を確立し、もって世界に誇る万世一系の伝統を守ってまいりたく存じます。 平成十八年二月吉日 出典:日本会議ホームページ内・「皇室の伝統を守る国民の会」設立趣意書 |
「ですが、この人達は単に反対しているだけですよね?」
「確かにそうなんだが……」
「問題があるのですか?」
「ああ。ここで1つ全員に質問したいのだが、構わないか?」
「はい」
「何でしょうか?」
「どういう質問なんです?」
「女性天皇・女系天皇が誕生した場合、女性天皇・女系天皇反対派はどういうリアクションを見せると思う?」
「えっ?」
「ほへ?」
「…………ああ、なるほど」
「ふむ……アークス君が最初に真意に気付いてくれたようだな」
「どういう意味なんですか?」
「女系天皇反対派の人達は、公称2660年以上続いたとされる男系に基づいた皇位継承が、皇室の持つ宗教的権威の源泉になっており、日本の皇室には必要不可欠であるという風に考えていますよね?」
「そういうことになりますよね〜」
「だとしたら、現在行われている皇室典範改正論議によって、女性天皇だけではなく女系天皇も認められることになったとしたら、女系天皇が即位した時点で過去に行われていた男系による皇位継承の連続記録が止まることになりますよね?」
「うん、その通りですね〜」
「ですが、現実には男系による皇位継承は数回途切れていた可能性が濃いんじゃないんですか? 神功皇后の不倫とか継体天皇による皇位簒奪とか……」
「歴史学の上ではそうかもしれませんが、ソウジ先生からの質問に関しては、『女系天皇反対派がどのように思っているかが』が大事であって、歴史的にはどうだったのかはあまり意味は無いと思いますよ」
「うむ、その通りだ」
「……で、話を戻しますけど、女系天皇が即位しますと、法的には日本国の正統な象徴として認められるべき天皇が存在しているにも関わらず、女系天皇反対派からすると、『男系による皇位継承の伝統に基づかない、“紛い物の天皇”が“即位”している』とも言える状況になってしまうわけです」
「あっ……」
「そこで、『女系天皇反対派の基準では天皇と認められない』人物が天皇として即位した場合、女系天皇反対派が『法的には正統な天皇』を天皇として認めない可能性が出てくるわけだ」
「なるほど〜」
「2つの意味での天皇が混ざっているから分かりにくいですね……」
「ですが、今ソウジ先生が仰ったようなことって、本当に起こるんですか?」
「可能性は全くのゼロではない。これを見てもらおうか」
もうちょっと慎重に議論してもらいたいもんだ。 週刊誌や雑誌でも取り上げられてる話題なんだけど・・・ 女系天皇は天皇制存続にかかわる問題。 女系天皇を認めれば天皇制の意味がない。 つか天皇必要ないし・・・ 女系天皇はもう天皇とは呼べない。 正直言ってただの一般市民。 男性だとか女性だとかの問題じゃない。 血筋の問題てか、もう遺伝子レベルでの話。 女系天皇に関しては議論の余地なし。 女性天皇は可能。 女系天皇を認めるくらいなら天皇制廃止すべき。 出典(http://blog.livedoor.jp/ph_manex/archives/50141278.html) |
それはともかく、私は女系にして存続するくらいならば、天皇制など廃止したほうがいいという考え方だ。付け加えれば、私にとって天皇とは昭和天皇であり、今の天皇陛下にはほとんど興味がわかない。皇太子殿下は好きだが、皇室に対する敬意とはまた別の感覚を抱いている。 出典(http://amakara.tea-nifty.com/amakara/2005/10/post_646a.html) |
女性天皇の即位によって、皇配に白人を迎えるような危険性が少しでもある以上、私は女系といわず女性天皇にも絶対に反対である。 そのようなことになる危険性が少しでもあるなら、本当に憲法上の天皇制を廃止したほうがいいと思う。 (中略) 押し付け憲法から逃れるためには、その文脈の外で生きるのがいちばんだと思う。 皇室の伝統をこれ以上破壊されるよりは、皇室を財団のような形にし、国家に頼らず、民主主義の偽善に拠らず、皇室を尊ぶ国民自身でお祭りして行ったほうがいいのではないか。 出典(http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/2006/09/post_129b.html) |
私は、伝統の男系維持をしないのなら天皇である正当性が失われるのでその場合は天皇制は廃止するべきだと思っている。かつて天皇制反対と言っていた左翼が女性・女性天皇大賛成と豹変した理由はここにある。 出典(http://www.mypress.jp/v2_writers/togo/story/?story_id=1240339) |
ところで、皇室典範が改悪され、女系天皇が生まれて皇統の断絶が起こつた時、我々には考へておくべきことが色々ある。今日は上記の観点から一点のみ挙げておく。 愛子様が御即位、民間男性との間のお子様がさらに即位なさつた時、当然ながら、その方は現在の皇統からは完全に絶縁した、つまり別の王朝が成立したと考へる人々が出てくる。(私もその一人だ。)その時、戦後に臣籍降下させられた旧宮家の男子の中から、自分こそは正統の天皇の血筋だと、その「万世一系」を主張する方が出て来て当然であらう。即ち、いはば現代版「南北朝」の出現であり、国論を二分することになりかねない。 その頃、私が生きてゐるはずもないが、仮に生き延びてゐたなら、男系の方を担いでクーデターを起こすかもしれない。そこまで物騒なことは言はぬにしても、第二の熊沢天皇問題になりはしないか。これは愚かなる杞憂で済むことだらうか。有識者会議、といふより、これを諮問した小泉首相はそこまで考へてゐるのだらうか。 出典(http://dokuhen.exblog.jp/2284985/) |
「この意見は……」
「作者が女系天皇反対派のブログの情報を収集した際に見つけた、興味深い記事の一部だ。細かい表現の差はあれども、『女系天皇を認めるくらいならば天皇制を廃止してしまったほうがマシだ』という点では概ね一致している。インターネットおける女系天皇反対派の間では、『右からの条件付き皇室廃止論』とも言うべき、興味深い意見が出されているのだ」
「天皇制には宗教的権威とそのバックボーンとなる万世一系の伝統が必要不可欠であると考えるから、こういう極端な意見が出てくるのでしょうね……」
「こんな過激な主張、ここでまともに取り上げる必要はあるんですか? 私のような人間からすると、駄々をこねているだけにしか見えないのですが……」
「『駄々をこねている』って何ですか! 真剣に日本の伝統文化を守ろうとしているだけなんですよ!」
「まあまあ、抑えて抑えて」
「むう……」
「……最初は、このテキストの作者も『もうアボカドバナナと』って口走って、ここで示した右からの条件付き皇室廃止論は無視するつもりだった。しかし、情報を集めるうちに『無視することはできない』と判断を改めざるを得なくなった」
「何か見つけたのですか?」
「では、こちらを御覧下さい」
皇室に改革はいらない ── 林真理子(作家) 天皇という存在は、日本人の精神性と深く関わりあっていて、女性・女系天皇は、その部分を否定するものだと思います。それを認めたら、なんの“有難味”もなくなってしまう。 皇室に“改革”なんて必要ないんです。女性・女系天皇に賛成する人たちは、相撲の土俵に女性を上がらせないのはなぜだ、と言っているのとまったく同じ。天皇とは、日本だけにしか存在しない、簡単には割り切れない、神がかった摩訶不思議な存在なんです。だから“有難味”がある。 (中略) 私はこれまで続いてきた男系は続けるべきで、どうしても繋がらなかったら、いっそのこと廃止するしかないと思う。このまま、皇室への尊敬や“有難味”がなくなってしまえば、それもやむを得ないのかもしれません、悲しいけど。 出典:『週刊文春』2006年1月26日号 |
「この方は確か直木賞受賞作家であり、かなり学識もお持ちのはずですよね。そういう『有識者』の間から、こんな極端な意見が出てきたのですか?」
「はい、その通りでございます」
「……この人達は本当に天皇制を守ろうとしているんですか?」
「本人達はそう思っているはずだ。林氏のような女系天皇反対派の場合、天皇制には万世一系の皇統という要素が不可分で付いて回ると考えている。『天皇制を守る』と一言で言っても、守るべき天皇制の中身は人によって解釈が分かれてしまうから、こういう意見が出てくるわけだ」
「女系天皇容認派と女系天皇反対派との間に、一致した見解を見出せる箇所はあるのですか?」
「実のところ、皇位を世襲するという1点以外には存在しないと言ってもよろしいかもしれませぬ」
「うーん……」
「それで、話を戻すのですが、もしも『法的には正統な天皇を天皇として認めない』人達が現れたとしたら、どういう事態になるんでしょうか?」
「長期的な予測はいくつも立てられるし、憶測交じりで何とでも言えてしまう。なので、この点については読者の皆さんの御想像にお任せするしかないだろう。作者なりに『女系天皇即位時に発生しうる政治的混乱がどういうものになるか』、予想は立てているのだが、憶測が混じっているため、表立って公開できるような代物ではない」
「うーん、面白い脳内火葬戦記が楽しめると思ったんですけど〜」
「それに、女系天皇を容認するよう皇室典範が改正された後、中長期的な政治的混乱を回避できるかどうかの鍵は女系天皇反対派が握っていると言って良いだろう。彼らの動き次第で、政治的混乱が発生せずに女系天皇即位が実現するか、上のほうで女系天皇反対派から指摘された『クーデター』や『天皇制廃止』などの物騒な事態が生じるかが変わってしまうのだ」
「なるほど……」
「この点については、女系天皇反対派の諸氏に検討をお願いしたいところだが……果たしてどうだろうか?」
「(Y-2) 安定性」という意見に対する反論 (Y-2-n1) 女系天皇を容認するよう皇室典範を改正することで、生物学的には皇室制度の安定が確保できるのではないかと考えられる。この点は、確率論や統計に基づいたシミュレートを行うことで明確に示される。 (Y-2-n2) ただし、女系天皇を導入するよう皇室典範を改正する際には、内親王や女王の皇籍からの離脱や、女性皇族(特に女性天皇)の配偶者に関して問題が生じることが予想されており、皇室典範改正案の作成時や、改正後の皇室典範を運用する際には注意が必要である。 (Y-2-n3) 政治的に見た安定性については、女系天皇反対派の動向が鍵を握っている面が強く、最悪の場合にはクーデターなどの騒乱に発展する恐れがある。 |
「最後に参考資料と致しまして、現世代の人数と出生率を基に、次世代における男系男子血統の断絶率を試算致しましたので、その結果を御紹介致します。御参考になれば幸いでございます」
※生まれた子供が全員女子だった場合に「男系男子断絶」と看做す。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「また、上で取り上げました『男系天皇を維持できないなら天皇制は廃止したほうが良い』という御意見でございますが、この御意見よりももっと多い声と致しまして、『女系天皇を容認すると極左が次に天皇制廃止を主張し出すはずだ』というものがございます。こちらの見解につきましてはインターネット上の至る所に散見されますでしょうから、ここでは1件のみを御紹介致したいと存じます」
「なぜ女性・女系天皇ではいけないのか」 特別対談:中川八洋&渡部昇一 『致知』2006年2月号 p.62−p.71 (中略) ■天皇制“転覆”を狙う彼らのこの結論は、有識者会議が議論してまとめたものではない。皇統断絶による天皇制自然消滅のシナリオは、共産党が1970年初頭から、30年かけて準備し、狡智に構成してきたものである。 ■1927年、1932年のコミンテルン・テーゼ以来共産主義者によって唱えられてきた天皇制廃止は、1950年代末までは「天皇退位→裁判→絞首刑」というものであった。彼らは1970年代以降、“皇族ゼロ/即位希望の皇位継承者ゼロ”にする戦術に転換した。日共は、女性天皇を立てることで皇統を断絶し、自然に天皇制を廃止できると確信したようである。 ■女性天皇は男系男子の皇位継承者が数多く存在することが絶対前提である。皇統の危機に際しては女性天皇の“中継ぎ”の余裕はなく、状況をさらに悪化させる。 ■ この天皇制度自然消滅の革命シナリオは、1993年の皇太子殿下ご成婚の頃から具体化されたようだ。小和田家の家系からして、内親王の誕生しか期待できないと踏んだ。 ■そして妃殿下ご懐妊報道のあった2001年4月に、内閣法制局が前面に出て、女性・女系天皇制度導入という革命の決行が本格化した。 ■ 皇室典範の改悪は内閣提出法案でしかできないため、改悪を起草するのは、内閣府ではなく、内閣法制局にならざるを得ない。共産党はここに目をつけ、内閣法制局の共産党系法律事務官に命じた。「有識者会議」も、この内閣法制局の「赤旗グループ」が選任した。 ■内閣法制局は、2001年12月の愛子内親王ご誕生と同時に、『文藝春秋』2002年3月号に、「女性天皇容認!内閣法制局が極秘に進めるーこれが『皇室典範』改正草案」という題の論文を載せ狼煙を上げた。 ■ 2002年4月に園部逸夫氏(有識者会議座長代理)が『皇室法概論』という640ページに及ぶ大冊を出版した。実際の著者ではなく、名義貸しとも言われる。有識者会議の『報告書』は、『皇室法概論』そのままである。 ■ 園部逸夫氏:京大法学部卒、最高裁調査官、筑波大・成蹊大教授を経て、最高裁判事(1989−1999)、皇室会議(1995−1999)にも連なった。専門は、共産党系のオンブズマン運動や住民訴訟を拡大合法化する法制度づくり。原告適格性の拡大に努めた。自衛隊・米軍基地反対闘争などに尽力した。 ■ 吉川弘之氏(「有識者会議」座長):元東大学長。学生時代(昭和27−31)に学生運動をやった。その頃の学生運動は共産党の学生部組織(民主青年同盟)しかなかった。ゴリゴリの共産党系の天皇制廃止信奉者だから、「新しい歴史をつくる(=天皇・皇室制度を消滅させる)」とか、「新しい皇室制度の<制度設計>をする(=伝統はすべて破壊・女系天皇を導入する)」とか平然と言ってきた。 ■佐々木毅氏:前東大学長。社会主義協会系の天皇制廃止論者。民間臨調などで90年代初頭から今日まで自民党の追い落としをやってきた強烈な社会主義者。 ■ これらの「有識者会議」メンバー選びは、内閣法制局の共産党系の連中がやった。「有識者会議」とは天皇制廃止のプロ集団である。 ■ それを、男系男子による皇位継承の堅持を主張する民族派は「素人集団」と見誤った。取り返しのつかない大ミステークである。その代表格は八木秀次氏と小堀桂一郎氏である。素人集団だから、『報告書』は両論併記になるはずだなどと甘く見た。国民に広く“油断せよ”と逆宣伝したようなものであり、この罪は重い。 (中略) ■ これからの3ヶ月間が勝負である。これに失敗して女性・女系天皇が容認されると、皇統は断絶し、天皇制廃止に行き着くのは、火を見るよりも明らかである。 〈皇位がなぜ男系男子でなければならないか〉 ・(渡部氏:稲の種子はどんな畠に播いても稲が生えてくる。畠は播く種子によって生えてくるものが違う。種子には連続性のイメージがあるが、畠にはそれがない。Y染色体のことを古来日本人は直感的に知っていたことになる。男系による皇位の継承は日本という国の根本的な精神性と結びついている。男系による皇位継承は日本そのものである) ■ 男系男子のみ神武天皇以来のY染色体がまったく変化を受けることなく受け継がれるという科学上の真理を広めたのは八木秀次氏の功績である。男系による皇位継承が万世一系のための唯一の方策である理由がすごく分りやすくなった。2千年間、遺伝子もY染色体も知らない国民が直感的に天皇の正統性の重要な柱をそこに見たのである。 (中略) 〈女性・女系天皇ではなぜ皇統が断絶するのか〉 ■史上8人の女性天皇のうち、4方は寡后・寡妃、4方は生涯独身を通された。愛子内親王は(皇太子)に決まったら、結婚し、お子を儲けるのは、伝統に反する。 ■ 女性天皇の夫君を何とお呼びするのか、日本語には言葉がない。女性天皇に配偶者のない伝統を裏付ける証拠の一つである。 ■ 女性天皇と結婚する男性は果たしているか。結婚相手となるような皇族男子はいない。 (中略) ■以上のように「女性・女系天皇容認とは、皇統断絶による天皇制廃止である」ことは明白である。「有識者会議」の第一子優先という『報告書』は、女性天皇を立てることによって天皇制廃止にもっていく共産党のシナリオを、法律的な表現に直したものである。 ・(渡部氏:日本の近現代史を見ると、悪いこと、困難なことはすべて共産主義イデオロギーに由来している。そして今、共産党の天皇制廃止のシナリオに操られて、日本の根底を覆すようなことが行われようとしている。断固許してはならない) (後略) 出典:特別対談:中川八洋&渡部昇一(『致知』2006年2月号掲載)からの抜粋 (『MoMotarou放送局』内にて紹介:http://www.geocities.jp/mo10mo/jyokei.html) |
「ここでもY染色体なんですかっ!?」
「いや、そっちに突っ込んでもらっても困るのだが……」
「激しくダメダメじゃないですか……」| 目次 | |||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 冒頭 | |||||||||||||||
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| 代替案 | |||||||||||||||
| 結論 | |||||||||||||||
| パンドラの箱 | 鏡面反射空間 | ||||||||||||||