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(注意) この記事は2005年ごろに作成したものに、その後の情報を補足してあります。
Q1.ジンバブエ経済の概要は?
近年のジンバブエの経済状況はとっても悪い。2004年のGDP成長率(予測)は−8.2%。世界214カ国中最低の数字。独立前までは、盛んなローデシア産業に支えられ、景気は良かった。大農場、鉱山、製造部門など、国内の多くの産業分野が植民地時代に発展し、新生ジンバブエは発展の遺産を受けついた。しかし独立後は経済が悪化していく。社会福祉主義を掲げ、公務員を増やし、公共福祉・教育制度を充実させたが経費がかかりすぎ、政府はそれを支えきれなくなった。汚職、失政、旱魃も経験した。国際機関に借金を重ねる中、1992年、IMF・世界銀行の勧めをうけてESAP(経済構造改革)を導入。市場の自由化、政府コストの削減、通貨切り下げなどが実施されたが、世界の競争力に太刀打ちできず、失業者を増加させ、国家経済はますます悪化。また、1998−2002年のコンゴ出兵では多くの外貨を流出した。90年代後半からインフレが目立つようになり、1998年32%、2004年133%、2005年には一時600%を超えた。通貨価値は1998年のUSD1=ZD24からZD6200にまで暴落。同時に通貨のブラックマーケットが発達し、2005年6月の公式レートは約ZD10.000、ブラックマーケットではZD20.000を超えている。
Q2.ジンバブエのハイパーインフレって?
急速なインフレーションで、毎週のように値段が上がった。2004年度のジンバブエのインフレ率(推測)133%は、223か国中223位、つまり最高のインフレ。この年ジンバブエの次に悪いのがドミニカ共和国の55%なので、状況はかなり異常であることが分かる。最近は、ジンバブエ政府が「インフレ率が300%から250%になった」などと言って住民を励ましているが、「まだ大分パーセンテージが高いじゃん」というのが正直な感想。しかし私も含めてみんな頭がショートしているのだろう、「良くなったようだ」と思う。しかし、いったん数百%上がった商品価格にうわのせして1%でも上がると、それは既に絞められた首を、まるでインフレ50%くらいの勢いで絞められた状態になる。このハイパー・インフレ状況はますます悪化し、2007年8月のインフレ率は、なんと7600%である!
Q3.ジンバブエ産業は?
労働人口6割以上が農業に従事しているが、農業のGDP寄与率は18.1%とやや低い。残りのGDPは産業が24.3%、サービス業が57.7%を占めている。主な農業生産物は、トウモロコシ、綿花、タバコ、小麦、コーヒー、サトウキビ、落花生、家畜(牛、羊、ヤギ、豚など)。トウモロコシは黒人住民の主食であり、近隣諸国へも広く輸出されていた。綿花、タバコ、小麦、コーヒー、サトウキビは、大農場経営によるものが多い。ピーナッツも住民に愛され、黒人の農村家庭ではピーナッツバターが頻繁に料理に使われる。牛肉生産はさかんで、ヨーロッパでもその品質に定評があった。輸出作物・家畜は、土地改革に伴う大農場減少により低迷している。
鉱山経営もさかんだ。石炭、金、プラチナ、コッパー、ニッケル、スズ、粘土、その他鉱石が比較的豊富。近年はプラチナ生産が増加している。製造業としては、鋼、木製品、セメント、化学薬品、肥料、衣・靴類、食品、飲料の生産が盛んだ。ただし、衣類部門は中国製品に押されて衰退し、その他産業全般が、外貨不足、農業生減少の影響を受けて低迷している。2004年推測の産業成長率は−7.8%。外貨不足が大きな影響を与えるのは、燃料や一部原料を海外からの輸出に頼っているため。石油燃料は100%輸入、電気も一部を輸入、化学薬品や機械部品も輸入に頼っている部分が多い。
2004年の輸出相手国は南アフリカ(11.9%)、ザンビア(6.3%)、中国(3.4%)、一方輸入相手国は南アフリカ(47.2%)、DRC(6.2%)、中国(4.4%)であり、南アフリカは重要な交易相手だ。また中国の進出も近年目立ってきている。2004年推測のジンバブエの総輸出額は$1.409
billion f.o.b.(124位/226カ国)、総輸入額は$1.599
billion f.o.b.(134位/226か国)である。2000年ごろにはじまる経済危機以前は、ジンバブエは「南部アフリカのパンかご」とよばれ、その豊富な農産物を南部アフリカ各国、またヨーロッパにも輸出していた。しかし農産物の減産と産業低迷で輸出入に歯止めがかかっている。政府による外貨規制も影響している。輸出による外貨収入の一部は、中央銀行の低いレートで交換しなくてはいけない。例えば現実的なレート(ブラックマーケット)がUSD1=ZD3000のときに政府レートがZD600であれば、輸出業者はUSD1の利益につきZD2400が損となる。いっぽう輸入業者は外貨不足に直面する。規定では、外貨は中央銀行に申請して取得すべきだ。しかし申請で外貨が獲得出来るかは不明であり、できてもかなり時間がかかる。ブラックマーケットで外貨を購入すれば、違法な外貨取得の容疑がかかる。つまり、輸出入ビジネスが異常にムズカシイ、不可能に近い。外国企業は次々に撤退。日本企業もほとんど撤退した。
Q4.不景気なのに儲かるの?
ほとんどの住民が公的に雇用されず、GNPが下がりっぱなし、ハイパーインフレ、商品不足。こんな経済の中でお金儲けなんてできるのー?できる!特にブラックマーケットで働く人たち、つまり外貨のブラックマーケット・トレーダーや、品不足の商品をブラックマーケットで高値で売る人たちや、最近国内で見つかったダイヤモンドを国内外でこっそり取引する人たちはしっかり儲けているようだ。さらに、政治家たちももうけている。政治家は、政府から直接安く販売される燃料(ガソリン、ディーゼル)へのアクセスがあり、これをブラックマーケットで100倍くらいの値段で売ってものすごい利益を出しているのだ(すべての政治家が携わっているのではありません)。日本の現在に生きていると、『ブラックマーケット』といっても???という感じだが、ジンバブエでブラックマーケットの「ものすごい!」威力を痛感したサクラダでした。 |