スズメバチ

 スズメバチは、日本に16種類、大阪でも6種類ほどが観察できます。 5月の中頃から巣作りを初め、個体数を増やし、夏の終わりから秋にかけては、あちこちでその姿を見ることができます。
 ここでは、そのうちの5種類を紹介しましょう。

 8月末、泉北ニュータウンで、コガタスズメバチがオオカマキリの肉団子を作っている現場に遭遇しました。 コガタスズメバチは、普段はハエやアブなどを狩るハチで、死んだカマキリを見つけたのだと思います。
 カマキリの肉を食いちぎり、運びやすいように丸め、飛びたちました。 まだ運びきれないカマキリの肉が残っているので、戻ってくるつもりなのでしょう。 ゆっくりと、5〜6回、直径1mほどの円を描きながら体の向きをいろいろ変え、次第に高度を上げ、地上2m位に達したところからは直線的に飛び去りました。 この円を描いている段階で、戻ってくるための位置を覚えているのでしょう。 同じような行動は、以前、アシナガバチの仲間でも見たことがあります。

 下の左は、オオスズメバチ(撮影:H18.6.18.泉北ニュータウンのフォレストガーデンにて)。 体を変にくねらせていますが、じつは体の下に獲物を抱きかかえています。
 そして右側はモンスズメバチ。 最近減少しているハチで、大阪府下でも見られるところは限られてきていますが、泉北ニュータウン内の公園で見つけることができました。 攻撃性・威嚇性の強いハチですが、樹液に夢中で安心して近寄れました(撮影:H18.7.30.)。

 肉食性のスズメバチにとっても、花の蜜は美味しいもの。 9月、シシウドの花に、ヒメスズメバチキイロスズメバチがたくさん集まっていました。 同じ環境で2種類のスズメバチを観察していると、行動の違いが比較できておもしろいものです。 ヒメスズメバチは、攻撃性の強いオオスズメバチに次いで大きいのですが、キイロスズメバチに比べておっとりしていて、わりあい余裕を持って近づくことができました。


左2枚:
 ヒメスズメバチ

下2枚:
 キイロスズメバチ



撮影日:
 '05年9月10日

撮影場所:
 槙尾山

 最後に、写真では紹介しなかったクロスズメバチを含め、大阪府で見ることのできるスズメバチの見分け方と特徴を、表にまとめておきます。 上の写真と見比べてみてください。 特に、複眼の間にある単眼付近の色は、注目点です。 表の順番は、働き蜂の大きさ順にしてあります。 この表の作成に当たっては、大阪市立自然史博物館発行のミニガイドNo.6「スズメバチとアシナガバチ」を参考にしています。
 なお、スズメバチとアシナガバチとの違いは、腹部を見れば分かります。 スズメバチの腹部は最も胸部に近い部分も幅広く、腹部全体としてはピストルの弾の形をしているのに対し、アシナガバチの腹部の胸部に近い部分は細く、腹部の中央部が最もふくらんでいます。
  オオスズメバチ ヒメスズメバチ モンスズメバチ
働き蜂の体長 27-38mm 24-37mm 21-28mm
単眼の周囲 黄色 黄色 黒色
その他の見分け方の
ポイント
頭部は黄色、胸部は黒、
腹部は黄と黒の縞模様と、
はっきりした印象
腹部の先が黒色 肩は茶色
地中・木の洞 屋根裏などの閉鎖空間  木の洞・屋根裏・土中など
の閉鎖空間
  コガタスズメバチ キイロスズメバチ クロスズメバチ
働き蜂の体長 22-27mm 17-24mm 10-12mm
単眼の周囲 黄色 黒色 黒色
その他の見分け方の
ポイント
腹部第1節に赤い帯状の
模様
全体に黄色っぽく、
腹部の黒い帯は細い
全体的に黒っぽい
木の茂み
家の軒下
地中・木の洞・
家の軒下・天井裏
土中・屋根裏など