自動車運動力学~気持ちよいハンドリングのしくみと設計参考動画



第01章 自動車の運動方程式…ここでは物理量を表す動画を紹介します(ブラウザはGoogleCromeを推奨します).

ヨー角速度(ヨーレート)r 説明動画

 

鉛直軸回りの角速度がヨー角速度rです.この景色の流れ方がrです.この場合,円一周を約10sで回っていますのでr≒-360/10deg/s≒-0.6rad/sです.なお,rの符号は左旋回が正です.


重心位置車体横滑り角 β 説明動画

 

車両の向きを表す車両中心線x軸から車両の真ん中付近(重心位置)の進行方向(車速V)を見た角が重心位置車体横滑角βです.この動画では β≒-30°≒-0.5rad程度ついているのではないでしょうか.


第03章 動的な操舵応答の基本性能

インパルス応答試験(ポジションコントロール)

 

舵角のインパルス応答試験です.舵角と車両応答(ヨー角速度など)とを周波数分析して,周波数応答関数を求めるために用いられることがある試験法です.この動画では,車速が50km/hのため,ヨー角速度が目立ちませんが,100km/hではもっと顕著になります.


インパルス的な操舵 と ヨー共振モード

 

3分36秒付近をご覧ください.インパルス的な操舵です.3分46秒ぐらいでは,ヨー共振モードのダンピング(の良さ)を指摘してるように思われます.


第04章 旋回の限界  周期的操舵による後輪横力飽和

 

切り返し操舵では,後輪のコーナリングフォースを出し切ることがあります.なお,車両運動制御が装着されている場合,この操舵ではスピンしないはず,とのご指摘を頂きましたので,スピンしている車両は本来の実力が出ていないのかもしれません.なお,この動画はStart Your Engine 様のサイトです.


 耐転覆性能

 

タイヤの摩擦係数が高い場合,転覆することがあります.したがって,転覆に配慮した設計が必要な場合があります.


第05章 旋回中の加減速時の安定性

 

旋回中にアクセルオフをするとスピンしやすいのです.したがってアクセルオフ・緩ブレーキ時の旋回安定性にも配慮して設計する必要があります.


第07章 腰で感じる操舵直後の車両の動き

 

1分50秒 「フロントが曲がり始めるとリヤまで曲がり始める.タイムラグがない」・・・リヤグリップ感,すなわちヨー進み時定数の小ささのことだと思われます.次の動画も同様です.


 

2分20秒「リヤタイヤがしっかり踏ん張る」「リヤタイヤの上に自分が乗って,軽いノーズを振り回している感じ」はリヤグリップ感に相当すると邪推しております.


第08章 手で感じるハンドルからの力

 

 

 

3分15秒「タイヤのグリップが手に伝わってくる」「車との対話ができる」などが,リヤグリップ感をハンドルからの力によって感じていると思われます.


 

4分0秒「操作感が気持ちよい」等とありますので,操舵系単体の性質を指摘していると邪推しています.私は,ハンドルの操作感=操舵系単体の操作感,操舵感=車両運動も含めた操作感と分類しています.


第09章 手で感じるハンドルの動き

フォースコントロール下の安定性(気持ち悪いハンドルの動き)

 

2分51秒から,ハンドルが勝手に回っています.これがフォースコントロール下の不安定現象であり,いわば気持ち悪いハンドルの動きです.この不安定現象のとき,車両は尻振りモードになります.


インパルス応答試験(フォースコントロール)

※通称「手放し方向安定性試験」

 

操舵トルクのインパルス入力を加える試験です.操舵トルクと車両応答(舵角やヨー角速度など)とを周波数分析して,周波数応答関数を求めるために用いられることがあります.なお,佐野先生のお話では,もともとは操舵系の摩擦を図るための試験だったとのことです.しかしドライバーはトルクも使って操舵します(フォースコントロール)ので,この試験はフォースコントロールにおける操舵応答試験としても有効ですね.


第10章 目で感じる車体のロール運動 …人間の感覚に大きな影響を与えます

ロールの大きさ

 

6分50秒付近「ああ怖い,こけそうだ」.転覆しそうな気配はありませんが,ドライバはロールに敏感なようです.


 

0分40秒付近をご覧ください.おそらく,ロールが大きいので悲鳴を上げていらっしゃるのだと思われます.なお,この動画はStart Your Engine様のサイトのものです.


 

2分30秒.手のジェスチャーにご注目下さい.気持ち良いノーズの入り方です.ロールとピッチが同期することを説明していると邪推します.なお,これは制動⇒操舵のパターンですが,下の動画のように,操舵だけでもピッチが生じます(気づかない場合もあります).


ロールにともなうピッチ

 

ロールに伴うピッチがご覧いただけます.前半のほうが分かりやすいですね.ロールとピッチとの位相差によって,ドライバーの旋回感覚は大きく変わります(錯覚です). 


ロールとピッチが同期している例

 

4分40秒あたりのコーナリングで,ロールとピッチとが同期していることが分かります.そのジェスチャーが4分59秒ふきんの手の動きです.


ロールとピッチとが同期していない例(ロールした後ピッチする)

 

1分35秒あたりから,ロールに伴うピッチが生じています.このピッチはロールよりも遅れているため,旋回の変化として知覚されているようです.操舵すると,フード先端がジワッと横に動いた後,グラッと動くさまがご覧頂けると思います.これを,1分46秒付近では,「横の荷重移動」2分8秒付近では「リヤが横に逃げる」と評しています.この感覚を↓の動画の8分52秒では「(リヤが)流れた振りをして流れてない」と錯覚であることを示唆していると思われます.


 


定常旋回における前傾ピッチ

 

3分06秒あから30秒にかけて,フロントがしっかりしている,路面をホールドし続けるとのコメントがあります.これは,私の経験では,定常旋回中の前傾ピッチが大きいときのコメントです.車外カメラでは,明確な前傾ピッチが生じていることがご覧頂けると思います.


第11章 スポーツ走行における旋回限界

説明動画

 

旋回中のブレーキと加速に注目して下さい.ブレーキはブレーキランプでわかります.加速はエンジン音に注目して下さい.旋回の途中までブレーキを踏み,その後アクセルオン,直進になる少し手前でアクセル全開になっていますね. このようにスポーツ走行では,旋回中に加減速が行われます.