
自殺予防対策の学習の目次
第1節 自殺予防の一次予防、二次予防、三次予防
自殺予防には一次予防、二次予防、三次予防が考えられる。
<第1> 一次予防
一次予防は住民が自殺を考えずに心の健康を維持するためにはどのような要因が大切なのかを調査研究し、その結果をわかりやすく住民に還元していく方法である。
- 1、うつ病に関する情報提供と啓発活動
対象は一般住民、民生児童委員、健康づくり推進員、老人クラブ、企業関係者、管理職・経営者、行政職員、学校関係者、産業保健関係者、労働局職員など。
- 2、心の悩みをかかえる人に対する相談体制の構築
相談窓口のネットワーク化、保健師・看護師による個別訪問、民生児童委員による相談、住民ボランティアによる話し相手、看護師によるメンタルケア相談、社会福祉協議会や介護保険事業と連携した1人暮らし・介護者へのケア、など
- 3、自殺対策の人材育成
対象は医師、薬剤師、保健師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、理学療法士、作業療法士、社会福祉協議会関係者、民生児童委員、在宅介護支援センター職員、介護支援専門員など。
<第2> 二次予防
二次予防は住民の中に自殺との関連が強いうつ病を早期に発見し、早期に治療にのせていく方法である。地域でうつ状態の者をスクリーニングし、ハイリスク者を把握したうえで、継続的に健康管理を行う手法がさまざまな地域で実践されている。
- ハイリスク者発見のためのスクリーニング、訪問面接、うつ症状のアセスメント
- うつ病治療の受診、精神科医の家庭訪問、健康相談
- 保健師などの燃え尽き防止のケア
自殺予防としては、「治療」も重要である。二次予防にうつ病の「治療」が含まれる。治療できるのは医師とは限らない。うつ病の心理療法をよく訓練された精神保健関係職員、カウンセラーや地域住民の活動も可能であろう。精神科医の数が限られることや薬物療法で効果がない人には精神科医以外の人の支援が必要になる。
<第3> 三次予防
三次予防は地域で実際に自殺が起こってしまった場合に、同じ事態を防ぐための取り組みをおこなうことを指す。自死遺族支援がその重要な事業である。
(参考)
青森県立精神保健福祉センター所長、渡邊直樹氏による「うつ病のスクリーニングとハイリスク者に対する保健師による継続的管理」および、渡邊直樹氏および秋田大学の本橋豊氏による
「市町村における自殺予防対策のすすめ方」
(「自殺は予防できる」すぴか書房、90頁、135-153頁)から要約した。
自治体主導の自殺予防対策はこの本が参考になる。