注意が必要な紙の目
どんな紙にも「紙の目」というものが存在していてこの紙の目の取り方いかんによってはめくりにくかったり化粧断ちしづらく縁がぎざぎざになったりあげくの果てには写真のように表紙と本文が分離してしまったりします。こんな現象に心当たりのある方へ紙の目についての少し知識で改善できるかもしれません。このトピックでは紙の目についての簡単なご紹介と製本時にどのように紙の目をとる必要があるのかについてご紹介します。
紙の目とは
紙の目とは簡単にいってしまえば「繊維の流れ」のことです。新聞紙を破いてみると分かります。破ったときにほとんどまっすぐにいってくれる方向と大きく曲がってしまう方向があります。これは目の方向の違いの典型的な例で、他にも紙の目と平行な方向には切りやすかったり、曲げやすかったりします。
化粧断ちと紙の目
手製本時にも紙の目が大きく関係してきます。まずはソフトカバー本で本が完成した後に行う化粧断ちの場合。化粧断ちはすべての工程の最後に本の3方を落とすものですが目に垂直な方向の場合切断面がギザギザになってしまいます。(これはどうしようもありません)このギザギザが普段手に触れるめくる側の小口にくるのかあまり触れることのない天/地小口にくるかは目の取り方によって変えることができます。
基本的に目は縦にとる!
ソフトカバーの本の背と本文が分離してしまうのは表紙の紙の目を背と直角にとってしまったことが原因です。紙の目を背と平行に取ることにより、本文を開いたときにも背表紙の部分が柔軟に曲がり、背と本文が分離することもなくなります。
折丁を作る製本法の場合
折丁を作る製本法の場合は「折丁にしたときに縦目」つまりは元々横目の紙を折って折丁を作らないといけないんですね〜。
横目の紙が手に入らないなら
ただ、「横目の紙を使え」といわれても実は、元から(長辺に対して)横目の紙なんて結構マイナーなもので普通の文房具店やらにはおいてありません。「それなら横目の紙を作ってしまおう」ということで作り方を以下に載せておきます。
- ほしい紙の大きさの2倍のサイズの紙をご用意ください(A4サイズならA3)
- カッターをつかって半分に切ります
これだけです。横目の紙はおいてなくてもA3サイズの紙ぐらいならA4サイズの紙の隣ぐらいに置いてありますよね。ここではA4版の場合についてご紹介しましたが、結局折丁にするために横目の紙を用意したので2つ折りにして最終的に本として使用するときは1/4の大きさのA5版になってしまいますね。