泙川三重泉沢滝ノ沢左俣(足尾)

MR181 泙川三重泉沢滝ノ沢左俣(足尾)

date 1983/10/15-16 
コース 切通し〜奈良〜三重泉橋〜三重泉沢〜滝ノ沢左俣〜峰山〜南尾根〜大立沢上流左岸の林道〜奈良〜切通し
実働 第1日:4h55m、第2日:8h55m、計:13h50m。
メンバー すうじい(単独)
概要 '83泙川シリーズ第六弾、三重泉沢下部ゴルジュから滝ノ沢左俣の5段100m滝、峰山から奈良へ。
行程 =:バス・鉄道、→:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【10月15日】 曇
沼田9:15=切通し10:15→11:20奈良11:35→12:50三重泉橋13:2515:25滝ノ沢出合(泊)

【10月16日】 雨
滝ノ沢出合6:40二俣7:358:50 1510M枝沢出合(2段40m滝上)9:059:25 1585M二俣9:401680M二俣9:50\\峰山11:00\\1770M肩11:50\\12:45林道13:00→14:45奈良14:55→16:30切通し16:40=17:50沼田
記録  シリーズ第六弾は、泙川流域最大の滝を秘めるという、噂の滝ノ沢左俣を溯行した。三重泉橋から滝ノ沢出合のゴルジュ帯も、三度目ともなると、わずか二時間で通過できる。滝ノ沢も、二俣まで一時間。噂の大滝は、6m、2段10m、30m、2段40m、2段12mの計5段100mということらしい。

 奈良から大立沢上流左岸へ延びる林道は、2万5千分の一地形図で、1545M付近から先が崩れて通れない。沢筋は、紅葉のまっただ中である。山中では牡鹿の「オキュ〜ィエエ」という遠吠えが、しきりに飛び交う。ヤマドリのバサバサ飛び立つ音に驚くことも、しばしばあった。自然の宝庫足尾。泙川側の林道を、中禅寺湖側の柳沢林道と繋ごうという話があると聞かされて、悲しい気持ちになった。

【10月15日】 曇
 切通し下車10:15。三重泉橋から沢に降りて、溯行準備。何としても、今日中に滝ノ沢出合まで行きたいので、最初からワラジを着けて行く。二段堰堤、ゴルジュA、B、Cと、いずれも左岸の踏跡に忠実に行く。心配されたゴルジュCも、ほぼ水平にトラバースしてゆくと、岩壁に突き当たり、懸垂下降5m一回で済む。ゴルジュD左岸バンドのギャップも、第三弾での残置ハーケン・シュリンゲを利用し、7mm細引6mをダブルでホールドにして、クライムダウン。三重泉橋から二時間で、滝ノ沢出合着。

 ツェルトを張り、薪を集めて焚火。コッヘルに入れた米を、砂地にこぼしてしまい、デカンテーションで2/3程回収するが、大変な苦労であった。焚火で炊飯中、また半分ほどこぼして失う。情けねえ。盛大な焚火も、夜降り出した雨に消されてしまう。ああ、またも雨か。

【10月16日】 雨
 朝になっても、雨は止まない。撤収して滝ノ沢に入る。10m、35m、2段12mを左岸から一緒に巻くと、すぐに(1:3)の二俣だ。左俣に入ると、滑床が続き、5m滝、6x8m滝を越すと、滑と小滝が連続し、奥に6m、2段10mが見える。これが大滝5段100m滝の第一段、第二段である。第一段6mは左岸から巻くが、多少の濡れを覚悟すれば、左壁の水流沿いを登れる。第二段2段10mは、右壁をトラバースして落口に立つ。

 第三段30mスダレ状は、シャワーを浴びてS字状にルートを取り、20m程登って、傾斜の緩くなった所から右へ行き、草付ルンゼを登って越えることは可能そうだが、単独のこともあって、右岸から巻きと決定。高巻きルートは、右岸の二本あるルンゼのうち、手前の傾斜の緩い方を、浮き石を騙し騙し登り、右手の小尾根に取り付く。これを登って、第三段30mの上に下降できるところへ出る。第四段の2段40m2条は、全く登れそうもないので、そのまま右岸を巻いて、落口へとトラバースする。この最後のトラバースが、高度感もあり、やや悪い。

 第四段の上で、右岸から1510M枝沢が3段10m滝を懸けて出合う。右側には、第五段2段12m滝が、黒っぽい岩に白い流れを抱き、紅いカエデの葉を浮き立たせる。左岸から巻いてこれを越す。このあと流れは緩くなり、ゴーロが滑へと変わると、(2:3)の1585M二俣で、左右共に滑床が続く。

 予定通り、左へ入る。10分程滑床を行くと、(1:1)に水流が二分する。笹藪が被さる左へ入るが、ここは、右の方が正解かも知れない。左へ入ると、ひたすら笹藪漕ぎで登って行く。獣に踏まれた跡を辿って、西へ西へと登ること一時間程で、稜線に出る。南へ少し登ると、1987P峰山に至る。

 南へ続く踏跡を追って行くと、南〜南西へ向かう顕著尾根の低い笹の中に、明瞭な踏跡が続いている。1900M付近ではスネぐらいの深さだった笹は、1800M付近では腰〜胸の深さになる。笹藪漕ぎにウンザリして、1770M肩から西へ、林道目指して下降することにする。鹿道を拾いながら、50m程下ると、植林地の作業道跡が鹿道と化しているのを辿る。少し下ると、バンド状に走る作業道跡に出、これを追う。途中、二ヶ所、ガレのトラバースがあり、高巻きを強いられたりするが、やがて林道に辿り着く。

 2万5千分の一地形図で、1535M付近である。1545Mあたりから先の林道は、崩れてしまっている。奈良までの林道歩きでは、予期せぬ訪問者の足音に、バサバサ飛び立つヤマドリや、キューンと跳ねる鹿が、訪問者の方を驚かすことも、しばしばだ。ズブ濡れの身体には、微風も寒く感じられるが、大立沢右岸の広葉樹林の紅葉の美しさに、辛さも忘れる。上州武尊〜西山周辺の錦も、時折射す陽光に照らされて、素敵だ。

 奈良から少し下ったところで、森林組合のじっちゃんの車と遭い、話し込む。平滝先の林道は、荷鞍峠を越えずに、「カレ沢?」の方へ延びるらしい。また、泙川と中禅寺湖西の間を結ぶ林道の計画もあるらしい。ひたすら歩いて、切通しのバス停に着く。沼田駅は、「赤城国体」剣道大会の関係で、混雑していた。帰りの電車代ギリギリしか残っていないので、今回は、ホカホカ弁当を買えず、空腹を抱えて帰京する。

ブログ:泙川三重泉沢滝ノ沢左俣・峰山(足尾)'83-10に下記の画像があります

左俣大滝5段100m
第三段30mスダレ状
左俣大滝5段100m
第四段2段40m2条
左俣大滝5段100m
第五段2段12m
2段12m滝上から俯瞰
概念図 溯行図

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