積みプラ戦記 模型撮影技術向上の研究 5

5:旅先運用(団体旅行編) 前編


先日、社員旅行に一眼レフカメラを持って行った。今までは手軽さを重視してiPhoneのカメラで済ませてきたのだが、今回は経験を得るためにあえて持っていくことにした。社員旅行であるから、当然団体行動なので自分のペースで物事は進められない。そこで得られた経験を記事にしようと思ったわけだ。これは、タイトルに掲げた模型撮影技術とは直接関係ない出来事ではあるが、旅先の博物館等での模型撮影や模型の原型となる実物を撮ることは普通に想定できるので、模型撮影に全く無関係とは言えまい。個人、もしくは家族旅行にはない制約事項も含めて検証してみたいと思う。

さて、今回行ってきた社員旅行は1泊2日。移動はすべてバス移動である。一眼レフカメラを持っていくとなると、他にもメンテナンスグッズも用意しなければならない。僕が所有しているカメラバッグは、大きくて頑丈なのは素晴らしいが、持ち運ぶとなるといささか取り回しがきつい。なので、カメラと交換レンズの他に必要なメンテナンスグッズも絞る必要がある。考えた末、持っていくのは①バッテリーの充電器、②レンズペンの二つにした。とにかくレンズが汚れた時に対応できればいいかとこの時は考えていた。この時ブロアーを持って行こうと思わなかったことを後で後悔することになる。

旅行中の移動はすべてバスなので車内でそれほど撮影をするということはなかった。酒を飲みながら雑談してたらやがて観光地に到着する。ここからが一眼レフの出番だ。この時、一番悩むのが望遠と広角のレンズ、どちらを使うべきかと言う問題だった。今回撮影した写真を見返してみると広角レンズの使用頻度の方が高い。一緒に行く人を撮るにはやはり近距離での撮影の方が機会が多いからだと思う。ただ、望遠を使う機会もぜひ作りたい。というわけで遊覧船に乗るというタイミングで望遠レンズにチェンジ。撮るには撮ったが、目標物にズームして撮るというのがイマイチピンとこない。ズーム撮影の練習がもっと必要だと感じた。

遊覧船を降りて、宿に向かう車中でレンズをチェックするとやはり飛んできた海水が乾いて塩が浮いていた。持ってきたレンズペンを使って塩を取り除いた。本来なら、ブロアーでしっかり拭いた後でレンズペンを使用すべきだが、持ってきてなかったので(この時点でブロアーを持ってこなかったことを大いに後悔した)レンズペンに付属している刷毛で大まかに塩を取り除いた後に、レンズペンで汚れを拭き取った。


夜の宴会では、広角レンズに交換した。大部屋での宴会だったのだが、望遠を使用する必要性は感じなかった。2次会に突入する前にバッテリーが尽きたので一眼レフの本日のお役目は終了となった。部屋に戻ってから明日に備えてレンズを綺麗に拭いておこうなんていうのは無理な話で、限界まで飲んで話して寝てしまった。

2日目の旅行の際にはできるだけ望遠レンズを使用することにした。ちょっとした高台に登る観光地があったので、望遠レンズを使用するのに適したロケーションだった。また、高台の上からなら望遠で同僚を撮影することも比較的楽だった。

旅先から戻って一段落してから撮影した写真をチェックしてみた。ある意味、成績発表みたいで少し緊張する。同僚からはあっちこっち写真を撮りまくっている僕に、良い写真を期待しているとのこと。こっちは下手だから練習のために持ち込んだだけなので、変なプレッシャーかけられても困るだけなのだが。

今回の撮影でのデジカメの設定について先に触れておく。今まで旅先で写真を撮って、帰ってからチェックしてみたらガッカリする写真は何と言ってもピンボケや手ブレ、被写体ブレだ。旅先での写真は2度と同じものを撮れないので、こういった写真は本当に残念。これら失敗写真を可能なかぎり回避するための対策で効果がありそうなものを二つほど書いておく。

通常、AFはシャッターボタン半押しで行い、そのままシャッターボタンを押し込むことで撮影できる。このAFスタートを親指で操作できるボタンに振り分けて、シャッターボタンはシャッターを切るだけにするという設定だ。その名も親指AFという方法だ。

僕が所有しているK-xにも右手の親指が届く位置に「AF/Lボタン」があり、ここにAFを割り当てることができる。この割り当てのメリットは動きのある被写体に対してシャッターチャンスを逃さないということだろうか。シャッターボタンをシャッター専用にしてしまうことで、親指でAF始動ボタンを押さない限り、ピントが変わらない状態が保持される。ここだ、というタイミングでシャッターを押せばAFを作動させることなくシャッターを切れるというわけだ。通常モードではここだ、というタイミングでまず半押ししてAFを作動させて、ピントを合わせたのちにシャッターを切ることになるので、ワンステップ分時間が必要となりタイミングを逃してしまうというわけだ。通常モードでもシャッターボタンを半押しし続けることで、AFロックがかかり同様の撮影は可能であるが、半押しをずっとキープするというのもなかなか辛い。親指AFならシャッターを切ることに集中できる。これは「置きピン」という撮影テクニックとのこと。

次に手ブレ・被写体ブレの対策だが、これはシャッター速度が重要な要素となるはずだ。手ブレしないためには焦点距離分の1以上のシャッター速度を確保することが一つの目安とされている。55mmの焦点距離ならば、1/55(秒)以上のシャッター速度をキープするという具合だ。撮影の時はシャッター速度を常に気にするようにした。一眼レフには幾つかの撮影モードがあり自分の好みでモード切り替えをして撮影をするのだが、僕が一番多く使っているのはAv(絞り優先)モードだ。一眼レフならではのボケを自分で選びたいのでこのモードを一番よく使っている。このモードではF値と露出補正を自分で設定することができ、シャッター速度やISO感度はカメラが自動設定してくれる。適正なシャッター速度がどれ位なのかをまだよくわかっていないので、まずはここで大まかにF値を決めてシャッター速度が十分でている時はそのまま撮影し、明らかに遅すぎる場合はF値を絞るか、ISOを変更してシャッター速度が遅くなりすぎないように気をつけた。

さて写真をチェックしていて感じたこと。それは、構図を考えて撮影するというのはとても大事なことだということ。なんとなく撮った風景写真はやはりなんとなくの印象しか受けない。一点注目したいモノを決めた上で、三分割法などの構図に乗せてあげるべきなのだろう。ついつい、取らねばという心境からど真ん中に注目すべきモノを置いてしまい、いわゆる日の丸構図にしてしまいがちだが、ここは少し落ち着いて構図まで配慮してみよう。

人物を写している写真について。旅行先で、一緒に行った同僚の姿をチマチマ撮影していたのだが、自然な姿を撮っているつもりが、誰が主人公なのかがわからないので締まりのない絵になっている印象を受けた。やはり、複数の人を同時に撮る場合にも誰が主人公なのかを心の中で決めた上で撮影した方がぐっと締まった写真になったように感じた。ただし、撮りますと声をかけた上で撮影した場合は皆が主人公の集合写真となるので、この場合はよい表情を撮ることを優先するべきか。

ついつい、やってしまう日の丸構図。そして、今回もやっぱりあったピントずれ写真。これらをつなぐキーワードは「測距点」なのではないだろうか。今回の旅行では全てAFで撮影したが、幾つかの写真では奥の物体にピントが合ってしまい、手前の本来撮りたかった被写体がボケてしまっていた。これはピント合わせ位置(測距点)が被写体に乗っていなかったということだ。今まで、AFはK-xの初期設定のオート5点を特に何も考えずに使っていた。そして、ピントが合った合図の電子音が聞こえたら漫然とシャッターを切っていたように思う。次回は、これをより動的に切り替えながら撮影をしてみようと思う。またシャッターを切る前にどこにピントが合ったのかを確認しながら撮影できるかをチャレンジしてみよう。特にフォーカスポイントの任意セレクタは実際の撮影にこんな面倒なことするのかなーと思っていたくらいだが、積極的に活用してみることで何か得られるかもしれない。まずはやってみるべきだろう。

後半へ続く。

Last updated: 30 Nov. 2015.