積みプラ戦記 模型撮影技術向上の研究 4

4:デジタル一眼レフのメンテナンス(CMOSイメージセンサーの清掃)


前回の研究で、デジタル一眼レフカメラk-xを使用した模型撮影で一定の成果を得ることができた。デジタル一眼レフの扱い方も改めて勉強し直す機会を得て、以前よりも愛着感がわいたk-xでこれからたくさん作品を撮れるなあ、と研究の成果である写真を眺めながら悦に入っているときにふと気がついた写真の黒い点。レンズに付着した汚れかと思い、チェックしてみたがそれらしいものはレンズ内部を含めて見当たらなかった。今一度写真を確認してみると、今回撮影した写真だけではなく過去の模型写真以外のものにもフレームの同じ位置に黒いシミのようなものがあることを確認した。どうやら絞りを絞ったことではっきり確認できたが、以前からあったもののようだ。

この黒い点がどこの汚れなのかをネットで調べてみるとすぐに答えがでた。デジカメの心臓部であるCMOSイメージセンサー(以降イメージセンサーと表記)に付着したゴミである可能性が高い。イメージセンサーはミラーの奥に位置しているので普段は直接見ることもない部品だが、レンズ交換をするタイミングで細かいゴミが付着することはあるそうだ。

k-xも購入してから5年が経つ。主だった観光には持って行っていたので、イメージセンサーに汚れが付いていたとしてもなんら不思議ではない。むしろ、レンズ内部のゴミの除去で業者に分解清掃を依頼した以外は何一つメンテナンスは実施してこなかった。この機会にやれる範囲でメンテナンスをしてやろうと思う。

さて、デジカメのイメージセンサー清掃と一口に言っても、もっとも重要で繊細な部品であるから、そうそうお手軽にできるものでもないらしい。もっとも確実な手段は、カメラ店に持ち込んでプロに依頼することだ。しかも、このイメージセンサーの清掃はそれほど金額がかかるものでもない(¥1,000〜¥2,000程)。だが、今回はあえて自分でやってみることにした。

この無謀にも感じられるチャレンジに挑む理由。まず、この時点でイメージセンサーの汚れが真の原因なのかはっきりしておらず、修理見積もりの結果、また高額な代金がかかっても困ると思ったから。そして、今回の研究でいろいろ一から勉強し直してみて改めてk-xに対して愛着がわいたこともあり、デジカメのメンテナンスについても自分でやれるようになりたいと思ったからだ。リスクはあるが、ネットで調べた限りやる事そのものは簡単そうだ。模型製作で日頃から細かい作業をしてきた僕ならやれるんじゃないかという妙な自信もあった。

イメージセンサーに付着したゴミを除去するにはいくつかステップがある。順番にやっていこう。まずはゴミの有無の確認だ。k-xにはちゃんとイメージセンサーに付着したゴミの有無を確認する機能がある。その機能を選択してシャッターを切るだけでセンサーに付着したゴミを画像で確認することができるようだ。実施してみた結果、白い画像内に無数の糸クズのようなものや斑点が確認できた。これがそうなのだろうか。

続いて、k-xが備えているダストリムーバーという機能を試してみる。これは内臓モーターでイメージセンサーを振動させてゴミを振り落とす機能だ。言うなれば携帯のバイブ機能みたいなものだ。これを何度か実施した後、もう一度イメージセンサーのゴミを確認してみた。どうもあまり変わってないようだ。それでは次のステップに進もう。

次は、直接イメージセンサーからゴミを除去していく。イメージセンサーはレンズを外すと目の前に見える反射ミラーの奥にあるので普段は直接見ることができない奥の院だ。カメラを操作し、メンテナンスモードのミラーアップを実行するとイメージセンサーを拝むことができるわけなのだが、このミラーアップをしている最中は決して電源を切らすことができない。機構的にシャッターを開けた状態を維持させるため、といえばいいだろうか。このミラーアップ中に電池が消耗してくると自動的にミラーが戻ってきてしまう。もしその時になにか作業をしていてミラーとゴミ清掃用の道具がぶつかってしまったりして、ミラーやセンサーに傷がつくことが最悪のシナリオだ。通常、このようなメンテナンスをする際は、外部電源としてACアダプターがあれば安全だが、そんなものは持ち合わせていないのでとりあえず新品のアルカリ電池を入れておく。

まず、ここでやるのはミラーアップを実施してイメージセンサーをブロアーで拭いてやることだ。風でゴミが飛んでくれればそれで終わり。ミラーアップさせて緑色のイメージセンサーに十分ブロアーで風を当ててやった。そして、写真撮影でチェック。最初のユニコーンガンダム撮影のときに確認したゴミは飛んでいったようだ。だが、よりわかるように白い背景に向けてシャッターを切った際に他にも幾つかのゴミが付着していることを発見した。まだ解決はしていない。


そして、次の手段。といっても素人が取れる最後の手段になる。それは直接イメージセンサーのゴミを除去する手段だが、それには専用の道具がいる。k-xと同じペンタックスの「イメージセンサークリーニングキット O-ICK1」がそれだ。

これは棒の先にある粘着ゴムをイメージセンサーに優しく押し付けてゴミを吸着させるというとてもシンプルなツールだ。実際PENTAXのサービス部門でも使用しており、れっきとした純正品なので信頼性も高いようだ。この通称「ペンタ棒」を発注した段階で、メーカーに依頼したほうが安くつくのが確定したわけだが、ここまできたら是非ともこのまま振り抜きたい。なんというかこれはもうプライドの問題だ。

実際にやることはこの「ペンタ棒」を使用してイメージセンサーのゴミを除去するだけなのだが、ひとつ懸念事項がある。掃除の際に実施するミラーアップ中はシャッター開放状態をキープすることになる。そして何故なのかは不明だが、このミラーアップ中ものすごく電池の消耗が激しい。先ほどブロアーでイメージセンサーを吹いた時、ものの5分程度で新品のアルカリ電池が半分に減っていた。しばらくしてから少し回復したようだが、どうもK-xのミラーアップ中の電池残量判定についての信頼性はイマイチのようだ。作業中に電池残量不足と判定されてミラーが戻ってしまい、突っ込んでいたペンタ棒に当たって壊れるかもしれないという心配がつきまとう。ACアダプターを買う余裕はないのでどうすべきかを検討したが、少し出費することになるが単3型リチウム電池を購入してメンテ中はこれを使用することにした。電池容量的にはもっとも信頼できるのでこれなら問題ないだろう。

いよいよペンタ棒を使用してイメージセンサーの清掃を行う。残念ながら、作業中の様子を撮影することはできなかった。さすがにしくじったらカメラそのものがパーになってしまいかねない重要パーツの清掃ということもあって、写真撮影をしながらというほどの余裕を持てなかった。

作業は、ミラーアップモードに切り替えた後に、マウントのある開口部を下向きにして十分にブロアーで風を当ててやる。その後、このペタン棒をシャッター半押しくらいの力でセンサーに押し当ててゴミを吸着させる。付属している、ペンタ棒よりもさらに粘着性の高い台紙にペンタ棒を押し当てて、付着したゴミを移していく、というのが作業の主な流れだ。イメージセンサーの端から、当て漏れのないようにペンタ棒を押し付けていく。作業は10分程度で完了。後は、実際に写真撮影を行ってうまく黒い点がなくなっていれば成功だ。


あえて背景を広げて黒い点を確認しやすいように撮影してみた。黒い点は確認できず、クリーニングはまず成功したといえるだろう。今回の研究で習得したライティング、三脚の使用、絞り値等の設定をフル動員して撮影してみた結果がこの写真だが、我ながらなかなかの出来ではないかと思う。そして、イメージセンサーの清掃手順を勉強する傍ら、写真を記録するデータ形式をJPEGではなくRAW形式にするメリットを知ることができた。ちなみにこの写真もRAWデータで記録したものから起こしたものだ。この辺りの話はいずれ「現像」についてのページで別に研究結果をまとめてみたい。

最後に。k-xを購入してからここまでたくさんの枚数を一時に撮影したのも、熱心に検証を重ねたのも初めてだ。毎回、だいたい似たような写真が撮れて、こんなもんか、で終わりにしていたところから自分の撮影スキルをアップすることができた。その副産物として、愛機k-xにとても愛着がわいた。

いつかマクロレンズを購入して、さらに幅広い写真にチャレンジしていくことを改めて決意するとともに、このk-xと少しでも長く付き合っていきたいと思ったので、今できる範囲でメンテナンスと、少しばかりのグレードアップをしてみた。ボディ全体とレンズをクリーニングティッシュで拭いて、レンズはさらにレンズペンで磨く。この辺のクリーニング用品も今回新たに購入した。そして、キットレンズも今後長く使うであろうことも考慮して、レンズフィルターとサードパーティーのレンズフードを装着。見た目も少しはグレードアップした。レンズフィルターもレンズフードも格安品なので出費はそれほどではないが保護効果はあるはずだ。

Last updated: 06 Aug. 2015.