独り言/2002

- シェルターでの生活 -


シェルターでの生活あれこれ書いていきます。



シェルターの妖怪??
  2002年2月21日(金)


夜中に水の音がする。
まだ最初の夜ということで、まだなれていなくどこから水の音がしているのかは、
はっきり解らない。誰かがシャワーを浴びているのだとはじめは思っていた。
でも夜中である。
どうやらトイレのタンクの水がとまらないで流れっぱなしになっているのだという事が解ってきた。
トイレまで行って、少しレバーなど触ってみて、
もしかしたら止まるのではないかと思ったけど、止まる事はなく、
夜中だという事もあり余り大きな音も立てられない。

私はベッドに戻り気にしないで寝る事に専念したけど、
どうも水の音が気になって眠れない。
大切な水がどんどん流れていく様子を想像するとどうにも気が落ち着かない。

又起き上がりトイレに行ってもう一度水を止める戦い?を始めた。
でも、どうにも止められなく結局あきらめて自分の部屋にも戻ってきたら
なんと部屋が開かないのだ。
出るときに自分でロックをしてしまったらしい。
半分眠っていたのだろう、無意識のうちのロックをかけ鍵は部屋の中という状況に見舞われてしまった。

ここには前日、今と2晩目の夜で、まだ親しく話せる人もいないのと、
なんと言っても夜中なのだ。
どこのドアをノックする訳も行かず、どこかに休める場所を探すけど
見つからない。

ダイニングで過ごしているうちに誰かがトイレに起きてきた様子がわかる。
でもそれぞれに人がそれぞれの部屋のキーは持っているけど
マスターキーがあるわけではない。
トイレに寝ぼけ眼で生きてきた人を驚かすかもしれない事のほうを心配して
出て行くことも出来ず、起きたり座ったりして時間を過ごしていた。

この間何度か人がトイレに行く様子はあった。
いくら空調は入っているとは言え2月の朝がただ。
身体は当然冷え切っている。

そうしているうちに事務所のほうで鍵の音がしている。
もしかしたらスタッフがこの時間に出勤する事もあるのかもしれないなどと
思ったりして、今までは驚かしてはいけないと我慢をしていたけど、
思い切って出て行った。

薄暗い明かりの中でその人が誰だかはわからないけど、
鍵を開けてもらえるとは思わなかったから
「人が来るまでの間少し寒いからジャケットを貸してもらいたいのですけど」と
話をした。
時間も当然何時なのかはわからない。

彼女は私の知らなかった階段を指差し、「あがりなさい」というような態度で
指を指した。私は「もしかしたら、この階段の先がこの人の部屋なのかもしれない」と
思いながら階段をあがっていった。
後ろからついてきた彼女が、今度はドアを開けるようにと又指でドアを指した。

私はそこが彼女の部屋なのだと思ってしまい、本当にあけてもいいのかと思ってしまった。
こわごわ開けてみたら、なんてことは無い、2階の廊下に出て、
なんと自分の部屋が見える。2階へあがる中央階段だったのだ。

勿論入居したばかりの時に一応説明は受けていた。キッチン、パントリー、
バスルーム、ダイニングルーム、リビングルーム、子供達のプレイルーム、
所長の部屋、職員の部屋、クライアントの部屋、そしてオフィス。
その他ベースメントにランドリールームがあり、パティオがある。

昨日来たばかりで、食事を摂る事もせず、こもりっきりだった私には
まだシェルターの中がどのようになっているのかの把握は出来ていなかった。

その人は私の部屋を開けてくれて「少し寝なさい」といってドアを閉めてくれた。
時間を見たら6時5分前。随分と長い事部屋の外にいたことになる。
もういろいろ考えることなくベッドにもぐりこんだ。
寒かったのと少し眠気も襲ってきた。

2〜3時間して目が覚めて、それから今日までちょうど1週間ここにいるのだけど、
未だにその人が誰だかわからない。
もしかしたらクリスかもしれないとは思う。
彼女は夜のスタッフで、彼女とだけは話ができる。

サンフランシスコのシェルターでの珍事件だったけど、
忘れられない思い出となった。

未だに誰だったか解らない事。
でもロックされたドアを開けてくれた事実は紛れも無く夢でも幻でもない。
天使が現れたのかもしれないけど、親しみをこめてあえて「妖怪」と呼びたい。
太っちょな肝っ玉母さんのような感じがした。
なんともそれ以外何も覚えていないのだから。顔は見たはずなのだけど・・・・・

Ruby







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