デューク・エリントン入門 / home


デューク・エリントン。
バンドリーダー、ピアニスト、コンポーザー、アレンジャー、
コンダクター、タレントスカウト、全てにおいて傑出した音楽家です。
1899年生まれ、1974年没。享年75才。
1926年の初録音から最晩年まで録音を続けました。
それらのほとんど全てが「デューク・エリントン・オーケストラ」のリーダー
としてのものです。

少なくとも1932年録音の歌曲「スウィングしなけりゃ意味ないね」から、
66年のアルバム『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』『極東組曲』
までは、まんべんなく代表作が生み出され続けましたから、ある一時期で、
彼の音楽を代表させることはできません。

ただし、作品の音楽性のレベルには優劣をつけがたくても、優秀な
メンバーが揃って、矢継ぎ早に傑作をものにした時期というのは存在
します。
その最たるものが 1940 年から 1942 年までの、いわゆるブラントン=
ウエブスター・バンド時代であり、エリントン芸術を知るためには、この
時期を聞いておく必要があります。

話を元に戻すと、エリントン入門として、いわゆる黄金時代に的を絞ったとしても、
彼の”黄金時代”は、32年から66年までの34年間に及びます。

34年もあれば、レーベルも変りますし(注)、エリントン楽団員も変ります。
しかも、代表曲を何度も録音しているので、ベストアルバムの選曲を見て、
「代表曲は全部入ってるぞ?」と思っても、実は入っているのが決定版では
ない録音だったりします。

(注)・レーベルの変遷の主だったところを、このページの最後にまとめている

例えば、日本において最も知名度が高いと思われる2曲、

「スウィングしなけりゃ意味ないね」は、
アイヴィ・アンダースンの歌うオリジナルバージョン、
CBS〜コロンビア〜SONY MUSIC 音源の32年録音がベスト。

「A列車で行こう」は、
音楽史上最高のベーシスト、ジミー・ブラントン在籍時の
オリジナルバージョン。RCA 音源の41年録音がベスト。
55年の『ハイ・ファイ・エリントン・アップタウン』も、
上記に肉薄する出来。

てな按配です。

また、日本人の音楽ファンならば、
「中国の音楽と、日本の音楽を区別できないようでは、音楽家とは
言えません」
と語るデュークの自信作にして傑作「アドリブ・オン・ニッポン」はぜひとも
聞いておきたいところです。
同曲はエリントンが日本滞在中にみた日本の印象をまとめたものですが、実に日本的です。
そして同時に、極めてエリントン的でもあります。
なお、「アドリブ・オン・ニッポン」を収録したアルバム『極東組曲』は、第10回グラミー賞
(1967)のBest Instrumental Jazz Performance, Large Group Or Soloist With Large Group にも
輝きました。

選曲を見る限り、ドキュメンタリーTVシリーズのサウンドトラックであるため
に、レーベルを超えて音源を収録できた、

ケン・バーンズ・ジャズ〜20世紀のジャズの宝物ーデューク・エリントン

曲目リスト
1.イースト・セント・ルイス・トゥードゥル・オー
2.黒と褐色の幻想
3.テイク・イット・イージー
4.ザ・ムーチ
5.ロッキン・イン・リズム
6.ムード・インディゴ
7.クレオール・ラプソディ
8.スウィングしなけりゃ意味ないね
9.クレオール・ラヴ・コール
10.ソフィスティケイティド・レディ
11.ソリチュード
12.キャラヴァン
13.バック・ルーム・ロンプ
14.コ・コ
15.ネヴァー・ノー・ラメント
16.コットン・テイル
17.A列車で行こう
18.サテン・ドール
19.ジープズ・ブルース(ライヴ)
20.カム・サンデイ
21.ブラック・ビューティ

が代表曲網羅に最も近い1枚もののベスト盤と思います。
ですが、これにしたって、RCA 音源を使用しているにも関わらず、天才ベーシスト、
ジミー・ブラントンの名演が聞けるジャック・ザ・ベア、JBブルースまで聞けるわけでは
ありません。かといって、代わりに外す曲も見つけづらい。
おっと、プレリュード・トゥ・ア・キスも入っていない。

結論に進みましょう。

私のお勧めの買い方は、下記の4つを押さえることです。
順番はどれが先でも構いません。

ですが、当然ながら録音年代が古いものの音質は良くはないので、ある程度音質を
気にする人ならば、『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』『極東組曲』から入った
方が無難でしょう。

この購入方法であれば、音源が重複することなく、エリントンのキャリアの主要な部分を
押さえることができます。
さらに聴きたければ、購入したCDのライナーノートや、パーソネル(エリントン楽団員)の
変遷を参考にしながら、いろいろと聴いてみていってください。

参考までに、以下の4つを押さえた次のステップとして、アルバム『デューク・エリントン&
ジョン・コルトレーン』『女王組曲』『ハイファイ・エリントン・アップタウン』を挙げておきます。

1.
オリジナルアルバムで、
『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』1966年 RCA

を買う。
この時期までのエリントン楽団の代表曲を、アレンジを変えて再レコーディング
したもの。

2.
オリジナルアルバムで、
『極東組曲』1966年 RCA

を買う。
本作には、日本の印象をテーマにした傑作「アドリブ・オン・ニッポン」
収録されています。
他にも東洋の寺院をテーマにした曲などが収められており、デューク流
「東方見聞録」とでもいった趣。

3.
ジミー・ブラントン、ベン・ウエブスター在籍時の主要音源を聞くために、
日本編集の素晴らしいベストアルバム、

『A列車で行こう』
デューク・エリントン
定価: ¥1,800
CD (2000/09/20)
ディスク枚数: 1
BMGファンハウス - ASIN: B000055YI6

を買う。

曲目リスト
1.A列車で行こう
2.ジャック・ザ・ベア
3.コ・コ
4.コットン・テイル
5.ハーレム・エアー・シャフト
6.イン・ア・メロトーン
7.ウォーム・ヴァレー
8.ジャンプ・フォー・ジョイ
9.ジャスト・ア・セッティン・アンド・ア・ロッキン
10.パーディド
11.Cジャム・ブルース
12.カム・サンデイ
13.プレリュード・トゥ・ア・キス
14.キャラヴァン
15.黒と茶の幻想
16.ムード・インディゴ
17.イン・ア・センチメンタル・ムード
18.スイングしなけりゃ意味がない
19.ソフィスティケイテッド・レディ
20.ソリチュード
21.ミスター・J・B・ブルース
22.ロッキン・リズム
23.ザ・ムーチ

4.
アイヴィ・アンダースンが歌うオリジナルバージョンの
「スウィングしなけりゃ意味ないね / It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)」
をはじめとする初期音源が入っているCBS〜コロンビア〜SONY MUSIC 音源のベストを買う。
一枚ものでもいいですが、本音を言えばお勧めは CD3枚組の「THE DUKE」。

The Duke: The Essential Recordings (1927-1962)
Duke Ellington

[disc 1: 1927 to 1940; disc 2: 1947 to 1952; and disc 3: 1956 to 1962]

ディスク: 1
1.Hot And Bothered
2.East St. Louis Toodle-oo
3.Black And Tan Fantasy
4.Black Beauty
5.Ring Dem Bells
6.The Mooche
7.It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
8.Slippery Horn
9.Saddest Tale
10.Showboat Shuffle
11.In A Sentimental Mood
12.In A Jam
13.Caravan
14.The Gal From Joe's
15.Braggin' In Brass
16.I Let A Song Go Out Of My Heart
17.Battle Of Swing
18.Prelude To A Kiss
19.Slap Happy
20.Old King Dooji
21.Portrait Of The Lion
22.Country Gal
23.Little Posey
24.Tootin' Through The Roof
25.Sophisticated Lady

ディスク: 2
1.Hy'a Sue
2.Lady Of The Lavender Mist
3.Antidisestablishmentarianismist
4.Golden Cress
5.Sultry Serenade
6.Maybe I Should Change My Ways
7.Stomp, Look And Listen
8.On A Turquoise Cloud
9.Three Cent Stomp
10.Don't Get Around Much Anymore
11.Progressive Gavotte
12.I Can't Believe That You're In Love With Me
13.I Like The Sunrise
14.Snibor
15.Creole Love Call
16.The Tatooed Bride
17.Brown Betty
18.Primpin' For The Prom
19.Monologue (Pretty And The Wolf)
20.Take The 'A' Train

ディスク: 3
1.Jeep's Blues
2.Solitude
3.Blue Rose
4.The Star-Crossed Lovers
5.Mood Indigo
6.Dancers In Love
7.Come Sunday
8.Satin Doll
9.Flirtibird
10.Perdido
11.C Jam Blues
12.Things Ain't What They Used To Be
13.Happy Go Lucky Local
14.Something To Live For
15.Creole Blues
16.Dance Of The Floreadores (Waltz Of The Flowers)
17.Lotus Blossom
18.A Midnight In Paris
19.Asphalt Jungle (Theme)
20.Battle Royal
21.The Duke Speaks

ふろく

デューク・エリントン
主なレコーディングレーベル履歴 (ベツレヘム辺りにも録音はあるけど、主なということで...)

1927 to 1934 RCA
1927 to 1940 Columbia
1940 to 1942 RCA
1943 to 1944 アメリカ全土的レコーディングストライキのため、レコード会社に録音なし(米軍の兵隊慰問用 V-DISC には有り)
1944 to 1946 RCA
1947 to 1952 Columbia
1953 to 1955 Capitol
1956 to 1962 Columbia
1962 to 1965 Reprise
1966 to 1973 RCA