
もし、アメリカがイラクだったら
ブッシュ大統領は火曜日(9月21日)、イラク国民は悲観的な見方が誤りであることを証明しつつあると述べ、イラクにおける諸事情は好転しつつあると暗に主張した。
もしアメリカが現在のイラクと同じ状況にあったら、どんなだろうか。アメリカ人口はイラクの11倍を超える。したがって、いろいろな統計数字は11倍しなければならない。
先週、イラクのさまざまな暴力的事件で殺された人は300人である。これをアメリカに換算すると、アメリカ人3300人の死者。もし先週、車の爆破、手榴弾、ロケット弾、マシンガン乱射、空爆などで、3300人ものアメリカ人が死んでいたら、どうだろうか。この数字は、9月11日の事件の死者数を上回る。そして、もしアメリカがイラクだったら、これは毎週、毎月繰り返されて、死者数はどんどん増えていく。
もしこれが首都ワシントンの話だけではなく全米で、とくに南部と北部の境界線(訳注:北緯39度43分)より北、ボストン、ミネアポリス、ソルト・レイク・シティ、サンフランシスコなどで起きたとしたらどうだろうか。
もしホワイト・ハウスやモールの官庁のビルが四六時中追撃砲で攻撃されたとしたらどうだろう。国務省やホワイトハウスやペンタゴンの職員たちが、クリスタル・シティやアレキサンドリア(訳注:どちらもワシントンの近くの町)へさえ危なくていけないと誰もビルの外へ出ようとしなかったとしたら、どうだろうか。
もし大放送局や大新聞の記者たち全員が、ワシントンやニューヨークの5つ星ホテルに足止めをくって、外へ出て街をほんの数区画歩くことさえ出来ず、オクラホマ・シティやセントルイスの事件や状況を知るために現地の通信員に頼るほかなかったら、どうだろうか? 記者たちが勇気をふるって中西部までも行くとしても、軍や州兵の部隊の従軍記者として行くのであれば?
イラクには共同戦線をはっているゲリラがおよそ2万5千人いるといわれている。もしマシンガンやライフル(アメリカでは合法なのだ!)やロケット弾や追撃砲で武装した民兵が27万5千人もいて、全米の町々の危険地域に潜んでいたとしたら、どうだろうか。その民兵たちが、シアトル、ポートランド、サンフランシスコ、ソルト・レイク・シティ、ラスベガス、デンバー、オマハを完全に掌握して、地元警察も連邦軍もまったく手をつけられない状態だったとしたら、どうだろうか。
もし、去年一年の間に、国務長官(アキラー・ハシェミ)、議会議長(イズディン・サリム)、法務長官(ムハンマド・バキル・アル・ハキム)が暗殺されてしまったとしたら、どうだろうか。
もしアメリカのすべての町々を、大都市で1年間に起こるのと同じくらい多くの殺人、誘拐、押し込み、カージャックなどの犯罪が襲ったら、どうなるだろうか。
もし空軍が、日常的に(つまり毎日とか毎週とか)、モンタナ州ビリングズ、ミシガン州フリント、ロサンジェルスのワッツ地区、フィラデルフィア、ワシントンのアナコスティア地区などの都市を空爆したらどうだろうか。空軍は“犯罪集団”の“隠れ家”を狙っているのだが、大勢のこどもや弱い老人たち巻き添えに殺してしまうとしたら?
もし事あるごとに米陸軍がバージニア・ビーチを包囲攻撃して、何百人ものキリスト教伝導者団の武装メンバーを殺したとしたら、どうだろうか。もしキリスト教伝道者団の民兵の全小隊がアーリントン墓地に立て籠もっいて、そこを米空軍が爆撃し、何千もの墓を破壊しベトナム・メモリアルを粉々にしたとしたら、どうだろうか。もしティモシー・マクベイ追悼旅団という悪漢グループを捕まえるためといって米陸軍がナショナル・カテドラルを破壊するのをやめさるために、全米キリスト教会協議会がカテドラル前十万人集会を信者たちに呼びかけねばならなくなったとしたら、どうだろうか。
もし国内を民間航空会社の飛行機がまったく飛んでいなかったとしたら、どうだろうか。もし道路がひじょうに危険で、それもリッチモンドとワシントン間、ボストンへ向かう路線など幹線高速道路がとりわけ危険だったとしたら、どうだろうか。たとえ800キロもある高速道路のどこを走っていたとしても、カージャック、誘拐、マシンガンによる襲撃などにいつ会うかわからないのだとしたら。
もし一日に10時間しか(いやもっと短い時間のことも多い)電気が通じなかったとしたら、どうだろうか。電気が通じたとしても突然停電して、工場は急に運転停止し、真夏のさ中のヒューストンやマイアミでエアコンが突如切れたりしたら? アラスカのパイプラインが爆撃されて、1カ月もの間操業停止したら? 失業率が40パーセントにもなったら?
もしルビーリッジの退役軍人民兵団によるテロやオクラホマ・シティの爆破事件を口実にして、政府がこんな危険な時代には強い国家が必要だといって突っ走り始めたら、どうなるだろうか。
もし自治体の選挙が中止され、密かに新“大統領”の取り巻き連中が知事として州庁舎に据えられたら、どうなるだろうか。もしこの知事たちの何人かが(名をあげるならモンタナ州やワイオミング州の)就任直後に暗殺されるか、ゲリラにこどもを誘拐されて辞任したとしたら、どうなるだろうか。
こういう状況にあるのに、もしEUの首脳たちが米国国民は悲観的な見方が誤りであることを証明しつつあり、自由と民主主義の達成はあと一歩のところであると主張したとしたら、どうだろうか。
ホアン・コールによって掲示 2004年9月22日 午前6時53分26秒