2004年 11月 その1

   萌えのこと

昨今、一部諸君の間で使われている言葉、「萌え」。
自分はこの「萌え」という感覚がわからない。感覚の欠落である。

自分は「萌え」を考える。

小動物の愛らしさとは違うのはわかる。
アニメ美少女のかわいさかと人に問えば、違うと言う。
彼女にしたくなるようなかわいさかと問うと、それもまた違うらしい。
知人の萌ちゃんは、芸人・北陽のような愉快さんでヒントはなさそうだ。
さらにどうやら、それはエロと密接な関係にあると言うではないか。

自分は「萌え」を求めた。
そしてついに発見した。



「和のグッズ・萌」
まさしく萌えである。真髄である。

この看板があったのは仙台中心部で最も治安が悪いデッドゾーンであり、
おいおい今どきグッズってどんなグッズだよエロ系かい、という可能性も考え、問題の店に突入した。

しかしそこは
今すぐお寺に供養に出したほういいですよと言いたくなる、ザンバラ髪の日本人形がごろごろ置いてあるばかりの店だった。デッドゾーン。

なかなか萌えにはたどり着けない。
萌えとはなんぞや。
汝、なんのためにそこにありや。



   気をつけること

松林に生える毒キノコであるカキシメジと、
同じく松林に生える食用キノコであるマツタケは
両者よく似ているので採取にあたって十分に気をつける必要があるが、

それと同様に
 「ガッデム!」と
 「ガッテン!」は
よく似ているがだいぶ違うので気をつける必要があるかもしれぬ。
ない。



   数式のこと

バイト先の塾で生徒に高校数学を教えていると、
数式にアルファベットがよく出てくる。
「 i 」や「 p 」なんかが使用頻度が高い。

自分は真剣に数学を教える。

私「だからね、アイが足りないから、こっちの3Pが12Pになるわけよ。
   いい?アイがたりないの!ここポイント!だから12P!」
生徒「な、なんかスゴイね・・・!」

そしてすかさず社員さんがとんでくるのである。



   タイヤキ屋さんのこと

やさしそうなおばちゃんがやってた、
おいしそうなタイヤキ屋さんの看板。


メリチンコかと思った。
メリチンコかと思った。
メリケンコだった。



   大塚美容外科潜入 11月8日(月)


大塚美容形成外科に潜入した。
大塚娘デビューしてきた。
左耳にピアスをひとついれる。

待合室はテーブルにお菓子があり、リラックスした雰囲気。


しかし雑誌をアップにすると


お客さんは5人ほど見たが、
うち4人が20代の少しギャル系のきれいな女性だった。
どこを直すところがあるのだろうと思うような。
皆、ビフォー/アフターでいえば、アフターなのだろうか。
みなすでに大塚娘か。
CMの不細工猫が言うように、
実は隣のあのコも大塚娘なのかもしれない。

壁など内装はシンプルだったのだが、
一枚だけ大きなロートレックのポスターが貼られていた。

ロートレックは美しい女性を美しく描かないので有名だ。
このポスターは当時のスター、美しき踊り子ジャヌ・アヴリルを描いたものだが、
ほかのロートレックのアヴリル像と比べても、
このアヴリルは美しく描かれていない。

そして描き手のロートレックは子供のころの怪我が元で
首から下は成長が止まり、一生小人のままの不具だった。

この絵をここに飾っているのは非常に意味深かもしれないと思った。



   ムツゴロウさんとアカギのこと


ムツゴロウさんは右手の指をトラに食いちぎられてしまった。
それについての最近のコメントは

「左手でツモったほうが引きがいいよ」


身体の欠損をも麻雀に反映させるその心意気は
鷲津老人との血抜きデスマッチに通じるものがあり、
ムツゴロウさんは現代のアカギの系譜にあると言えよう。
(福本伸之「アカギ」参照)

動物学者で東大出身で学生結婚して雀鬼と、
ムツゴロウ氏の人間性の深遠さに、
われわれは置いてけぼりをくらうばかりなのである。



   エロス像 11月5日(金)


演習の発表だった。

ミケランジェロの、
疑惑のエロス像の真贋についての論文を訳して読み上げるのだが、
ミケランジェロは同性愛者だった、あたりから、
だんだん話がずれていって本当にエロ話になっていって訳に困った。

蛇のようなナントカ(←やたら精密な部分名)がケシの花の茂みで果てて云々、とか言い出して困った。

どれだけオブラートにくるんだ日本語にするかでがんばったが、
かえって官能小説みたいになった。

芸術のプロフェッショナル達の前で
自ら訳した官能小説を読み上げる自分。

しかも結局真贋鑑定のほうは
「わかんないんだよね」
という結論だった。
変な論文だった。



   インド人のこと

先日の雑感「全裸シリーズのこと」で
レジェンド超人もびっくり云々と書いたが、
あれは初めは「インド人もびっくり」と書いたのを直したものだ。

インドには裸形僧(ジャイナ教の僧の一種)が存在する。

全裸の聖職の男性が当然のように道を歩いている。
道を歩く人々も、当然のように通り過ぎる。

全裸シリーズで
「インド人もびっくり!」
などと言ったらインドに失礼である。

あの程度では、インド人にとってはそよ風にもならないのである。
インド人のびっくりレヴェルを舐めてはいけないのである。



   非日常のこと


いつものようにドアを開いて部屋を出るとそこには、

知らない青年が廊下に正座で
ミシンで純白の布を縫っていた。

非日常の扉はいつ現れるかわからない。



   全裸シリーズのこと


毎日は平凡で退屈で、
新鮮な非日常要素はまるでないと思う方も数多くいるだろう。

そんな方々に、ささやかなアドヴァイスを捧げたい。

AVの革命児・ソフトオンデマンド社から放出されたアダルトビデオ、
大勢の女性達が日常行動を全裸で行う
「全裸シリーズ」。

この作品群はいまだ多くの人々の間での語り草となっている。
レジェンド超人(参照:キン肉マン二世)もビックリ級だ。

いくつか例を挙げると

「全裸でバスケ」
「全裸で和太鼓」
「全裸で登山」
「全裸で引越し」

その豪気っぷりが
タイトルだけでもおわかりいただけよう。
非日常ヴィジョンはすぐ隣にあることがビリビリ伝わるであろう。
さらに求める方々は鑑賞だけでなく、自らも行動に移せばきっとご満悦。
ほら、そこには異世界だ。

日常行動を全裸で繰り広げるこの「全裸シリーズ」、
日常にシュールのスパイスを求める方々に
オススメの一品である。

いつどこで、たとえばこんなアホAVで、
新たなヴィジョン・生活感覚が拓けるかもわからないのである。



   文字打ちミスのこと

妹はいつも早起きして自分が乗る馬の世話をしている。
えらいと思う。
感心して、まじめに、妹にメールを送った。

「今日も早起きだったのかー、すごいね!
 本当にえろいよ!
 がんばって!」

妹よ、違うんだ。