Zeliard 1989GameArts(C)
5’2D FDD 3枚組



心理学を応用し、計算されたトラップがあなたの頭脳を直撃します

……と、最初っから殺る気まんまんな煽り広告を出していたゲームアーツのゼリアード。
ゲームの内容はオーソドックスな「縦割り型アクションRPG」であり、
トリトーンやドラゴンバスターに近いのだが、問題はその「迷宮内部の構造」である。
まさしく心理学を応用したかのような陰湿な罠が多数用意されており、
公告に偽りなしの高難易度を誇る。

だが、流石に老舗のゲームアーツが造っただけあって、ゲームとしての完成度は非常に高く、
単なる難しいだけのクソゲーでは無いところはさすがである。
88ユーザーならずとも、ゲームアーツのファンなら、一度はやっておきたい作品であろう。

し・か・し、その完成度の高さ故に、若干の違和感もある。
何から何まで全て計算されて創られているため、「パズルゲームを解いている」印象があるのだ。
ヒロイックファンタジーの気分はほとんど味わえず、
むしろ数式を解いている学生の気分を味わえる。

実際、このゼリアードはRPG的な要素(主人公としての役割を演じる要素)は殆ど無く、
迷宮走破ゲームに近いのだ。純粋な「RPG」を求めていた人には、拍子抜けかもしれない。

反面、ゲームの内容、バックストーリー自体は極普通である。

ゼリアード プロローグ(要約)
地底深く封印されていた魔王(名無し)が、二千年の眠りより蘇り、
魔獣達を呼び寄せて、自分を封印していた秘宝「エスメサンテの涙」を奪い、迷宮へと隠した。
復活した魔王(名無し)は自分を封印した者達への復讐として、
手始めにフェリシカ王国に砂の雨を降らせ、国土の大半を砂漠に変え、
王女フェリーサ姫を石に変え、生け贄とした。

しかし、聖地ゼリアードの精霊は人々の嘆きに応え、一人の勇者をこの地へと導いた。
精霊に導かれた運命の使者、デューク・ガーランドは、
秘宝を魔獣の手から取り戻し、石にされたフェリーサ姫を助け出す為に迷宮へと旅立った……

……と、このようにベタベタな程の王道ストーリーである。
無理に姫を石化させる必要もない気がするが、王道的な救出ストーリーには必要な演出だろう。
なお、完全なストーリーはこちらから。

普通のRPGでは、ラスボスの正体が伏せられている事が多いのだが、
本作では、なんとオープニングでいきなり主人公と魔王が対面して、押し問答をしてしまう。
この趣向は結構面白い。

正体不明の敵に立ち向かう勇者……と言うより、
主催者による大会説明会と、それを聞いている挑戦者と言う感じである。
ゼリアードは「敵を倒すこと」よりも「迷宮走破」の方がメインなのだ、
と言うことが感覚的に理解できる。
ちなみに、オープニングに登場している聖地ゼリアードの精霊とやらが、
ゲーム中何も助けてくれないと言う事は、
賢明な読者諸君ならば、ゲームを開始する前から理解していただけると思う。
(正確には「死体の回収(死んだら、賢者の元に送り届けてくれる)」だけはしてくれる。)
この手の王道ファンタジーにありがちな、
「封印の守護者」はただの傍観者(役立たず)であるのが「お約束」なのである。


それでは、魔王様主催の迷宮探検競技へGO!

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