ところでこのBROMPTONと言う自転車。数奇者(すきもの)の所有者Y氏の眼鏡に叶う「通な自転車」らしく、試運転で訪れたバイク屋で複数の店員から声をかけられた。

店員氏「英国製高級携帯自転車ですねえ。」
拙僧「そうらしいですね、でもこれは台湾製で安い方らしいんですよ。」
店員氏「それでも7〜8万(円)はするでしょう。(お宅知らないの?)」

 と、言った具合である。成る程、フレームの塗装などは拙僧の7年落ちデミオより、よっぽどお金が掛かっていると思われる。そこで、今更ながらネットサーフィン(死語)でしらべてみた。

 イギリスな部分

 ブロンプトン(BROMPTON)は、イギリスのコンピュータエンジニアが開発した自転車で、既に20年以上の歴史があるそうだ。このあたりは、IT産業の片端で生計を立てている所有者Y氏の琴線に触れる物があるだろう。ちなみに拙僧も分野は違う物の同業者である。何でも、この自転車はイギリス女王陛下から何かしらの称号を得ているらしい。好きだねえイギリス人は。
 拙僧のお借りしている自転車は「MK3 Light3」と言うモデルの台湾OEM製らしい。現在は台湾での生産は終了しているらしく、所有者Y氏の購入時は2002年頃だったと記憶している。ミッションボックスには「イギリス製」を意味する刻印があり、恐らく高度な工作精度の求められる部品をイギリスで生産して台湾に送り、生産のしやすい台湾製部品と一緒に組み立てているのであろう。メインフレームには「Maide in TAIWAN」の剥れ易いステッカーが貼られている。このモデルはライトやキャリアの類は一切付属していないシンプルな物である。それらを付属するモデルは「MK3 TOURING3」が存在するが、価格も少々張る。イギリスでは無灯火の自転車はオマワリに止められないのだろうか?拙僧は八王子在住時に、夜といえば何にも無くても2〜3/週のペースで止められていたけど。トライアンフ(単車)やBSAなんかも、日本で走らせるように保安部品をつけると急に日本車っぽくなっちゃって面白くないよねえ。
 
 もう剥がしました

 前後16インチのタイヤは多少不安定だが、3段変速を有しストレスの無い走りが可能である。但し、ブレーキは頼りなく、やはり走りこむ自転車では無いだろう。この自転車の1つの特徴が変速機である。一見、リアホイールに太めのハブが付いているように見えるのだが、実は変速機を内装しているのだ(ミッションボックス)。これは携帯時のスプロケットによる怪我を防ぐ工夫だと思われる。怪我の回避と言えば、他にも一部スプロケットの角を丸める等の工夫がある。もう一つの特徴はゴムブッシュによるリアサスペンション・システムだ。強い漕ぎ足のストロークに応じて尻を突き上げる反発力は、一種独特な感触で不快な物ではない。イギリス人はこの手のサスが好きなよう自動車などでも同様なシステムを採用している。ロンドン郊外にてこの自転車を開発した製作者の通勤手段は、恐らくモーリス・ミニ(注1)の筈だ。

 ミッションボックス、イギリス製の記述あり

 その後、ホームセンター等で2・3万円クラスの携帯自転車を見た。が、やはり塗装の品質、セットアップや携帯時の工夫など、一クラス上の品質を本自転車は思わせる。自重は12kgで携帯用カバー&バックが付属。これを担いで山登りが出来るかどうかは人間さんの性能の問題だなあ。ちなみに、この自転車はお借りしている物だが、妻も非常に気に入っており、何れ追い金にて正式に譲っていただく予定である。

 蒲郡の海岸にて

注1:
 実際には自動車が先なので、ブロンプトンが応用したのであろう。拙僧は4つ輪に詳しくないのであまり触れないが、この自転車と同じ様にゴムブッシュによるサスペンション・システムを採用する自動車が30以上前のイギリスで製造された。モーリス・ミニとオースチン・セブンである。両者はメーカーが違うだけで、ほぼ同一の自動車である。日本ではローバー・ミニとかミニ・クーパー等の名前で皆さんもなじみがあるだろう。ちなみに、ミニで採用しているサスペンションと全く同一の部品を搭載する自転車も存在するらしい。
 この辺りは拙僧も詳しくない為、間違っていたら教えてください(mm。


(了 2004/11/21)
BROMPTONとは?