Network Analyzer

_This page last updated on . Jun, 12, 2009.




 
このページは電気的高周波・マイクロ波回路のパラメータの測定器である ネットワークアナライザーを説明しています。
 
 
 ネットワークアナライザーの一例
  (アジレントテクノロジーの廉価版ネットワークアナライザー。
より詳しい写真(97kbyte)。)  少し古いモデル→後継モデル
 



  

目 次

ネットワークアナライザーとは

ネットワークアナライザーの使い方

ネットワークアナライザーQ&A

技術資料

ネットワークアナライザー使用例

ネットワークアナライザーのメーカー

ネットワークアナライザー中古情報

高周波計測器のページ (本ページの親ページ)

 

 



 ネットワークアナライザーとは?
 

ネットワークアナライザーとは電気的高周波・マイクロ波回路、デバイスの高周波特性(インピーダンスなど)を測る計測器です。 回路や素子に高周波・マイクロ波を入力し、回路からの反射、通過状態を測って回路や素子の電気的特性を測ります。 高周波やマイクロ波のプロにとっては最も重要な測定器といわれています。
 

インターネットなどの回線状態を主にソフト的に解析する事をネットワークアナリシス、 そのためのソフトをネットワークアナライザと呼ぶことがあります。しかしここで紹介するネットワークアナライザーは これとは別のものです


ネットワークアナライザーには2つのタイプがあります。

タイプ

特徴

ベクトルネットワークアナライザー

振幅と位相を測るタイプ。

スカラーネットワークアナライザー

位相を測らず振幅のみを測るタイプ。安価

 

ネットワークアナライザーはページのはじめに示した写真のような機器です。表示画面(CRT)の横軸は通常は周波数、縦軸は強度。 写真の機器の幅は19インチ標準ラックにあう幅(約40cm)。なお上に載っているキーボードはアナライザー自体ではなく、コメントなどを入力するためにアナライザーの背面コネクタに接続しています。最近のアナライザにはこの機能がついているものがあります。またVGAコネクタもあり外部CRTにカラーで表示することもできます。→詳しい背面写真(写真で右上に並んでいるコネクタがキーボードコネクタ、ネットワークコネクタなど。47kbyte)。後継機は画面がカラー液晶になっています。
写真の右下に同軸コネクタが二つ並んで見えます。この二つのコネクタの間に同軸ケーブルを使って 回路や素子(通常コネクタのついたもの)をつなぎます。
 


 図1 ネットワークアナライザーの構成

ネットワークアナライザーの簡単な構成を図1に示します。緑色の箱で囲った部分がネットワークアナライザーです。ネットワークアナライザー内部にある信号源は測定する範囲の周波数掃引されます。信号源と出力コネクタとの間に置かれているのが方向性結合器です。被測定物は2つの出力コネクタの間に繋ぎます。被測定物に印加された信号と反射信号を測定物の1と2(通常入力と出力)のポート(コネクタ)について方向性結合器を使って測ります。
 
 方向性結合器は結合器の2つのポートの内、一方から入ってくる信号の方向を分別して出力します。図1で左側の方向性結合器の信号源側のポートから入ってくる高周波(被測定物に印加される高周波)はa1へ出力され、被測定物側のポートから入ってくる信号はb1に出力されます。右側の方向性結合器についても同様な動作となります。一般の方向性結合器では 信号路に入力されたすべての電力が信号路からa1あるいはb1に導かれるわけでなく通常1/100(-20dB)程度の一部の電力が方向性をもってとりだされます。実際のネットワークアナライザーでは測定精度を上げるため、a1、a2は方向性結合器を用いず信号源のパワーを分配して測り、また被測定物からの反射電力もできるだけ高い比率でb1、b2に導く特別な方向性結合器となっています.
 
 信号源は右側か左側かどちらかに切り替えて印加されます。信号源が1側に印加されるときはa1は被測定物への印加高周波でb1は被測定物からの反射を表します。b2は被測定物からの出力を表します(このときa2は入力がないので出力なし)。 方向性結合器のaとbに出力される信号は振幅のみが検出されるタイプと振幅と位相の両方が検出されるタイプがあります。
 
 位相も測れるタイプのネットワークアナライザー(ベクトルネットワークアナライザー)では、回路や素子の(入力、 出力部の反射量と位相から) Sパラメータを求める事ができます。 このタイプでは通常スミスチャートも表示します。 なお、 6ポート方式ネットワークアナライザーという特殊な装置では位相を測らなくともSパラメータが測れるとのことです("マイクロ波、光回路計測の基礎"岩崎 峻 著 コロナ社刊などに説明あり)。しかし通常市販されていません。
 
 なお、数百MHz以上では高周波の位相測定は振幅測定に比べるとかなり難しくなり、 数百MHz以上の周波数帯域で位相を測るネットワークアナライザーを作っているメーカーはかぎられます。
 
 ページのはじめの写真の機器は比較的簡易なタイプで100kHzから1GHz程度までの範囲のモデル。 Sパラメータ測定機能無しで約100万円、Sパラメータ測定機能付でプラス数十万円程度の価格です。数十GHzの帯域のものは数百万円します。 13.5GHzまで測れるネットワークアナライザーの例を示します→参考写真(Agilent8719D) (47kbyte)。
 
 
 上に示したネットワークアナライザはポートが2つですが4つポートがあり同時に各ポートの反射係数とポート間の通過特性を測れる機種もあります。
 
 
 

スペアナ(スペクトラムアナライザー)との類似・相違点は?
 
 スペアナもネットワークアナライザーも横軸が周波数、縦軸が強度です。
 
 スペアナは外来妨害波の周波数など未知の周波数を測ることが元々の目的です(参考2 参照)。 ネットワークアナライザーは既知の周波数に対する回路の応答を測ります。
 
 通常のスペアナは測定対象からの出力信号を測るだけですが、ネットワークアナライザは回路の入力、 出力部で反射も測る点が異なります。
 
 通常のスペアナは信号入力のみですが、ネットワークアナライザーは 高周波出力と入力の2つ以上のポートがあり、2つのポートの間に入れた回路の応答を測ります。
 
 位相も測るタイプのネットワークアナライザーでは回路の入力、 出力部で位相も測ることで回路の Sパラメータを求める事ができますが、 位相を測らないスペアナではSパラメータは測れません。

参考1 スペアナの内部構造 図2で水色で示した部分がスペアナを示します。スペアナ内部の周波数源は測定範囲の周波数を掃引し、被測定信号源からの信号と混合し検波して周波数成分を表示します。実際の回路は中間周波数を用いるなどより複雑な構成となっています。また測定する(内部信号源の)周波数を外部に出力できるトラッキングジェネレーター出力が用意されたスペアナもあります。
 


 図2 スペアナ ブロック図
 

参考2: 回路の反射量(リターンロス)は高周波系でその回路が正しく働くために重要な量です (反射が多いと回路が安定に働かないなど)。
 
 
参考3: スペアナは軍用で戦闘機に搭載され、敵からの補足電波周波数を瞬時に見、 その周波数の撹乱電波を対抗して出すために米国で開発されたと聞いたことがあります。

 
 
 



 
ネットワークアナライザーの使い方


 アンプゲイン位相測定 1dBコンプレッション測定 Delay(遅延)測定 校正
 

 

アンプゲイン、位相測定
 
 機種によりつまみやボタン名称、操作が異なりますが、アジレントテクノロジー8712を例に説明します。このページに問い合わせがあった方への回答を参考にさせていただきました(2002/3/14)。
 
 
 1)アンプ(増幅器)を接続する場合の注意
 
  アンプ(増幅器)はネットワークアナライザーの RF OUT (REFLECTION)とRF IN (TRANSMISSION)のコネクタ間につなぎます。 ただしアンプの出力が大きい場合(15dBm程度以上)、 ネットワークアナライザーのRF IN内の検出器を容易に破損 させますので注意が必要です。 検出器の修理は高価(20-30万円)です。 RF用アッテネ-ター(50Ω)30dB程度を出力に入れておいた ほうがよいでしょう。RF FUSEというのもあります。 アンリツ製。ただし1GHz程度以下用。
  いずれにせよ増幅器の電源をオンする前にネットワークアナライザーを 壊すことがないか確認すべきでしょう。  ネットワークアナライザーの 検出器はRF特性を優先しているため非常に壊れやすい状態になっています。DC(直流電圧)もかかると壊れます。 測定物の出力は原則としてDCカットされた回路で測定するべきでしょう。
 
  また半田こてのリーク電圧で検出器を壊すこともあります。 ネットワークアナライザーにつないだ状態ではんだこては当てない ことも大事でしょう。 検出器は静電気にも弱いので身体が帯電しないように したり、被測定回路も帯電していない状態にしてからネットワーク アナライザーに接続する注意も必要と思われます。 (参考→ネットワークアナライザーの検出器が破損して修理依頼した際、貼られてきた注意書き)
 
 
 2)パワーレベル設定とゲイン測定の注意
 
  次に入力パワー(ネットワークアナライザーのRF OUT) を増幅器のゲインに合わせて下げる必要があります。 パネルスイッチの"SOURCE"グループの"POWER"を押します。 画面のメニューの"Level"を選びます。 画面にLevel=10dBm等と表示されます。 この状態で下向きの矢印ボタン、ロータリーノブ、あるいは 数値ボタンでレベルを下げます。 増幅器のゲインに応じてたとえば20dBのゲインのアンプでしたら -20dBm等に設定します。 下げすぎるとSNが悪くなりますが、パワーを入れすぎると増幅器が飽和しますので レベルを変化させて飽和していない領域(ゲインが変化しない)で ゲインを測定します。
 
 
 3)ゲインの測定
 
   パネルスイッチの"CONFIGURE"グループの"FORMAT"スイッチを押します。 画面でLog Magを選択します。 "MEAS"グループの"MEAS2"スイッチを押します。 画面で"Transmission"を選択します。 これでゲイン特性表示されます。 表示周波数範囲、表示レベル範囲などはもちろん増幅器に合わせて 設定します。
 
 
 4)位相測定
 
   3)の"CONFIGURE"グループの"FORMAT"設定を再度押し、 画面で"Phase"を選択します。 これで位相が表示されます。
 
 

校正
 
 ネットワークアナライザーはスペクトラムアナライザーのように単にピークの周波数を求めるのでなく、進行波と反射波あるいは通過波の振幅比、位相差などを測定します。このため周波数発生源のレベル、検出器の特性、ケーブルによるロス、方向性結合器の不完全性などを各周波数毎に補正する必要があります。1GHz程度以下の測定でそれほど精度が要らない場合、校正は工場出荷時の値で済むことがありますが、より高精度あるいはより高い周波数で測るには一般に校正キットなどによる校正が必要となります。特に位相は周波数1周期で360°ということからわかるように周波数より2桁以上測定精度が求められ、測定するケーブル位置(面)で校正(あるいはケーブル長さを計算で補正)する必要があります。
 
 比較的低い周波数で用いられる校正法は基準のOpen、基準のShortおよび基準(無反射)終端抵抗器を用いる方法です(下記校正キットの例参照)。比較的高い周波数では基準終端抵抗でなくスライディングロッドという機器を用いることがあります。
 
 またコネクタが使えないストリップラインの途中でもそのまま校正できる方法としてTRL法があります。TRL法はThru-Refelect-Line法の略で直結とopen, および適当なラインを挿入することで校正します。(参考 "マイクロ波、光回路計測の基礎"岩崎 峻 著 コロナ社刊など)。
 
 
 << 校正キットの例 >>
 
 ・ 1GHz帯(Open, Short, 50Ω N型オス、メスコネクタタイプ一式),
 
 ・ 10GHz帯(導波管タイプ50Ω, 導波管Open, Short)
 
 
 



 
ネットワークアナライザー Q&A

Q:  回路の通過特性(S21)のみを測定する場合、トラッキングジェネレータ付のスペアナで代用できませんか?
A: 回路の通過特性は測定周波数と同じ信号をスイープしながら発生するトラッキングジェネレータを内臓しているスペアナを使えば一応測定可能です。位相情報は得られないのでベクトルネットワークアナライザでなくスカラーネットワークアナライザの機能となります。

  回路をスルーした時の周波数特性測定結果をメモリーに入れておき、回路をつけた時との差を計算して表示できるスペアナであればそれなりの精度で測ることができます。しかし測定精度は通常ネットワークアナライザより劣ります。なお反射特性を見るにはブリッジと呼ばれる方向性結合器を組み合わせる必要があります。

 

Q:  トラッキングジェネレータ付のスペアナで回路の反射特性を測るには?
A: スペアナのトラッキングジェネレータ(TG)出力コネクタとスペアナの信号入力コネクタの間に図(準備中)のように方向性ブリッジをつなぎます。ブリッジの反射ポートに被測定回路の反射を測定したいポートをつなぎます。これで被測定回路のポートの反射特性(S11など)が一応測れます。ブリッジに特性の良いものを使い、さらに基準器で各種パラメータを校正しないとS11で-20dBより低いレベルはあまり信用できないといえます。
 
  なお被測定回路は正規に電源を入れて出力にもダミー負荷(通常50Ω)をつないで正常に動作させておくことを忘れないようにします。S22(出力ポートの反射特性)を測る場合は被測定回路の入力ポートは50Ω終端をつなぎますが、つなぎ忘れると発振を起こして測定器(この場合ブリッジ)を壊すことがあります。正常に入力に50Ωをつないでいる場合でも回路の不安定性などで大きな出力が出てブリッジなどを焼損することがあります。S22を測定する場合は注意が必要といえます。

 いずれにせよ、反射特性(S11,S22)を測るのであれば、基本的にネットアナを手に入れて測定することが推奨されます。

なおアンプなどの高周波回路の特性を測る場合,アンプの通過周波数特性と入力、出力のS11,S22の絶対値(リターンロス、スカラー量)が分かればある程度のアンプの性能の判断はできます。従って,トラッキングジェネレーター付のスペアナで方向性ブリッジと組み合わせて測ることを想定して作られているスペアナのみでもそれなりの仕事ができるといえます。新品ではそのようなタイプでもそれなりの価格となっていますが3GHz帯域など同じ周波数帯域の正規のネットアナに比べると安価といえます。


Q:  中古のネットアナを検討していますが,どのような点に注意する必要がありますが?
A: 数GHz帯域の高性能のネットアナの中古が数十万程度で手に入るようになってきています。しかし安いものは返却不可、ノークレームが多いようです。オークションの場合出品者のそれまでの評価を参考にすることはまず重要ですが、性能的には以下のような点に留意が必要と思われます。
1)周波数帯域
まず周波数帯域がどの程度まで伸びているものが必要かがポイントです。測定する回路の帯域だけカバーするものでも一応使えるといえますが、アンプなどで使用している帯域以上で動作がおかしくなっていることもあります。最近のRFトランジスタやRF IC AMPは数GHz以上とかなりの高周波数域でもゲインがありますので、GHz程度までの回路が対象の場合でも、できれば十分高い帯域のものを入手できると良いといえます。
2) 方向性ブリッジ
比較的新しいネットアナは反射を測定するブリッジ(方向性結合器)が内臓されている場合がほとんどですが2000年以前の製品ではブリッジの形状が大きく本体に内蔵されず外付けの機種が多かったといえます。1990年頃の中古製品ではブリッジが付属しているか確認すべきでしょう。専用ブリッジが付属していない場合、トラッキングジェネレータ付のスペアナにブリッジをつけるのとあまり変わらなくなる場合があります。

 ブリッジ外付けのネットアナでも通常本体でスミスチャートを表示する機能を持っていますのでスミスチャート表示機能があるからといってブリッジがついているとは限らないので注意が必要です。

 

Q:  AMPを測定しようとしたところ出力が大きすぎネットアナ側で飽和しているようです。どのように対処すればよいでしょうか?
A: まずネットアナの出力レベルが設定できる場合は必要なレベルまで出力レベルを下げます。ネットアナは出力レベルをあまり下げられない場合が多いようです。数GHzにわたってフラットな特性のアッテネーターを実現することはかなり大変なのでコストの面からアッテネーターをつけていない場合が多いといえます。これから購入の場合はできれれば出力レベルが数十dB絞れるアッテネータオプション付が便利といえます。

 出力レベルを絞れないネットアナの場合、出力と回路の間にアッテネーターを入れて測ることになります。しかしアッテネータが挿入されるため回路の入力反射S11は測れず、測れるのは通過特性S21あるいはS12などとなります。

 S11を測るにはアンプの出力側にアッテネーターを入れれば可能ですが,アッテネータに入る前の被測定回路のアンプ自体の出力がアンプの飽和レベルまで達する場合は正しいS11が測れないといえます。


Q:  400MHz付近で使用する場合,校正キットを使用する必要はありますか?
A: 詳しく位相を含む複素インピーダンス測定をしたりするのでなく、回路の同調周波数を測る用途であれば校正キットは無くてもよいと思われます。スミスチャート測定でも通常ネットワークアナライザー自体に位相や電気長を補正する機能がありますので校正キットが無くともおおよその複素インピーダンス測定が可能です。ただし、複素インピーダンスを測定する場合はできるだけ校正キットを入手して校正することが望ましいといえます。

 

Q:  ネットワークアナライザーがあればスペアナは不要ですか?
A: スペアナ機能を持たせたネットワークアナライザーという機器も一部ありますが.通常のネットワークアナライザーはスペアナとしては使えません。スペアナの被測定物は自ら何らかの周波数を発生しているものです。ネットワークアナライザーはネットワークアナライザーから出している参照信号に対する被測定物(回路)の応答を見ます。従って,参照信号と無関係に自ら発生している回路をネットワークアナライザーにつなぐと不要なレベルがネットワークアナライザーの検出側に混入してしまい回路応答を見るというネットワークアナライザーとして働かなくなります。
テスターでたとえて言えば、スペアナはテスターの電圧測定機能のようなものです。回路が自ら出している電圧を測っています。一方、ネットワークアナライザーはテスターの抵抗測定機能に対応します。テスターから電流を加えて被測定物に発生する電圧を見て抵抗を測ります。回路内で電圧の出ている抵抗を抵抗レンジで測っても正しい値が得られません.。

 

Q: パワーアンプの1dBコンプレッションをネットワークアナライザーで測定する方法は?

A: アジレント社のネットワークアナライザーの資料の中に詳しく出ています。
http://cp.literature.agilent.com/litweb/pdf/5965-7710J.pdf

Network Analyzerの横軸に印加パワー、縦軸にゲインを表示させます。パワーリニアーの領域では一定の横線ですが、アンプが飽和をはじめるとこのカーブが右に行くにしたがって下がってきます。
リニアーのレベルから1dB下がる(低く出る)点が1dBコンプレッションの点です。

上に示しましたAgilentの資料では本来1dB compression pointはamp入力レベルで規定されると書かれています。しかし一般には出力レベルで表わされます。その場合の出力レベルは1dB下がった出力を用いるようです。

なお、単にネットワークアナライザーの出力をW以上出力できるアンプにつなぎ、そのアンプの出力をネットワークの入力ポートにつなぐと確実に測定器を(ネットワークアナライザー)破損します。必ずハイパワー用アッテネータをアンプの出力につないでからネットワークアナライザの入力につなぎます。減衰量はアンプのゲインから計算します。

EMC試験用のパワーアンプは通常100W程度の出力(dBmで表すと50dBm)です。またアンプの入力は通常0dBmで設計されていてこの場合ゲインは50dBあります。

これよりアッテネータの減衰量は60dB程度が望ましいといえます。100W印加できるアッテネータは30dB程度が普通です。100W(50dBm)を30dB減衰させるとその出力は50dBm-30dB=20dBm と0.1Wになります。ハイパワー用30dBアッテネータの出力に1W用30dBアッテネータをつないでトータル60dBのアッテネータとします。

なお、接続したアッテネータの減衰特性はネットワークアナライザで測って校正しておき、出力レベルを逆算して求めます。


参考 ネットワークアナライザーを用いずにAMPの1dBコンプレッションを求める方法
1)スペアナを用いる場合

被試験アンプの入力にはレベルのわかっている信号発生器をつなぎます。アンプ出力には1)と同様な大電力用アッテネータを経由させてスペアナ入力につなぎます。

信号発生器の出力を被試験アンプが飽和していない出力レベルになるように設定してスペアナで読み取った値と入力レベルからアンプゲインを求めます。

被試験アンプへの入力レベルを少しずつ増やして行ってゲインが1dB下がる点を求めます。

アッテネータの減衰量や信号源のレベルが校正されている必要があります。

なお、スペアナ自体が飽和して1dB下がっていることがあるのでスペアナは飽和していない領域を使っていることを確認してからレベルを記録するほうがよいと思われます。


一般に測定精度はネットワークアナライザを用いる場合より劣ります。


2)パワーメータを用いる方法

2)と同じような構成となりますが、100Wを直接パワーメータで計る場合はアッテネータはなくともよくなります。
パワーメータで出力レベルを求め、入力レベルを増やして行ってゲインが1dB減る点から求めます。

一般にパワーメータの精度はあまり高くないので1)より測定精度は下がります。

 



 
技術資料

アジレントテクノロジーのアプリケーション資料 (旧ヒューレットパッカード社計測機器部門)提供の日本語資料。ネットワークアナライザーに関しては以下の資料などがあります。

? ネットワークアナライザーの基礎 (ネットワークアナライザー全般にわたる解説資料。約100ページの英語OHP資料で各ページに日本語の解説付き。12Mbyt pdf。)
? ベクトル・ネットワーク解析の基礎 (Sパラメータ、伝送線、スミスチャートの基礎含む。AN1287-1)
? ネットワークアナライザー測定に対する誤差補正  AN1287-3。15ページ。400k pdf
? ネットワークアナライザーのフィルター、アンプへの応用 (AN1287-4)
? S parameter Design  44ページものSパラメータを使った設計法の資料 AN154。850kb pdf (英語)

 

アジレントテクノロジーの技術資料のページは英語と日本語などいくつかの翻訳があり、さらに世界40か国に対応しているそうです。このためかアドレスは流動的になっています。このため上記リンクはつながらなくなっていることがあり得ます。2001/8/9アジレントテクノロジーの加藤さまより最新アドレスの連絡をいただきました。アジレントテクノロジー内部でもリンク切れに困っておられるとのことです。 追記: 2008年にはほぼ問題なくスムースに見れるようになっています。




 
ネットワークアナライザー使用例  (更新中)

 


高周波回路教室  I-Laboratoryのページ。ネットワークアナライザーを使って回路を見る様子を図入りで紹介。

長野県精密工業試験場 (岡谷)のネットワークアナライザ設備紹介。

岡山県工業技術センター (岡山)のネットワークアナライザ設備紹介。岡山県在住者は1時間700円、県外者は倍額の使用料。全国の工業技術試験所は同じような料金で使用(所内で)できるようです。使い方の講習を受ける必要があるところもあるようです。

群馬県工業試験所 でのネットワークアナライザを含む設備一覧

徳島県立工業技術センター 電波吸収材の特性をネットワークアナライザで測定するための冶具も紹介。

東京工大 安藤研 のネットワークアナライザー等の設備紹介

京都大学 物理八尾研 のネットワークアナライザー使用例。

東北大学 金属材料研究所 45GHz-108GHzレンジとのこと。写真のどこにアナライザーがあるのかよくわかりませんが..。おそらくラックのどこか。

アマチュア無線家所有ネットアナ 個人所有のHP8754A。純アナログのネットワークアナライザー。最近のシンセサイザー方式と比べると正確な周波数を読み取ることは困難。HP8754Aなどは図1で示しました方向性結合器が外部接続となります。写真でトランスミッション/リフレクションテストセットと書かれている機器の上に置かれた小さめの箱が方向性結合器です。





 
ネットワークアナライザーのメーカー

アジレントテクノロジー  ヒューレットパッカード社の計測機器部門が1999年に独立した。RF計測器の世界的なメーカー。ネットワークアナライザーは世界的リーダー。


Agilent製ネットワークアナライザーの例
(Agilent社HPの写真より)

 

(旧) アドバンテスト   アドバンテストはネットワークアナライザの販売を停止しました。 一般向け計測器はスペアナや一部の測定器のみの販売。 同社のホームページで従来製品のマニュアルがダウンロードできるようになっている。中古ネットアナを入手の場合は役に立つ。
 富士通グループで主に半導体用試験機や製造装置を作っているメーカー。 富士通が乗り出す前はタケダ理研という名前の同族経営の計測器メーカーだった。 Rohde & Schwalzと提携しスペアナなどを互いに販売。  半導体試験機器、製造機の製造販売により集中するためネットワークアナライザなどの測定器から撤退したと見られる。

 ADVATESTブランドのネットワークアナライザの一部は2009年現在、アジア・米国以外ではローデシュワルツから購入できる。


 

アンリツ 日本電気グループで計測器を作っているメーカー。時間の超精密計測などが強い。USAのRF計測器メーカWiltron (ヒューレットパッカードにつぐネットワークアナライザーメーカだった。)を1990年に買収。

MS4622A.
アンリツ製ネットワークアナライザーの例
(アンリツのHPの写真より)

AVCOM  $3900クラス。 基本的には1GHzスペアナ。USAのメーカ。位相測定機能無し。
GIE  ドイツのメーカ。3M-1.3GHzと3GHzのタイプ。 位相測定機能無し。IBMPCに組み込むタイプ(PCI-BUS、位相測定機能無し)も作っている。ただし、最近のホームページにはネットワークアナライザーの紹介がなくなっています。


Rohde & Schwalz ヨーロッパ(ドイツ)の計測器メーカ大手。妨害波測定の国際規格はこの会社のノイズ受信機の 測定をベースに作成されたとか。
            Advantestブランドのネットアナも一部販売している(米国、アジア以外)。


ローデシュワルツ製ネットワークアナライザーの例

Shason Microwave   0.3M-200MHzのベクトルネットワークアナライザーモジュール。位相測定機能あり。
 



 
ネットワークアナライザー中古情報

以下のリンク先は本ページ管理者とは無関係です。お問い合わせは直接リンク先等にお願いいたします。

1) Yahoooオークション オークションのページで商品を検索するの欄に ネットワークアナライザ ネットアナ と入れて検索。
               分野は "すべてのオークション" にしておいた方がヒット漏れが減るようです。

2) ネットワークアナライザー中古情報  ハイテックアンドファシリティーのページ

3) (株)杉原電子:  店頭販売は終了。ネット販売のみとなっています。  立川市上砂町 3-3-1。0425-36-2140。2006年ホームページができました。杉原電子で取り扱っている中古計測器はトランジスタ技術の宣伝でも見れます。ちなみに3GHzのHPネットワーク(アナログタイプ)が15万円で店頭にでていました(2002/10/20)。 

4) TUCKER社 米国の中古計測器商社。ホームページからは結構しっかりしている大きな会社の様です。英語



関連ページ

高周波計測器ページ (本ページの親ページです。)



更新情報

12-Jun-2009 TG付スペアナによる通過特性の測定法など追加。メーカ情報の全面的な更新
12-Feb-2007 アンプの1dBコンプレッションレベルの測定法追加
21-Oct-2006 杉原電子ホームページへのリンク
21-Jun-2004 スパムmail対策
15-Feb-2003 目次追加、Q&A項追加
17-Oct-2002 ネットワークアナライザーの使い方(Delay)追加
14-Mar-2002 ネットワークアナライザーの使い方(アンプゲイン、位相)
04-Oct-2001 高周波のページリンクを計測器のページにアドレス変更。
24-Aug-2001 ネットワークアナライザーの使い方(校正キット)。
09-Aug-2001 アジレント資料リンクupdate。アジレント、アンリツaddress update。
16-May-2001 アジレント資料リンクupdate。ネットワークアナライザー使用例追加。
15-May-2001 ネットワークアナライザー説明修正。
22-Mar-2001 ネットワークアナライザー説明修正。スペアナ図追加。
16-Mar-2001 ネットワークアナライザー構成図修正。
14-Mar-2001 ネットワークアナライザー構成図追加。高周波のページリンクアドレス変更。
18-Sep-2000 アドバンテスト説明修正。
10-Aug-2000 文章の乱れ修正。Sパラメータ説明ヘのリンク先変更。
07-Aug-2000 アジレント技術情報ヘのリンク一旦削除。アジレントリンクアドレス変更。
12-Jun-2000 関連リンク追加



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