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1981年製 Tokai LS-80 BK


1981年製Tokai LS-80。サンバースト系の個体はよく見かけるがブラックは珍しい。

コピーモデルとしては決して珍しくないオペイクブラックのレスポールスタンダードだが,オリジナルでは非常に珍しい。The Beauty Of The 'Burstに掲載されているものにはブラックは1本だけ(p161)で,そこの解説には"only a few"つまり2~3本しか製造されなかったと記載されている。

バーストという呼び名の通り,元祖レスポールスタンダードの塗装仕様は原則的にサンバースト1色のみ,それ以外のカラーは例外的に作られたということ。

塗装という面からレスポールのコピー史を眺めるのも面白いだろう。

オリジナル・バーストが作られた時代から,現存しているレスポールは齢を重ねている。いやどんなギターだって年を取る。しかしバーストはちょっと違う。塗装が生きている。フェードという表現がよく用いられるが,退色して色が変わっていく。

これはもちろん作った側が意図的にそうしたのではなく,当時の塗装テクノロジーがそういうものだったということに過ぎない。作った側にしてみれば安定して美しい発色があるに越したことはないと思っていたに違いない。

後の時代に作られたコピーモデル,ここでは塗料や顔料の仕様までも完全に復元した高価なレプリカの話ではなく一般的な量産型コピーモデルについてだが,これらのギターはバーストの老化現象におけるある一時期の写真のようなものといえる。鮮やかなチェリーサンバースト,赤みが抜けたタバコサンバースト,ダークバースト,さらに退色したティーバースト,ハニーバースト,そして全体が一様なまでに退色したレモンドロップ,だがこれらをコピーしたギターは年を取らない,コピーされたときの色のまま,塗装技術が生んだ皮肉な結果によってそのギターの一生涯同じ色を発する。しかし作られてから30年も経過したギターが採れたての佐藤錦のようなチェリーカラーというのは,やはりイヤだ。

年を取らないものというのは不気味だし,わざわさ手間暇かけて古ぼけた状態を再現するというのも私は気に入らない。使い古しを再現したジーンズを買うのと同様アホらしいと思う。100万円もかけたリアルレプリカなど愚の骨頂。持っている人達,ごめんなさい。

コピーモデルは年を取らないといったが,ある程度の値段をかけたものであれば使い込むとだんだん年を取ってくれる。自分で使って年を取らせるのがいい。

ピックアップはTokaiオリジナルでカタログ上はLSビンテージという名称で記載されている。PAFの完全レプリカと謳っているが実際には全く違う印象,音質特性はむしろP-90に近いかもしれない。PAFを模したハムバッカーの音ではない。このような音の特徴に対して以前はかなり辛口評価をしていたが最近はまんざらでもないと感じている。これがTokaiの音なのだからTokaiの個性として感じ取ればいいだけのこと。P-90が好きな人にはいいかもしれない。

トップはメイプル2p,バックはマホガニー1p,オペイクブラックでも仕様をきちんと守っているあたり流石。指板はハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)。当時はLS-80以上のクラスでは指板にハカランダが使用されていたようだ。カタログ上は「最高級ローズウッド」と表現されている。



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