海線丘線

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電網浮遊都市アルファポリス「現代小説」〜海線丘線 *週に一度のクリック、よろしくお願いします(作者へのご声援用バナー)

 


 

 丸町と港を結ぶ小さな鉄道の運転士をしていた堀松佐良は、かつての駅舎を活かした記念館の館長をしながら静かな日々を過ごしていた。廃線後の丸町にかつてのような賑わいはないが、決して寂れている訳ではない。ある日、需要が見込めるとの想定で、往年の線路跡を足がかりにライトレールトランジットを走らせる話が佐良のもとに届く。電車の復活である。佐良にとっても悪い話ではなかった。だが、廃線に至った経緯などを考えると懐疑的にならざるを得なかった。

 

 見切りのような形で工事は始まるが、佐良の旧友、沿線協議会、運営にあたる新会社との関わりの中で、佐良の考えは変わっていく。そして沿線や地域に寄せる思いとともに復活に向け切り盛りするようになった。地域住民の反応も徐々に上向き、工事は進んだ。

 

 記念館に隣接する引込線でイベント列車として運行していた旧型車両は、港に移送されることになった。復活の話から二年と数ヶ月が経ったある日、佐良は移送される車両の運転台に立つ。運転はしないが、感覚を取り戻す必要はあった。それは開業前日のセレモニーのためだった。

 五月一日、セレモニーが催された。佐良は自身の半生と復活に至るまでの経緯を語った。そして旧型の最終運行に臨むのだった。