<資料>
新しい型の宗教組織による
法の侵害に関するEC議会決議

1984年5月、EC議会は、新しい型の宗教組織による法の侵害が社会の問題になっていることについて、関係諸機関の情報交換の必要性などを決議しました。この決議の中で、EC議会は各組織の活動の調査・評価にあたって、次の13項目の基準を適用するよう勧告しています。日本における宗教団体等の活動について考える上でもたいへん参考になります。

a. 未成年者は、その人生を決定してしまうような正式の長期献身(solemn long−term commitment)を行うよう勧誘されてはならない。

b.金銭的または人的なかかわりをすることについて、相応の熟慮期間が設けられるべきである。

c. ある団体に参加した後も、家族や友人との間で連絡が許されなくてはならない。

d. 大学、高校等に学ぶメンバーの修学が妨げられてはならない。

e. 妨げられることなくある運動から離れる権利、自らまたは手紙及び電話で家族や友人と接触する権利、独自の助言を求める権利及びいつでも医師の手当てを求める権利は、尊重されなくてはならない。

f. 何人も、特に資金獲得活動に関して、物乞いや売春などによって、法を破るようにそそのかされてはならない。

g. 外国人旅行者を終生かかわる運動に引き入れてしまう如き勧誘はしないこと。
h. 入信の勧誘(recruitment)の間は、その運動の名称及び教義が、常に直ちに明らかにされなくてはならない。

i. そのような運動は、要求があれば、権限ある官庁に対し、個々のメンバーの住所または所在を告知しなくてはならない。

j. 新宗教運動は、それに従い、そのために働いている個々人が……社会保障給付を受けることを保障しなくてはならない。

k. ある運動の利益のために外国を旅行するときは、その運動体はそのメンバーを本国に戻す責任(特に病気になったとき)を負わなくてはならない。

l. メンバーの家族からの電話及び手紙は、直ちに取り次がれなくてはならない。

m. 運動体内にいる子どもについては、教育や健康、さらには悪環境の除去等について配慮されるべきである。

引用文献:

『「宗教トラブルの予防・救済の手引き」
宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準
日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会編』
教育史料出版会