電波伝搬現象編

AMラジオ遠距離リスナーのための伝搬現象概論

☆電波の伝わりかた

自然は絶えず変化しています。電離層もまた然りです。
ここでは、電波伝搬の諸現象を論じてみようと思います。

☆フェージング

フェージングというのは、電界強度が数秒から、数分間隔で変動することをいいます。
具体的に言うとAMラジオを聴いていて「うぉ〜ん、うぉ〜ん」と周期的に音が聴こえやすくなったり
聴こえにくくなったりする現象。
フェージングにはさまざまな種類がありますので、その一例を述べてみたいと思います。

♪跳躍性フェージング
電離層の電子密度の変動により、電波が電離層を突き抜けたり、反射したりして生じます。
日の出や日没など、太陽活動が大きく変化するときに起こりやすいです。

♪干渉性フェージング
受信点への電波の経路が違うとき、位相差が生じて電波の強さが変わります。
波が干渉した際の「重ねあわせの原理」によります。(高等学校の物理の教科書を参照)

♪吸収性フェージング
電離層の電子密度は絶えず変化しており、そのときの減衰も変わります。
そのときの変化によって生じます。AMラジオの場合、第一種減衰の変動状態によります。

※参考:ダイバシティー
フェージングを軽減するために取る方法の典型的な例をあげてみましょう。
・電波を2個所で受信して、それを合成する。
・異なった周波数で同時に送信して、受信機で合成する。
・違うアンテナで受信して、それを合成する。
このように、受信の際、波の重ねあわせの原理を使い、合成して、良く聴こうとする方法を
タイバシティー(合成受信)と呼びます。
最近、携帯電話の世界でも「スーパーダイバシティ受信」という言葉を聞きますが、
基本原理は同じです。

☆デリンジャー現象

太陽に照らされている時間、つまり昼間に起こります。
フレアによって紫外線が増加して、電離層のE層、D層の電子密度が増します。
数分から数時間受信強度が低下します。消失現象ともいいます。
中波帯では、短波帯より影響は少ないでしょう。

☆ロングパス

電波はいろんな経路をたどって受信点に到着します。普通、一番近い経路を受信
しますが、その経路が閉ざされたらどうしますか?あえて遠い経路を想定して、
アンテナを放送局とは違う方向にずらしてみましょう。聴こえる場合があります。
この経路をロングパスと呼びます。

☆エコー

電波の到達経路はいろいろありますので、遠回りして届く電波もあります。
すると、ちょっと遅れて、同じ音が流れて、ちょうど木霊のように聴こえたりします。
これをエコーといいます。

☆ニヤバイエコー

放送局の近くだと、地表波と他の経路(散乱等)との間でエコーが生じる場合があります。

☆回折

高校物理を履修された方ならご存知の現象です。
中波帯の地表波は地表に沿って回り込むように伝わります。つまり経路に山がある場合でも
回り込んで受信点で受信可能の場合があります。また、かえって電界強度が増す場合もあり、
山岳回折利得などと呼ばれます。

☆散乱

電波が波長に比べて小さい物体に当たって散る現象です。
電離層の変化や大気のゆがみによっておきます。

♪最後に

思いっきり、簡単に中波の伝搬現象基礎を述べてきました。
大雑把に書いたんで、語弊があるかもしれません。
多めに見てください。急いで書いたことだし。

結局、絶えず、状況が変わっていること、
それを理解すると、遠距離受信に有利になるということを言いたかったんですが。
いかがでしたでしょうか?