「ダイナマイト・ナース」
作:駆虎人I号 メーカー:ホビージャパン プレイ時間:30分 プレイ人数:2〜6人

「とある世界の、病気やケガに苦しむ患者をいかに治療して元気になってもらうかという、きわめて健全なカードゲームです(ルールブックより抜粋)」・・・と聞くと、えらく良心的でハートフルなゲームに見えますが、ところがどっこい大違い。ゲームの目的は、自分の病院の評判をよくするために“他所の病院に患者をガンガン送り込み、死亡させ、評判を落とすこと”なのです。
 患者カードを使えば好きなプレイヤーに患者を送りつけることができます。病院にあるベッドと同じ数までならば患者が来ても大丈夫ですが、ベッドの数を超える患者が来てしまうと、次のターンにその分の患者の容体が悪化し、さらに次のターンでは死亡してしまいます。そうさせないためには患者を手術しなければなりません。医師カードを使って手術をすれば、容体を1段階回復させることができます。容体悪化している患者であれば通常状態に、通常状態の患者ならここで退院させることができるわけです。
 しかし、このゲームの凶悪さは数々のイベントカードにあります。自分のところに来た患者を他の病院に回すことのできる「たらいまわし」カードや、手術を失敗させる「インターン」や「誤診」カード、患者の容体をとつぜん悪化させる「容体急変」「伝染病」カードなど、過激なカードがいっぱいです。たらい回しさせられた病院でさらにたらい回しさせられ、何軒もの病院をひたすら転がされたあげく“直前に使われたカードを完全無効化”する「そんなはずはない」カードで、前の病院に戻されたりする患者なんかもザラです。
 まぁともかく、こうしてどこかの病院で10人の死亡患者が出たらめでたくゲーム終了となり、この時点でもっとも死亡患者が少なかったプレイヤーが勝者となります(2位以下はありません)。また、10人の死亡患者を出したプレイヤーには晴れて「ダイナマイト・ナース」の称号が与えられます。

 かわいいイラストとは裏腹にかなり強烈なインパクトのあるゲームで、このゲームをした後にプレイしたゲームが薄く思えてしまうほどです。患者の命などなんのその。己以外はすべて敵。トップはひたすら最下位のプレイヤーを攻撃し、他はトップを引き摺り下ろそうと、血も涙もない阿鼻叫喚のバトルロイヤルが展開されるのです。ダイナミックなゲームや刺激的なゲームをプレイされたい方にうってつけのゲームといえるでしょう(笑)。
 このゲームには「ダイナマイト・ナース2」という続編が出ていて、1と2を合わせてプレイすることもできます。凶悪さがパワーアップしますが、ちょっとゲームが大振りでバランスが悪くなってしまってる気がします(復活がしやすい)。なので、容体を一挙に回復させたり、死亡患者をなかったことにする等の復活系のカードを少し抜いてプレイした方がよいかもしれません。また、個人的にはゲーム終了の死亡患者数10人は多い気がするので、5人程度に減らした方が快適にプレイできるかと思います。

 ともあれ過激な「ダイナマイト・ナース」。あくまでジョークなゲームなので、くれぐれもケンカなどしないように。ケンカする場合も、仲良くケンカするようにしましょう・・・(^.^)
(お気に入り度 ★★★★★★★★・・