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来る来月12,13日にロンドン、クリスティーズで行われるはずだったダムフリーズ・ハウス(Dumfries
House)のオークションが中止になリました。ですが、すでにカタログは出来ていて、郵送済み。2冊組みのかなり厚いもの。約1万5千円も払って、このカタログを買ってオークションは無いと、何とも普通ではあまり聞かない話なのですが、裏では多大な尽力と多くの人が、、、、。
このダムフリーズ・ハウス、スコットランドの南西に位置するアイアーシャアー(Ayrshire、読み方には全く自信なし)にあり、5代目ダムフリーズ卿の意図のもとに建立。1747年、建築家ウィリアム・アダムと共に始まった計画は、彼の死と共に、その三人の息子達に引き継がれます。そしてそのうちの二人が、その後ネオ・クラシシズムを英国全土に流行らせるロバート、ジェームス・アダム兄弟でした。これは彼らにとってかなり初期の仕事である為、ネオ・クラシシズムの様式と言うより、バロック様式から引き継がれた、パラディウム様式の相が強く、あまり彼らの代表作とは見られていません。
建物自体はは1754年から、建設が始まり5年の歳月をかけ完成。そこへ彼らの友人だったトーマス・チッペンデールの製作した家具が入ります。チッペンデールへのコミッションはかなりの額にのぼります。
その約250年前に発注され、製作され、納品され、未だその場所にあり、全てのドキュメントは存在し、100%太鼓判でこれはチッペンデール作と言えるこのコレクション、個人の物としては恐らく最高の物。これが全てオークションに掛かるというのだから、それこそ、ディーラーから、個人収集家、美術館までが舌なめずりして待ち焦がれたに違いありません。 イギリス家具の最高落札額を超えること間違いなしと、言われていたローズウッドのブックケースは200万ポンドから400万ポンド(大体6億円から10億円)ぐらいの落札予想価格。
いざオークションに掛かると、正直な所、このチッペンデールの家具の半分以上は英国から出て行ってしまうこととなるでしょう。ここの所ロシアン、チャイニーズ・マネーには目を見張るものがあります。ロシアの富豪がポンと買っても不思議ではありません。さらに、ここまでオウセンティックなチッペンデールは怱々出てくるものではなく、アメリカの裕福な美術館が欲しがってもおかしくないでしょう。
しかし、これを憂いる愛国の士が(こんなこと書くと右翼っぽいが)、各基金を纏め上げ、この備品全てをふくめた建物、土地を「国の宝」と認識し、国が買い取ることになったそう。それ故にオークションは中止。チャールズ皇太子もこれには多大な貢献したと言う。来年には、一般に公開する予定だそう。
やはりこのメンタリティが日本には欠けているのかもしれない、と思う。たかが家具だが、されど家具。しいて言えば、家一件のために皇室までも巻き込んでお金を集め、「国の宝」とし、それを守る姿勢。以前にも雑記で書いたが、こんな文化財を守るシステム(じゃないけど?)を私達も持つべきだろう。
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