世界的家具意匠考

 

日常的煩煩雑記

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#12 文化財を守る法律

去年の暮れに新聞で目にしたこの記事、

”Culture Minister, David Lammy, has placed a temporary export bar on two paintings by Giovanni Antonio Canal, Il Canaletto (1697-1768): View of the Grand Walk, Vauxhall Gardens and The Interior of the Rotunda, Ranelagh. This will provide a last chance to raise the money to keep the paintings in the United Kingdom. ”

平たく言ってしまえば、文化相(大臣?)が一時的に、絵画の輸出に待ったを掛けたというものです。

絵画は、18世紀のイタリアのはベネティアを代表する景観画家であり、版画家であるアントニオ・カナル(Antonio Canal)。カナレット(Canaletto)の愛称での方が有名でしょうか。世界の有名な美術館には、1枚や2枚は所蔵されている彼の作品、しかし、彼が書いたのは主にイタリアの風景、そしてイタリア人、なぜイギリスがこの絵画に対して輸出規制を?? と、言う疑問が沸きます。

この「The Export Control Act 2002」という法(条例のほうが正しいか?)、英国の文化に関する物の輸出に一時的にストップを掛けることが出来、その上輸出する額で買い取る権利を有するという物。ある一定期限までにお金を集める、もしくは買い手を見つけられなければ、しぶしぶながら輸出にGoのスタンプを押さなければいけません。以前は、どの美術品に輸出待ったを掛けるかは、文化、メディア及びスポーツ庁(省)(Department for Culture, Media And Sport)が執り行っていましたが、2005年4月より、The Museums, Libraries and Archives Council (通称MLA)が、その責任を肩代わりしました。詰まるところが、お役所のお役人から、アートのプロの連中に選択を決める主権が変わり、最終的には文化相の名前で輸出の一時的な禁止を発動するということです。

話がずれましたが、この絵画、カナレットがイギリスに招かれてきた、1751年に描かれたものです。下の絵が、「ヴァクスホール・ガーデン、グランド・ウォークからの眺め」で、18世紀のロンドンの名所の一つであったヴァクスホール・ガーデンの様子がまざまざと書かれていて、MLAは、ここに文化的価値があると判断したわけです。確かに、写真発明以前の時代では、その当時の生活の様子を知る手がかりとしての絵画と言う物は無視出来ません。

しかし、イギリス人の画家でもない絵に対し、これはイギリス国家として文化価値があるという判断を下し、一時的に輸出を禁止の措置をとり、お金を集め、買い取ろうという試み。これこそが、文化とはなんぞやを模索しながら錯誤しているイギリスの心意気のように感じてなりません。賛否両論はある美術館、博物館の入館料無料というのもどこか根が同じような気がします。

さて、このカナレットの絵、一時的な禁輸措置は2月の20日まで。それまでに6億ポンドのお金を集めなくてはなりません。こういうところに公的資金は使いませんから、一般からの献金もしくは、6億出して俺が買ってやるという紳士(じゃなくてもよいですが)の登場を待たなくてはなりません。

*昨年同じような措置になった、ジョシュア・レイノルズ卿の絵が、3.2億ポンドの献金を集め、無事テート美術館に購入されました。
 これが集まっちゃうところがこの国の凄い所です。

日本に同じような制度はあるのでしょうか??  

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