DIFICULTAD キューバでの困難な生活

停電(APAGÓN)

キューバといえばアパゴン、アパゴンといえばキューバと以前は言われていたけれども、2006年に入って電力供給がかなり安定したようだ。2005年の終わりまで1日6時間ぐらいの停電が1日おきぐらいにあったり、電気が一回切れた後、すぐに200V以上の電圧が来て、また急に30Vぐらいに下がったりしてどんな電化製品でも壊れてしまう現象QuitaPonが出たり、相変わらずだと思っていたら、2006年の夏には停電は殆どなくなってしまった。せっかく船のエンジンを改造した発電機を買ったのに。でもこの状態も何時まで続くのか疑問だ。政府は少しばかり給料を上げ、ヘボイ電気調理器関係を無理やりに近い形で皆に買わせて、ガツンと電気代をあげた。無理やりに近い形というのは、ガスの配給をストップさせたからだ。ガスを配っている人達が違法に横流しをしていて、国にそれほど儲けがなかったからなのか、とにかく急な事で皆アパゴンが来たらどうしようと慌てていた。恐らくベネズエラのチャべスが駄目になったら、また苦しいアパゴンの時代が来るかもしれない。

キューバのアパゴン時代を振り返ってみると、停電の殆どない日本に住んでいる人達には想像が付かない様な不便な生活をしていた。時間ごとに停電の生活を見てみよう。
 朝起きて停電していると、冷蔵庫の下に冷凍庫から解けた氷による水溜りができている。「あ〜あ、今日は朝からアパゴンか」 冷たい水は朝から飲めない。冷たい水ばかりではない。水道の蛇口を直していなかったり、夜寝る前にPOZO(井戸)のポンプをまわして水を屋上のタンクに汲み上げておかないと、トイレや台所からも水は出ない。「どうして昨日ポソつけなかったの!?」 「俺は〜がつけたと思ってたのに!」と朝から喧嘩だ。しょうがない、朝から運動でもするか。男3人、100回ごとの交代で手で井戸のポンプをカッチャンキシー、カッチャンキシーと上下に動かす。雨水を貯めてあるタンクもあるけれども、これは洗濯をするのに取って置かなければならない。キューバで配給される石鹸は井戸の水では泡が立たないのだ。そして何時から電気がなくなったのかに依るけれども、配給のパンや4ペソの固いパンもない時もあり、そんな時は朝飯なしで仕事に行かなければならない。仕事? 電気がなくて仕事になるのか? もちろんならない。普段からあまり働く気のない人が多いキューバでは、このアパゴンのせいでだらけ気分がさらに増す。まぁ農民にはあまり関係ないけども。
 昼間から停電が始まると、どうなるのか。もちろん家には暑くて居られない。仕事している人達も暑くて仕事にならず、家が近い人は家に帰ったりする。パソコン使って仕事をしている事務所はもちろん閉まる。病院も「今日は水がないから」と言って、色々な検査ができない。そして村や町は墓場と化す。
 夕方から夜にかけて停電になると、夕食に影響するのと、ノベラ(連続テレビドラマ)が見れなくなるので、子供たちは「どうか神様、Mesa Redonda(討論番組)とニュースはいいから、ノベラが始まる前には電気が来てくれますように」と祈るのであった。大人たちは野球の中継に影響すると「Come mierda!!!」と絶叫する。私は「まっ、俺はどうでもいいよ」と呟き、短波ラジオでNHKの日本語放送を聴くために屋上に上る。何故停電の時かと言うと、普段キューバ政府はマイアミからのラジオ放送Radio Martíを妨害するためにプープープーと妨害電波を鳴らしていて、これにNHKの放送も妨害され、停電で妨害電波が流せない時でないとよく聞こえないのだ。   
 夜中から停電が始まると、扇風機が止まって皆暑くて眠れないのと、蚊に刺されるからから(キューバでは扇風機で蚊を殺したり、強風で寄せ付けないようにしている)、portal(玄関の軒先みたいな所)にもそもそ出て来て、お話し合いを始める。「今日も星がきれいだ」。キューバは大気汚染がなく空気がきれいなので、暫く上を見ているとすぐに流れ星が見える。これが唯一アパゴンがあっても良かった事だった。 

写真付き解説

これは2005年12月中旬のGranmaから切り取ったもので、料金が電気を使えば使うほど割り増しになっているのがわかります。
電気料金新聞

 

これが電気代の請求書。場所と名前は消してありますが、あとはオリジナルです。キューバでも冬だとお湯を沸かしてバケツの水と混ぜ、ぬるま湯にして体を流します。一人バケツ一杯なので、計算しないと足りなくなります。電気代は218ペソクバノと、この月が今までで最高の額を払いました。今までは50ペソぐらいだったのに。 Un aparato para que no se ronpa el refri.
キューバでは1回電気が落ちて、すぐに来て、またすぐに落ちるという事が頻繁に起こるので、それの対策としてこの装置を冷蔵庫に付けます。これは1回落ちると5分くらい電気が来ない様になっています。ショッピングで15CUCぐらいするので、貧しい人は厳しいけれども、つけないで冷蔵庫が壊れるよりまし。
これが電気の220V用のメーターで、110Vのもあります。以前はこれを改造して電気代を払わなかった家が多発したので、今では結構厳しく見回っているそうです。 Lavadora rusa.
この水色の四角い箱がキューバの一般的な洗濯機です。回る羽根のような部分が下ではなく横についていて、ロシア製だと思います。このほか冷蔵庫も未だにロシア製の古いのを使っている人も沢山います。
電気代1 aparato1 contador lavador

 

電気製品の配給:Trabajadores socialesを使い、フィラメント式の電球から蛍光灯に換える作業に始まり、色々な物が配給された。これらは田舎の方が早く配給されたようで、ハバナでは私たちが受け取ってから何ヶ月経っても、まだ配給されていなかった。恐らくハバナに住んでいる人達はお金もあるし、反フィデルの人達も多いので、遅くても良いと政府は考えているのかもしれない。
  普段こういう物を使い慣れていないキューバ人は間違った使い方をして壊してしまい「やっぱり使えねーよ!」と怒っているが、炊飯器や調理器の中に釜を入れずに、直に米と水を入れて電源入れたら、そりゃ壊れる。

これが政府から配給された湯沸し棒。冬でも昼間の暑い時なら大丈夫だけれども、夜にお風呂に入る時には、これをバケツに突っ込んでお湯を温め体を流す。結構電気を食う。値段は忘れたけれども50pesoぐらいか?

そして電気コンロ。殆どのキューバの料理は圧力鍋を使って料理するのに、圧力鍋のように重たいものは乗せるなと言われた。100pesoぐらい。

これは一番最後に配給されたちょっと高級そうな3種類の使い方があるといわれた電気調理器。使い方が分からず、壊した人も多い。350peso。 扇風木。本当はここに一番最初に配給された炊飯器(127peso)の写真を載せたかったが、写真が何処かに行ってしまった。で、電気代が上がり、うなだれるキューバ人のような扇風機の写真。
湯沸し棒 電気コンロ 電気調理器 扇風木
老人ホームの前に設置された発電機。この他タバコ工場の前にも設置されている。 日本製だ。しかしキューバ人には日本人と中国人は同じだと思っている人が多い。 これは私が買った発電機。船のエンジンだったらしい。3500pesoしたけれども、とりあえずアパゴンがなくなったので、暫く出番がなさそうだ。 これが村の要。にもかかわらずよく壊れる。それにキューバは電信柱が木で出来ている場合が多いので、台風が来るとよく倒れる。
発電機JP1 発電機JP2 発電機 配電

 

交通手段(Transporte)

アパゴンがなくなった今、キューバの最大の問題はこれだと思われます。石油がないのは分かるけれども、国民の大部分がヒッチハイクで移動しなければならないと言う状態は酷すぎる。キューバの場合、実際にそうではなくても、何かあるとすぐに政府が故意にやっている様に思えてしまう。上にでたQuitaPonも、電圧の上げ下げを繰り返し、わざと電化製品を壊させて国民に金を使わそうとしているのではないかと思ってしまうほどだ。そしてこの場合も、何処に行くにも不便な状態を作って、皆が勝手にいろいろな所に行けない様にし、政府が情報や人の管理をしやすくするために、わざと不便にさせているのではないかと勘ぐってしまう。例えば、私と妻が日本大使館で手続きをするためにハバナに行った時に、警官に呼び止められて、「アンタはSanctiSpiritus州に住んでいるのに、何しにハバナまで来たのだ? 地元の警察署に届出は出したのか? そうでなければ、とっとと帰りなさい!」と言われた。どうやら昔オリエンテの黒人がハバナに沢山押し寄せて来て、それをコントロールするのにその様なシステムを作ったらしい。他のところで詳しく書くけれども、単に外国人と歩いていたからヒネテラ(売春婦)と間違えられ、嫌がらせを受けたのかもしれない。暫くキューバに居ると交通の便が悪いのと、観光地に行くといつも不愉快な目に合うのとで、村を出ない方が良いと思ってくる。

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キューバではガソリン不足と言われていて、未だに馬や牛の力に頼らなければなりません。そしてキューバは肉不足でもあるので、食べるために牛や馬を盗む人達が沢山います。これらの大きな家畜は政府に属していて、盗まれると盗んだ人だけではなく盗まれた人にも罰金刑(500ペソクバノぐらいだったと思う)が科せられる。これは以前「俺の牛が盗まれた!」と言って、自分で食べていた人がいたかららしいけれども、本当に盗まれた人はダブルショックになります。

車やバイクは、普通のキューバ人はもちろん買えません。月給300ペソクバノでは100万円ぐらいする車を買えるわけはありません。よくドキュメントをインチキして外国人や海外に家族が居るお金を持ちのキューバ人が車を買いますが、政府が欲しいと思ったらその時に没収していきます。そして没収された車は政府によって売られます。 キューバは共産主義でも個人所有(黄色ナンバー)の車が認められて走っていますが、一般キューバ人が乗っているこれらの殆どの車は1960年代ぐらいの古いアメ車かロシア製のラーダやモスコビッチで、古いアメ車に関してはTraspasoが認められているようですが、状態の良い物は20000ドルぐらいします。新しいプジョーやヒュンダイで黄色ナンバーの車はどうやらレンタカー上がりのようで、元々古い車を運転していた人が全損事故に合い、保険を使って政府がそれらの車が与えているらしい。実際に自分のボロいフィアットが全損の事故に合い、Daewooの軽自動車が与えられた人を知っているし、酷い場合には、わざと全損にして新しい車を貰った人もいる。まったく納得がいかないような事も、キューバでは普通に起こります。(共産主義で保険?と思うのは私だけでしょうか?)
  因みにキューバで新車を買うと100%の税金が掛かり中古車は50%で、居住権を持っている外国人やスペイン系の人で、車を買える権利を特別に政府から貰っている人達が買えるようだ。買う場所はハバナに行けばフィアットやプジョー、メルセデスなどの代理店があり、ガレリアパセオの一階にも日産や三菱の車を見た事がある。あとロシア大使館で売ってくれるという怪しい情報もあったが、今は駄目らしい。

 貧富の差がないと理想を掲げるキューバで、個人でベンツやアウディを持てるようなキューバ人(黄色ナンバーの高級車が存在する事自体おかしい)と何時間も日向でヒッチハイクをしなければならない普通のキューバ人との差は非常に大きい。お年寄りの人達や赤ちゃんを抱えた人、病人も日向で何時間も待たなければいけない時もあります。病人がヒッチハイクをしていた場合、止まらなくてはいけないという法律があるらしいが、実際には気付かず通り過ぎる場合が殆どでしょう。それなのに役人はクーポン券のようなものを貰いガソリンが無料になり、これを悪用して家族で旅行に行ったり、さらにガソリン券を売っている人までいました。日本でもこの様な事がよくニュースや新聞で取り上げられますが、殆どの人が車が買えてガソリンが簡単に手に入る国での公費の無駄遣いと、キューバのように貧しい共産圏の国での公費の無駄使いでは、また意味が違ってきます。しかもその様なニュースは絶対に新聞やテレビには出ません。

 

親戚の車。みんなから、壊れてばかりでお金がかかるから早く売ってしまいなさいと言われ続けた。 後ろの座席を外すとトランクにある燃料タンクが見える。 まだ直し中だけれども、本当に直るのか? 新しい大型トラックも最近かなり増えたようです。
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夏にCaibarienのキューバ人専用の汚いビーチに行った時の写真。普通キューバ人は皆で金を出し合ってトラックを借りて荷台に乗っていきます。 これはチェコ製のMZという250CCの空冷単気筒2STバイクです。この他キューバにはJAWAという、これもチェコ製のバイクがよく走っています。ハンドルはセパレートに改造してあり、スイングアームも純正とは違います。 プラグキャップなしの危険なバイクです。2STオイルは計量した後ガソリンタンクに入れて、バイクを揺さぶり混ぜます。何馬力かは知りませんが、私のCRM250ARより遥かに遅く感じました。 ハブダンパーはこんな感じで、作りが簡単なのでメンテナンスは楽ですが、部品はキューバ人による手作り品が多く、80km/h以上出すのには勇気が要りました。タイヤは中国製で普通に走って2ヶ月持ちません。おかげで他のバイク乗りから「お前の国の製品は駄目だ!」と言われましたが、もちろん私は中国人ではありません。
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キューバ版トライクでしょうか?  近所の人の車。フィアットのエンジンが後ろに付いている小さい車で、結構キューバでは見かけます。

モスコビッチ。これは旧型でキューバではラーダと共によく見る車だ。ガソリンスタンドで結構パーツが手に入る。

これが運転席。ラーダは何回か運転させてもらったけど、こっちの方が運転しずらそうだ。
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新しいモスコビッチ。エンジンがかなり前の方に積んであり、いかにも適当に作られた車だ。「ポルシェより早い」と持ち主は言っていた。? これがラーダ。クラッチの繋ぎが難しく、少し運転しただけで直に疲れる。ちなみに、この黄色いラーダは1ペソで病院まで運んでくれる専用のタクシー。村の中をいつも忙しそうに走り回って活躍している。 役人がよく乗っているジープ。ヒッチハイクで何回か乗せてもらった事がある。 これも役人関係の車。前のより古そうだ。政府関係の車のナンバープレートは青色。
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きれいにレストアーされたアメ車。これくらいだと200万円以上はする。 何処製の車だか分かりませんが、これの後ろを改造してトラックにしたものもある。 これはトラックのようなバス。長距離の移動には使われず、せいぜい1〜2時間ぐらいが限度。 この様な写真をキューバで撮ると「悪いイメージを与える気か!?」と怒られますが、これが現実です。バスのターミナルでは変な写真を取られないように見張られていて、実際怒られました。
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妊娠している人を定期検診するために病院まで運んでいたバス。普段は普通のバスとして活躍する。 横から見ても分かるとおり、軍用トラックを改造したものだ。 これは本当のバス。ドアは閉まりません。 切ったり張ったりは得意。
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これは本当のトラック。普通vamos a coger botellaと言うと、この様なトラックに乗る事が多い。 時々トラクターに乗らなくてはいけない。これはまだ良い方で、私はサトウキビと一緒にこの村に運ばれた事もある。それでも日向で何時間も待つよりもましだ。 これは珍しい。何人運べるのか分からないが、ダイエットしたい人にはサウナより効きそうだ。 知り合いのトラクターにはUSO PARTICULARと書かれている。個人でトラクターを持つのは、政府からのチェックが厳しく非常に難しい。
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これは最近中国から政府が仕入れた新しいアストロ。長距離移動に使われ、キューバ人はペソ払いで外国人はCUC払い。すぐに壊れて使い物にならないと評判が悪い。そして「お前の国のバスはすぐに壊れる」と文句を言われる。日本人にそんな事言われてもね〜。 これはVia Azulと言うCUC払いのエアコン付き長距離バス。外国人だけでなく、金持ちキューバ人も結構乗ってくる。テレビが付いていて、アメリカの古いハリウッド映画を流してくれる。 ブラジルから援助されたメルセデスの救急車。田舎の方の町にも1台づつ送られて、皆大助かりだ。運転している人もかなり喜んでいた。 これは最近のレンタカー。以前は軽自動車のレンタカーはスバルVIVIOだったけれども、最近は韓国製が多い。そして評判は悪い。日本製にしておけば結局はお金の無駄使いにならないのに・・・。と言ったら褒め過ぎか?
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ORIENTEへの旅に借りたジムニーシエラ。1.3リットルで加速は悪いけれども、パンクも少なく、悪路の走破性も非常によい。Sierra maestraに行く人はこれがお勧め。

トヨタのビッツ。こっちではヤリスと呼ばれている。燃費も思ったより悪いし、キューバはBache(道の穴)が多く、すぐにパンクしてジムニーの方が安くてよかった。レンタカーは赤茶ナンバーでTの文字が最初に付く。 これはパンクを直してもらっているところ。ビードを落とす工具は改良に改良を重ねた自信作らしい。 チューブレスタイヤの裏側からパッチを当てて直している。この直し方のほうが、単なるゴムを丸めて円柱状にした物を詰め込まれるより再パンクしない。キューバでパンク修理に出す時は要注意。特に田舎の方ではチューブレスタイヤは直せないし、直してもすぐにまた空気が抜ける。ここまでやってくれたのは私が知り合いだからだと思う。
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全てが手作業で、トラクターのパンク修理は大変そうだ。 乗り物ではないけれども、近所のタバコ倉庫から葉を運び出している。 Topes de collantes付近で見かけた風景。Yuntaか、見る分には風情があっていいね〜。 これは店で4ペソで売っている硬いパンを5ペソで自転車に乗せて売っている人。
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所謂Coche。満員になるまで出発しない。近場の移動によく利用する。 乗った事はないけれども、音楽付きのデラックスコチェ。 キトゥリン。やはりメインの交通手段はこれ。 田舎では女の人も平気で馬を操る。抹茶?
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これは家のキトゥリン。妻は紐が切れて馬が暴走した事件以来、絶対に馬には乗らない。
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住居(Vivienda)

 何処の国にでも住居の問題はあるけれども、キューバでは個人で土地を買って家を建てるという事は基本的に出来ません。所謂共産主義では全てのものが国に属するため、国が家を建ててそれを国民に提供するわけだけれども、国にお金がないため家やアパートが建てられず、1軒の家に数所帯一緒に住んでいる事がよくあります。私の友達の家にも3LDKに8人(お爺さんおばあさん、両親、姉夫婦とその子供、本人)住んでいました。Panorama sociodemográfico de la familia cubanaという小冊子にも書かれている通り、藁葺き屋根の家や土間の家は少なくなりましたが、まだまだ家自体の供給が足りていません。ではまったく個人で家を建てられないかと言うとそうでもなく、国に申請して建築材料とそれらを正規に買った証拠のレシートを提出して、許可が下りれば建てられない事もありません。しかし1袋10kgぐらいのセメントが100ペソクバノで売られていて、一軒の家を建てるのにどれだけ必要になるのか? その他に砂利やCabilla(鉄の棒)、ブロック、タイル、電気関係、Persianaやドアなどの外注品などなど、全て正規ルートで買うとどれだけの出費になるのか考えると、普通のキューバ人には無理と思われます。が、普通に盗んでいる人達が沢山いるキューバでは何とかごまかして家を建ててしまう。しかし時々Inspectorが家をチェックしに来るので、油断はできない。

 家は買えなくてもPermuta(取り替える)は出来る。例えば田舎に住んでいる人が都会に住みたくて、その逆の人を探して取り替える。しかし、都会から田舎に住みたい人は殆どいないので、実際には都会の人は田舎に来なくて、その分のお金を受け取るという事になる。その他、人が死んでしまったり、ビヨンボ?(アメリカのグリーンカードくじ)が当たり、その家が必要になくなった場合も考えられる。

 キューバ人が外国人と結婚して家を買ってもらったり、居住権のない外国人が家を買ったりしているケースがよくありますが、政府が没収したい時に取り上げていくので、あまりお金がない人はやめた方がよさそうです。Trinidadにイタリア人やカナダ人の別荘が沢山ありますが、ドキュメント上の名義がキューバ人だったり、インチキドキュメントがバレたりするので、200万円ぐらいは捨ててもどうって事は無いと考える人以外はやめた方が良いでしょう。それから家の持ち主と結婚して、3年後ぐらいにまた離婚するとその家の権利が手に入るという事もあるようですが、何回も離婚を繰り返して感覚が麻痺している人以外は気持ちの悪い取引です。

 住宅問題だけではありませんが、キューバ人は違法な事をやっても見逃してくれたり上手くやって行けますが、外国人がそれをやると目立つので、密告されて全て没収の上、強制的に国外退去になる場合もあります。詳しくはParaíso de Alemánを。


 

物資調達(Abastecimiento)

キューバで物を調達するのは幾つかの方法があります。

1)キューバペソで普通に売っているお店に行く
2)キューバペソ質屋に行く
3)ショッピング又はガソリンスタンド(CupeやOro Negro)に行く
4)個人から買う
5)物々交換
6)借りる
7)盗む

1)普通のキューバペソの店
 キューバ人用のペソクバノで売っている普通のお店に行っても、売っているものは扇風機の羽、炭酸ジュース、アメ、プラスチックのおもちゃなど、店の中に入るとびっくりするくらい物がありません。いつもガラガラで列が出来ていないので「¿Quién es ultimo?」(誰が最後の人?)と聞かなくても大丈夫。

2)質屋風の店
 Tienda de amistad とかcomisión(場所によって名前が違う)と呼ばれる質屋のような所で、日用生活品から家具、ネジやボルト、鍵、車やバイクのパーツ、とにかく色々な物が売っている。質屋と言っても実際にはフリーマーケットに近い感じで、個人が売りたい物に適当な値段を付けて、それを店に申告し、店は何パーセントかのマージン(確か10%ぐらい)を付けた値段でそれを売る。ある一定期間中にそれが売れればそれを出品した人にお金を渡し、売れなかったら元の持ち主はその売ろうとしていた物を引き取るのにいくらかのお金を店に払うか、延長の手数料を払う仕組みになっているようだ。勝手に物を売ることが許されていないキューバではこうやって物を売る場所を提供している。物不足のキューバでは “物があるときに買う” という習慣がある。それは一回なくなったら、今度いつ入荷するかわからないからだ。普通にショッピングで1CUCで売っている物が70ペソクバノ(2.8CUC)で売っていた事もあるが、これはショッピングで売り切れたときに誰かが買うだろうという事で、こんな値段を付けたようだ。田舎の方でショッピングがあまりない所では、この様にして売れ筋のものをショッピングで買い占めて、他の所で高い値段で売る人もいる。だからキューバで物を買う時には、まずはショッピングに行き値段を調べた後でTienda de la comiciónに行くようにした方がよさそうだ。

3)ショッピングとガソリンスタンド
 キューバ人はショッピングと言っているけれども、CUC払いのお店の事です。それから殆どのCUC払いのガソリンスタンドにも24時間営業のコンビ二ショッピングがあります。因みに、昔のキューバペソ払いのガソリンスタンドにはそんな洒落たものは付いていませんでた。
 私が始めてキューバに行った時(1994年)にはハバナのショッピングでさえも缶詰ぐらいしか売ってなく、しかもUS$払いでしたが、今は沢山の物が売っています。特にハバナの行けば、御禁制の品以外は殆ど手に入らないものはないと言っても過言ではないでしょう。この御禁制の品とはキューバの税関のホームページを見てもらえれば分かりますが、エアコンや電子レンジ、電気調理器などの電力を沢山消費する物や、ビデオ、DVDプレーヤー、パソコンなどキューバ政府にとって都合の悪いの電化製品が主な物です。一回間違ってDVDを再生できるコンポが入荷しましたが、直ぐに回収されてしまいました。因みにVCDはOKだそうです。それから車やバイクの部品は外国からの持ち込みは禁止ですが、ラーダやMZの部品は大きめのガソリンスタンドである程度は売っています。エアコンに関してはショッピングで売られていたのですが、どうやらこれは政府関係の会社(恐らく外資を含めて)のために使うのならば、買う事が許可されるみたいなのですが、普通の人は買えません。
普通のキューバ人の月給が2000円ぐらいなので、ショッピングで普段買う物は、石鹸やシャンプー、洗濯用粉石けん、サラダオイルなどの配給で間に合わなかった物から、コップや皿、靴や洋服、文房具といった感じで、お金を何年も貯めてやっとの事でカラーテレビかオーディオコンポを買えるようになります。以前はエアコンが点いているから涼みにだけ来る客とか、ガラスに鼻を押し付けて中を覗くだけのキューバ人が沢山いましたが、最近は羽振りがよくなり、かなりの人がショッピングで買い物をして行きます。1000CUCぐらいの冷蔵庫やオーディーオ、洗濯機などを100CUC紙幣を使って買って行くキューバ人もいます。体何処からそんなお金が出てくるのか? インチキ商売か? 外国からの送金か? 兎に角、普通のキューバ人には買えません。

 ここでショッピングのルールについて。

  1. 「¿Quién es ultimo!!?」と恥ずかしがらずに怒鳴る。これをやらないで何気に列に並んでいても後から弾き出されたりします。最悪なのは、後から来た人に「あなたが最後?」と聞かれて、「はい」と答えてしまったが、実は最後ではなくて他にもう1つ列が出来ていた場合。自分の後にずら〜っと列が出来ていると、相当文句を言われます。それから自分の前の人が突然いなくなり、見失っても大変です。外国人は並ばなくても良いショッピングもありますが、この特権を利用すると周りから冷たい目で見られます。それから、このQuién es ultimoルールはもちろんショッピングだけではなく、いつも長い列が出来るイミグレーションでも有効です。
  2. 荷物は持ち込み禁止。ショッピングでは万引き防止のために、袋関係の持ち物は外にある荷物預所で番号と引き換えに預ける。
  3. 額の大きな札を使う時にはパスポートを出す。20CUCは大丈夫ですが、100CUC札(時々50CUCも)を使うには必ずCarne de identidadかパスポートの番号、それから住所を控えられます。
  4. レシートはなくさずに出口まで取っておく。出口ではレシートと買った商品をチェックする人がいます。

  5. 保障期間に注意。電化製品を買うと○年保障とか書いてありますが、これは○年間は部品がありますということで、それ以降は部品がなくなるので、まったく直せませんと言うことです。3年前に買った洗濯機が壊れた時にTRDに聞いたところ、「部品もないし、そのメーカーとの取引はすでになくなっています」と言われた。多分Samsungなどのメーカー品ならば、どうにか部品が手に入ったのかも知れません。それから村の電気修理屋にも頼んでみたが、ロシア製のぼろい洗濯機は直せても、ショッピングで買った半自動(手でボタンを回して引っ張る安いやつ)の洗濯機は仕組みが分からないから直せないと言われた。

4)個人から買う
 厳密に言えばこれは違法ですが、やってない人はいません。ミッションで外国に行って帰ってきたキューバ人は服やサングラス、DVDプレーヤーなどを売っています。農民は豚や鶏などの家畜、農産物をこっそり売り買いしています。例えば私の居た村でジャガイモはメルカドで見た事がありません。しかし訪問販売で売りに来てくれるのでいつも食べられます。高速道路でよくニンニクやたまねぎ、チーズ、グアヤバのお菓子などを売っていますが、あれも違法です。アストロ長距離バスに乗ると、よく警察の荷物チェックがあり、個人売買している人のチーズや海老、魚などチェックして没収して行きますが、みんな違法だからです。家や車やバイク、エアコンなどショッピングやガソリンスタンドで買えない色々な物(Inventoも含む)が金さえあれば個人売買で全て手に入ります。しかし違法です。

5)物々交換
 お金が間に入っていなければ違法ではないのでしょうか? この辺の所は良く分かりませんが、農民は自分達の畑で作って採れた作物をお金の換わりに色々な物と交換して生きています。例えば軽油などは米と交換ですが、この軽油の出所は・・・。どうなんでしょう?

6)借りる
 キューバではお隣同士の物の貸し借りは当たり前で、“ある人が出す” 事になっています。物を貸すと無事に帰ってくる事があまりないので、悲しいけれども、高価なものは持っていない振りをしなくてはなりません。例えばドリルやディスクグラインダーなどの100ドルぐらいの電動工具を壊されたとしても、月給300ペソクバノの普通のキューバ人に弁償しろとは言えません。でも隣の家からよく斧を借りていたし・・・。

7)盗む
 なに〜? 盗む? でもキューバでは国から何も盗まないで生きている人はあまりいないでしょう。そして盗品だと知っていても買っている人が殆どです。ガソリンスタンドで働いている人達はガソリンを、セメント工場で働いている人達はセメントを、肉屋で働いている人達は肉を、ショッピングで働いている人達は商品を、そして郵便局で働いている人達は郵便物を盗んで売ったり、自分達で消費したりしています。捕まれば何年も刑務所に入れられるはずですが、この様な盗みは後を絶ちません。盗んで当たり前、そして盗まないと生きていけないと思われているからでしょう。実際には、うーん。そうかもしれません。彼らに悪意はありません。もっと大きな犯罪に目を向けましょう。

 毎回キューバに行く度に少しずつ売っている物が増えています。以前はハバナでさえも電動工具は政府関係会社の人しか、お店で買えませんでしたが、今ではBlack&Deckerがそこら辺のショッピングやCupeで売っています。田舎では手に入り難い物も、ハバナに行けば殆ど手に入るので、CUCさえ稼げれば生活必需品の心配は要らないでしょう。例えばいろいろな種類の釘やボルト、ナットや網戸の網、ラッカーシンナーなども田舎では見つけるのに苦労しますが、ハバナに行けば1つの店で全て売っていました。電気温水シャワー(シャワー自体に小さいタンクが付いていて、その中に電熱線が入っているやつ)もハバナのCALLEで売っていて、50CUCぐらいしたと思うけれども、兎に角びっくりした。パソコン自体は売っていないけれども、キーボードやモニターは売っているし、これからもっと自由に物が売られていくと思います。こうなると目に見える貧富の差がますます広がりそうで、リゾート地はともかくハバナのCarlosVやGalerías de Paseoに行っても、普通のキューバ人が沢山CUCを使って物を買っていて、それを見た後私の村に帰ると確かに以前よりは豊かになっていますが、やはり比べようがありません。しかし表向きは政府の考えで下を切り捨てて、見捨てるような事はしていない様ですが、これから不満はもっと出てくるはずです。


 

食事(Comida)

普段の私の食事はこうです。
朝: Pan(丸い配給パンか4ペソの外が固くて中がスカスカのフランスパンもどき)、 Cafe con leche(コーヒー牛乳)、鶏しだいの卵
昼: Sopa(鶏肉と麺が入ったスープ)、Arroz y frijores(豆ご飯)、時々Tortilla(中南米のとは違って、キューバのは卵焼き)やスパゲッティ
夜: Arroz y frijores又はChicharro(ガルバンソ)、Arroz congri、Arroz amarillo、それから豚肉を焼いたやつ又は鶏肉、Tilapia(泥臭い魚)Habichuela(インゲン)やトマトのサラダ、Tachinoなどのバナナを揚げた物。

普段の朝食のPan con hae。
卵が中に挟まっているけれども、 これだけしか食べないで、畑仕事をするのは厳しい。朝飯
 田舎に住んでいて家が農業やっていれば、それほど腹が減って死にそうになる事はありませんが、この様な食事がいつも食べられるようになったのは私(外国人)が来てからで、結婚する前には一回だけでしたが、昼飯に妻の弟が空気銃で撃ち落としたスズメが出てきて、他の人達は肉なしという事がありました。しかしその当時もまだ“Hay pobreza pero no hay miseria”の範囲内だったと思います。
 私の場合、朝食以外は殆どお腹一杯に食べられたので、毎回同じ物が出るので飽きるという事以外は、キューバでも問題なく生きていけました。水に関しても最初の1ヶ月ぐらいは下痢が続きましたが、その後は台風の後に井戸水が濁った時にお腹を壊したぐらいで、これも問題なし。今までに色々な人の家に行って食事をご馳走になりましたが、田舎という事もあり、どこの家庭にも豚や鶏がいるし、ハバナなどの都会と比べても野菜の値段も安いので、金のない人は田舎に住んだ方が良さそうです。ここで生まれ育った人ならば、「今日はあっさりした物が食べたい」という様な贅沢な発想は全く湧いてこないので、他の国の事を知らないという前提なら、食事に関してはキューバに困難があるとはあまり言えないと思います。テレビに出てくるアフリカの映像で、ガリガリにやせ細った栄養失調の子供とか出て来ますが、キューバ人の殆どはManteca(豚肉の油)のせいもあり太っているので、黒人=貧乏で痩せている、というのはキューバにはありません。
 キューバ人の中には欧米の豊かな国と比べて「こんな貧困には耐えられない」と言ったりする人がいますが、餓死している人はいないと思われるので、所謂発展途上国の中では良い方でしょう。田舎の農民以外は米と豆さえも手に入らない事があるので一概には言えませんが、しかしながらキツイ畑仕事を嫌がって都会に行き、仕事にあぶれて腹が減ったと言って文句を言うようなら、田舎で農業をやっていればよ良かったのです。実際にその様な親戚がいたから言いますが、イイカッコしたがるキューバ人が多すぎます。但し農業は天候しだいなので、運が悪いと暫くは厳しい生活を強いられますが、ロンを飲んで酔っ払ってないで一生懸命働けば、周りの人達も助けてくれるので生きていけます。と書きましたが、普通の日本人が “生きていくだけの生活”、つまり毎日米と豆を食べ、それプラス村から出れない単調な日々、そして独特な共産主義の雰囲気、これらがミックスされた辛さに我慢出来るとは思えません。

 甘いもの関係

キューバにはそこら辺にマンゴだのグアヤバだのの木が沢山あるので、フルーツは食べたい放題だ。たとえ自分の家にそれらの木がなくても、近所から貰ったりメルカドに行けば何かしらはある。

これは久しぶりに見るマーメイ。外側はこんな感じ。 中はこんな感じで、ジュースはよく飲むけれども、マーメイ自体はあまり見ない。 家のマンゴ。この他庭にはグアヤバやシルエラ、アボガドの木もあるけれども、古い木なのであまり実が出来ない。 トロンハ。これはオレンジみたいだけれども、このままでは苦くて食べれないので、水につけた後、煮込んで砂糖漬けにして食べる。
マーメイ1 マーメイ2 マンゴ トロンハ
庭にあるココナッツの木。結構高くて上るのにビビッてしまった。 ココを割り、スプーンで穿り出す。意外とカッポリ取れる。これでDulce de coco(甘いお菓子)を作る。 Mamoncillo!この時は近所で野球観戦しながら食べましたが、いつもはTrinidad方向に行く時によく食べます。身も味もあまりないけれども、私の好物です。 サトウキビはその辺に沢山あるので、適当に切って噛みつきます。
ココの木 ココの中 マモン サトウキビ
これがYuca。この下にあの長細いのが埋まっている。 Espinaca。ほうれん草らしいけれども、葉が厚くて丸い。味は似ているみたいな気がするけど、形がまるで違う。 オルガノポニコと呼ばれている家庭菜園のような畑。一応政府が管轄していて、街中のちょこっとした所にもある。
ユカ エスピナカ オルガノポニコ

 

 Feria(市場)

この青空市場は毎週土曜日にやっていて、色々な所から野菜や肉を持ち寄って売っています。はっきりした事は分かりませんが、売っている人達は政府にパテンテのようなものを払っていると思います。それから確か3年前にはなかったような気がする。

市場を開ける所は、この道とその周辺だけに限られています。 ニンニクは他の町からも此処に買いに来る。一房60〜80ペソクバノ。よく見ないとスカスカのニンニクが紛れている。 朝早く行かないと豚のよい所や、ヤギなどはなくなってしまう。 それぞれが、トラクターやキトゥリン、トラックに品物を持ってきて、なくなり次第帰っていく。
フェリア1 フェリア3 フェリア2 フェリア4
此処ではジャガイモ、たまねぎ、バナナ、サトイモを売っている。しかしこの人ナイフ食べてるよ。 Feriaでは男の人と女の人の並ぶ列が違う。大抵女の人が沢山いるから男の人の列が先に進むので、私が並ぶ事になる。 バナナには緑色の料理して食べるMacho(でかい)とBurro(太くて短い)、熟れて黄色のフルーツのバナナ(小さい)の3種類がある。

左上から固いパン、キャベツ、黒い豆、トマト(赤と緑)、レモラチャ、ラバノ(赤かぶ?)、ピーマン。レモラチャは人口着色料を使って染めているような赤さで、日本では見たことが無い野菜だ。

フェリア5 フェリア7 フェリア6 フェリア8

 

こちらは政府のメルカド。品数も少ない上に値段も高いのでいつもガラガラだ。

これは一番近い町の政府のメルカド。休みの日ではないのにこれは一体どうしたのだ?と思った、実は野菜や肉の横流しがあったので、一回全て撤去されたらしい。

メルカドタグ メルカドSS

 キューバの野菜
日本の物より小さくて味が濃い、というのがよくあります。例えばキューバのニンニクは1粒が小指の爪ぐらいで小さいけれども、これを5〜6つも5人分のスープに入れれば十分です。Ajiも日本のピーマンのようなものもあれば、小さめで味が濃い(こっちの方がキューバでは一般的)のもあります。たまねぎも同じです。これらは食べると言うよりは調味料として使われるので、小さくてもかまわないようです。Espinacaに関しては形が日本のほうれん草とはまったく違っていて、炒めると粘々でうまくチャーハンは出来ませんでした。逆にMalangaはサトイモのように粘りはあまり無く、さっぱりしています。かぼちゃは甘くなく、ひょうたん型をしていて結構大きめ。

 食べられる動物達

これはごく普通のGallina(鶏)。雄鶏はGalloで10羽のメスに対して一羽位しかいない。鶏は卵も産んでくれるし、肉も食べられるし毎日の生活に欠かせない。殺す時に首をポキンと折るけれど、直ぐに死なないで走り回っている。これは見たくない。 これが足の短いキケレ。キッキリ鳴いてうるさいからから、こんな名前がついたのか? 鶏と違って足が短く、卵も肉も食べないペットのような存在らしい。ちっとも可愛くないけれども、「なんか日本人みたい」と言われた。大きなお世話だ! 可愛そうに。 これはPescuezo Peladoと呼ばれている鶏の1種類。日本では見た事が無い。首の周りの毛が無くて、みんな可愛いと言っているけれども、ヘルメット被っているみたいで変だ。因みにこの写真を撮った次の日に母親に踏み潰されて死んでしまった。 見ての通りのアヒル。卵は1回に10個以上産むけれども、半分ぐらいしか育たなかった。でも、鶏と違って、母親は子供の面倒をちゃんと見ていて偉い。それに比べ、鶏は子供のえさを奪う為に突いたり、踏みつけたりして駄目だ。
で、味は思っていたよりも美味しくなかった。
鶏 キケレ ぺスクエソ アヒル
これはクリスマス用に買ってきた七面鳥。Guanajoといわれていて、馬鹿という意味にも使われる。 これがマラブーのReñaでじっくり料理されたGuanajo。非常に美味しい。Sazónつけて焼いただけだけれども、私が今まで食べたキューバ料理の中で一番でしょう。

可愛い子豚が沢山生まれた。しかしこの子達の運命は・・・。

因みに直ぐに買い手が決まりました。

Carnero。妊娠中の妻が鉄分不足だと言うから買ってきて殺した。豚と違い皮を剥ぎ取った時の油の匂いが手に染み付いてなかなか取れなくて、結局私は気持ち悪くなってその日は食べれなかった。
パヴぉ ヤギ
冬場は沢山育ったけれども、夏は暑さが厳しいのと、病気が広がり易いので殆ど死んでしまった。それで結局1シーズンで失敗して終わり。可愛いけれども、これもお腹の中に入ってしまった。妻は絶対殺す所は見ない。でも食べる。 これはJutíaと呼ばれるネズミの一種。絶滅の危機に瀕しているらしいけれども、これも食べます。メスは生理があって、葉っぱを股に着けるというのは有名な話。でも本当か!? これも食べます。妻の弟が川で捕ってきたザリガニ。味は海老と大して変わらなくて美味しかった。
ウサギ フティア ザリガニ

 豚を殺すという事

豚は誰かの誕生日とか、正月とか特別な日にしか殺しません。殺す時には近所の人たちや親戚中が集まって来て、皆で料理して食べます。
 今回で豚を殺すのに参加したのは2回目だけれども、何回も殺せば慣れるものだと思った。実際ここに住んでいる農民の殆どは動物を殺して生きて行っている訳で、いちいち悲しんでいたら家族が腹を空かしてしまう。初めは何を殺すのも嫌だったけれども、これは慣れます。恐らく戦争で平気で人を殺すのも慣れるからでしょう。恐ろしい事です。

まずは作業台作り。慣れたもので、そこら辺にあった木を使ってどんどん作っていきます。 前足の付け根に穴のような感じの部分があり、そこから細めのナイフで心臓までザクッとやります。鳴き声のうるささに躊躇せずに、なるべく早く殺してあげた方がよい。 血がドバッと出てくるので、それを入れ物にすかさず採ります。この血は料理して固めるとレバーのようになります。私は何回食べても好きになれませんでした。 沸騰させたお湯をかけて毛と皮を軽石で落としていきます。この作業がいい加減だと、私以外は平気で食べていますが、Chicharrón(皮を揚げた物)を食べる時に毛が付いていて嫌な感じがします。
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内臓をきれいにとられて、豚の開きと言った感じです。捨てる場所は殆どありません。 油と肉を分ける作業は吊るしてやった方が便利。 裁いている段階から、みんなロンを飲んで歌を歌い、陽気にやっています。 Chicharrónになる豚の皮。
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今、揚がっているのはEmpellaと言って、皮プラス少しの肉と言った感じで、ハズレを掴むと皮プラス油だけとなる。
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 飲み物

私はアルコールがまったく駄目なので、どのような味だかまったく分かりませんが、妻によるとエビスよりもコクがあるそうです。今ではBucanero Maxというもっと強いビールもあります。 家の屋上です。右にポンプがあり、その手前にモーター、一番左に水を貯めるタンクがある。キューバの一般家庭は殆どこんな感じです。 これが一回沸かした井戸の水。下に溜まっているのはMagnesiaらしい。これだけ毎日こんなの飲んでいたら体に悪いのではないか? でも硬水なのでコーヒーは美味しい。 これは四角いけどPipaでいいのかな? Fiestaがあるとビールのタンクを積んだこんなのが町に何台か来て、小さなコップにビールを1ペソクバノぐらいで配る。水だか何だかが混ざっていて不味いという噂。
bucanero ポソ aguadepozo pipa
井戸の穴

これはお爺さんの家のPoso(井戸)の穴を掘っている所。トラクターでこの機械を庭まで運んでもらい、2本の棒(砕き用とドロ出し用)を使って掘っていく。水源はダウジングで探してもらった。最初は全然信じられなかったけれども、キューバでは皆この方法で水源を探してもらっているらしい。
 

 3日間ぐらい堀続けて、もう少しで終るかと思った時にTrabajadores Socialesによる調査が始まり、軽油の入手先が問題になると言って、井戸堀り屋は道具を放ったらかしにして、何処かに行ってしまった。結局パイプ工事もあわせて1ヶ月ぐらい掛かった。

 輸入物

このチチャロはアメリカ合衆国から輸入されたようだ。 ずばりNueva Imagen!! こんな田舎のショッピングにスニッカーズが入ってきた。経済封鎖?何処にそんなのがあるのだ!食料品や薬はOKか?でもSnickersがそんなにキューバに必要なのか? しかもPringsは高いのにこれは安い。納得いかない。 どうも実質的に封鎖しているのはキューバ政府のほうであって、アメリカ合衆国ではなさそうだ。もちろんアメリカの法律では禁止されているし、キューバに入国した船は6ヶ月アメリカに入国できないなどの規制はあるけれども、第三国で生産されている物は食料品以外でも色々な物がキューバに入ってくるわけで、キューバの税関が止めない限り殆どの物がOK。Mesa Redonda でRandiが使っているPCはHPだし、Dellもキューバで使われている。 アメリカ政府もキューバ政府も経済封鎖という言葉を利用しているに過ぎない。(アメリカ政府はマイアミキューバ人のために、キューバ政府は自国民を団結させるために)
  キューバでアメリカ産のチチャロを食べた後、スニッカーズをかじりながらCalleを歩く。何か変だ。でも、もっと変なのは何故スニッカーズのバックに赤ちゃんのお尻があるのか?だ。
チチャロ スニッカーズ

 結論: これらの写真と解説を見て“な〜んだ、大した困難は無いじゃん”と思う人も多いと思いますが、実際に日本やメキシコからキューバに入国すると、あまりのバリエーションの無さに食欲をなくします。ショッピングに行けばある程度のものは売っていますが、なるべくキューバペソで生きていきたかったのと、並ぶのが面倒なのであまり利用しませんでした。70kgあった体重も半年で10kgぐらい減ったので、ダイエットしたい人はキューバの田舎に住むと良いでしょう。


 

気候(Clima)

 当たり前の事ながらキューバは暑い。この暑さの中まじめに働けと言われても、なかなか集中して働く事は出来ないので、いっその事まじめに働くのをやめたらどうか?というのがキューバです。何処に行っても「Qué calor!」と溜め息が聞こえてくる。最近のキューバの家は殆どがコンクリートの屋根を持つ家なので、瓦の屋根よりも余計に暑い。電気があればまだ扇風機を回せるから良いけれども、アパゴンになると何処に行っても逃げ場は無くなる。しかしカリブの国キューバでも一年に2〜3回気温がすごく低くなる時があり、私の居た所でも最低気温が5度だった時もあった。一番冷え込むのは確かProvincia Matanzaの内陸部の方で、0度になった事もあったと思う。一年に2〜3回とはいえ、普段Tシャツしか持っていないキューバ人にこの寒さは耐えがたい。以前BBCニュースで長袖の洋服が無いから、ボロ布をぐるぐる体に巻きつけてミイラみたいになったキューバ人の写真が載っていたけれども、キューバでは「おっ!ちゃんと長袖持ってんの?金もちだね〜」といった雰囲気があるくらいだ。
 夜シャワーを浴びるためにお湯を沸かさなくてはならない時期は大体12月と1月で、夕方5時くらいまでは昼間日が照っていれば屋上のタンクが温められているので冬でも全然問題なし。逆に夏はタンクが熱せられて60度ぐらいの熱湯が出てくるので、昼間はシャワーを浴びる気がしない。

 Huracán

キューバには日本と同様に毎年沢山の台風が通過する。直撃すると日本でも何人か死ぬけれども、キューバでは殆どの場合誰も死なない(キューバ政府発表)。それは徹底して政府が警告して、危険と思われる地域に住んでいる人達を早くから避難させているからだ。日本の場合は事態を甘く見たり、“こんな程度で避難したら格好悪い”という風潮があるようだが、キューバでは個人の責任という観念が無く、何か起これば全て政府の責任となるので、お節介過ぎるほど心配してくれる。ニューオリンズを襲って沢山の犠牲者を出したデニスの時も、キューバのニュースでは「アメリカ合衆国は何故警報を出して皆を避難させなかったのか? そして豊かな国と言われているけれども、政府は貧しい黒人をまったく助けようとはしていない。」と言って、アメリカの警察や軍隊が救助をする変わりに、物を盗む黒人に銃を向けている映像が映った。その後キューバ政府は医者をニューオリンズに派遣してあげようと、ハバナに集めていたが、結局アメリカ合衆国政府はそれを断った。 
 貧しい人の命を助ける制度(CDRやSolidalidad思想)はキューバの方がアメリカよりも良く出来ていて、台風が通った後は必ず皆で協力して家を建て直したり、道を整備したりしている。もちろん色々問題点はあるけれども、とりあえず死にはしない。しかしニュースでアメリカという国がどのような国なのか分かっていても、実際にはアメリカに逃げたいと思っているキューバ人が殆どで、例えばもしあの医者達がアメリカのビザを貰って正式に入国したら、殆どキューバに戻って来ないのではないかと思われる。自由に殺す権利と死ぬ権利のあるアメリカ合衆国と死にはしないけれども生きもしないキューバ。結論としては皆アメリカ合衆国を選ぶようだ。

 「日本人って何でこんなに簡単に死ぬの?」よく妻にこう聞かれる。自殺もそうだし、自然災害に関してもそう。確かにキューバ人はシブトイけれども、日本のように沢山地震が来たら、恐らくすごい数の死者が出るだろう。ハバナビエハの建物なんか全壊するのは目に見えている。

「パパは台風が来てるのに何しているのかね〜?」 「風邪引いてもしらないよ」 お爺さんお婆さんと叔父さん家族がこの家に避難してきた。コンクリの家は昼間は暑くて居づらいけれども、雨風には強い。 「俺もな〜んもできない」つまらなそうにしている妻の弟。 叔父さんの子供は退屈過ぎてゴネだした。
台風1 台風2 台風3 台風4
「大事なものは全部避難させたか?」「そろそろTrinidadの方にきてるらしいよ」 雨がだんだん強くなってきて、「お婆ちゃん怖い」 以前は3本あったPalmaが今では1本になってしまって、それも今回の台風で危ない。 風も雨も強まってきたのに、誰の馬だろう?
台風5 台風6 台風7 台風8
前の道はもう川になっている。 みんな心配そうだ。 次の日庭を見てみたらこんなになっていた。手前に倒れている木はグアヤバの木で、これから実が大きくなる所だったのに。 枝も折れていて、かなり風が強かったのが分かる。
台風9 台風10 higai1 higai2
アボガドも沢山落ちてしまって、もったいない。 畑のトウモロコシは横になぎ倒されていたけれども、暫くするとまた立ち直った。 バナナの木は唯の棒になってしまった。
higai3 higai5 higai4

 

単調な暮らし(La vida monótona) 

「Ahhhi, estoy aburrido!!」「No hay nada que hacer!!」何もやる事が無い若者は何時もこう愚痴をこぼしている。ある程度年配の人達なら諦めも付くだろうけれども、キューバの若い人たちはエネルギーを持て余している。発散させる場所はディスコぐらいしかなく、その後女の子は15〜6歳でcuchicuchiやって妊娠というパターンが多い。ちょうどキューバに居た時にLa cara oculta de la lunaというHIVを問題にしたドラマをやっていて、Amandaという女の子が感染するまでの経過と、した後のセラピーの様子を見て分かったけれども、他にやる事がないからしょうがないと思わざるを得ない。日本のように若者がバイクや車を走らせ、ディズニーランドやショッピングセンターに行ってお金を使い、それでも満足しないで何かを探して街をフラフラしているのと比べると、やはりキューバの若者は可哀想だ。貧しさだけではなく、チャンスが無くて絶望感で一杯。
 「キューバの人達は貧しくても明るくていいね〜」とよく言うけれども、夜中や明け方にディスコ帰りの若者の後姿を見て欲しい。交通手段が無くトボトボ下を向いて家に向かって歩き出す。汗をかいたので風が夏でも少し肌寒く感じる。最近はディスコもCUC払いで金も使い果たした。朝飯の配給パン1つが待っている家。仕事? いくら働いてもジーパン1つ買ったら1ヶ月分の給料はパー。Diacepan(精神安定剤)飲まなきゃやってられん。と、こんな感じです。

 それでは気を紛らわすには何をすればよいのか?娯楽はあるのか? 
1) 体を動かす: ディスコに行ったり野球をしたり、後はジムに行って筋力トレーニング。(ジムと言っても鉄の棒と塊が置いてあるだけ)
2) 川やCampismoに行く: 田舎では皆よく川に行く。で、病気にかかる。だから私は近所の川には行かない。Campismoは政府がVacacionesに皆で楽しめるようにちゃんと整備している。宿泊施設や、プール、乗馬、バレーボールのコートなど、意外にしっかりしている。乗馬って・・・。普段からキューバ人は馬に乗ってるでしょ?
3) アルコールを飲む: 殆どのキューバ人は非常にアルコールに強い。以前日本からのお土産に40度ぐらいの酒を持って行ったら、皆美味しいと言ってガブガブと直ぐに飲み干してしまった。それから農民は畑仕事の後に一杯やるのが疲れを取るコツだと言っている。しかし共産国での過度の飲酒はエリツィン状態になり、人間を駄目にするので控えめに!
4) テレビを見る: キューバには国営放送しかなく、日本で言えばNHKだけという事になる。これはたまらない。今まで2チャンネルぐらいしかなかったのが Canal educativoなど2チャンネル増えたのはいいけれども、やはりバリエーションが無く、Novela,野球中継、映画以外は若者にとっての気晴らしや娯楽にはならない。特にMesa RedondaとニュースはFidelが話し始めると平気で2〜3時間はNovelaの始まるのが遅れるので、皆に嫌われている。だから一応テレビ番組表らしきものはあるけれども、まったく当てにならない。まぁ元々キューバ人は時計見て動かないから良いけど。私は結構テレビ好きで特にNuestra Americaという水曜日の夜11:00ごろから始まるラテンアメリカ中心の映画の時間。これは見逃せない。キューバ人はハリウッド映画が好きだけれども、ラテンアメリカにはすばらしい映画が沢山ある。Canal Educativoも外国人が勉強するにはとても良い番組で、私もよく観ていた。しかしながら、これしか情報源のないキューバ人にとっては政府の検閲による偏りがあるので、あまり良いとは言えないでしょう。

 キューバ人でも単調で飽きるのに外国人が物無し、情報無しの生活に慣れるのは大変だ。キューバで好奇心を持つ事は罪になると言っても過言ではないように、色々な事に興味を持つと、ろくでもない結果になる。例えば本を読むのが好きで、キューバにある所謂英雄本、José MartíやSimon Bolivalなどの本以外を探すと、これは危険だ。短波の入るラジオを持っていても危険。以前よりも緩くなっているとは言え、まだまだ検閲はあり、自国民にいかに好奇心を持たせないか、という政府の工夫が至る所で見受けられる。
  キューバは色々な人種が混ざり合っていて、なかなか統一され難く、しかもラテンでいい加減なのでまだ良いけれども、寒くて何時も低い雲が掛かっているような国で共産主義を実行したら、もっと単調でつまらない国になるのは明らかです。


 

外国人ならではの辛さ(Sufrimiento para extranjeros)

 キューバに着いて最初のうちはキューバ人の表面の明るさや、喜怒哀楽の激しさ、そして物珍しさのおかげで楽しく過ごせるけれども、暫くすると上に書いた様な単調な生活が待っている。これから外国人特有の辛さ、特に日本人としての厳しさを見て行こうと思う。

1) Chino!

 これは別にキューバだけではないけれども、日本人は何処に行っても中国人だと間違えられる。間違えられて得をするのなら良いけれども、どう考えても下に見られている。馬鹿にされている。「違う違う!目の釣りあがっている人は皆Chinoと呼ばれているよ。」と言う人もいるが、確かにキューバ人の中にもあだ名でChinoと呼ばれている人達は沢山いるけれども、呼ばれ方が違う。吐き捨てるように「な〜んだ!Chinoか」と言われるのだ。
 色々な国々を今まで旅してきて、確かに何処にでも中国人はいる。彼らは一生懸命働いて同じ中国人同士で助け合いお金を儲ける。現地の人間と交わらないので、さらに嫌われる。キューバへの移民の歴史をみても中国人は奴隷である黒人の次に蔑まれて、みんなの嫌がる仕事に就かされたらしい。そして日本人はその中国人に間違えられ、しかも中国人からも嫌われている。第二次世界大戦後はキューバでも刑務所に入れられて、辛い思いをしてきた。Japoneses en Cubaという Rolando Álvarezが書いた本にキューバに移民して苦労した日本人の話が書いてあるし、実際私の居た村にも日系人がいて、かなり苦労したと聞いている。中国人の知り合いに聞いてもやはり差別はあり、嫌な思いもしたという。何処の国にも差別はあるわけで、キューバも例外ではないという事。少し例を挙げてみましょう。
  今は皆私の事を知っているのでそんな事はありませんが、結婚した当時子供から「Chino!!」と叫ばれて石を投げられた事があります。それからハバナのマレコンに、今はなくなってしまったFeriaとGaler ías de Paseoの間ぐらいに青色に塗られたEl Rápidoの様なお店があって、そこで買ってない品物の分まで払わされそうになり、「ちょっとこのレシート見てみ!お金多く取り過ぎてるよ!」と言ったら、「どうせアンタはChinoでしょ、自分の国に帰ったら、そんなお金は価値が無くなるんだから、いいじゃない」と言われた。つまり私がクレームを付けなかったら、彼女のポケットにそのお金が入っていたわけで、田舎の農民が1CUC(25ペソクバノ)稼ぐのにどれだけ苦労しているのかを考えたら、中国人呼ばわりされたの以上に腹が立った。後はPan con carneを買おうとしたら、「・・・Chino」とボソッと言われて油ばかりパンに挟まれた。「てめえが食え」と言ってその場を離れたが、やはりムカつく。一々気にしていたら限が無いし、中南米旅していた時からだから慣れてはいるけれども、それでもいい気持ちはしない。一回説得を試みたが、散々中国と日本の文化や歴史の違いを教えても、最後に「じゃあ結局、日本は中国の何処にあるんだ?」と聞かれたこともあり、無駄な努力はやめる事にした。

2) 差別(discriminación)

 上のChinoもそうだけれども、それ以外にキューバ政府が外国人を差別しているというのがある。キューバ側から見れば、“キューバ人は給料の90%を普段から税金として払っているのだから、キューバに税金を普段払っていない外国人は高い値段を当然払うべきだ”という考えなのだろう。そして有る所から出るのは当たり前と考えているから、外国人と結婚したキューバ人もその様な感じで扱われる。キューバ人なのに外国に住めるPreを持っていると3ヶ月に一回キューバに居るための許可を更新しなくてはならなくて、しかも1年経ったら一回出国しなければならない。もちろんその度にCUCを払わせて外貨を稼ぐ。政府がこの態度だから、キューバ人も外国人からお金をもぎ取るのは当たり前と思っている。もちろん所謂発展途上国に行けばボラレルのは当たり前で、そこから値切るのも当たり前だけれども、キューバではあまり値切りが通用しない。観光客がお土産を買うのに値切ったりは出来るけれども、キューバに住んでいる外国人が生活に必要としている物は値切れない。「あっそう。だったらアンタには売らないよ。他で探してみればいい。どうせ無いから。」と言った感じだ。物不足を利用してのボリは激しい。
 しかし、外人が優遇されている時もある。例えばCayo Cocoやその他のCayoも普通のキューバ人は通行禁止だし(そこで働いている人や外国人と一緒ならOK)、ショッピングでも外国人は並ばなくても良いと言われる場合もある。ETECSAやホテルのインターネットもキューバ人は使えない。この様な差別があるから一般キューバ人も余計に外国人を差別したくなるのだ。

 ここでヒネテラそしてチュロ、それから一般キューバ人と外国人の事について考えて見ましょう。売春婦(夫)の殆どはFidelが言うとおり誰かに強制されてやっているわけではありません。もちろんDama de compañaという表現もちょっと違うような気もしますが、日本のようにヤクザがウラを仕切っているというのもないと思います。彼、彼女達は外国人に近づき、一時の幸せのようなものをあげる代わりにお金を貰う肉体労働者のような感じです。それを探しに来る外国人も沢山来るし、日本のように街の一箇所にそのような特別な地域があり、隠しながらやっているのではなく、ごく普通にやっています。だからあまり悪い事をしているというような感じはありません。これらの問題は何処の国でも同じように絶対になくならないわけで、絶対になくならないものを簡単に悪だと片付けるのもおかしい事です。普通のキューバ人の性活態度を見ていれば分かるように、キューバではモラルの問題から悪いと言っているのではなく、経済的に格差が出来るから悪いと言っている様です。簡単に言えば嫉妬しているわけです。
  外国人がキューバ人と歩いていると必ずそのキューバ人はヒネテラかチュロとして周りから見られるし、イヤミやからかわれる事も沢山あります。警察からも嫌がらせを受け、どんなにこの人は普通の人だと説明してもなかなか信じてもらえません。それでは外国人がキューバ人と街中を歩くには結婚証明書を見せびらかしながら歩け、という事なのでしょうか? この様な国は世界でも珍しいでしょう。そしてこの様な事があるから、私達が結婚しようとした時に向こうの両親が大反対したわけです。自分の娘がヒネテラ呼ばわりされるのを我慢できる親はまともな親ではありません。このような誤解を解くためにも、私が田舎で汗水たらして畑仕事をした事に意味が出てきます。ヒネテラと結婚する金持ち外国人はこんな事はしない(できない)からです。実際私が居た村でも、最初の頃は子供達が妻の事をヒネテラ呼ばわりしていましたが、私が他のキューバ人と一緒になって畑に行ったり、皆と同じように列に並び配給パンを取りに行ったり、ヒッチハイクしたり、それから妻も派手な格好(元々妻の好みではないけれども)はなるべくしないようにさせたり、ショッピングでの買い物を控えたりする事によって、少しずつ村民の理解を得ました。これをやらないと外国人と結婚=売春婦(夫)の公式を当てはめられてしまいます。もちろん面の皮の厚いキューバ人の中にはそんな事を気にしない人もいますし、おこぼれに預かりたいキューバ人は媚を売って寄ってくるので、それで満足したりもしているようですが、裏では何を言われているか分かったものではありません。少しでも違和感なく現地に溶け込むには、色々と努力をしなくてはならないのです。 

  日本でよく外国人が外人と言われて嫌だとか、差別をされたとか、入国審査で嫌がらせを受けたとか言って、あまり外国を旅した事の無い人達はそれに同情するようだけれども、差別された人の国に行って見るといいでしょう。不法滞在などしようものなら直ぐに刑務所行きで、大使館に連絡などして貰えない国が腐るほどあるわけで、人権など無視されるのは当たり前だ。私も旅している時は色々な国々で嫌な目に会い、特にイタリア、フランス、イランでは東洋人だという事で馬鹿にされ続け、シンガポールでは「日本人は店から出て行け」の様な事を言われたし、グルジアやアゼルバイジャン、パキスタン、アフガニスタンそしてエルサルバドルでは銃を突きつけられて殺されそうになった事もある。でもそれはそんな国に行く方が悪いわけで、自分の国の常識が通用しないのは当たり前だと思わなければならない。

 因みに黒人に対しての差別もある。以前キューバは白人の方が多かったけれども、多くの白人がマイアミに逃げて行ってしまったので、今では黒人の方が多いようだ。その事も手伝って白人は黒人を差別している。え〜?キューバで黒人差別?と思うかもしれませんが、何かあって白人が「また犯人はこれだろう」と言って腕を指で撫ぜる(黒人を意味する)のは、どう考えても差別でしょう。キューバ政府が黒人を差別しているような事は無いので、他の外国と比べて少ないとは思うけれども、白人の親は自分達の子供が黒人と結婚するのを嫌がっているのを知ると、差別はあると言わざるを得ない。

3)ManipulaciónとCabeza dura、そしてNacionalismoとDeporte

 単調な生活と重複するけれども、情報操作に関しては何処の国でもやっていますでは済まされない。金持ち外国人でビーチの近くに住み、自分の家にインターネットを引いているとか、月々500ドル払ってアメリカからの衛星放送を見てますと言うのなら我慢できるけれども、テレビと新聞とラジオ又はラジオベンバしか情報源を持てない田舎に住んでいる負け組み貧乏外国人は、まったく今何が本当に起こっているのかわからないので、暫くこの状態が続くと頭がおかしくなる。アメリカ合衆国に関する批判は非常に巧く、納得する事が多いけれども、自分の国を全く批判しないのはやはりおかしい。FidelがEEUUに関してChovinismoだと言っていたけれども、それはキューバも同じ事。これだからキューバには演説は得意だけれども、人の話を全く聞かない人達が多い。よって失敗から学ばない。自分達が常に正しく完璧だと思っているから、学ぼうともしない。
 この頑固一徹に拍車をかけているのが愛国主義。これもまたアメリカ合衆国と似ていて、敵をわざわざ作り見方をまとめる。べつに駆り立てなくても、本当にすばらしい国なら自然にその様な感情が出てくるはずだけれども、ここまでシツコク愛国を押し付けられると嫌気が差す。と思うのは日本人だからか? 救いは国旗や国家が日本よりカッコイイ事だ。ただ日本は独立戦争をやっていないので、建国、そして愛国が出てくる土壌が無かったのかもしれない。そしてGeorge Orwellも言っている通り、スポーツは愛国心を高めるのに非常に都合の良い道具だ。野球、ボクシング、柔道、陸上、バレーボール、自転車、フェンシングそしてAjedorez(チェスはスポーツだそうです)とキューバには結構強い選手がいる。実際にやっている人達はラテンなので楽しそうにやっているけれども、テレビに出ればやはり国やFidel、革命に感謝していると言わなければいけない。国際試合になると、見ているキューバ人はすごい熱狂し、近づき難くなる。日本対キューバなんかあった日には・・・・。で、日本が勝った時には・・・・。 

 キューバ人と結婚して色々と教えた事がある人ならば分かると思うけれども、彼ら(彼女ら)に物事を教えるのはすごく大変。

4)仕事とは何か?そして価値観の違い(diferencia del sentido de valor)

 何回も言うようだけれども、殆どのキューバ人は兎に角仕事をしない。元々時計を持っていない(買えない)人達が沢山いるし、移動手段もないから時間にルーズなのは当たり前だけれども、仕事と遊びの区別が全くついていない。仕事だけではなく“人生は遊びだ”と思っているから、嫌いな事はやらないか、やったとしてもブスっとした顔をして嫌々やる。それが仕事でもそうだから相手をしている方は大変だ。例えばレジの人に「すいません!あの歯磨き粉買いたいんですけど」と言っても、他の人とくだらない話をして止めない。「すいませ〜ん!!」としつこく言えば、「ちょっと待ってよ!今いいとこなんだから!!」と怒り出す。何か食べながら仕事をしていたり、仕事そっちのけで爪を直していたりしている人もいる。この人たちは一体何を考えて仕事をしているのだろう。以前Fidelが働いている人達のAlfabetizaciónをやらなくては駄目だと言っていたけれども、これはやはりキューバ人が仕事とは何なのか全く分かっていので、一から教えないと駄目だという事だ。機会があったらキューバ人に「プロって何ですか?」と聞いてみると面白い。どちらが正しいとは言えないけれども、日本人の解釈とは違った答えが返ってくると思う。

 何時まで経っても子供のように人生を楽しんでいる、と言えば聞こえはいいけれども、このようなキューバ人とはなかなかまともな話をする事すら出来ません。真面目な顔をすると「怒ってるの?」と聞かれたり、「あの時あなたはこう言いましたよね?」と言うと「そりゃBroma(冗談)だった」など、キューバ人は本当に掴み様の無い人達だ。例えば結婚についても別に深く考えてはいません。適当に楽しければいいわけで、もう一人のパートナーがどんなに困っていても全く気付かずに助けない場合も沢山あります。でも自分が困っている時には形振り構わず助けを呼ぶ。外面は良く、計算しないでも何時の間にかに自分の都合のいいように物事を持っていく。でもキューバ人はみんな弱者には優しいし、直ぐに“ぶっ殺してやる!”などとは思わないから、その点は日本人よりも温かい心を持っているようにも思える。
 キューバ人と一緒にいると、楽しい時にはその楽しさを何倍にもしてくれるけれども、辛い時には逃げてしまうので、結婚をしようとする人はその辺の所を上手くコントロールしないと、直ぐに離婚となってしまうので注意が必要だ。すでに離婚してしまった人たちから話を聞くと、キューバ人の忍耐力の無さと日本人の気配りのしすぎ、又は一々細かい事にうるさい性格がぶつかり合って失敗しているようだ。物事を覚えると言う事に関しても、野球の練習の仕方を見ても分かる通り、キューバ人は辛い練習を耐えて上手くなるのではなく、心から野球を楽しんでいるから上手くなる。日本人は黙々と練習を続け、血へどを吐いて上手くなる。このように考え方が全く違うので、苦労して良い事は全く無いと思っている人達と日本人が上手くいくわけがない。
  因みに人それぞれだとは思うけれども、見ている側もキューバ型の野球や南米型のサッカーを見ている方が楽しいのではないだろうか? 私の場合、日本では野球もサッカーも全く興味が無かったけれども、ラテンアメリカ型のスポーツを知ってから結構面白いと思うようになった。
  と言う事で、Carpe Diemと思っている人はキューバ人と結婚してしまえ! と無理やり持っていく。(自己責任で)


 

Paraíso de alemán

私の住んでいた小さな村に一人のアレマン(ドイツ人)が居た。この人は私達が結婚した時に丁度引越ししてきたから、国外退去させられるまで8年ぐらいキューバに住んでいた事になる。この人は離婚したドイツ人の奥さんとの間に何人かの子供がいて、キューバ人の奥さんとの間にも2人の子供がいる。ドイツに居る子供の養育費を払わないで訴えられていたらしいから、元々そんなにお金持ちの人ではなかったようだけれども、両親が死んで遺産が手に入り、キューバに遊びに来た所へヒネテラに引っかかり、そして結婚したという事らしい。2年ぐらいドイツに住んだ後キューバに引っ越したようで、奥さんはドイツ語が少し話せるようなったようだ。キューバに来る時にコンテナ二本持ち込んで、その中にトラクターなどのご禁制の品が沢山あったので、かなりの物(トラクターを含む)を没収されたらしいけれども、それでも発電機や大型木工機械など見逃してもらった物も多い。利用した会社はInterMarと言うハバナビエハに事務所がある会社で、この会社に行って話を聞いたところ、「このアレマンは厄介だった。」と言って、色々と税関の話もしてくれた。そしてやはり基本的にはキューバ人と結婚しているだけの普通の外国人はコンテナで色々な物を持ち込むのは違法だという事らしい。兎に角このアレマンの場合は後には引けないので、違法に車や家を買い自分のパラダイスをキューバの田舎町に造っていった。周りをフェンスで囲って外から見えないようにして、プールを作り、バーを作り、ラブホテル代わりに部屋を貸したり、家具を作って売ったりして楽しく生きていたようだ。これだけ違法な事をして何故8年も居られたのか? ビザは? この問題はイミグレーションと警察、地域の人達にお金を配る事で解決していたようで、例えば親戚の人達には家を含む色々な物を買ってあげたり、停電の時にはドイツから持ってきた発電機で周りに住んでいた人達や警察署に無料で電気をあげていた。ある人は「これはあのアレマンが買って俺にくれたんだ。いい奴だった。」とパンを配るのに使う箱を指差した。(キューバでは物をプレゼントする外国人は皆いい奴になる事が多い)
  それでは何故キューバに居られなくなったのか? 一番の原因は彼がMujeriegoだった事だ。キューバに来て暫くすると奥さんと離婚して(原因は知らない)他の女の人をとっかえひっかえ家に連れ込み、最後には15〜6才の女の子と結婚した。この時までに彼は殆どのお金を使い果たしてしまって、この女の子の両親に十分な物を買ってあげられなかったらしく、仲が悪くなり、終いには全てを告発されて逮捕されてしまった。村中に色々な噂話がながれて、本当かどうだか知らないけれども、部屋を貸した時にスケベビデオを撮っていたり、その女の子が14歳以下だったとか。それからある人が家具を作るために渡した木を他の客に使ってしまって、結局その人には何も作らずに脅して黙らせた、など話題は尽きない。

 最終的に彼は手錠をはめられて連行され、お金もなかったのでドイツ大使館からお金を借りて航空チケットを買い、全部没収された後に強制国外退去。没収されると分かった時に彼は持っていた物を売りさばき、売れ残った物は壊してしまった。しかしこの豪華な家を後から使おうと思っていた政府の人はもちろん怒って、さらに裁判沙汰になる。キューバでは自分のお金で買った物を壊す権利はない。車も警察に没収され、その没収した車を得意そうに警官が乗り回しているのが目撃されたが“いかにも”と言う感じだ。
  そしてさらに驚く事に、最初にアレマンが結婚していたキューバ人とイミグレーションで偶然会って話を聞くと、彼女は子供と一緒に再びドイツに行く手続きをしているようだ。子供を出しに使って何とかドイツに入国して、また新しい金蔓を探すつもりだ。そしてアレマンは懲りずに何とかキューバにもう一度来たいと言っているらしい。どっちもどっちだ。

 この事について私は別にアレマンが悪いとかキューバ人は酷いとか言うつもりはない。しかし学ばなければいけない事は沢山ある。まず第一にキューバ人を助けてはいけない。いくら結婚した相手の家族がロシア製の白黒テレビやオンボロ冷蔵庫を使っていてもショッピングに行って新しいものを買ってあげようなどとは思ってはいけない。気を利かせて色々な事をしてあげても、彼らは何も出来ないしする気もない。これは最初にこのアレマンが結婚したキューバ人がヒネテラだったからではなく、キューバ人一般に言える事だ。それにたとえ何かを買ってあげても、とんでもない使い方をして壊してしまったりするので、注意しなければならない。例えば包丁。キューバには切れる包丁があまり売っていないので、外国で買ってプレゼントしたところ、暫くしてマンゴでも食べようかと思ったら無い。ふと横を見るとその包丁でバイクのクラッチ板削っている妻の弟の姿が・・・。
  その次に違法な事をやっていればいつかはバレる。このアレマンの場合8年も無事に済んでいたけれども、取り締まる方も気まぐれだから何年経っても安心は出来ない。因みに私は日本大使館の人から、違法な事はやらないでくれと念を押された。でも何回も書いているように、キューバ人の殆どが違法な事をしている中で、しかもやらなければなかなか生きていくのは難しいという事があり、この辺が微妙な所だ。
 No vale la pena。キューバで何が出来るのか? 金と時間とエネルギーを使う価値は本当にあるのか? 私はキューバで色々な事を学んだけれども、費やした方が多いと思っている。恐らくキューバで価値があるのは音楽とか芸術、それからスポーツといった所で、それらに興味が無い人達は居てもしょうがないような気がする。Negocioでは失敗している人を何人か知っていて、話をするととんでもない国だという事が分かるし、私が一番キューバで作りたかった“家族”というものについても、日本よりは暇があり一緒に居られる時間が長いだけで、彼らの家族観については知れば知るほど失望していく。想像していた温かい家庭とは違う何かがある。共産主義的な冷たさ、極端な甘やかし、政府に対する不満、同情泣き、革命前の家庭環境の良し悪しから来る価値観の違い、そして夫婦のあり方、結婚、浮気、離婚、親戚付き合い、などなど問題だらけ。何処の家庭にも問題は沢山あるけれども、その節々に共産主義から来る歯車が噛み合っていない様な不自然さが見られる。実際アメリカ合衆国に行くためには病気の親や爺さん婆さん、恋人、家族など全てを切り捨ててキューバを出て行く人がいるわけで、思ったより家族の絆は深くない。


 あのアレマンは何をキューバに求めていたのか? キューバ人女性だけが目的だったのではなく、資本主義では達成できない何かを求めてわざわざキューバに来たのだろう。簡単に計算しても日本円にして1500万以上は使ったと思うけれども、これだけ痛い目に当っても何故キューバに再び来たいのか? 欠点だらけだけれども、何だかんだ言ってキューバやキューバ人にはそれほど魅力があるのだ。それともなければキューバにのめり込む外国人の頭が相当おかしいのかもしれない。