© 2001-2018, Kyu-hachi TABATA updated on  2009/08/09

Camera obscura

カメラ・オブスキュラ



Camera
                obscura
Camera
                obscura
カメラ・オブスキュラとは「暗い部屋」とい う 意味のラテン語。

節穴から漏れる光が作る像を楽しむための小屋だったり、描画用に使われた小箱のことだったりする、カメラの語源になった光学装置だ。針穴では なくてレン ズを入れることもあるようだが、基本的には、レンズもなければ印画紙・フィルムもない。原理は針穴カメラと同じだけれど、像を残さない点でさ らにシンプル だ。

構造は簡単。長方形の箱を用意して、一方に針穴、もう一方にトレーシングペーパーを貼ればよい(図A)。像はトレーシングペーパーに写るか ら、それを透 かして見る ことになる。かなり暗めの像になるので、トレーシングペーパーは箱の中間部に貼って箱を覗くようにする方が見やすい(図B)。レンズがないか ら焦点がな い。だか ら、針穴とペーパーの距離はまったくの自由で、どこでも結像している。そして、近いほど広角、離れるほど望遠になる。

じゃあ、いっそのこと、トレーシングペーパーの位置を簡単に変えられるようにしたらズームが出来て面白いはず。そんなことを考えて、箱を中箱 と外箱の組み 合わせにしてみた(図C)。缶ビールの入っていた箱があったので、これを再利用することにした。針穴は針穴カメラと比べるとやや大きめの穴で もよいよう だ。

数日かけて、少しずつ組み立てた。仕事が終わって帰宅して、寝る前のほんの数十分の楽しみだ。ビールのロゴもうまく配置できるように工夫した (写 真)。で きあがった日はうれしくて、部屋の電灯をこれで覗き、広角にしたり望遠にしたりして楽しんだ。気づいたら、いつもより夜更かしをしていた。

光は不思議だ。どんな物質でも光を反射している。その光はあらゆる方向に放射されており、それが針穴を通してトレーシングペーパーに像を結ぶ のだ。針穴か ら遠いか近いかで像を結ぶことのできる光の量が違ってくる。光はすごい。光は面白い。

「世界は光に満ち満ちている。」

翌朝、光のまぶしさをいつもより感じながら、ふと、そんな言葉を思い出していた。

材料

・段ボール紙: 缶ビールの詰め合わせ箱を再利用。箱は中箱へ、蓋は外箱に。
・針穴板: 0.3mm厚の真鍮板に 1.6-1.8mm の穴を開けた。作り方はこち ら
・トレーシングペーパー: B3サイズで1枚35円。
・木工ボンド: 速乾タイプを使用。

作り方

1.
中箱を作る。内側は黒い方がよい。寸法は 105mm x 105mm x 200mm になった。
2.
中箱の一方にトレーシングペーパーをつける。
3.
外箱を作る。中箱に巻き付けるようにしなが ら、紙を折って 作った。なるべくぴったりで、でも動かしやす い程度に 作るのが理想。実際の寸法は 108mm x 108mm x 270mm になった。
4.
外箱の一方に針穴プレートをつける。針穴径は 2-3mmぐ らい。
5.
中箱と外箱を組みあわせて完成。中箱をスライ ドさせると ズームのように画像が大きくなったり小さくなったりする。

ポイント

・継ぎ合わせ部分などで光が漏れている部分は内側からパーマセルテープ(遮光テープ)を貼った。
・あとで張り替えられるよう、トレーシングペーパーや針穴プレートはメンディングテープやパーマセルテープで貼った。
・寸法は全く自由だが、両目でのぞけること、材料の箱から作れる最大サイズにすること、見た目もよくすること、などを意識した。


とびらへ 総合ページへ