Blueの観望レポート 特別編

天体写真 著作権者 Naoyuki Kurita

テーマ  決戦の場はM27  Blue vs 178ED

詳しい理論は知りませんが、双眼は単眼の約1.4倍、よく見えるという話がありますBlueの口径は13cm、この1.4倍と言えば約18cmとなります対物レンズの面積は左右合わせて265平方cm、これも口径18cmの面積に近い数値です。

つまり、口径13cmの双眼望遠鏡と、口径18cmの単眼望遠鏡は、ほぼ同じ見え方をするのではないかと、しかも口径18cmの望遠鏡に双眼装置を使用すれば、覗いたイメージまで同様に見えるのではないかと想像した。

友人のミラクル勝原氏の主砲は17.8cmED(F9)という、ばかでかい望遠鏡でこれに、バーダープラネタリウム社製の新型双眼装置を装備した状態でBlueとサイドバイサイドで比較観望をおこなうことになった。

要するに Blueと 178ED双眼装置仕様どっちがよく見えるんだ! これが今回のテーマです。

これが、ミラクル勝原氏のミード178ED(F9)
ちなみに赤道儀はPENTAX−MS4型
とにかく大きい、こんなもの移動観測で使うな!と
言いたいくらいに大きいです
私のかつての愛機C11EXでは歯が立ちません
球状星団や惑星状星雲などは、大口径シュミカセ
よりも背景が暗く見えて、集光力だけでなく
コントラストの高さで見せる望遠鏡です


そして、178EDに装着される秘密兵器
バーダープラネタリウム社製 双眼装置(写真左)
ミラクル勝原氏が以前から使用していた双眼装置
(写真右)と比較したくて、昼間にアイピースを付け
ずに地上風景にかざしてみたが、
全然明るさが違う!








さあ、決戦の場はM27 亜鈴状星雲!


天体写真 著作権者 Naoyuki Kurita


2004年 8月 乗鞍高原 三本滝駐車場

乗鞍高原の三本滝駐車場は標高が1800mで南から西にかけて乗鞍岳が迫っているがさそり座も南中時には、さそりの尾まできれいに見渡すことができる。
トイレもあるので、なかなかの観測ポイント しかし、さすがに真夏でも夜は寒い!

M27を見るにあたり、BlueはアイピースにPENTAX-XL14mmを選んだ、倍率は61倍となる。かたや、178EDは合焦のために1.25倍のリレーレンズ使用のうえ、アイピースはPENTAX-XL28mmを使用、倍率は71倍と、ややBlueより高めとなった
ミラクル勝原氏は、テレビューのPL32mmも用意していたが、XL28mmのほうがコントラストが良好とのことだった。

まずは、BlueでのM27の見え方だが視野に飛び込んできたM27の第一印象は「明るいなあ〜」である、この大きさでこれだけ明るいのだから、見応えは十分で ちゃんと真ん中あたりでくびれて見えて食べ残した、りんごの芯のように見える

残念ながら色は見えないが、白っぽいというよりは真っ白というイメージである
背景も十分に暗く、亜鈴状星雲を浮かび上がらせて見えている
やっぱり凄いじゃないかBlue!

次に双眼装置を装着した178EDを覗いてた時に、正直 驚いた!

ほとんど、同じように見える! 違いを確かめるために何度もBlueと178EDとの間を
行き来するほど、見え方は非常に近いM27本体の明るさ、ガス雲のくびれ方など、違いを見出すには、どちらかを覗いた際に見え方のポイントを、頭の中で整理して他方を覗く必要があるほどだ。
使用しているアイピースが共に同じXLシリーズということもあってか、覗きやすさなども違いを感じることができない、少し倍率が違うはずなのだが(Blue 61倍  178EDは71倍)違いを感じるほどの差はないと思えた。
あえて言うなれば、Blueは正立、178EDは裏像くらいなものだろうか。


その場に居合わせた3人のコメントを要約すると以下の通りになる

蒼い星(つまり自分) 「ほぼ同じように見えるがコントラストはやや、Blueが良いか」

ミラクル勝原           「ほぼ同じに見える 178ED+バーダー双眼装置 大健闘」

サンダー大杉          「ほぼ同じだが、178EDのほうが少しシャープに見える」


           結論を出そう  判定のうえ 引き分けである


とても平和的な結論となったが、極めて興味深い比較観望会だった

EMS双眼と大口径望遠鏡+双眼装置の場合、それぞれに長所短所が垣間見られ
EMS双眼は、それだけで既に正立であり対空である、また2インチアイピースも使用も
ほとんど制限がない、しかし光軸などの調整が完全でなければ性能をだしきれない。
かたや、双眼装置には光軸に関する心配はなく、大口径を生かした高分解能も
理論上は期待できるが、現時点では178ED+双眼装置の例をみても
低倍率広視界は実現が困難である


いずれ月、惑星を対象とした高倍率バトルも行う日が訪れると思うが....







38cmドブソニアンとの比較観望

暴力的とも言える集光力で、見るものを圧倒する大口径ドブソニアン
このサンダー大杉氏の愛機であるOMEGA3850も凄い宇宙を見せてくれる。

集光力は実に2946馬力を発生し
パワー勝負ならBlueの345馬力ツインエンジンでも遠く及ばないほど、凄まじいものがある

口径38cm F値は5である
ジョンソニアン、レーザーファインダー
テルラドファインダー、スーパーナビゲーター装備だが
ベテランのサンダー大杉氏は星図で確認してほとんどの対象を簡単に導入してしまいます

自宅にトラス棒を忘れてこなければ恐るべき天体望遠鏡である

特に今回はBlueとOMEGA3850で比較観望を行うつもりではなかったので、同じ対象をいくつも導入して見比べた訳ではない、印象に残った対象をいくつかレポートします。






2004年 11月 兵庫県 砥峰高原


この日はとても晴れた夜で、ほぼ一晩中にわたり快晴の状態だった、しかし夜露がひどく、OMEGA3850の斜鏡やBlueのアイピースも夜露に濡れてしまった
サンダー大杉氏から12Vで使用できるドライヤーを借りたが、これは便利だった!
















M31 アンドロメダ星雲
何度見ても、Blueで見るアンドロメダ星雲は素晴らしい! M32とM110を同一視野に捉えてなんとも荘厳(そうごん)な眺め!ちなみに使用アイピースはナグラー22mmです。
本当にこれが200万光年彼方にあるのか?と思ってしまうほど臨場感にあふれている。一方、OMEGA3850で見るアンドロメダはBlueで見るそれとは、全く違う世界となる広角アイピースを使用してもM32、M110は当然ながら同一視野には収まらず、望遠鏡を動かし、視野を移動させながら全景を見ることになる、同じ対象でありながら見え方が全く異なる
Blueが荘厳な眺めと表現するなら、OMEGA3850で見るアンドロメダは正に「大迫力!」である。
更に驚いたのは、M110がBlueで見るM81くらいに明るく見えていたことだ。
個人的にはBlueに一票あげたいが、どちらの見え方が好みかは見る人次第だろう。


M33 さんかく座 大型渦状星雲
今夜もやはり、BlueではM33の回転する姿を捉えられない、アイピースを変えてみても、フィルターを駆使しても回転するイメージを捉えられない、なんとなく回転するようなイメージではあるのだが....。
Blueからナグラー22mmを外して、OMEGA3850に装着、M33を覗いていた....
集光力2946馬力炸裂!思わず「おお〜!!」声を上げてしまった
視野の中に紛れもなく、回転するM33の姿が!!特に視野内で上下に延びた星雲の腕は明瞭に見え
まさに宇宙を感じさせる姿である これにはアイピースの性能も大きく寄与したようだった、サンダー大杉氏は、XL28mmを使用していたようだが、ナグラー22mmの見え味に関心しきりだった。
う〜〜ん、Blue完敗!! でもアイピースは進呈しないよ。


土星
なんだかシーイングが良さそうだったので、もう帰ろうと思ったが土星が昇るを待つことにした
惑星用のアイピースは相変わらず、ナグラー4.8mm(180倍)なのだが、今回はやや無謀かも
しれないが、ビクセン製の2倍ショートバローレンズを組み合わせた、定価2800円の安価な
バローレンズである、このバローレンズは先端のレンズ部だけが取り外すことができて、そのまま
それをナグラー4.8mmに取り付けることができる(倍率不明、推定で約250倍程度)
なんと、これが良く見える!2800円バロー恐るべし!!

サンダー大杉氏が「エンケ、見えてるんじゃないか?」と言い出した 
確かに土星のリングの両端付近に、影のようなものが見えてる!!「二人で見て、二人とも見えてるから
間違いないよ!」とサンダー氏が言ったが、悲しいことに二人とも惑星観測に関してはシロートで断言が
できない、エンケミニマムだった可能性も高い(もう少し勉強します)
それにしても、なんと素晴らしい土星だろう!
翌日にサンダー大杉氏がメールで「私の観測歴でナマで見た中で最高」と表現した
ちなみにサンダー大杉氏は自宅ドームにタカハシFS128のオーナーさんでもある。

後でOMEGA3850でもアイピースをあれこれと変えながら、土星を見てみた
サンダー氏のOMEGA3850はドブソニアン用の追尾装置ジョンソニアンが装備されていて
高倍率でも追尾可能なのだが
今日のところはBlueの圧勝!といったところだった。


その他
球状星団のM15をOMEGA3850で覗かせてもらったが、すごい迫力!
球状星団の観望はまさにパワー勝負となる、もう大口径ドブソニアンの独壇場と言ってもよいか?

一方、二重星団などの散開星団は、背景の暗さ、視野の広さ、シャープでフラットな像などは
Blueなどの対空双眼望遠鏡に軍配ありだろう



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