宮内 Bs-60iC  傑作のベビーミヤウチ




口径
60mmのスモール宮内、多分モデル末期近くの値上げ前に買ったんだけど、約5万円の今思えば、バーゲンプライスだった。
あんまし期待してなかったのに、このBs-60iCが事の他よく見える、星を見てもちゃんと点像に見えて、プレアデスの異名の通り、この双眼鏡で見るスバルは本当に美しい。

アンドロメダ大星雲も手持ちの4cmクラスの双眼鏡とは明らかに異なる見え方で、空の条件がよければ「これでも十分だよな」と何度も思った。単眼の天体望遠鏡で30倍以下が適正倍率と思われる対象なら、Bs-60iCは大健闘してくれる、オリオンの大星雲も二重星団も8cmクラスの単眼アポとの比較なら、私ならこのBS-60iCを選ぶ、宇宙に投げ込まれたような双眼視ならではの臨場感をちゃんと体験させてくれる、小さいけど立派な対空双眼鏡なのだ。







昼間の風景でも順光であれば、色収差はさほど気にならず、鳥屋さん達にもお薦めしたかったのに、今となっては入手困難なのが残念に思える。

でもBs-60iCを素晴らしいと思うのは、光学性能が優れているからじゃない、何よりも小型軽量なところが素晴らしいんだ。全長は30cm程度、重量は僅か2kgだ。
指で引っ掛けて持ち上げられる程の軽さに伸縮式フード、正立ファインダー装備、多少の色収差なんて許してしまう。いや、全てを許してしまう、「すべてを許そうニコロビン・・」なんて、思ってしまう。

自分がこの双眼鏡に惚れ込んだのは、きっと鳥や地上の風景を見たからなんだろうな、星を見れば6cmという口径の非力さを思い知る場面もあったが、地上の風景や鳥たちを見る時には、その小型軽量さがもたらす機動力は沢山のドラマチックなシーンを見せてくれる事になった。






川面に飛び込むカワセミも、夕陽でピンクに染まる北アルプスも、ベランダからビールを飲みながらのお月様も、どんな時にでも対応してくれる機動力は大きな魅力だった。


三脚だって、特に立派なものは必要なく、小さく軽いもので全然OK!
スーパーサブじゃないよ、コイツとでなければ行けない場所があり、コイツとでなければ出会えないシーンがあった気がする。










実はこの
Bs-60iCは、一度大事故の見舞われている。軽いあまりに三脚に取り付けたまま運んでいたのだが、雲台と Bs-60iCとをつなぐクイックシューが甘くて、三脚から Bs-60iCがはずれてしまい、80cm位の高さからアスファルトの地面に転がり落ちてしまった。

泣きたい気持ちで Bs-60iCを覗いてみると、見事に左右の光軸がズレていた。
どうしたらいいの?どこか調整依頼を受けてくれるところあるの?

左右の見え方に違いは無く、よく見えるのだが、光軸のズレは致命的にさえ思えた。






ちょっと待てよ、 Bs-60iCの光軸調整くらい自分で出来るんじゃないか?
恐る恐るとプリズムハウスを開けて、奮闘すること約1時間、分かってしまえば簡単な事だ。

EMS-BINO
を普段から使っている事が幸いして遠景を見ながらの光軸調整はコツさえつかめば難しくなかった、念入りにそれこそ念入りに光軸調整を行い、落とす前より見えるんじゃないかなんて思える程に調整できた。








やがて私はCanon10×42LISを買った、その後にハイランダーも買った。
もしかしたら もうBs-60iCの出番はないのかもしれない、でも、この小さな対空双眼鏡でアンドロメダ大星雲を見たり、ヤマセミが飛んでくるのをじっと待ったり、そんな時がまたあればいいなと心底思っている。