《中華人民共和国婚姻法》に適用する若干問題の解釈(二)

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最高人民法院の《中華人民共和国婚姻法》に適用する若干問題の解釈(二)

(2003年12月4日最高人民法院審判委員会第1299回会議通過)

《最高人民法院が<中華人民共和国婚姻法>に適用する若干問題に関する解釈(二)》は2003年12月4日に最高人民法院審判委員会第1299回会議より通過した。本日公布する。2004年4月1日から施行する。

最高人民法院

2003年12月25日

 婚姻家庭トラブル訴訟事案を正しく審理するために、《中華人民共和国婚姻法》(以下婚姻法)、《中華人民共和国民事訴訟法》等関連法律規定に基づいて、人民法院の婚姻法に適用する関係問題に対し以下のような解釈をする。

第一条 当事者が同居関係の解消を求める起訴について、人民法院が受理を拒否する。ただし、当事者が解消を求める同居関係は婚姻法第三条、第三十二条、第四十六条に規定されている"配偶者を有する者が他人と同居"であれば、人民法院が受理し且つ法に基づき解消を決める。

当事者が同居期間の財産分与或は子女の養育トラブルを理由に訴訟を起こす場合、人民法院が受理すべきである。

第二条 人民法院が婚姻無効宣告の訴訟事案を受理した後、審査して無効婚姻は確実である場合、婚姻無効の宣告を下すべきである。原告が上訴を申請しても、許可をしない。

第三条 人民法院が離婚訴訟事案を受理した後、審査して無効婚姻は確実である場合、婚姻無効の情況を当事者に告知すべき、且つ法に基づいて婚姻無効の宣告を下す。

第四条 人民法院が無効婚姻の訴訟事案を審理する場合、財産分与又は子女養育に及んだとき、婚姻効力の認定と他のトラブルの処理はそれぞれ裁判書類を製作しなければならない。

第五条 夫婦一方又は双方死亡後一年以内、生存一方又は利害関係人が婚姻法第十条規定に基づいて婚姻無効の宣告を申請する場合、人民法院が受理すべきである。

第六条 利害関係人が婚姻法第十条の規定に基づき、人民法院に婚姻無効の宣告を申請する場合、利害関係人が申請人として、婚姻関係の当事者が相手とする。

夫婦一方死亡の場合、生存一方が相手とする。

夫婦双方とも既に死亡の場合、相手としない。

第七条 人民法院が同一婚姻関係で離婚と婚姻無効宣告の申請訴訟事案をそれぞれ受理した場合、離婚訴訟事案に対する審理は、婚姻無効宣告の判決が出た後に行なうことにする。

前の婚姻関係が無効と宣告された後、財産分与と子女扶養に及んだ場合、審理を継続すべきである。

第八条 離婚協議中で財産分与の条項又は当事者が離婚による財産分与に関する協議が整われた場合、男女双方に法律の拘束力を持つ。

当事者が上記の財産分与協議によるトラブルで訴訟が提起される場合、人民法院が受理すべきである。

第九条 男女双方が協議離婚後一年以内に財産分与の問題で変更又は財産分与協議の取り消しを求める場合、人民法院が受理すべきである。

人民法院が受理した後、財産分与を協議した際に詐欺、脅迫等情況が認められない場合、法に基づいて当事者の訴訟を却下する。

第十条 当事者が習俗による贈答品の返却を求める場合、以下のような事実であれば、人民法院は支持しなければならない。

(一) 双方は婚姻届出をしていなかった。

(二) 双方が婚姻届出をしたものの、共同生活していなかった。

(三) 結婚前に贈られ、贈り主に生活困難をもたらした。

(四) 前款第(二)、(三)項の規定に適用する場合、双方離婚を条件としなければならない。

第十一条婚姻関係継続期間に、以下の財産は婚姻法第十七条規定による"その他共同所有の財産"に属する。

(一) 一方が個人財産投資によって取得した収益。

(二) 男女双方が実際又は得るべく住居補助金、住居積立金。

(三) 男女双方が実際又は得るべく養老保険金、破産による補償金。

第十二条婚姻法第十七条第三項の規定による"知的所有権の収益"とは、婚姻関係継続期間中、実際又は明確に取得できる財産性収益である。

第十三条軍人の死傷保険金、障害補助金、医療生活補助金は個人財産に属する。

第十四条人民法院は離婚訴訟事案を審理する場合、軍人の退役費、自主職探し補助費等一時金の分与に及ぶ場合、夫婦婚姻関係継続年数×年平均値によって得た額を夫婦共同財産とする。

    前項の年平均値とは、軍人に配給された上記費用の総額を具体年限で均等に分けた額のことである。具体年限とは平均寿命の七十歳と入隊時の実際年齢の差である。

第十五条夫婦双方は共有財産の株券、債券、投資基金等有価証券並びに上場株式会社の株券を分与するとき、協議が整わない、且つ市価による分配が困難な場合、人民法院は数量によって割合分配を行なうことができる。

第十六条人民法院が離婚訴訟事案を審理する場合、一方の名義で有限責任会社に出資した金額で、他の一方が当該会社の株主でない夫婦共同財産の分与に及んだとき、以下の情況に基づきそれぞれ処理する。

(一) 夫婦双方が協議で出資額の一部又は全部を当該株主の配偶者に譲り、過半数の株主が同意し、その他の株主が優先購入権の放棄を明確に表明する場合、当該株主の配偶者が当該会社の株主になれる。

(二) 夫婦双方が出資額の譲渡額又は譲渡価格等事項について協議且つ一致した後、過半数の株主が反対するが、同じ価格で当該出資額を購入する意思がある場合、人民法院が出資の譲渡で得た財産を分割する。過半数の株主が同意せず、且つ同じ価格で当該出資額を購入する意思がないとき、譲渡を承諾するとみなす。当該株主の配偶者が当該会社の株主になれる。

 前款規定する過半数株主の同意の証拠として、株主会議の議決又は当事者がその他の合法な手段で取得した株主の書面声明材料である。

第十七条人民法院が離婚事案を審理し、夫婦分与の共有財産の中に一方名義で共同企業への出資に関わる場合、他方が当該企業の共同経営者でないとき、当夫婦双方が共同企業の財産分け前の全部又は一部を相手方に譲渡することを協議且つ一致すれば、以下の情況によってそれぞれ処理する。

(一) その他の共同経営者の全員が賛成するとき、当該配偶者が法に基づいて共同経営者の地位を獲得した場合。

(二) 他の共同経営者が譲渡を賛成せず、同じ条件で優先に譲受権を行使するとき、譲渡所得の財産が分割できる。

(三) 他の共同経営者が譲渡を賛成せず、同じ条件で優先に譲受権も行使しないが、当該共同経営者の離脱又は一部財産の分け前の返還を賛成するとき、返還された財産を分割することができる。 

(四) 他の共同経営者が譲渡を賛成せず、同じ条件で優先に譲受権も行使せず、また当該共同経営者の離脱又は一部財産の分け前の返還を賛成しないとき、共同経営者全員が譲渡を賛成したとみなし、当該配偶者が法に基づいて共同経営者の地位を獲得する。

第十八条夫婦一方の名義の投資で単独投資企業を設立した場合、人民法院が夫婦の該独立投資企業の共同財産を分与するとき、以下の情況によりそれぞれ処理すべきである。

(一) 一方が企業の経営を主張する場合、企業資産を評価してから、企業を取得した一方から他の一方に相当額の補償をする。

(二) 双方が企業の経営を主張する場合、双方が価格競争を経て、企業を取得した一方から他の一方に相当額の補償をする。

(三) 双方とも企業の経営を放棄する場合、《中華人民共和国個人独立投資企業法》の規定に基づいて処理する。

第十九条一方が結婚前に借りた家屋は結婚後共同財産で購入した場合、一方の名義で権利書に登記したとき、夫婦共同財産とみなす。

第二十条双方が夫婦共有財産中の家屋価値及びいずれに属するか合意できない場合、人民法院が以下の情況によってそれぞれ処理する。

(一) 双方がともに家屋の所有権を主張し、且つ価格競争で取得することを同意するとき、許可する。

(二) 一方が家屋の所有権を主張する場合、評価機構によって市場価格で家屋に対する評価をし、家屋所有権を取得した一方が他の一方に相当額の補償をする。

(三) 双方が家屋の所有権を主張しない場合、当事者の申請に基づき競売にかけ、得た金額を分与する。

第二十一条離婚の時に双方が所有権の取得していない或は完全な所有権を取得していない家屋について協議し合意できない場合、人民法院が家屋の所有権の帰属を判決すべきでない。実情に基づく判決をし、当事者により使用する。

当事者が前款規定の家屋の所有権を取得した後に、不服のとき、人民法院に提訴できる。

第二十二条当事者婚姻の前に、親が双方の購入した家屋に出資した場合、親が明確に双方に贈与を表明する場合を除いて、その出資は自分の子に対する個人贈与を認定すべきである。

第二十三条債権者が一方婚姻前の債務を債務者の配偶者に請求する場合、人民法院が支持しない。ただ、債権者は債務が婚姻後の共同生活に使用されたことが証明できる場合を除く。

第二十四条債権者が婚姻関係継続中の夫婦一方の個人名義での債務を権利主張する場合、夫婦共有債務として処理すべきである。ただ、夫婦一方が債権者と債務者との間に個人債務として明確に約束している場合、又は婚姻法第十九条第三款に規定されている情況の場合を除く。

第二十五条当事者の離婚協議並びに人民法院の判決書、裁定書及び調停書が既に夫婦財産分与問題について処理を済んだ場合も、債権者が夫婦共有債務に関しては男女双方に権利を主張することができる。

第二十六条夫又は妻の一方が死亡した場合、生存の一方は婚姻関係継続期間中の共有債務の返済に対し、連帯責任を負う。

第二十七条当事者が婚姻登記機関で離婚手続きをした後、婚姻法第四十六条の規定を理由にして、人民法院に損害賠償の請求を提出した場合、人民法院が受理すべきである。ただ、当事者が協議離婚の時に当の請求を明確に放棄すると表明した場合、又は離婚手続きをしてから一年後に提出した場合は、支持しないとする。

第二十八条夫婦一方が配偶者の個人財産又は夫婦共有財産について保全措置を申請する場合、人民法院は保全措置による損害の範囲内に実情に基づき、合理な財産担保の額を決めることができる。

第二十九条本解釈は2004年4月1日から施行する。

本解釈施行後、人民法院が新たに受理する一審婚姻家庭トラブル事案は本解釈に適用する。

本解釈施行後、この前の最高人民法院の司法解釈が本解釈との間に違いが生じた場合、本解釈を基準とする。


翻訳者:ps_dictionaryjp@yahoo.co.jp
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