セッティングの基礎

セッティングの基礎を知らないWebMasterが勉強しつつまとめていくコーナー。私自身は、音楽的な理由から(音楽に関係ない『演奏雑音』を録音しないため、というだけの意味ではないので念のため)ボケ承知でオフ録音をすることが多いですが、一応基礎的なことを知っておいても損はないかなと思います。

なお、英語ですが、簡略な図説がショップスのHPのここにあります。併せてご覧ください。




2つの基本的な分類と、折衷案

XY方式

近接させた指向性マイクを相対指向角をつけてセッティングする方法。ワンポイントマイクでは、AT822や、Rode NT-4等がある。金田式DCマイクもこの方式になる。
単一指向性マイクを使った場合の相対指向角は、90〜130°ぐらいまでが原則。


AB方式(spaced-pairs)

マイク間隔を広くとる方法。単一指向性マイク、無指向性マイクのいずれも使われるが、特に無指向性マイクを使った場合をspaced-omni(spaced : 間隔をあけた)と呼ぶ。マイク間隔は、40cm〜5m以上と幅がある。

2本のマイクの間隔は、基本的には、広げれば広げるほど奥行き感が増大する。150Hz以下の音の方向性に対して人の耳の感度が劣化することから、40〜60cmの間隔が適当とされている。が、音像がボケないように、20cmぐらいの間隔でも使われるようである。なお、相対指向角は、平行(0°)が一応基本で、90°ぐらいまでの範囲で使われるようである。

spaced-omni
DPA社のHPには、spaced-omniは、近接効果(proximity effect : 音源に近づくにつれて、低域が持ち上がる現象)の影響を受けないために、マイクと音源との距離が大きいときに好まれる、と書かれている。
また、Earthworks社は、QTC1を使用したspaced-omniの例として、クラシックのソロ楽器、あるいは、小編成のアンサンブルの録音で、1.8〜3.6m(以上)の距離を離すセッティングを挙げている。小編成の弦楽アンサンブルでは、左右のマイクの間隔は20cm、音源との距離は1mぐらいから試してみれば? というようなアドバイスもあった。


折衷方式

相対指向角をつけつつ、マイク間隔も適度に離す、という方法。いくつかのバリエーションがある。以下は全て単一指向性マイクを使用する。

方式名マイク間隔相対指向角
ORTF17cm110°
NOS30cm90°
牧田18cm90°
RAI21cm100°
DIN20cm90°
Olson20cm135°

以上で代表的なものはORTF方式。ORTFについての見解をまとめると、
(1)音源から距離を離した場合、近接効果で低域が失われること
(2)軸外特性に優れた小口径(単一指向性)がベスト
などである。
NOS方式, DIN方式については、 音源に近づけたほうが好結果が得られることが多いと言われている。




スピーカーによる再生との関係

反射

スピーカー再生の大きな問題は、部屋の反射の影響である。特に通常の部屋による通常のセッティングでは、床による反射が避けがたい。また、マイク設置においても、無指向性の場合、低い設置では床からの時間差の少ない反射をかなり受けることになる。オフセッティングでは、直接音と反射波との距離差が相対的に縮まり、ボケが酷くなることが考えられる。